みかん色の風   作:OCEAN☆S

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間に合ってよかった…!

皆さんも千歌ちゃんのお誕生日をお祝いしましょ~!


特別話 「君は今日の事を覚えてる?」

8月1日…そう今日は私の誕生日。

 

曜ちゃんや果南ちゃんからは今朝、LINEでお誕生日おめでとうって言ってくれたんだ…こっちにも来てくれるみたいだし……でも問題はあの人…!

 

 

~朝食前~

 

私は寝ている悠之君を起こすために悠之君の部屋に向かった…。

 

「おっはよー!悠之君ー!」

 

私の声に反応して悠之君が布団から起き上がる…。

 

「ん…おはよ千歌。」

 

「ねーねー悠之君。」

 

私はあの時すぐに行動に移った…

 

「今日ってさ…だ~いじな用事があったと思わない?」

 

「大事な用事?」

 

「うん!うん!」

 

ここまでは順調だったんだよね…

 

「あ~そうだな」

 

「うん!うん!!」

 

「勉強…少しくらいはやんなきゃな。」

 

「え…?」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「う~む…流石に悠之君は覚えているとは思っていたんだけどなぁ…それともわざとあんな態度を…?」ブツブツ

 

「何独り言してんのさ?」

 

「うわっ!びっくりした…いつ来たの?果南ちゃん、曜ちゃん…。」

 

「おっはヨーソロー!

千歌ちゃんがブツブツ言っている時より前にもう来てたよ?

おじゃましまーす!って言ったのに気付かなかった?」

 

曜ちゃんがウィンクをしながら敬礼をする…考え事をしすぎて全く気づかなかったよ…。

 

「それで、千歌の旦那さんはどこにいるの?」

 

「だ、旦那さんって…もぅ…///」

 

「あ、千歌ちゃん赤くなってる~」

 

「からかわないでよ~///」

 

曜ちゃんに言われた通り、顔の全体が真っ赤になってる感じがした…果南ちゃんが余計なことを言うから…もぅ…。

 

「悠之君はさっきから部屋でずーっと勉強してたり、電話してたり…はぁ…。」

 

私は知らぬ間にため息が漏れていた…

 

「まぁまぁ、悠之君の事だし、さり気なくお祝いしてくれるって。」

 

「む~でも、今日は全然悠之君と喋れてないんだよ?」

 

「そ、それは大変な状況でありますなぁ…」

 

2人とも黙り込んでしまった…私が落ち込んだ顔をしていたからだ…なんとか元通りにしないと…

 

「ま、まあ…とりあえず2人とも来てくれたんだし上がって上がって!」

 

「そうだね、じゃあ上がろっか。」

 

「そのまま悠之君も呼びに行こうよ!」

 

「うん!そうだね!!」

 

とりあえず、3人で悠之君の部屋に入ってみる…

 

「お~い悠之君…ってあれ?」

 

部屋の中に入ってみたけど、悠之君の姿はどこにも無かった…

 

「あれ?トイレかな?」

 

「あー、悠之君ならさっき図書館に行くって言ってたよー」

 

その光景を見ていたのか美渡姉がそう言った…

 

「え~!?」

 

「千歌ちゃん、悠之君に今日私達が来ることって伝えてあるの?」

 

「あ…」

 

しまった…完全に忘れてたよぉ…それなら出かけちゃってもおかしくないや……

 

「……」シュン

 

「ま、まあまあとりあえず電話してみたら?」

 

「う、うん…」

 

Prrrrrrrr

 

『ただいま電話に出ることが出来ません…ピーという発信音の後に……』

 

その後、またかけ直してみたけど悠之君から応答はなかった…

 

「…もしかしてバイクで移動してるのかも。」

 

「それだ!悠之君はよくバイク乗ってるし…きっと…。」

 

「きっとね…。」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

あれから昼過ぎになっても悠之君はまだ帰ってこない…相変わらず電話にも繋がらないし…何かあったのかな…少し不安になってくる…。

 

「千歌?」

 

「……」

 

「おーい千歌~?」

 

「あ、何かな?」

 

果南ちゃんが何度も呼びかけているのに私は全く気づかなかった…

 

「ちょっと顔色悪いよ?大丈夫?」

 

「う、うん…」

 

 

~~~~~~~~

 

 

更に1時間経過した…ここまで遅いととても不安が大きくなってくる…もしかして事故?

 

…いや、流石に考えすぎかな?

でも、今私がすべき行動は…

 

「…行ってくる。」

 

「え?」

「どうしたの?千歌ちゃん?」

 

「何だか不安になってきちゃったから…探しに行ってくるよ!」ダッ

 

気がつけば私は部屋を飛び出していた…そしてそのまま旅館の外まで出ていっていた。

 

「曜、私達も行こう!」

 

「う、うん!!」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

あれから日が少し沈んで、太陽が夕日になりかけてた…

 

「どうしよ…まだ帰ってこない…」

 

私が途方に暮れていた時、見覚えのあるバイクが見えてきた…そして、彼がそのバイクから降りた…。

 

「あれ、千歌…?迎えに来てくれてたのか?」

 

「…う、うぅ…。」

 

「千歌?」

 

「おかえり…!!」ダキッ

 

「おわっと…ど、どうしたんだよ?」

 

私は体が勝手に悠之君の方へ飛び込んでいた…。

 

「どーしたもこーしたも無いよ!

電話はしても繋がらないし、帰ってくるのは遅いし!」

 

私は怒りながら涙がジワッと溢れてきた…。

 

「心配したんだから…」

 

千歌がギュッと俺に抱きついたまま離れない…

 

「そっか…ごめんな、心配掛けて…。」

 

俺はそう言いながら千歌の頭を撫でる…

 

「…どうしてこうなったのかちゃんと説明して…。」

 

「あ、ああ…電話に出られなかったのはスマホの電源が切れていて、帰りが遅かったのは道が渋滞してて…」

 

とりあえず今日の出来事を話してみる…

 

「そうなんだ…でもよかった…無事で…。」

 

「オーバーだなぁ…」ヨシヨシ

 

「ばか…心配させる悠之君がいけないんだからね。」

 

「悪かった…悪かったって…」ヨシヨシ

 

「撫でればいいって問題じゃない…」

 

「じゃあ…やめるか?」

 

俺は千歌の頭から手を離す…

 

「…止めないで」

 

「ん~?今なんて?」

 

「…いじわる。」

 

「ごめんごめん」ヨシヨシ

 

 

 

♢

 

とりあえず、悠之君からちゃんと帰ってきたことを曜ちゃんと果南ちゃんにきちんと伝えました…やっぱり千歌はオーバーだったのかなぁ…。

 

「で、その2人はもう帰っちゃったのな。」

 

「うん、お邪魔になるといけないから~って。」

 

「千歌はもう落ち着いた?」

 

「うん、もう大丈夫!」

 

 

すっかり元気になってくれたみたいでよかった…よし!

 

「千歌。」

 

「あ、はい!」

 

悠之君がちょっと真面目な顔をして私の事を見つめる…

 

「…お誕生日おめでとう!」

 

そっと悠之君がプレゼント包装されたものを私に渡してくれた…さっきの騒ぎですっかり忘れちゃってたよ~

 

「ありがとう悠之君!!さっそく開けてみてもいい?」

 

「あぁもちろん。」

 

包装を解いて開けてみる……

 

「わあぁ…もしかして、これペンダント?

ミカンの飾りがついてる…可愛い~♡」

 

「よかった、千歌が気に入ると思って選んでみたんだけど…」

 

「うん、すっごく嬉しいよ!ありがとう悠之君!!」

 

千歌がペンダントを見ていると、その中から1枚の紙切れが出てきた…

 

「あれ?なんか書いてある…ご注文をして頂きありがとうございます……あれ?このお店……これもしかしてオーダメイド!?」

 

「お、よく気づいたな。」

 

「だから悠之君は今日帰りが遅かったのか~…納得だね。」

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

もちろんあの後、家族みんなからもお祝いしてもらえたんだ…みんな旅館の仕事で忙しいからすぐに解散しちゃったけど、久しぶりにケーキも食べられたし全然満足です♡

 

「悠之君~お風呂湧いたって~」

 

「おう…って何でタオル持ってるんだ?」

 

「えへへ…一緒に入ろ♡」

 

「えぇ…今日はバイク乗って疲れたから……」

 

俺がそう言うと、千歌がちょっと悪い顔をして…

 

「へぇ~今日私の事をあんなに心配させたんだから…お願いの一つくらいはね~」

 

う…流石に言い逃れできないか…

 

「分かったよ…じゃあ一緒に入ろう。」

 

♢

 

~脱衣場~

 

互いに服を脱ぐのも東京に遊びに行った時に慣れた…だが流石に股は隠すけどな…

 

「うん…しょっと…」

 

「ん…?千歌?」

 

「はぁい?」

 

「なんか…また胸大きくなってないか?」

 

千歌の胸に目を向ける…

 

「え…そ、そうかな?」

 

千歌が自分の胸をちょっと恥ずかしながら見ている…

 

「…最近測った?」

 

「えっと…確か、80?だったかな?」

 

「…本当に高校一年生か?」

 

「わ、私に聞かないでよ~///」

 

高校一年生って事はまだまだ大きくなる可能性は充分ある…もしこれ以上大きくなったら……いかん、流石に破廉恥な事ばかり考えるのは良くない…うん…。

 

そんなことを考えながら二人で風呂場に入る…ここの風呂は家族みんなが入る普通の風呂。

今日は時間帯的に温泉は空いていなかったのでこっちに入ることにした…。

 

「悠之君、背中洗ってあげようか?」

 

「おう、じゃあお願い…」

 

「えへへ、かしこまりました~」

 

俺が頭を洗い終わると、千歌が背中を洗おうとタオルにボディソープをつけ始める…

 

「じゃあ始めますね~」

 

「はいよ~」

 

千歌が背中を洗い始める…普段余り人に洗ってもらう事はないので少しぎこちなかったが、一生懸命洗ってくれている感じはあった…。

 

「悠之君、前の方も洗ってあげましょうか?」

 

「いや、前の方はアウトでしょ…色々と…。」

 

そんなふうに喋ってると、千歌が俺の背中にもたれてきた…

千歌の生の胸の感触が、ボディソープを伝わってぬるっとしていて…なんだか凄くいやらしかった…。

 

「ねぇ…悠之君…。」

 

「どした?」

 

「やっぱりなんでもない~」

 

「え~?なんだよそれ。」

 

千歌がクスッと笑って俺を見る…

 

「今度は私の背中も洗って~あ、何なら前も…」

 

「やらないからな?」

 

「あはは…だよね~。」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

今日は沢山のトラブルがあったからか、もう既に時間は夜の10時を回っていた…

 

「じゃあ…もう遅いしそろそろ…」

 

「待って悠之君…」

 

「ん?」

 

「ねえ、今日は私の誕生日だよね?」

 

「あぁ、そうだな。」

 

千歌が当たり前の事を聞くのと同時に俺の体をポンッと押し倒す…そして、そのまま俺の体をぎゅっと抱きしめる…。

 

 

「悠之君の事をも~っと体で感じたいから、朝までぎゅっとしてて欲しいな~♡」

 

「はは…まあ、誕生日だしな…。」ギュッ

 

「えへへ…今日はすぐには寝かせないのだ♡」

 

 

千歌のアホ毛が元気よく動いてる……これって絶対抱いてるだけじゃ終わらないよな…

 

「あ、それと…」

 

「…ん?」

 

千歌が俺の唇に少し強引にキスをする…。

 

「ん…久しぶりにキス…しちゃった♡」

 

「まったく…」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

部屋の明かりを消して悠之君と一緒に添い寝をする…。

 

「ねえ、悠之君は私が小学2年生の頃にお祝いしてくれた誕生日の事を覚えてる?」

 

「う~ん…少し記憶が薄いかな…ひまわりの花束をあげた記憶ならあるけど…」

 

すると千歌がクスッと笑顔を見せる。

 

「あの時悠之君ね…私にこう言ってくれたんだよ?」

 

『いつか大きくなったら結婚しようね。』

 

 

「…って。」

 

「えぇ~?ほんとにそんなこと言ってたか?」

 

「ふふっ、やっぱり覚えてないんだ~でも、私ね…すっごく嬉しかった…」

 

私はそのまま悠之君の体を強く抱きしめた…

 

「また悠之君に会うことが出来て…また誕生日を祝ってもらえて…すっごく嬉しかった…!」

 

「千歌…」

 

「…大好き。」

 

私は一言…そう言ったまま悠之君の頬にもう一度口付けをした…。

 

~Happy Birthday~




千歌ちゃんの誕生日話…ずーっと書きたいと思って今日を迎えることが出来ました!

皆さんも千歌ちゃんが大好きなミカンを沢山食べましょう!(笑)

では、また次回~

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