ホントに申し訳ございません…!
4月30日
「GWの予定?」
「そーなんだよ~!今年はゆーじくんがいるのに、お店の予約がいっぱいで遠出が出来ないんだってさ~」
まあ、旅館だったらGWにお客さんの予約がいっぱいになったって不思議ではないか…
「お母さんは土日以外だったら、遊んでもいいって言ったんだけどね…」
「…じゃあさ。」
「ん?」
「遠出ができて、電車賃、宿泊代がかからない良い場所があるんだけど…どうかな?」
「そ、そんな都合のいい話があるわけ…」
千歌が少し真面目な顔をする…が、
「…ガチですか?」
「ガチっすよ。」
「ホントに?」
互いに謎のキャッチボールが続く…
「で、そこってどこなの?」
「あぁ、ちょっと待っててな。」
俺は、スマホの電源を入れた・・・
「もしもし、今母さんに電話代われる?…あぁ、ちょっとだけでいいから…」
「なぁに?悠之~?今仕事中なんだけど~」
「まあ、そんな事は気にせずに……前に引っ越した家ってまだ売ってないっしょ?」
「別に売ってないけど…家具とかだってあそこに全部置いたままだし…それにあそこは私が建てたリゾートハウス…」
おぉ、流石は俺の母親だ…こうゆう時はホントに便利だな。
「じゃあさ、そこの家をGW中に使ってもいいかな?」
「もしかして、千歌ちゃんも一緒なのー?」
「ん?千歌も一緒だけど…」
「だったら、全然OKよー!むしろウェルカムよ!いっそラブ〇にしても・・・」
「おいまて、それ以上は言うな。」
ったく…そろそろ三十後半になる母親がなにを言ってるんだ…変な方向に性欲強すぎんだろ…
「んじゃ、使わせてもらうぜー。」
「はーい!じゃあ、私の家の使用人に車を出してもらうから~宜しくね~」
おぉ、相変わらず人の使い方が上手い人だな、予想通り交通費もかからずに済みそうだ。
「と…ゆう訳で行きますか。」
「行くって…どこへ?」
「TOKYOだ。」
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5月3日
そろそろ…母さんの車が来るはずなんだが…お、きたきた。
「ゆ~じくん、やっぱり曜ちゃんも、果南ちゃんも用事で無理だって~」
「…だろうな。」
曜は恐らく水泳の大会だな…果南はきっと、親父さんのお仕事の手伝いだろう…。
「まあ、仕方ないか…確か、千歌も旅館の手伝いで土曜日には帰んなきゃだもんな。」
「まあね~土日の予約が沢山あったらしいから、その日には手伝わないと…。」
千歌と話していると、さっき止まった車から使用人が1人降りてきた。
『悠之様、本日別荘地にお送りする者です。』
「あぁ、今回はよろしくな。」
「よろしくお願いしまーす!」
『ありがとうございます…どうぞ席の方へ…。』
俺と千歌は車の座席に誘導されて、席に座る。
『あ、悠之様。母上からお手紙がありまして…』
「ん?見せてくれ。」
俺は1通の封筒を開ける…
「悠之~ヤル時はちゃんとゴムを・・・」
ビリビリビリ・・・
「ゆ、悠之君?」
「何でもないさ、早く車を飛ばしてくれ…」
『はい、かしこまりました…。』
あのクソアマ…帰ったら絶対に痛い目に合わせてやる…
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車に乗り、渋滞にハマりながらも、ようやく別荘の近くまで来れた…
PM 4時30分
『そろそろ、目的地に付きますよ。』
「だってさ、早く起きろよ。」ユサユサ
「ムニャ…ミカンの楽園だぁ…」
「おーい千歌さーん?」
せっかく着いたってのに、全然起きないや…こうなったら…
「あ〜!あんなにたくさんのみかんの木がー!」
「なぁんだってえええ!!??」
「あ、やっと起きた。」
「へ?」
千歌が周りをキョロキョロと見渡すが…木は沢山あってもミカン木ではなかった…
「あれ?ミカンは…?」
「あぁ…えっと…ここには無いっす。」
すると千歌がほっぺをムッと膨らませる…
「…嘘つき。」ムッ
『それでは、私はこれで…あ、母上から温泉の無料券が渡されてますのでぜひお使い下さい…それではこれで…。』
「え、あぁ…ありがとな。」
あ、あの使用人逃げやがったな…ったく…。
「千歌~機嫌直してくれよ~」
「プッ…」
「…?」
「…アハハハ!ゆーじくんってば本気で心配しちゃってる~」
「な、今までの全部演技だったのか!?」
千歌が舌を軽く出しながらウィンクをする。
「えっへへへ!正解~!」ペロ
「ったく…もう…。」
「ん~?悠之君顔がニヤけちゃってるよ~?」
千歌が上目遣いをしながら、ジト目で見つめる…なんだかその姿に胸がキュンとした。
「もしかして、こうやって遊ばれるのって結構好き?」
「な、そんな趣味はねえよ!」
「ホントかなぁ~?」
「な、無いって!早く入ろうぜ!!」
俺は、千歌の手を握って別荘に向かう。
ギュッ
「ゆ、悠之君…///」
「な、なんだよ?」
「その…手を握って貰えるの…久しぶりで…///」
「まあ…その…GWはずっと2人きりなんだから、こういう事ぐらい全然…」
千歌が顔を急に赤くするので、俺も顔が自然と熱くなる…自分でも分かるくらいに…。
駐車場から、少し歩いて俺達の別荘が見えてきた。
確か、母さんが自然に囲まれた場所で絵が描きたいって言ってたからここの家を建てたんだっけな…
「じゃあ、開けるぞ。」
「うん!」
扉を開けると、広い玄関が待ち構えていた…そして、更に中へ入って見ると、広いリビング…白いキッチン…広い庭…全てが前に住んでた時と変わっていなかった…。
「すごいー!こんな素敵な場所に悠之君は住んでたの?いいなぁー!」
「まあ、母さんが無理やり建てた家だけどな…わざわざこんなところに建てなくても…」
「今はそんな事は関係ないよ~!素敵~!」
千歌が窓から顔を出して、はしゃいでる…確かに、俺もこの家に来た時は凄くはしゃいでた記憶が残っているなぁ…。
「とりあえず、夕飯が何も無いからなにか買い物に行くか?それとも、さっき貰った温泉の所にも色々とあるらしいけど。」
「あ、そこに行ってみたーい!温泉にも入りたいし!」
「そうだな、じゃあ行きますか。」
「うん!」
♢
~男湯
温泉は千歌の所の旅館で慣れてたから、あまり新鮮味が無かったけどここの温泉もなかなか居心地がいい…
そして、三十分程で俺は温泉から上がり、部屋着に着替えて男湯を後にした…
そして5分ほどして、女湯の入口から千歌が出てきた。
「ごめんね~ちょっと遅くなっちゃって…」
千歌も部屋着に着替えて来たが…風呂上がりで少し赤くなった頬と、三つ編みを解いて揉み上げが出てきていて、少し色気が増していた。
「ゆ~じくん?」
「え?あ、出てきたのか…」
「まあ…今出てきたけど…だいじょうぶ~?」
「だ、大丈夫だ…。」
「ねーね~ちょっとお腹すいてきちゃった~何か食べに行こ?」ギユッ
千歌が俺の腕を抱いてくる…千歌は気づいていなさそうだけどブラを外した状態で胸を押し付けてくるので、少し緊張して歩きづらい…
「…なんか大きくなったか?」
「へ?何の事~?」
「い、いや…気づいてなきゃいいんだ…///」
ヤバイな…やっぱり千歌は無意識で俺に抱きついている…ピュアだなぁ…
「あっちに色々とあったぞ、フードコートとか…」
「ホント!?じゃあそこに行きたいなぁ~」
「じゃあ、そこに行こっか。」
「うん!」
♢
「ゆーじくんは何にしたの?」
「俺は無難にハンバーグにしたよ。」
「あ~それも美味しそうだなぁ~後で分けて~!」
「あぁ、いいけど…」
五分程経過して、ハンバーグが俺のところに運ばれてきた、それと同時に千歌の頼んでた物も運ばれた。
「千歌は…スパゲティにしたのか。」
「うん!じゃあ…いっただきまーす!」
…なんか、フードコートでこんなに楽しそうにしてる子を見るのは初めてかもな…可愛い…。
「ねーねー、悠之君!」
「ん?何?」
「さっき言ったでしょ~ハンバーグちょっと分けてよ~」
「じゃあ、俺にもスパゲティ頂戴。」
「えへへ、もちろんだよ~」
千歌がクルクルとスパゲティをフォークに巻く。
「はい、あーん♡」
千歌のフォークに自然と吸い込まれていく…少し恥ずかしかったけど、流石に慣れてきたかな。
「じゃあ、俺もはい、あーん…」
「ん~♡美味しい~♡」
千歌が幸せそうにほっぺを抑えてる…何か目の前に天使がいるように見えるんだが…
そして、大体20分くらいで食事が終わった…。
「んじゃ、もう遅いし、そろそろ家に戻ろうか。」
「うん!今日来たばっかりでちょっと疲れちゃったしね~」
2人でまた手を繋ぎながら、家の方へ戻っていく…改めて思ったけど、千歌の手ってホントに柔らかいんだな…とてもピッチャーをやってるとは思えない…
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PM10:50
「じゃあ、今日は少し早いかもだけど寝よっか。」
「そうだね…ふあぁ~…明日はどこへ連れてってくれるの~?」
「そうだな…明日のお楽しみにしておこうか。」
「えへへ…それがいいかも…じゃあおやすみ…」
「あぁ、おやすみ。」
明かりを消して、2人で一緒のベットに入る…1人用だけど、少しだけ詰めれば二人分は全然余裕だった…が。
「(いつもより、顔が近くて寝付けねえ…)」
なんか、凄くいい匂いもするし…今夜はなんだか眠れない…どうしよう…
「Zzz…」
こんな状況でも、千歌は相変わらずよく眠れるなぁ…やっぱりピュアだからか?
「……」
PM11:50
「(…やっぱり眠れねえな。)」
「Zzz…」
羨ましいな…俺も早く寝たいのに…はぁ…
「(…今この家にいるのは俺と千歌だけなんだよな…)」
「ムニャ…」
…こんなに顔が近いとなんかイタズラとかしたくなる…でも…ただのイタズラじゃなくて…何か…もっと…
「(今回だけ…だ…)」
俺は千歌の頬を触り、自分の顔に少しづつ近づける…
「悪い…千歌…」
「何が悪いの?」
「…!?千歌ぁ!?」
俺は驚いて、千歌から離れる…。
「ねえ?どうして離れるの?」
「え、それは…びっくりしたから…」
千歌が俺の身体を引き寄せる…
「私は…悠之君の事を…もっと知りたい…悠之君にも…私の事をもっと知ってもらいたい…」ギユッ
千歌が俺の手を握り、自分の胸に俺の手を当てた…物凄く柔らかい感触を味わった…
千歌の顔を見ると、赤くなってるとか…そういう感じではなかった…何かを伝えようとしている表情をしている…
「千歌…ごめんな…こんなやり方しちゃって…」
「ううん…謝らないで…その代わり…」
『私を…もっと触って…?』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
5月4日
「お~き~て~ゆーじくん~!!」
「ん…?」
今日も、千歌の優しい声に起こしてもらえた…そういや一緒のベットにいると思ったら、ここは母さんの別荘だった…すっかり千歌んちの旅館に慣れてしまったな…
「おはよ、千歌…ん?」
「おは…よ…?」
俺と千歌は互いに見つめ合うが…俺も千歌も…
服を着ていなかった…
(※下半身は布団で隠れてます)
「え…///」
「あ、あぁ…///」
俺は今…完全に千歌の…見てしまった…
「きゃああああああ!!!!////」
千歌にまくらを思い切り顔面に抑えられ、ベットに叩きつけられた…
「んー!?んんー!??」
「もう!悠之君はそのまま顔を塞いでて!!///」
「ふぁ…ふぁい…」
…こんな状況で思っちゃいけないことかもしれないけど…千歌の胸…やっぱり大きかったな…。
「はい、もう大丈夫だよ~」
「まって、俺が大丈夫じゃない…なんか部屋着がベッドの下に落ちちゃってるんだが…」
「え~ちょっとまってて……はい。」
千歌が下から取りに行ってくれた…これで俺も問題ないな…
急いで部屋着に着替える…
「俺も終わったぞ~」
「はぁ…何で私達…裸だったんだろう…」
「わ、わからない…何でだ…?」
「「う~ん?」」
♢
とりあえず気を取り直して、千歌と冷蔵庫に入っていたパンとハムと卵で朝食を作る…もちろん、2人で分担をしながら準備を進めていく…
「悠之君、目玉焼き焼けた?」
「あ~もうすぐ焼けるよ。」
2人でこうやって準備する朝もなんだか、新鮮で楽しい…
「ねえ、悠之君…」
「何だ?」
「何か、こうやって一緒にご飯作るのって…その…新婚さんみたいじゃない?エヘヘ…」
「…た、確かにそうかもな。」
千歌と新婚か…だったらもう人生は永久に薔薇色だな…いや、みかん色か。
「あ、悠之君お湯湧いたよー」
「おう。」
インスタントコーヒーもあったので、ついでに作っておいた…
そして、全ての準備が整ったので、ようやく食事ができる…久しぶりに準備をやってみたけど、意外と時間がかかるもんなんだな。
「それでは…」
「「いただきまーす」」
「で、今日はどこへ行くの?」
「千歌が多分1度は行ってみたいと思うところだと思うぞ。」
「へ~楽しみ~!」
♢
電車に乗って約15分…もちろん電車賃も母さんが手紙と一緒に渡してくれてた。
そして、秋葉原駅から押上駅まで移動し、そして徒歩で約五分程…
「あ~!も、もしかして!」
『スカイツリーだ~!』
千歌が嬉しそうにぴょんぴょん跳ねてる…やっぱまだ行ったことは無かったみたいで良かった。
「もう中に入れるの!?」
「待て待て、あそこでチケットを買わないと…」
「じゃあ早く買いに行こ!」ダッ
「急がなくてもチケットはあるぞー」
とりあえず、千歌と俺の二人分のチケットを購入した。
「このエレベーターに乗って行くと高い所から景色が見えるぞ。」
「悠之君~早く乗ろうよ~!」
エレベーターはグングンと登っていき、高さ450mの第2展望台まで登った。
「うわぁ~!高いよ~!悠之君ー!!」
「そうだな~確かにここまで登るといつもと景色の迫力が違うな」
「あ、透明の足場があるよ!行ってみようよ~!」
「え、あ、あそこはちょっと…」
「えー?行こうよ~!」
千歌が腕をグイグイ引っ張るから、しょうがなくついて行った
「おぉ~下がまる見えだよ~!」
「……」ガクガク
「悠之君?」
「……」ガクガク
「…わっ!」
「うわああああぁぁ!!!」
「も~悠之君は情けないなぁ~」
「ジェットコースターとかは慣れてるけど、こういうジーとしたのはちょっと苦手なんだよ…」
さっきの衝撃で、足がまだ震えてる…俺も臆病になったもんだな…やれやれ…
~~~~~~~~~~~~~~
そして、あれから色んなところを回った…水族館や、ゲーセンに行ったり、お昼を食べたりと…幸せな時間はあっという間に過ぎていってしまった…
PM9:00 (別荘)
そして、夕食も終わり、あと残すところは…明日帰る準備とお風呂だけだった…
「ねえ?悠之君…」
「何?」
「その…今朝さ、私の裸…見ちゃったじゃん…」
「あぁ…正確に言えば千歌も俺の裸を見ちゃったけどな…」
千歌が顔を赤くして、モジモジしている…
「その…私…好きな人と…一緒にお風呂とか入ってみたかったって…その…ずっと思ってて…あぁ、でも別にエッチな事がしたいとかそういう事じゃなくて…その…///」
あ~お互いの裸を見ちゃって、変にスイッチが入っちゃった感じなのかな?
俺はその姿が可愛らしくて、自然に笑顔がこぼれていた。
「へ?な、何がおかしいの?」
「何か、こうやってテンパってる千歌を見るのはちょっと懐かしいな~って。」
ボンっと何かが破裂したように、千歌に顔がもっと赤く染まっていく…
「…その…私と一緒にお風呂…いや、混浴してくれませんか?」
♢
流石にいきなり裸で入るのは恥ずかしいので、互いにちゃんとバスタオルを体にまいて入浴した…
体の洗いっこをした時にタオルを外したりするのがかなり恥ずかしかったけど、少しづつ慣れてきた…
「悠之君…やっぱりちょっと恥ずかしいかな…。」
千歌が赤面しながら俺の顔をじっと…見つめる…。
その姿が愛らしくてとても可愛いかった…
「俺は全然恥ずかしくないとは思わないけど…千歌の全てがもっと見たいかな…。」
俺はそっと…千歌の胸に手を添える。
「ひゃっ…も、もう…///」
恥ずかしいよ…と千歌が目で訴える…。
「…まあ、今は2人しか居ないんだからさ。」
「あ~もしかしてそれが目的でここに連れてきたの?」
「う~ん…少しそれもあるかも。」
「もう…悠之君のスケベ…。」
千歌がちょっと呆れたように言った。
「でも俺は…千歌と一緒に東京を楽しむのが目的だったぞ?」
「もぅ…後から言ってもちょっと説得力無いよ~?」
それから10分くらい湯船に浸かった…シャンプーしたから当然だけど、千歌の髪から凄くいい匂いがした…
「はあ…今日でおしまいだね…ゴールデンウィーク…。」
「旅館の手伝いもあるし…仕方ないもんな…。」
「ねえ?悠之君…」
「どうした?」
チュッ
千歌が俺に顔を近づけて、ゆっくりとキスをする…。
「ゴールデンウィーク…す~っごく!楽しかったよ…!」
「あぁ…俺も楽しかった。」
「また一緒に来ようね!」
「あぁ…もちろん。」
俺も自然に千歌の唇に口付けをしていた…来年もまた…ここに来れたらいいな…
GW…終わらないで…