学校のテストやら課題やらでかなり遅くなってしたいましたが、続きをどうぞ!
午後4時…今日も長い授業も終わった…明日から春休みに入るし、ゆっくりと体を休めておきたいところだ…。
あーでも、明日は午前中だけバイトがあるんだった…だるいな~。
「あ!悠之君~!!」
「おー、千歌も今帰りか。」
「うん!早く一緒に帰ろ?」
俺と千歌の二人で握った手は何だかとても暖かった…それだけじゃない、この外の気温の温かさ…そして…。
「へっくしっ!」
「うわっ、大丈夫?悠之君?」
このくしゃみ…そう…今年の春の再来だ。
もうだいぶ暖かくなってきた…今来ている服も少し暑く感じるくらいだからな…そろそろ衣替えの時期か。
「そっか~もう春になるんだね~って、悠之君すごく辛そうだけど大丈夫?」
「あぁ…今日は特に飛んでるっぽいな…どーにかならないかな~」
「あ、確かこの前テレビで言ってたよ!寝る前とかにホットタオルを顔に乗せると目のリラックスになるんだって~!」
「あー…そういや昔誰かに言われたことがあったな~」
「誰かって誰?」
高校1年の時…だったかな…?
確か…クラスメイトのヤツらと喧嘩して…その後に看病してくれた人がいたはず…たしか、大人びた顔をしていて、髪が長くて…ちょっと赤みがかった色だったかな…?
あれ?なんか…なんかちょっとだけ当てはまる人がいるような…?
まさかな…梨子と俺は同い年だし…人違いって可能性も。
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「何だか…貴方と喋るのが初めてじゃないみたい。」
「俺も、君とどこかで会ったような気がするよ。」
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あれこれ考えてると、初めて梨子と会話した時のことを思い出す…何度も考えてみたが…やっぱり気になってしまう。
「おーい?ゆーじくーん?」
「あ、ごめん…どうした?」
「信号…もう赤に変わっちゃったよ?」
「あ……」
♢
バイトの最中なのにやっぱり、昨日考えていたことが気になってしまって中々集中出来ない…。
やっぱりあの時看病してくれたのは梨子だったのか?確かに俺と同じように東京育ちだったから、可能性はゼロではないが…。
あの時確か、タオルを乗せられて…その後恥ずかしくなっちゃって、全く顔も見ないで帰っちゃったんだよな…。
カランカラン~
そんなことを考えてると、お客さんがいつの間にか入ってきていた…それと同時に外から強烈な花粉が入ってきた…。
「いらっしゃいませ~お好きな席へどうぞ~。」
今すぐにでもくしゃみが出そうだったが…お客さんの目の前では流石にマズイからな…。
「こんにちは~♪」
「いらっしゃ…おー、梨子か。」
「くすっ悠之君…変な顔~。」
「くしゃみが出そうなんだよ…今年もいっぱい飛んでるみたいだからな…。」
「大変ね…花粉症は。」
梨子が席についたのと同時にオーダーをする…。
「悠之君、カフェラテ貰えるかしら?」
「はいよ~…なあ、梨子?」
「?」
「梨子って…静岡に引っ越す前にどこかであった…?」
バイト中にも関わらず俺は梨子に直接聞き出す…幸いお客さんも少ないし、これはチャンスだ…早めに聞いておけばこのモヤモヤもすぐどこかへ消えていくだろう…。
「悠之君。」
「うん?」
「今日のバイトが終わったら、私の家に来てくれる?」
「え…まあ、今日は昼には終わっちゃうから別に大丈夫だけど…。」
「じゃあ、バイトが終わったら来てね。」
~♪♪♪♪♪♪♪♪♪~
バイトが終わり、さっそく梨子の家に向かう…。
えっと…確か、507号室だったよな…?
確か、冬に善子ちゃんと泊まりに行った以来だ…しかし、何故わざわざ家に呼ばれるのだろう?普通にLINEとかで伝えれば良いのでは…?
ピンポーン!
「わざわざ呼んじゃってごめんね?」
「いやいや、こっちも急に変なことを聞いちゃってごめんな?」
部屋も綺麗に整頓してあって、落ち着きのあるいい部屋だ…。
「で…わざわざ家に呼んで話すってことはやっぱり何かあるのか?」
「…。」
「梨子…?」
「こんな日…だったよね。花粉が強くて、桜の花びらが散って、そして悠之君がまだ…荒々しくて子供っぽかった時…。」
俺の予想通りだ…やっぱりあの時俺のことを優しく看病してくれた人は梨子だったんだ…。
「でも…なんでわざわざ家に呼んで話したんだ?電話とかLINEでもよかったんじゃ…。」
俺がそう言うと、梨子の瞳から涙が流れていた…。
「梨子…どうして泣いて…?」
「だって…学校でずっと近くにいてくれてたのに…気づいてくれなくて…私ってそんなに魅力ないのかなって…」ポロポロ
「いや…でも、そんなに泣かなくても…。」
「だって…久しぶりに再会できて…名前とかも聞こうと思っていたのに…悠之君はずっと千歌ちゃんに夢中だったから…。」
「それは……」
泣いている梨子の姿を見るとなんだか胸が痛くなる…。
「最初私は、悠之君を死んじゃった方の悠之君の代わりなると思って仲良くしようと思ってた…だけど…。」
こんなに感情を爆発させている梨子を見るのは初めてだ…。
「私は…悠之君のことが大好きなの。
友達としてじゃなくて、本当の恋愛対象として…ダイビングに行ったあの時…東京から来ていた友達にからかわれてた時に助けてくれた…あの時から私は…ずっと…ずっと…」
梨子が俺の体に抱きつき始める…。
「…ありがとう。」
そっと梨子の頭に手を添える…。
「悠之…君…///」
「確かに、今の俺…いや、あの時から俺は千歌のことが大好きだ。だから、梨子の気持ちには応えることができない…。」
「そう…だよね。」
「でも、そう思ってくれてる人がいるだけでとても嬉しいよ。それと、あの時…恥ずかしくてうまくお礼が言えなかったけれど…ありがとな?」
「私からも…ありがとう悠之君…♡」
梨子が涙を拭いてようやく笑顔になってくれた…
「リリー!遊びに来たわよっ!!」ガチャ
「梨子ちゃん~この前のクッキーのお礼…に…?」
「千歌ちゃん!?善子ちゃん!?」
千歌と善子がじとーっとした目で俺達を見つめてくる…これはもう終わったな…GAME OVER だな。
「悠之君…?これはちゃんと説明してくれるんだよね?」
「リリー?貴方…一体何をしているの?」
よせ…そんな怖い顔して俺達を見つめないでくれ…。
「まって!悠之君は悪くないの!!私が勝手に……」
「善子ちゃん。」
「YES…」
ドンッ!
善子が梨子を壁に追い詰めて手を顎にそっと添える…。
「リリーは…こういうことをされるのが大好きなのよね?
しかも、イケイケな女の子とか男の子とかに……ね?」
「はうっ…ち、違う…の…」
「そんなこと言っちゃって…顔…凄くだらしなくなっちゃってるわよ?」
「~っ♡」
やっべ…これはちょっと逃げた方がいい…かな?
「悠之…君?」
「千歌、これは誤解だ!」
「うん♡それは分かってるよ?悠之君はまだ何もしていないし…」
「じゃあ…どうして…?」
「だって…目の前で二人きりでいたら……」
『嫉妬しちゃうもん…』プクッ
顔を赤くして、頬をプクッと膨らませる……
「ごめん…次からは気をつけるよ…。」
「うん…じゃあさ…。」
ドサッ…
千歌に無理矢理押し倒される…抵抗しようとしても、千歌が力強く手首を抑えているので中々身動きが取れない…。
「千歌…ここは他の人の家……」
「いいよ…だって2人とも全然見てないもん…。」
「そ、そういう問題じゃなく……」
くちゅっと…音を立てて千歌に無理矢理キスをされる…何だか新鮮な感覚で、何だか悪くない感覚だ…。
千歌の舌が俺の口の中に入っていくのがすぐに分かった…。
「悠之さん…千歌…凄い。」
「あら?よっちゃん嫉妬?」
「ち、違うもん!その体制でよくそんなことが言えるわね!」
「いや~だって嫉妬してるよっちゃんがすごく可愛いから…」
「もー!リリーのばか~!!」
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「千歌、ごめんなさいは?」
「はい…他人の家に上がり込んでこんなことしてすみませんでした…」
「落ち着いた?千歌ちゃん?」
「うんっ!!」
「おい、千歌?」
「はい、すみません…調子乗りました。」
千歌を連れて、梨子の家を後にする…でも、あれは俺にも少し原因はあるかな…梨子を止められなかった俺も悪いわけなんだし…。
「ゆーじくん?」
「ん?」
「相手が梨子ちゃんだったからまだしも…妬いちゃった分ちゃんとお返ししてよね?」
「そうだな…じゃあお詫びに春休みにどこか遊びに出かけようか。」
「どこかってどこ?」
「まだまだノープランだけどな。」
「もー!なにそれ~!」
千歌が握った手を離してから腕にしがみつくように抱き寄せる…2つの柔らかな感触が伝わる…
春休み…なにをしようか?