~1時間前~
「えー!リリーは一緒に来てくれないの?」
「だって、よっちゃん悠之君のこと好きなんでしょ?邪魔しちゃ悪いからね♡」
「でも…悠之さんにはもう…千歌がいるし…」
「大丈夫よ、例え想いが伝えられなくても悠之君は優しく接してくれるはずよ。」
~♡♡♡♡♡~
リリーはそう言ってくれたけど…私はやっぱり不安だわ…もう相手がいる悠之さんと二人きりで…ほんとにいいのかしら?
「どうした?さっきまでの元気はどこへ行ったんだ?」
「え!?う、ううん!大丈夫よ!」
とにかく…今は悠之さんと楽しもう!こんな機会は滅多にないんだから。
「で、善子ちゃんはどこに行きたいんだっけ?」
「あ、そうそう!あのね……」
私は悠之さんに、行きたい場所を伝える…。
「おー、あそこか~じゃあ…はいこれ!」
「え…これって…ヘルメット?」
「あぁ、電車で行くより、全然楽だからな。」
私は、悠之さんにヘルメットを付けられ、一緒に外へ出る…
「え…まさか本当にバイクで行くの!?」
「あぁ、それとも…バイクはちょっと怖い?」
「ま、まさか!!このヨハネに怖いものなんてないし!」
「そっか、じゃあ後ろに座って?」
私は後ろの席に座る…それと同時に悠之さんがエンジンをかける…。
「じゃあ…いくぜっ!」
「お、おぉー!!」
悠之君の掛け声と同時に、バイクが走り出す……
「大丈夫?もっとゆっくりの方がいい?」
「ううん!平気!!もっと飛ばして~!!」
「りょーかい!」
さらに速度を上げる…
「あはははは!!ヤバい!!ちょー気持ちいい~!!!」
「ちゃんと、捕まっておくんだぞ。」
「はーい!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「はい、着いたぞ。」
「おぉ…ここがまさに…約束の地…」
「秋葉原…SEGA!」
秋葉原のSEGAか~そういえば、1度も行ったことがなかったから俺も結構楽しみだな
「ねぇねぇ!どこから行く!?」
「ん?善子ちゃんの行きたいところからでいいよ?」
「ほんと!?じゃあ、アレやりましょ!」
善子ちゃんが俺の腕を引っ張る…今日の善子ちゃんは何だかとても楽しそうだ…。
「これは…レースゲーム?」
「うん!一緒に対戦もできるのよ!」
「面白そうだな、やろうぜ!」
「そうこなくっちゃ!」
普段からバイクで乗りなれてる俺ならきっとゲームでもなんとかなるはず…
そう思ってたはずなのに…
「いえーい!私の全勝~!!悠之さんもまだまだねっ♪」
「な、なんで…?現実とゲームじゃ…こんなにも違うというのか…」
「ふふっじゃあ、何を買ってくれるの?」
「えっ…?」
「私の全勝なんだし、何かしら…ね?」
「やれやれ、そうだな…じゃあ、クレープでも食べに行こう。」
「やったあ~♪」
~♡♡♡~
一旦ゲームセンターを抜けて、二人でクレープ屋へ向かう…
「善子ちゃんは何がいい?」
「そうね…この、イチゴとチョコレートブラウニーのやつにするわ。」
「じゃあ、俺はバナナクレープでいっかな…
すみません~この二つください。」
二人分のクレープを買い、ベンチに座る。
「じゃあ、いただきま~す♡
ん~♡美味しい~♪」
「俺も久々に食べたけど、クレープはやっぱり美味いな…あれ?善子ちゃん?」
「ん?」
「口元にクリーム、ついてるよ?」
「えっ!?どこどこ!?」
「クスッ…ここだよ。」スッ
「あ、ありがと…ごじゃ…いましゅ…//」
「どういたしまして。」ペロッ
「~っ///」
善子ちゃんの頭からプシューと湯気が出るような音が聞こえ、顔を真っ赤にして抑えてる…。
「ゆ、悠之…さん…」
「ん?」
「い、今のは…その…反則です…///」
「どうした?急に敬語になっちゃって。」
「な、ななな何でもないわよ!そ、それより…」
「?」
「ひと口…お礼にあげるわよ。」
「ほんと?サンキューな。」
俺がクレープを取ろうとすると、善子ちゃんが手を引っ込める。
「………」プクッ
善子ちゃんがほっぺを膨らませながら何かを訴えてる…
「あーん…してくれなきゃあげない。」
「え…?」
「は、早く…恥ずかしいんだから…///」
「あ、あぁ…」
「はい、あーん…」
「あー…」
善子ちゃんがゆっくりとクレープを口の中に入れてくれる…初々しくてちょっと可愛い。
「ど、どう?」
「うん、とってもおいしいよ。」
「でしょっ!やっぱりクレープはイチゴにかぎるわ!」
「そっか…んじゃ、はい…あーん…」
「あー…ってええ!?」
こ、この流れでクレープを差し出すなんて、天然なの?それとも、大胆なの!?
「…いらないのか?」
「う、ううん!欲しい!」
「じゃ、はい…あーん…」
「あー……はむっ」ドキドキ
「美味しい?」
「う、うん…とっても美味しい///」
「善子ちゃん顔真っ赤だよ。」クスッ
「か、からかわないでよ~///」
~♡♡♡~
「これとこれ…どっちにするか悩むわ…。」
ゲーセンの次に善子ちゃんが入った店は、ゴジックな衣装や、アクセサリーの売ってる、コスプレ店的なところだった。
「ねぇねぇ、悠之さんはどっちがいいと思う?」
善子ちゃんが黒いロープと、ゴジック風なワンピースの衣装を持ってきた…。
「俺は…どっちも善子ちゃんらしくていいと思うけど…こっちの方がいいかな。」
俺はワンピースの方を勧める。
「こっち?じゃあ、ちょっと試着してみるわね。」
~1分後~
「ど、どうかしら…///」
「良いよ、すっごく可愛いと思う。」
「ほ、ほんと?じゃあ…これにしようかしら。」
なんだろ…リリーや、みんなに可愛いって言われるのと何だか違う感じ…胸が熱くなって…ドキドキする。
やっぱり私…悠之さんの事が好きなんだな…。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
楽しい時間は、すぐに過ぎていき…あっという間に日が暗くなる…。
「送っていくよ、梨子の家だろ?」
「えぇ、ありがとう。」
バイクで帰宅途中…
ぽつ…ぽつ…と雨が降り始める。
「やばっ!私の不幸がこんな時に…!」
「ちょっと急ぐぞ!」
本降りだな…スピードを少し上げただけで雨が強く当たっていく…
とにかくスピードを上げて、梨子の家にまで、飛ばしていく。
「見えてきたな……もうすぐだ!」
バイクを家の前に止めて鍵をかける。
「悠之さん、急いで!」
「善子ちゃん!いきなり走ると…」
ズルッ
「いたっ…!」
「大丈夫か!?」
「へ、平気よ…これくらい」
「膝…少し擦りむいちゃってる…血も出ちゃってるし。」
「だ、大丈夫よ…」
「ちょっとまってて、すぐに梨子の家に入って…」
ピンポーン!
「……あれ?」
ピンポーン!
返事が無い…なんてこった。
「し、仕方ない…とりあえず手当だけでも。」
バックの中から絆創膏を取り出す
「悠之さん…どうして、絆創膏なんか持ってきてるの?」
「俺も昔はよく怪我をしたから持ち歩いてるんだよ…はい、これでよしっと。」
「あ、ありがとう…悪いわね。」
「あとは…梨子を待とうか。」
~♡♡♡~
「悠之君!?よっちゃん!?どうしたの!?ずぶ濡れじゃない!!」
買い物袋を持った梨子がようやく帰ってきた…。
「あぁ…悪い、ちょっと降られちゃって…」
「リリー…私の不運はやっぱり…堕天使だから…。」
「と、とにかく早く上がって!すぐにお風呂沸かすから!」
♢
「なんか悪いな…お風呂に入れてもらっただけじゃなくて、泊まりまでさせてもらって…」
「別に大丈夫よ。こういうことだってあるんだし…。」
「でも、パジャマ替わりに、梨子のジャージを着るのには抵抗があるんだけど…」
「し、仕方ないじゃない!!それしかないんだもん///それとも裸でいたいの!?」
「うっ…それは…」
「リリーも大胆よね~下着も着てない悠之さんに自分のジャージを貸すんだなんて。」
「もうっよっちゃん!!」
まあ…夕食まで用意してもらったんだし、ありがたいと思おう…
「とりあえず、もう遅いし…寝よっか。よっちゃんは明日帰るんだし…。」
「えぇ、そうね…。」
「布団敷くの手伝うよ。」
「うん、ありがとう悠之君。」
~夜中~
「(トイレ…リリーは…?
完全に寝ちゃってるか…まあいいや…一人で行こう…。)」
私はトイレ行き、すぐにみんなのいる寝室に戻る…。
「(悠之さんの寝顔…可愛い…)」
「(……)」チュッ
私は悠之さんのおでこにキスをしていた…。
「(今夜は…一緒に寝かせて?)」
そのまま悠之さんの布団に入り眠りについた…。
朝起きたら…あとの事は考えよう…
サンシャインの最新話ほんとに泣ける…