みかん色の風   作:OCEAN☆S

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善子ちゃんストーリーの続きです!


第28話「堕天使は恋をする(後編)」

~1時間前~

 

「えー!リリーは一緒に来てくれないの?」

 

「だって、よっちゃん悠之君のこと好きなんでしょ?邪魔しちゃ悪いからね♡」

 

「でも…悠之さんにはもう…千歌がいるし…」

 

「大丈夫よ、例え想いが伝えられなくても悠之君は優しく接してくれるはずよ。」

 

 

 

 

~♡♡♡♡♡~

 

 

 

 

リリーはそう言ってくれたけど…私はやっぱり不安だわ…もう相手がいる悠之さんと二人きりで…ほんとにいいのかしら?

 

 

「どうした?さっきまでの元気はどこへ行ったんだ?」

 

「え!?う、ううん!大丈夫よ!」

 

 

とにかく…今は悠之さんと楽しもう!こんな機会は滅多にないんだから。

 

 

 

「で、善子ちゃんはどこに行きたいんだっけ?」

 

「あ、そうそう!あのね……」

 

私は悠之さんに、行きたい場所を伝える…。

 

 

「おー、あそこか~じゃあ…はいこれ!」

 

「え…これって…ヘルメット?」

 

「あぁ、電車で行くより、全然楽だからな。」

 

 

私は、悠之さんにヘルメットを付けられ、一緒に外へ出る…

 

 

「え…まさか本当にバイクで行くの!?」

 

「あぁ、それとも…バイクはちょっと怖い?」

 

「ま、まさか!!このヨハネに怖いものなんてないし!」

 

「そっか、じゃあ後ろに座って?」

 

 

私は後ろの席に座る…それと同時に悠之さんがエンジンをかける…。

 

 

「じゃあ…いくぜっ!」

 

「お、おぉー!!」

 

 

悠之君の掛け声と同時に、バイクが走り出す……

 

 

「大丈夫?もっとゆっくりの方がいい?」

 

「ううん!平気!!もっと飛ばして~!!」

 

「りょーかい!」

 

さらに速度を上げる…

 

「あはははは!!ヤバい!!ちょー気持ちいい~!!!」

 

「ちゃんと、捕まっておくんだぞ。」

 

「はーい!」

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

「はい、着いたぞ。」

 

「おぉ…ここがまさに…約束の地…」

 

 

「秋葉原…SEGA!」

 

 

秋葉原のSEGAか~そういえば、1度も行ったことがなかったから俺も結構楽しみだな

 

 

「ねぇねぇ!どこから行く!?」

 

「ん?善子ちゃんの行きたいところからでいいよ?」

 

「ほんと!?じゃあ、アレやりましょ!」

 

 

善子ちゃんが俺の腕を引っ張る…今日の善子ちゃんは何だかとても楽しそうだ…。

 

 

「これは…レースゲーム?」

 

「うん!一緒に対戦もできるのよ!」

 

「面白そうだな、やろうぜ!」

 

「そうこなくっちゃ!」

 

 

普段からバイクで乗りなれてる俺ならきっとゲームでもなんとかなるはず…

 

 

そう思ってたはずなのに…

 

 

 

 

 

 

「いえーい!私の全勝~!!悠之さんもまだまだねっ♪」

 

「な、なんで…?現実とゲームじゃ…こんなにも違うというのか…」

 

「ふふっじゃあ、何を買ってくれるの?」

 

「えっ…?」

 

「私の全勝なんだし、何かしら…ね?」

 

「やれやれ、そうだな…じゃあ、クレープでも食べに行こう。」

 

「やったあ~♪」

 

 

~♡♡♡~

 

一旦ゲームセンターを抜けて、二人でクレープ屋へ向かう…

 

 

「善子ちゃんは何がいい?」

 

「そうね…この、イチゴとチョコレートブラウニーのやつにするわ。」

 

「じゃあ、俺はバナナクレープでいっかな…

すみません~この二つください。」

 

 

二人分のクレープを買い、ベンチに座る。

 

 

「じゃあ、いただきま~す♡

ん~♡美味しい~♪」

 

「俺も久々に食べたけど、クレープはやっぱり美味いな…あれ?善子ちゃん?」

 

「ん?」

 

「口元にクリーム、ついてるよ?」

 

「えっ!?どこどこ!?」

 

「クスッ…ここだよ。」スッ

 

「あ、ありがと…ごじゃ…いましゅ…//」

 

「どういたしまして。」ペロッ

 

「~っ///」

 

善子ちゃんの頭からプシューと湯気が出るような音が聞こえ、顔を真っ赤にして抑えてる…。

 

「ゆ、悠之…さん…」

 

「ん?」

 

「い、今のは…その…反則です…///」

 

「どうした?急に敬語になっちゃって。」

 

「な、ななな何でもないわよ!そ、それより…」

 

「?」

 

「ひと口…お礼にあげるわよ。」

 

「ほんと?サンキューな。」

 

俺がクレープを取ろうとすると、善子ちゃんが手を引っ込める。

 

 

「………」プクッ

 

善子ちゃんがほっぺを膨らませながら何かを訴えてる…

 

「あーん…してくれなきゃあげない。」

 

「え…?」

 

「は、早く…恥ずかしいんだから…///」

 

「あ、あぁ…」

 

「はい、あーん…」

 

「あー…」

 

善子ちゃんがゆっくりとクレープを口の中に入れてくれる…初々しくてちょっと可愛い。

 

「ど、どう?」

 

「うん、とってもおいしいよ。」

 

「でしょっ!やっぱりクレープはイチゴにかぎるわ!」

 

「そっか…んじゃ、はい…あーん…」

 

「あー…ってええ!?」

 

こ、この流れでクレープを差し出すなんて、天然なの?それとも、大胆なの!?

 

「…いらないのか?」

 

「う、ううん!欲しい!」

 

「じゃ、はい…あーん…」

 

「あー……はむっ」ドキドキ

 

「美味しい?」

 

「う、うん…とっても美味しい///」

 

「善子ちゃん顔真っ赤だよ。」クスッ

 

「か、からかわないでよ~///」

 

 

~♡♡♡~

 

 

「これとこれ…どっちにするか悩むわ…。」

 

 

ゲーセンの次に善子ちゃんが入った店は、ゴジックな衣装や、アクセサリーの売ってる、コスプレ店的なところだった。

 

 

「ねぇねぇ、悠之さんはどっちがいいと思う?」

 

善子ちゃんが黒いロープと、ゴジック風なワンピースの衣装を持ってきた…。

 

 

「俺は…どっちも善子ちゃんらしくていいと思うけど…こっちの方がいいかな。」

 

俺はワンピースの方を勧める。

 

「こっち?じゃあ、ちょっと試着してみるわね。」

 

 

~1分後~

 

 

「ど、どうかしら…///」

 

「良いよ、すっごく可愛いと思う。」

 

「ほ、ほんと?じゃあ…これにしようかしら。」

 

なんだろ…リリーや、みんなに可愛いって言われるのと何だか違う感じ…胸が熱くなって…ドキドキする。

 

やっぱり私…悠之さんの事が好きなんだな…。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

楽しい時間は、すぐに過ぎていき…あっという間に日が暗くなる…。

 

 

「送っていくよ、梨子の家だろ?」

 

「えぇ、ありがとう。」

 

 

バイクで帰宅途中…

 

ぽつ…ぽつ…と雨が降り始める。

 

 

「やばっ!私の不幸がこんな時に…!」

 

「ちょっと急ぐぞ!」

 

本降りだな…スピードを少し上げただけで雨が強く当たっていく…

 

 

とにかくスピードを上げて、梨子の家にまで、飛ばしていく。

 

 

 

「見えてきたな……もうすぐだ!」

 

バイクを家の前に止めて鍵をかける。

 

「悠之さん、急いで!」

 

「善子ちゃん!いきなり走ると…」

 

ズルッ

 

「いたっ…!」

 

「大丈夫か!?」

 

「へ、平気よ…これくらい」

 

「膝…少し擦りむいちゃってる…血も出ちゃってるし。」

 

「だ、大丈夫よ…」

 

「ちょっとまってて、すぐに梨子の家に入って…」

 

 

ピンポーン!

 

 

「……あれ?」

 

ピンポーン!

 

返事が無い…なんてこった。

 

 

「し、仕方ない…とりあえず手当だけでも。」

 

バックの中から絆創膏を取り出す

 

「悠之さん…どうして、絆創膏なんか持ってきてるの?」

 

「俺も昔はよく怪我をしたから持ち歩いてるんだよ…はい、これでよしっと。」

 

「あ、ありがとう…悪いわね。」

 

「あとは…梨子を待とうか。」

 

 

~♡♡♡~

 

「悠之君!?よっちゃん!?どうしたの!?ずぶ濡れじゃない!!」

 

買い物袋を持った梨子がようやく帰ってきた…。

 

「あぁ…悪い、ちょっと降られちゃって…」

 

「リリー…私の不運はやっぱり…堕天使だから…。」

 

「と、とにかく早く上がって!すぐにお風呂沸かすから!」

 

 

♢

 

 

「なんか悪いな…お風呂に入れてもらっただけじゃなくて、泊まりまでさせてもらって…」

 

「別に大丈夫よ。こういうことだってあるんだし…。」

 

「でも、パジャマ替わりに、梨子のジャージを着るのには抵抗があるんだけど…」

 

「し、仕方ないじゃない!!それしかないんだもん///それとも裸でいたいの!?」

 

「うっ…それは…」

 

「リリーも大胆よね~下着も着てない悠之さんに自分のジャージを貸すんだなんて。」

 

「もうっよっちゃん!!」

 

 

まあ…夕食まで用意してもらったんだし、ありがたいと思おう…

 

 

「とりあえず、もう遅いし…寝よっか。よっちゃんは明日帰るんだし…。」

 

「えぇ、そうね…。」

 

「布団敷くの手伝うよ。」

 

「うん、ありがとう悠之君。」

 

 

 

 

~夜中~

 

 

「(トイレ…リリーは…?

完全に寝ちゃってるか…まあいいや…一人で行こう…。)」

 

 

私はトイレ行き、すぐにみんなのいる寝室に戻る…。

 

 

「(悠之さんの寝顔…可愛い…)」

 

「(……)」チュッ

 

 

私は悠之さんのおでこにキスをしていた…。

 

 

「(今夜は…一緒に寝かせて?)」

 

そのまま悠之さんの布団に入り眠りについた…。

 

朝起きたら…あとの事は考えよう…

 




サンシャインの最新話ほんとに泣ける…

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