あ、今回は二つに分けているので短めです
最近俺は思う…毎朝布団から起きる度にいつも思ってしまう…それは……
・・・今年の五月は暑すぎる!
何故だ!?いくら温暖化が進んでいるからってここまで暑苦しいとは正直予想外だった…外に出ようと思えばすぐにだらけてしまう…まるで7月並の暑さだ…なんで五月にこんな暑さに苦しまなければならないのだろう…
「ゆ~じく~ん・・・暑いよおぉ…」スリスリ
「や、やめろ千歌・・・それ以上くっついたら…暑くて死ぬ…」
俺達がこんな暑さに苦しんでいるのにはある理由がある…それは…
「なんで俺達の部屋だけクーラーが壊れてるんだよ…」
「な…なんでって…千歌に言われても分かんないよ…」ハアハア
他のお客さんの部屋は付いてるらしいが…こんな偶然にしては出来すぎてる気がする…
それにしても辛い…何か暑さを和らげる方法を・・・そうだ…!
「千歌。」
「なぁに…?悠之君?」
「アイスクリームを食べに行こう。」
「え~?でもここら辺はコンビニとかないよ?」
「いや、でも少し歩けば流石に・・・」
「な・い・よ?」
「オーマイガー…」
この辺にコンビニが無いんだったら、恐らくサーテ〇ワンとかも絶対ないだろう…いや、沼津駅の辺りに行けばワンチャン…いや、アイスを食べに行くのにわざわざ沼津駅まで行くなんてごめんだ…
「そうだな…あ、松月はどうだ?あそこなら冷房もきいてるはずだし…」
「そ~だねぇ~松月の事をすっかり忘れてたよ~」
とにかく、この部屋から脱出して冷房が効いてる場所に行かなくては…
「ゆ、悠之君…」
「どうした?」
「もう今月の分のお金が無いよぉ~」
「あぁー…まあ、それくらいは俺が出すから心配すんな。」
「あ、ありがと~!さすが悠之君!!」
「さ、暑いから早く準備をしようぜ。」
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10分後~
少し時間が経って、俺は千歌の支度を待つ…
「お待たせ~!」
千歌の部屋が開いて、私服に着替えた彼女の姿が見えた…。
この前に一緒に買いに行った服を着ているが、スカートの丈がいつもよりもかなり短めだ…少し強い風が吹いただけで見えてもおかしくない長さだ。
「ゆ~じくん?」
「…可愛い。」
俺は自然と言葉が漏れていた…
「え…///」
「あ…いや、今日の服…凄く似合ってたからつい…」
「ほ、ほんと?」カオマッカ
「あぁ、可愛いよ。」
「えへ…♡ありがと…♡」
自分で選んだ服が褒められて嬉しいのか、少しだらけた笑みを見せる。
「さ、熱中症にならない内に早く出かけよう。」
「うん!」
♢
松月に向かいながら話し始める。
「そういえば、千歌は高校では部活はやらないの?」
「う~ん…やってもいいと思うけど…私結構飽きっぽいところあるからなぁ~。」
「あんな豪速球が投げられるのに?」
俺はふと、千歌のライズボールを思い出す。
「あ、そうそう~前のソフトボールの試合を浦女の人が見ていたらしくて、ソフトボール部の人に何度か誘われるんだよね~。」
「なんでだ?浦女のソフトボール部はピッチャーがいないのか?」
「いやぁ…いるとは思うよ。前だって普通に試合してたし…。」
別にメンバーが足りてない訳では無いということか…
「で、千歌はなんて答えたんだ?」
「私は断ったよ、だって結構飽きっぽい所とかあるし…」
「そっか…まあ、何かしらの特技をもっておくのはいいことだと思うけどな。」
2人で歩いているとあっという間に、松月の所まで辿り着いた。
「ここに来るのも結構久しぶりだな」
「そうだね~冬休み以来かな~?」
気温が高いからか、店の中に客がぞろぞろと入ってくる…
「ねえねえ…悠之君。」
「ん?」
「あれ…なぁに?」
千歌が指を指す方向には、黒色のローブのような物を体に被った痛々しい人がお店に入ってきた…
「なんだありゃ…お店のスタッフ…では無さそうだな。」
「ねーねー、あれって暑くないの?」
「え?めちゃくちゃ暑いと思うぞ、だって完全に無地で真っ黒だし…」
店に入って、20分程たった…ようやく店の中も落ち着いてきたようだ。
「悪い千歌、ちょいトイレ行ってくる。」
「うん、いってらしゃ~い」
俺は、トイレで用を足してから扉を開けると、丁度女子トイレから出てきた人にぶつかってしまい、その人は尻餅を付いてしまった…
「すみません、大丈夫ですか?」
俺はとっさにぶつかった人の手を握って体を起こしてあげた。
「ひゃあっ!?」
「あの…だいじょ…」
「は、はい!だ、大丈夫です!」
いきなりこの人私の手を握るなんて・・・ちょっと驚いたけど、中々肝が座ってるいるわね…
「怪我とかは無い?」
「え、あ…な、無いです!」
ど、どうしよう…また、テンパっちゃった…この私がこんな事くらいで…屈辱的だわ…
「そっか、よかった~」
「あ、あの…」
「ん?」
「その…そろそろ手を話してください…///」
私の手を握っていたこの男は、ようやくこの状況に気づいたみたい…気づくの遅すぎるわ…どこのラノベ主人公よ…
「あ、ごめんね!じゃあこの辺で…」
そして、そのままあの人はどこかへ行ってしまった…
「変な人・・・」
私が自分の席に戻ると、ずら丸がニヤニヤしながら私の事を見ていた。
「み~ちゃったずらよ、善子ちゃん。」
「な、何がよ?てゆうか、私はヨハネよ!」
「善子ちゃんがお手洗いに行った後に、まるも行こうかな~って思ってお手洗いに行ったら…」
『顔が真っ赤な善子ちゃんを』
「あああああ~!!ど、どこまで見てたのよー!?」
この反応…やっぱり善子ちゃんだったずら…後ろ姿だけです~ぐにわかっちゃうずら。
「あぁ…ヨハネ…堕天…」ガク
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月曜日
…やはり、月曜の学校は疲れる…やる気が出ないとゆうか、だるいというか…とにかく辛い…
「はーい、それでは今年の文化祭の出し物について話し合いたいと思いまーす。」
今日の6時限目は文化祭の話し合いだそうだ…特に興味とかないから暇だ…
俺がボーッとしている内にたくさんの意見が飛び交う
そして、6時間目が終わりようやく帰宅の時間が来たが…
…正直厄介な役を選ばれてしまったな…。
そんな思いを抱きながら俺はバスに乗り込む・・・そして、2つほどバス停を通って、千歌達の浦女に止まった。
「おーい、悠之君~!」
千歌の元気そうな声が聞こえる…今の俺の状態だと、千歌の声はまさに癒しである…ずっと聞いていたい…
「浮かない顔してるね、どうしたの?」
果南が心配そうな顔をして俺の事を見る…
「いや…ちょっと色々あってな…。」
「ふぅ~ん・・・あ、そうだ!」
「どうした?」
「悠之君の所の高校は文化祭いつ?」
「う~ん…来週だったかな…。」
「な、なんで悠之君が曖昧なの?」
そりゃあ、興味が無いからですよ…なんて言ったらカッコ悪いから止めておこう…
「私達の文化祭は土曜日なんだ~」
千歌が果南の後ろからひょこっと顔を出す。
「俺らの高校は…あ、日程あったわ…え~と…俺らは日曜日だな。」
「じゃあ、ちょうどいいね。」
「私達も悠之君の学校の文化祭見に行くから、私達の学校のも来てほしいんだ~」
果南と千歌がまさに「お願い♡」って顔をしている…これは断れんぞ…
「あぁ、じゃあそうさせてもらおうかな。」
「えへへ~やったぁ♡」
「良かったね千歌。」
「ところで、千歌達のクラスは何を出すんだ?」
「それを言っちゃったら楽しみが無くなっちゃうでしょ~」
あぁ、確かにそうか…文化祭に興味が無かったからついこんな事を…
「じゃあ、お楽しみにしておくよ。」
「うん!じゃあ、絶対来てね♡」
…今年の文化祭は期待に応えられるようにしないと…。
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あの日から全力で文化祭の準備を手伝うようになった…大切な人が来ると思うとやはり、手は抜けない…
周囲の人からは、急にどうした?みたいな事を言われたが、正直今はどうでもいい…やるからには全力で…そして、みんなに勧められたこの役割も本気でやろう…
そして、文化祭当日まで目前となった。
to be continued…(後編に続く)