では続きをどうぞ!
七月の下旬…とうとう終業式を迎える日がきた…学生にとって史上最高の長期休み、今日の午後から夏休みの開幕である。
あ~この日をどのくらい待ったのだろうか…高校生最後の夏休みだ…今年は何をしよう…受験生だから勉強は当たり前だ…後は…
「ねぇ~悠之君~。」
学校の支度の最中に千歌が後ろから話しかけてくる。
「今日の放課後さ、買い物に行かない?」
「別にいいけど…なんで?」
「えっへへ…それは後でのお楽しみ♡」
「お、おう…」
まあ、いいか…何を買いに行くんだろう?
♢
俺と千歌は一緒にバス停でバスを待っていると、梨子が俺たちのいる方のバス停に向かってくるのが見えた…そういえば、
「あれ?あの人…悠之君の学校の制服…」
千歌がそうつぶやくと梨子が俺たちをちらっと見て微笑んだ…
「凄く綺麗な人…ねぇねぇ、あの人悠之君の知り合い?今こっちを見ていたような気が…」
「ん?えっと……」
…まてよ、これはなんて答えればいいんだ…?
知り合いの場合~
「あの人?一緒のクラスメイトだよ。」
「ふぅん…あんな綺麗な人とねぇ…。」ムスッ
「いや、別にただの友達……」
「はいはい、どうせ私にはあんなお淑やかな雰囲気なんてありませんよーだ。」プイッ
「いやいやいや、ホントにただの友達だってば。」
「でもぉ、さっき悠之君のこと見て微笑んでたよ?」
「いや…だから…」
「んもぅ!悠之君なんて知らないもん!」プンスコ
千歌のアホ毛が縦に動いてる…これは間違いなく機嫌が悪い証拠だ。
ANSWER 嫉妬チカチー不回避ルート
他人の場合~
「いや、俺はあんな人は知らないけど。」
「(あんな人…!?そんな…せめて知り合いってくらい言ってくれてもいいのに…)」
~教室~
「もう…今朝の扱いちょっと酷くない?」
「いや、あれは仕方がなかっ……」
「あっそう…じゃあ悠之君は年下の女の子が大好きな変態さんだってクラス中に広めちゃおうかしら?」
「いや、それは勘弁……」
ANSWER 梨子さん激おこプンプン丸ルート
…まずいぞ、どう答えるかで何となく未来が予想できる…これはかなり言葉を選ばないと面倒な目にあってしまう…。
「ねぇ~悠之君~?」
いや、でも梨子はこの間俺に気遣ってくれたんだから…後は言い方さえ間違えなければ…。
「悠之君、もうバス来ちゃってるよ?」
「あ…ホントだ。」
やばいな、この間と全く同じパターンだ……はぁ…無駄な時間を費やしてしまったみたいだ…。
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学校に着いて校門を抜けると、梨子が後ろからポンポンと肩を叩く。
「さっきの悠之君の焦り顔、見てて凄く面白かったわ。」
「お前な…少しはこっちの身にもなってみろよ…。」
「で、さっきのあの子になんて対応しようとしたの?」
「…さあな。」
そんなこんなで終業式が始まり、校長の長々とした話が続いた…どこの学校に行ってもそうだ、大体の校長は話が長い…聞いてると自然に眠気が漂ってくる…もう何分経過したのだろう…現実時間では10分程なのだろうが、俺の感覚では30分以上経過している…。
「……」カクッ
…やばい、今一瞬意識を失いかけた…いや、既に1回意識を失ったということは、もうここから目を覚ますことは不可能だという事……とゆう訳で夢の中にレッツゴーするとしますか。
「………」カクッ
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「あれ?今日は千歌ちゃんなんか機嫌良いね。」
「えっへへ…今日は悠之君とお買い物に行くのだ♡」
「へぇ…相変わらずラブラブしてるね~」
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そして、あれから何分経過したのだろうか…ようやく校長の話が終わり、解散という指示が曖昧な意識の中で聞こえたので俺は椅子から立ち上がろうとする…
何だか、右の肩がやけに重い…俺は目をしっかりと見開いて自分の右側を見てみる…
「すぅ…すぅ…」Zzz
「(梨子!?何で俺の肩に寄っかかって寝ているんだ!?)」
「おー悠之また女の子とイチャイチャしてんのか?」
「ヤルなら学校じゃなくて違う場所にしろよ~」
「せめて保☆険☆室とかでな~」
周りの男子が次々と冷やかしに来る…面倒な奴らだ。
「やれやれ…梨子起きろ。」
「う~ん…?」
梨子が半分眠った状態で体を起こし始める。
「ふぁ……」
「おう、おはよ…じゃあ早く教室に…」
「パパ…♡」ギュッ
………!?!?!?
「はぁ!?」
♢
~教室~
「ごめんなさい…さっきのは忘れて…///」
「いや、パパって…一体どんな夢見てたんだよ。」
「だーかーらー忘れて~!!!」
今日から夏休みで助かったぜ…きっと変な噂になる前に周りからも忘れ去られるだろう…
「まぁ、夏休みが終わる頃には誰も覚えちゃあいねえよ。」
「はぁ…もう学校行きたくない…」
…意外とメンタルが弱かった。
そして、この学校に来て初めての成績表が俺の手元にきた…内容は…問題は無いな、母さんにもちゃんと胸張って見せられる内容だ…
数学以外はな…
これまで千歌にはどの教科も対応して教えることが出来たが、実は数学が一番の苦手だ…中学の時は普通になんとかなったが、高校になってからは違った…はっきり言って勝てる相手ではない…。
まあ、別にいいか…たしか、千歌と買い物に行くんだっけ?
♪♪♪~
「あれ、千歌からLINE来てる…」
『バス停で待ってるから早く来て~♪』
バス停で待ってるって…何となく察したかな。
帰りの方面のバス停に着くと、千歌が既にバス停の横で座って待っていた。
「おかえり悠之君!」
「ただいま…って、また定期券忘れたのか?」
「うぅん、ただ会いたかったから…えへへ♡」
「……やれやれ可愛いやつめ。」スッ…
俺は千歌の頭をわしゃわしゃと撫でる。
「ひゃあ~やめてよ~」
「今のは千歌が悪いんだぞ~」
「えぇ~何で~!」
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バスを降りて、千歌が案内したのはいつものショッピングモールだった、彼処で何を買うつもりなのだろう?
「ねぇ~悠之君聞いてる?」
「うん?何だ?」
「もぉ…さっきから聞いてるのに~!」
「ごめんごめん、色々と考え事をしててな。」
「じゃあ、最初から言うね?ちゃーんと聞くように。」
「はいよ~。」
千歌がよろしい…っと顔をして話し出す。
「悠之君は今年の夏休みなんか予定とかある?」
「まあ、あるけど…勉強くらいしかないかな。」
「えぇ~あんなに勉強出来るのにその上に更に勉強するの~!?」
千歌が驚いたように言う。
「…っと言ってもそんなにがっつりはやらないけどな。」
「え、そうなの?」
「無理にやっても疲れるだけだし…まあ、メリハリ持ってやれば良いかな~程度で。」
「うわぁ…流石…。」
「そうゆう訳で、あんまり予定は無いけど。」
「ふふっ、なら良かった♡」
千歌が嬉しそうに笑顔を見せる…あまり話が見えてこないけど、まあいいか。
「さ、着いたよ。」
「あれ?ここは…」
千歌が案内したのは、水着ショップだった。
「今年は新しいのを買おうかな~って思ってたんだ~!」
「なるほど…俺が入ってもいいのか?この店…。」
一応男性物もありそうではあるが、辺り一帯がほぼ女性物だ…見ていて少し恥ずかしくなってくる…
「まぁまぁ、1人だと入りにくかったもので…」
「いや、俺の方が入りにくいんですが…」
「まあ、とりあえず…水着を買いに来たんですよ!」
あ、無視ですか。
「今年はもっと可愛い物が欲しいな~って。」
「なるほど…千歌は元が良いから何を着ても似合いそうな感じはあるけどな。」
「あ、ありがと…///」
「あ、テレた。」
「て、テレてなんかなーい!」プクッ
二人で言い合いながらとりあえず水着を1着ずつ見てみる…
「最近は随分と可愛いのがいっぱいあるんだな…俺にはどれがいいのかさっぱりわからん…。」
そんな事をいいながらも悠之君は1着ずつしっかりと見てくれている…やっぱり一緒に来てもらってよかったかな。
「悠之君は正直これ!って言うのはあった?」
「うん?じゃあ……これなんかどうだ?」スッ
悠之君が手に取ったのは、白いパーカー水着で、中の方はオレンジ色のビキニだ。
「えぇ~…」
「嫌だった?」
「嫌じゃないけど…そんな可愛いらしいの千歌が着ても似合うのかな…って」モジモジ
「大丈夫だって、きっと似合うから……そうだ、せっかくだから着てみてよ!」
「悠之君がそこまで言ってくれるなら…ちょっとくらいなら…」
~お着替え中~
「もういいよー」
「お、見せて見せて。」
「そ、そんなに急かさないでよ~///」
シャー
やっぱり思った通りオレンジ色と白いパーカーが千歌の可愛いさをより引き立てていた…
「ど、どうかな?」テレテレ
「凄くいい…やっぱりこれが似合うと思ったしな~」
「う~ん…じゃあ今年はこれにしようかな。」
「え?まだ他にもあるのにいいのか?」
余りにもあっさりと決めてしまったので少し戸惑いが隠せない。
「ちょっと恥ずかしいけど…悠之君が選んでくれたんだから…♡」
「そっか、サンキューな。」
「その代わり…」
千歌が水着を着たまま俺に迫る…
「今年はぜ~ったい…楽しい夏休みにしてね♡」
最近本当に更新が遅くて申し訳ございません、忙しいは言い訳にはならないので、もっと頑張って行こうと思います…それでは!