みかん色の風   作:OCEAN☆S

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だいぶ間が空いてしまいました…。

お久しぶりです!最近進路やらテストやらで全く時間が取れなくてかなり遅れてしまいました…。←(言い訳)


第40話「似合う似合わないは人それぞれ」

「おかえり悠之くん~今日もバイトだったの?」

 

「あぁ、少し人手が足りなくなっちゃっててな。手伝いに行ってたんだ。」

 

 

ゆっくりとソファに腰をかける…

 

 

 

「ねぇ悠之くん、私もバイトしてみたいなーって。」

 

「え?」

 

「一応お母さんからは生活費とお小遣いは毎月送られてくるからあまり気にしなくていいかもしれないけど…私もバイトをすれば、少し生活が変わるのかな~って。」

 

「なるほどね…じゃあ俺のところの喫茶店に来る?今人が足りてないんだって。」

 

「へぇ~じゃあ応募してみようかな?」

 

 

 

~翌日~

 

「いらっしゃいませ~…なんだ悠之くんか。」

 

「なんだは酷くないですか?店長。」

 

「あはは、すまんな。それより今日はシフトじゃないよね?何か用かい?」

 

「あぁ、店長人手が足りないって言ってたろ?だからここで働きたいって子を連れてきたんだ。」

 

「え、えっと!高海千歌です!今日は…」

 

「へ~じゃあ採用。」

 

「「え?」」

 

「採用ね。今から制服を持ってきてあげるからちょっとまってて。」

 

「「えぇー!?」」

 

 

どんだけ適当なんだよ…てか、そんなに人が足りてないのか…?

 

 

 

 

~☆☆☆☆~

 

 

 

「あ、あの…ほんとにこれがここのお店の制服なんですか…?」

 

「お、着替え終わったみたいだね。」

 

「千歌?なんでそんな隅っこに隠れているんだ?」

 

「だ…だって…///」

 

 

 

フワッ…

 

 

 

「え…?」

 

「おぉ、やっぱりよく似合うと思っていたよ。」

 

 

 

ここは…ただの喫茶店のはずだ…なのに今俺の目の前にいるのは…フリルが付いたエプロン風の制服を着た千歌…。

 

普段から少しフワッとした雰囲気がある千歌だからなのか、とてもよく似合っている…しかし…。

 

 

 

「店長…ここは秋葉原じゃないんですよ?」

 

「いやぁ…この際お店の雰囲気も思い切って変えちゃおうかなって…ほら、美少女カフェ!みたいな?」

 

「俺、ここのバイトやめていいすか?」

 

「あ~うそうそ、お店の雰囲気を変えるつもりはないよ。ただ、こういう店員が1人でもいてくれれば、少しお店にお客が集まるかな~って。」

 

 

 

まぁ…確かに、こんな店員がいたらたくさんの人から注目されるだろうな…特に、男性からは確実だ。

 

それに、千歌の雰囲気だったらそこまで違和感はない…セミロングの髪が制服にとても似合っているしな。

 

 

 

「開店前だし、ちょっと小野くんを使って練習してみようか。」

 

「は、はい!」

 

 

使ってって…俺は小道具かなにかで?

 

 

接客の練習をして、20分程…旅館の娘なだけあって、接客はやはり上手だ…飲み込むのが早い。

 

 

 

「よし、じゃあこれからお店開けるから、さっき教えたことを忘れないようにね。」

 

「はい!」

 

「頑張れ~千歌~」

 

「何言ってるの小野くん君も今日はシフトに入ってもらうよ。高海さんのバックアップとしてね。」

 

 

うん…まあなんとなくは予想がついてたかな

 

 

 

♢

 

 

 

カランカラン~♪

 

「いらっしゃいませ~おひとりさまですか?こちらのお席へどうぞ♪」

 

 

主に、お客さんの誘導、接客は千歌にやらせ、俺はキッチン担当をやっているが…。

 

 

「ありがとうございました♪」ニコッ

 

 

千歌の笑顔が眩しすぎる…俺も、もう一度お客さん役をやりたくなるくらいだ…。

 

 

「お待たせしました~こちらソイラテになります♪」

 

 

はぁ…今はお客さん側の人達がとても羨ましい…。

 

 

 

「ありがとうね~あれ?君、新人?」

 

「あ、はいそうです。」

 

「へぇ~見かけない人がいるなーって思ったよ。頑張ってね~。」

 

「はい!ありがとうございます♪」

 

 

 

すごいな…1日でこんなに話せるようになるなんて…やっぱり旅館のお手伝いが接客に繋がってるんだなぁ。

 

 

「彼女、いい調子だね。」

 

「えぇ、すぐに慣れてくれてよかったです。」

 

「この調子なら売上も少しはマシになるかもしれないね。」

 

 

カランカラン~♪

 

 

「いらっしゃいませ~♪あ、ダイヤさん!」

 

「千歌さんどうしたのですか?そのお人形さんのような格好は?」

 

「えへへ…なんか着せられちゃったの♡」

 

「よくお似合いですわよ、抹茶ラテをお一つくださいな。」

 

「かしこまりました♪」

 

 

ダイヤがカウンター席に座る…。

 

 

「最近よく来るね、ダイヤ。」

 

「えぇ、落ち着いたこの雰囲気がとても気に入りましたの。」

 

「なるほどね…はい、抹茶ラテ。」

 

 

ダイヤに抹茶ラテを差し出す。

 

 

「千歌さんもここでバイトを始めたのですか?」

 

「あぁ、生活を少し変えてみたいんだってさ。遊ぶお金も増やしたいって言ってたしな。」

 

「なるほど…それにしても、男性のお客さんが増えているのはやはり千歌さんの影響かしら?」

 

「きっとそうだろうな、あんな格好で笑顔を見せられたら男だったら一発KOだ。」

 

「ふふっ相変わらず千歌さんのことが大好きなのですね。」

 

 

 

 

ダイヤと話していると、千歌がこっちに向かってくる…。

 

 

 

「悠之くん悠之くん、ショートケーキとコーヒーのセットをお願いします♪」ニコッ

 

…やっぱり働いている側でも全然嬉しい。

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「いやぁ~高海さんのおかげで助かっちゃったよ。ありがとうね。」

 

「いえいえーまた次もお願いします♡」

 

「よし、じゃあ帰ろっか千歌。」

 

「うん♪」

 

2人でお店を後にする…外はまだ少し明るい…。

 

「最近日が落ちるのが遅くなってきたね。」

 

「そうだね~ちっちゃい頃だったらこの時間まで2人で遊んでたね~。」

 

「それで、2人ともまとめて怒られてたこともあったね。」

 

「あははっ懐かしいね~」

 

 

バイト先から家まで歩いて数分の距離なので移動もかなり楽だ。

 

「千歌、ツイッターに今日の事をたくさん書かれてあるぞ。」

 

「え!?どれどれ~♪」

 

 

 

『新人の女の子が可愛いすぎる。』

 

『毎日通いたくなった。』

 

『制服似合いすぎだろ。天使かよ。』

 

『彼氏とかいんのかな。』

 

 

 

「…なんか、男性の意見がすごく多いね。」

 

「ま、まぁ…それだけ見ていてくれた人がいたって事だろ?初日なのにすげえよ。」

 

「そ、そうかな?えへへ…」

 

 

 

☆☆☆☆☆☆

 

 

~自宅~

 

「千歌、その制服持って帰ってきたのか?」

 

「うん!最初は少し抵抗あったんだけど、着てみたらちょっといいなって思っちゃって♪」

 

「へぇ…でも、バイト先のロッカーにしまっておけば良かったんじゃ…」

 

「んーん、やっぱり悠之くんに一番近くで見てもらいたくて、持って帰ってきたの♡」

 

フワッと制服をなびかせる…。

 

「えへへ♡どーお?」

 

最初はあんなに恥ずかしがってたのに…既にもうノリノリだな。

 

「……」ナデナデ

 

 

無意識に千歌の頭を撫でる…。

 

 

「え!?な、なに悠之くん?」

 

「ほんとにお人形さんみたいで可愛いな。」

 

「こ、答えになってな……ひゃんっ!」

 

 

耳たぶにそっと触れ…。

 

そのまま、千歌にそっと口付けをする…。

 

 

 

「んっ…だ、だめ!今から夕食を作るんでしょ!」

 

「ご、ごめんなさい…。」

 

「もぅ…///」

 

 

 

千歌がぷいっと目をそらしてしまった…

 

 

 

「ごめんごめん、あまりにも可愛いかったからつい…。」

 

「ふ~ん」プイッ

 

「夕食の時あーんしてあげるから。」

 

「別にいらないもーん」ツン

 

 

あーあ…ちょっといじりすぎちゃったかな…。

 

 

「もぉ…なにシュンとしちゃてるの?」

 

千歌が俺にサラダ用のトマトを食べさせる…。

 

「今夜は私からあーん♡させてね。」

 

「さ、さっきまでのは…?」

 

「んー?ぜーんぶ演技だよ♪」

 

「ち、千歌…」

 

「別にいいじゃーん普段から悠之くん、よく私のことをからかうんだもん。」

 

 

あ、あれ?さっきまでエプロンの天使に見えたのに、今はなんかちょっといじわるな小悪魔のように見えてきた…。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「悠之くん、どこ行くの?」

 

「あぁ、ちょっとトイレに。」

 

 

…バタン。

 

 

悠之くん居ない今、彼の飲んでいるグラスが気になる…。

 

(これって…お酒だよね。)

 

香りを少し嗅いでみる…なんだか不思議な香りがする…。

 

(ちょっと味見を……)

 

 

 

♢

 

 

 

 

「千歌、明日の予定なんだけど……」

 

「悠之…くん…。」

 

「千歌?」

 

 

ドンッ!

 

ソファに無理やり押し倒される…なんだか千歌の様子がおかしい…。

 

 

「ど、どうした?」

 

「体が…熱い…」

 

くちゅ…っ

 

「んっ!?」

 

 

千歌に無理やりキスをされる…

 

(し、舌が入って…。)

 

 

「ぷはっ…言ったよね?今日は私からあーんしてあげるって…。」

 

「千歌…それはなんか違う気が…ってか、酒の匂いがするぞ!?いつの間に…。」

 

 

すると、千歌が俺の体をぎゅっと抱きしめる…。

 

 

「なんだか…悠之くんがそばに居てくれると胸がドキドキして…体がゾクゾクするの…」

 

「は、はぁ…?」

 

 

絶対これ、酒に酔ってるよな…ちょっと飲んだだけでここまで人を変えるなんて…酒の力は恐ろしいな。

 

そのまま千歌は俺の体の上にまたがる…。

 

いつもと違った角度で彼女の表情が見えて、なんだかドキドキする…。

 

 

「悠之くん…ドキドキしてる…?」

 

千歌が俺の胸に手を添える…

 

柔らかい手のひらが触れて余計に心臓の鼓動が早くなっていく…。

 

「くすっ…分かるよ悠之くん…私の事を見てドキドキしてるんだね…♡」

 

 

やばい…さっきからペースを持っていかれてばかりだ…。

 

何よりも、酒で少し顔が火照っていて色っぽい表情になっているのを見ていると余計に興奮してくる…。

 

 

「ふふっ…今日はもう寝かさないもんね♪」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

「─歌。」

 

「─千歌!」

 

「ふわぁ…あれ?悠之くん…?」

 

 

あれから2時間…ようやく千歌が目を覚ました。

 

 

「あれっ!?なんで私裸になって…///」

 

 

千歌がはだけた毛布を体に巻き直す…。

 

 

「いやぁ…まさか千歌があんなに激しい行為をするなんて思ってもいなかったよ……やっぱり酒の力ってすごいな。」

 

「は、激しい行為…?」

 

 

 

少し沈黙するが、すぐに顔を真っ赤に染めて顔を毛布で隠し始めた。

 

 

「~っ///」

 

「もしかして、記憶は残るタイプ?」

 

「私…もしかしてとんでもないことをしてたんじゃ…///」

 

「あぁ、俺の上に乗って吐息を零しながら……」

 

「ばかあああ!!!言わないでえええ!!!」

 

 

あぁ…まただ…私はいっつも悠之くんにからかわれてばっかりなんです。

 




もうすぐ3rdライブ…楽しみですね。

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