悟空「オラの?」緑谷「ヒーローアカデミア!」   作:須井化

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前回までのあらすじ

どこにでもいる無個性少年緑谷出久。

彼は将来の夢であるヒーローを目指すべく日々修行を積み上げていく!

雄英高校の入試を受ける事になった緑谷少年だが様々な困難が待ち受ける!

実技試験の最中とある受験生を救ける為奮闘するのだが…

というかもう時間無い!

残り時間僅か…急いで緑谷少年!!

更に向こうへ!PlusUltra!!!



第5話

()()()と状況は一緒だった。

 

でも違う。今度は…

 

 

 

 

受験生等「…………ええええええええええええっっっ!?」

 

職員等「…………ええええええええええええっっっ!?」

 

?「………bravoo…」

 

ズドッッッ!!

 

今起きた爆発で砕けたインフェルノの破片が幾度となく落下していく。

 

茶髪の少女「………」

 

緑谷「……ふぅ」

 

「………か…かか…」

 

「なんっつー……」

 

マイク「…3ー2ー1ー…」

 

マイク「終了ーーーー!!!」

 

「はっ…!」

 

「やっば!ぼうっとしちまった!!」

 

「ぐおおおあああっ試験終わったァァァァ!!」

 

 

 

 

 

【審査室】

 

「…まさかこれ程までに驚かされるとは…」

 

「あれワンパンする奴初めて見たー」

 

「それ所かあの仮想敵ぶっ壊されるとこ見る事すら滅多にねぇわけだが…」

 

「あっちゃ…被害総額がえらいことになりそうなこった」

 

「今のは….ビーム………発動系の個性かしら」

 

「何にせよとんでもない奴だって事は確かだな」

 

?「……」

 

?(…最後の数十秒…誰もが彼から目を離す事なくその勇姿を見続けていた)

 

?(彼はあの場にいた受験生全員の心を揺るがせた…!)

 

?「何ともまぁ…」

 

?「オーマイグッネス………!!!」

 

 

 

 

 

 

試験が終了し、移動を始めた受験生達。

 

「な…何だったんださっきの…」

 

「さぁ?急ににギミックに飛び出していって…」

 

「目立ちたかったりなー」<がははは

 

眼鏡少年(……そこじゃないだろ…肝心な所は)

 

眼鏡少年(見ていなかったのか!?奴はあの少女を救わん飛び出だしたんだ!!)

 

眼鏡少年(残り時間…己の身の安全…合格に必要な要素を天秤にかけ…)

 

眼鏡少年(それでも尚一切の躊躇なく…!)

 

眼鏡少年(試験という場でなかったら当然僕もそのようにしたさ!!!)

 

眼鏡少年(…あれ?)

 

その時ふと眼鏡の人はある疑問を浮かべる。

眼鏡少年(………当然………試験……)

 

眼鏡少年「ああああああああっ!?」

 

眼鏡少年(この試験が…そういう構造であるなら…)

 

眼鏡少年(奴は………)ギリッ…

 

ギリッと歯を食い縛る。

 

 

 

緑谷「……」

 

緑谷(あの巨大敵を…僕がやったのか?)

 

終わって尚未だに信じられない出来事だった。

 

今回は正真正銘自分の力で人を助けられたんだ。

 

だが素直に喜べる結果では無かった。

 

緑谷(さっきのあの数秒…)

 

緑谷(多分他の皆はポイントを取りまくってたんだろうな…)

 

緑谷(結構高く保持してた方だと思うけど…)

 

もし今の救助で取れた筈の合格をみすみす捨てたと思うと…

 

とても悔しい。

 

折角鍛えてもらってつけた力だったのに…

 

緑谷(いや…まだ不合格って決まった訳じゃない)

 

緑谷(今はこの子が助かったから結果オーライか)

 

「はい皆お疲れー」

 

試験終了から間も無く1人の老婆が颯爽と現れた。

 

緑谷「!」

 

「ハリボーだよ。ハリボーをお食べ」スッ…

 

彼女はそう言うと僕にお菓子を差し出す。

 

緑谷「ありがとうございます!」

 

「怪我人はいるかい?ちゃっちゃと治していくよー」スタスタ…

 

緑谷「…あの方は…」

 

この小柄なおばあさんは妙齢ヒロイン【リカバリーガール】。

 

リカバリーガールの個性は治癒力を活性化させるもので対象者の傷をみるみる治していく。

 

まぁ実際治しているのは自分なんだけどね。

 

 

 

 

ブチュゥゥ…

 

<ギャァァァ!!

 

因みに活性化させる方法は口付けだ。

 

これより精神的ダメージを負う者も後をたたない。

 

緑谷「さてと…着替えてさっさと帰るか…」

 

茶髪の少女「待って!」

 

演習場を抜けようとするも先程助けた娘に呼び止められる。

 

緑谷「どうしました?」

 

茶髪の少女「…あ…ありがと……さっきは」

 

茶髪の少女「お陰で助かったよ」

 

緑谷「あ、き…気にしなくてもいいよ…校門の時の恩返しみたいなものだからさ…」アセアセ…

 

知り合いでもない女の子と戯れている為パニクり中。

 

緑谷「それにしても…怪我が無くて良かったよ」

 

茶髪の少女「………なんで…あの時私を?」

 

茶髪の少女「もしかしたら…私のせいで……」

 

緑谷「……?」

 

緑谷「困ってる時はお互い様。当然じゃないか」

 

茶髪の少女「……………」

 

緑谷「それじゃ…合格祈ってるよ」

 

そう言うと僕は直様出口に向かって走っていった。

 

緑谷「……」ダダッ…

 

緑谷「ああもうクソッちっとも反省してないじゃないか何無駄にカッコつけようとするんだ恥ずかしい女の子に免疫付けないとこれじゃコミュニケーション成り立たないぞおい!」ボソボソ…

 

赤面になりながらも絶賛後悔中である。

 

緑谷「…でも…ありがとう、かぁ」ダダッ…

 

緑谷「………僕も誰かの役には立てるんだな」ニッ…

 

試験の結果はもうどうでも良かった。

 

この時はただ、彼女を救けられた。

 

本当にそれが嬉しかったんだ。

 

小さく微笑みながらそのまま走り去っていった。

 

 

 

「…お?…」スタスタ…

 

緑谷「ははっ」ダダッ…

 

「………」

 

ある1人の少女に見つめられながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから1週間後…無事筆記試験も終わり合否を待つのみとなっていた。

 

悟空「」ガツガツ…

 

デク母「………出久?」

 

緑谷「……」ジィィ…

 

あれから数日経った。

 

筆記の方は自己採点でギリギリ合格ラインを通過していたので然程心配していない。

 

唯一の不安要素はやはり実技試験だった。

 

最後の1分近くが大きなタイムロスになっている為正直期待できなかった。

 

試験中は敵のポイント稼ぐのに必死で周りの状況を把握するのもままならなかったのだ。

 

もしかしたら皆100近く軽く行っているかもしれないし…

 

或いは意外と低い結果で甘んじているかもしれない…

 

最悪の可能性として最下位が38Pの人で合格ならずってのも考えられる。

 

考えれば考える程あらゆるケースが思い浮かぶ。

 

ただただその事に一日中うなされていた。

 

終いには魚の頭とにらめっこしながら考え込むに至る。

 

デク母「出久っ!?」

 

緑谷「え…あ…何?母さん」

 

デク母「こっちの台詞よ…魚持ち上げてずっとフリーズしてるんだから」

 

緑谷「ごめん…ちょっと考え事してた…」

 

デク母「…」

 

悟空「」ガツガツガツガツ…

 

 

 

 

 

悟空「ひぃー…いい湯だった」

 

悟空「そんじゃ緑谷の様子でも見てくっか…」スタスタ…

 

ガチャ…

 

悟空「緑谷〜」

 

ビュオオッ…

 

悟空「?」

 

扉を開けると廊下に強い風が吹いてきた。

 

中を覗くと窓を開けてベランダで黄昏ている僕の姿が見えた。

 

悟空「…星でも見てるんかぁ?」

 

悟空「外出たら寒いだろ…」スタスタ…

 

話しながら悟空さんは僕に近づいてくる。

 

緑谷「……いえ…別に」

 

悟空「もしかして…試験の事か?」

 

緑谷「……」

 

緑谷「多分、明日くらいに結果が通達されると思います」

 

緑谷「正直…やっても無駄かなって思ってたんです」

 

緑谷「どうせ何もできずに終わるから」

 

緑谷「でも……そんな事無かった」

 

緑谷「ちゃんと試験に合格出来るレベルの実力も持ってるし…」

 

緑谷「僕にも人を救けられる位の力もあるんだって分かったし」

 

緑谷「最善を尽くした…正しいと思う事をした」

 

緑谷「だからこれで十分なんです…」

 

悟空「…」

 

緑谷「これで…」

 

悟空「……………おめぇは……努力もいっぺぇしてきたし…素質だってあった」

 

悟空「もしこれで落ちるんだったら…それはオラの力不足だ」

 

悟空「そうだったら…オラはここを出て行く」

 

緑谷「!?」

 

悟空「おめぇが強くなりてぇって言ったからあんだけ無理やりずっとやらせてきたんだ」

 

悟空「オラが…ここに居座っていいわけねぇ」

 

緑谷「………そう…ですか」

 

悟空「…それじゃオラは自分の部屋戻ってるぞ」クルッ

 

悟空さんは後ろを向いて部屋の扉に歩き出した。

 

悟空「外出たままだと風邪引いちまうからな」スタスタ…

 

緑谷「はい…」

 

悟空「…」スタスタ…

 

悟空「………ごめんな、オラが馬鹿だから…」

 

バタン…

 

それだけ言うと開けていた扉を閉じて部屋を出て行った。

 

緑谷「………………」

 

…受験前、母と交渉して悟空さんをここに住めるように頼みこんだ。

 

母には多少事情を伝えてはある。

 

僕の為に修行につきあってくれた。だからこの家に居るのを許可してくれと…

 

母は快く了承してくれた。

 

 

……それでもさっきのに反対しなかったのは悟空さん自身が望んでいたからである。

 

元々この異世界に迷い込んでしまったが故にここに居候させている訳だが…

 

そもそもここに居たって何も状況は変わらないのだ。

 

僕もこの1年間何も手をつけなかった訳じゃない。

 

ネットを使って色んな情報を調べまくってた。

 

でも……一般人の僕や母じゃ手に負えない問題だ。

 

残されてしまった家族や仲間の心配もあるだろう。

 

一刻も早く帰らねば…そう焦っているに違いない。

 

だからここにずっと住む必要も無いし…

 

それに…僕にそれを止める権利も無い。

 

 

 

緑谷「……なんで…だよ…」

 

緑谷「この1年間…全部割かせたのは…無駄にさせたのは……僕だってのに」

 

緑谷「何も自分の所為にする事ないだろ…っ」ググ…

 

あの人の期待に応えられなかった…

 

僕は恩を仇で返してしまったのだ。

 

その事が何より悔しくて悲しかった…

 

手を強く握りしめ必死に感情を抑えようとする。

 

緑谷「……っ…」

 

 

 

ドタドタドタ…!

 

緑谷「ん」

 

いきなり階段から大きな足音が聞こえたので我に返る僕。

 

すると母が僕の名前を連呼してくるではないか。

 

デク母「いずくいずいずずく出っずく」

 

デク母「出久!!!」ガチャッ!!

 

息を粗くしながらドアを乱暴に開けてきた。

 

緑谷「ど…どしたの…?」

 

デク母「キタ!来てた!来てたの!来たのよ!」

 

デク母「来たんだよ!!!」スッ…

 

僕に向かって思い切り伸ばしていた手にあったものは…

 

雄英高校から僕宛の封筒だった。

 

 

 

 

 

 

緑谷「……」

 

緑谷「見なきゃ始まらないもんなぁ…」

 

母さんから貰った封筒を少しの間眺めていた。

 

まだ開ける勇気が出ていなかった。

 

あ、母さんは廊下でそわそわしながら待ってるよ。

 

緑谷「…よし」

 

ビリリィッ

 

ようやく意志を固めた僕は封筒をビリビリに破った。

 

なんて雑な…

 

緑谷「これは…」ガシッ

 

中に入っていたのは。幾つかの資料と小型の円形プロジェクターだった。

 

机に置き、そっとボタンを押すと…

 

ピッ…

 

 

 

ブゥゥン…

 

?「ンンンン……」

 

緑谷「ん?」

 

空中に流れていたその映像には…

 

 

 

オールマイト「私が投影されたっ!!!」クワッ

 

緑谷「わっわわあっ!?」

 

なんとオールマイトが映っていた。

 

緑谷「うっそ…これ…雄英から…だよな?」

 

緑谷「なんで!?」

 

オールマイトが何故雄英に関与しているのか…訳も分からず混乱していた。

 

と同時にオールマイトが僕の為にこのビデオを撮ってくれたという事実にかなり感動した。

 

オールマイト<いやーすまないすまない。ンンッ!

 

オールマイト<諸々手続きに時間がかかってね

 

緑谷(すごっ…世界に1つしかない僕専用のオールマイトのムービーだ…)

 

とりあえず話聞こ

 

オールマイト<私が今ここにいるのは他でもない

 

オールマイト<来年度…つまり君達が入学する年から私がこの高校に勤める事になったからなんだよ

 

緑谷「マジっすか!!!」バンッ!

 

まさかの急展開に興奮せずにはいられなかった。

 

つい机を強く叩いてしまった。

 

緑谷(あっ………ぶな…机壊れるわ)ミシミシ…

 

デク母「」ガタガタ…

 

お母さんが怯えてるじゃないか。

 

とりあえず話聞こ

 

オールマイト<ん?…ええ!?巻きで?彼には話したい事がたんまり…

 

オールマイト<後がつかえてる?…分かったOKOK

 

オールマイト<そんじゃ入試の合否を発表しようか

 

オールマイト<筆記試験は合格ラインちゃんと取れてたよ

 

オールマイト<……実技の結果は37P……10875人中37位

 

オールマイト<今回の定員の枠は36人。よって君は不合格だ

 

緑谷「…………」

 

不合格……その言葉だけが僕の脳に深く刻まれた。

 

駄目だったんだ、結局取れなかったんだ。

 

薄々分かってた…こんな事になるなんてもうとっくに予想ついてた!

 

でも…

 

緑谷「…………こ…んな…事って…ない……っだろ…」

 

緑谷「何か…何か間違った事をしたのか…?道を誤ったのか?」

 

緑谷「あんまりじゃねぇかよ……!」

 

すごくショックだった。

 

十分合格できる試験だった。

 

なのに自らそれを拒んでしまった。

 

手を震えさせ歯を食い縛り泣きそうになるのを精一杯堪える。

 

もう嫌だ……そう諦めかけた時だった。

 

オールマイト<37P(それ)だけなら………ね

 

緑谷「!?」

 

再び発した言葉に耳を疑った。

 

緑谷(()()()()?だけも何もその結果が全てじゃないか…)

 

緑谷(どういう事だ?)

 

オールマイト<私もまたエンターティナー!こちらのVTRをどうぞ!!

 

そう言うと液晶テレビのリモコンを操作し、起動させた。

 

すると…ある動画が映され始めた。

 

 

 

 

 

マイク「ヘイヘイどうした今日の試験内容は全て終了したぜリスナー?」

 

マイク「俺に何か用でも?」

 

茶髪の少女「すみません…あのぉ……」

 

茶髪の少女「髪緑でもさもさの…そばかすある……ええーっと…地味めの…」

 

茶髪の少女「分かりますか?」

 

マイク「……ああ。ドッスンぶっ飛ばしたヤツ?そいつがどした」

 

茶髪の少女「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

マイク「………MA・ZI・DE?」

 

茶髪の少女「はいMAZIDE」

 

茶髪の少女「私…あの人のポイント知らなくて…」

 

茶髪の少女「彼、助けてくれたんですよ」

 

茶髪の少女「もしかしたら…ウチが手を煩わせたせいで落ちちゃうかもって思って…」

 

茶髪の少女「せめて…私のせいでロスした分だけでも……!!」

 

茶髪の少女「彼にクリアしてほしいから………!!!」

 

 

 

 

 

 

 

緑谷「…………」

 

『てめぇが何をやれるんだ!?』

 

今まで散々否定されてきた。

 

能無しだの役立たずだの言われ続け…

 

夢を諦めるまで後一歩という所まで追い詰められていた。

 

でも……でも…

 

心の底から僕の事を応援してくれる…

 

そんな人が居てくれたんだ。

 

そう思うと……泣かずにはいられなかった。

 

 

 

緑谷「っ……ぐぁっ……ぅ…」

 

緑谷「僕の……事こんっ…なふに…」

 

緑谷「思てくれだ人が……」

 

緑谷「……ぅ……っぇ…」

 

緑谷「よ……っが…た」

 

 

 

 

 

緑谷「生きててくれて…良かった…!」ポタポタ…

 

オールマイト<…………

 

オールマイト<試験の後すぐ直談しに行ったらしい

 

オールマイト<君は少女を救って尚…人を動かした

 

<「分けらんねぇし…そもそも…」

 

<「分ける必要がねぇと思うぜ女子リスナー!」ナデナデ…

 

緑谷「…?」

 

オールマイト<先の入試!!見ていたのは敵Pのみにあらず!

 

オールマイト<人助け(正しい事)した人間を排斥しちまうヒーロー科などあってたまるかって話だよ!!

 

オールマイト<綺麗事!?上等さ!

 

オールマイト<命を賭して綺麗事実践するお仕事だ!!

 

緑谷「!?」ガタッ!

 

言っている言葉の意味が全く理解できなかった。

 

ただ1つ…確信した事がある。

 

まだ僕には希望があったんだ!

 

そう思いながら、椅子から勢いよく立ち上がる。

 

オールマイト<救助活動(レスキュー)ポイントーーーッッッ!!!

 

オールマイト<しかも審査制!我々雄英が見ていたもう1つの基礎能力!!

 

オールマイト<緑谷出久!救助活動P70!!

 

オールマイト<よって合計107P!!!

 

緑谷「むっちゃ…くちゃだもう…!!」

 

オールマイト<合格だってさ(スッ…

 

そう言うとオールマイトはこちらに向けて手を伸ばす。

 

オールマイト「来いよ緑谷少年!!」

 

オールマイト「雄英(ここ)が君のヒーローアカデミアだ!!!!!」

 

緑谷「…………っっ!」ゴシゴシ…

 

こんな事あり得るか!?

 

今までの人生で最も刺激的な思い出になりそうだよ畜生!

 

様々な感情が僕に表れまだ混乱しているが……

 

 

 

 

 

緑谷「はいっ!!!」

 

自分の夢が自分で拓けた…

 

確かにそれは実感できた事だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

緑谷「…というわけで合格しましたー」

 

悟空「……」プルプル…

 

悟空「うあああああ…」ドバァァ…

 

悟空さんはその朗報を聞くなり僕に泣きついてきた。

 

いやこれ涙じゃなくて滝だわ。

 

悟空「うぅっ…てっきりオラ…オラ…」

 

悟空「1人でロクな飯食えずに野宿するかとおもっだぞぉぉぉ」ドバババ…

 

緑谷「……」

 

あれ…この人昔山の中でサバイバルしてたんじゃ…

 

そんな疑問を抱きつつ僕は悟空さんを何とか落ち着かせようとする。

 

緑谷「おーよしよし」ナデナデ…

 

何より…絶対合格する自信があってこそ言えた冗談だったので

 

僕はとても嬉しかったんだ。こんなに信頼してくれたから。

 

 

 

悟空「いっやぁ…良かった良かった…」

 

悟空「悟飯だったらチチにどやされっとこだったぞー」

 

緑谷「そっか…悟空さんってもう子持ちなんですね」

 

緑谷「お歳はいくつで?」

 

悟空「歳?もうおめぇの倍はあったはずだぞ…」

 

緑谷「え」<確か30……

 

驚愕の事実だった。

 

もう子供三十路過ぎてたのかよ。

 

え…つまり逆算すると悟空さんって…

 

悟空「因みにオラの年齢は5s

緑谷「ダメェェェ!!!」

 

悟空「っだよ…おめぇが聞き始めた癖にー」

 

聞いてはいけないような気がしたのですぐに妨害した。

 

この見た目で50代ってどうなの…

 

見ただけでは20〜30位の男性にしか見えない。

 

悟空「()()()()は戦闘民族だから若い期間が長ぇってベジータが言ってたぞ」

 

緑谷「は…はぁ…」

 

 

【サイヤ人】…どうやら悟空さんの世界では宇宙人が実在するらしい。

 

彼によればサイヤ人とは尻尾がある種族で満月を見ると大猿に変化する……らしい。

 

元々星々を襲ってはそれを売却する地上げ屋…っていうのを盛んに行っていたけど…

 

ある日…とある宇宙人にその母星ごと消されてしまった……らしい。

 

その生き残りの人が孫悟空(この方)という事だ。

 

勿論実際に僕が他のサイヤ人と遭遇した訳でもないし、真実かどうか正直イマイチ信憑性に欠ける話だ。

 

まぁ…そもそもまだこの人の得体が知れないのは確かなんだけど。

 

 

 

 

緑谷「…悟空さん…元の世界に未練ってあるんですか?」

 

緑谷「もうお子さん?も独立したみたいですし…」

 

悟空「………あるぞ、いっぱい」

 

悟空「ヤムチャと一緒に野球やりてぇし」

 

悟空「天津飯や餃子と技見せ合ったり」

 

悟空「ブルマいねぇとドラゴンボールも探せねぇしな」

 

悟空「悟天とトランクスはまだまだ危なっかしいし」

 

悟空「亀仙人のじっちゃんやクリリンと話してぇ事たんまりある」

 

悟空「悟飯も最近なまってきてっから鍛えてやりてぇし」

 

悟空「ベジータとの決闘もまだケリがついてねぇ」

 

悟空「早く帰らねぇとチチやパンにも叱られる」

 

悟空「…それに…すぐ戻るって約束しちまった」

 

悟空「帰らねぇ訳にもいかねぇよ」

 

緑谷「…そうですよね」

 

緑谷「それじゃ僕も頑張らないと」

 

緑谷「そうでもしないとこの御恩は返し切れない」

 

悟空「………でもよ、オラ別にこの世界が嫌いって事ねぇし」

 

悟空「1つ、やらなきゃならねぇ仕事が見つかったからなぁ」ポンッ

 

そう言うと悟空さんは僕の頭を撫で始めた。

 

悟空「…オラ、2回死んじまってな」ナデナデ…

 

悟空「1回目は割とすぐ生き返ったんだけど…もう1回はしばらくあの世に留まっててな」

 

悟空「チチを大分悲しくさせちまった」

 

悟空「オラ教育とかは全部チチに任せっきりで悟飯に父ちゃんらしい事ができたって言やぁ数えられる位しかねぇ」

 

悟空「…だからその分、おめぇが立派な大人になっまで見届ける」

 

悟空「それが…帰るまでのオラの役目だから」

 

緑谷「……」

 

緑谷「掴みます…いや、嫌でも掴んでやる」

 

緑谷「だから…ヒーローになるまで…」

 

緑谷「まだまだ未熟者な僕ですが…」

 

緑谷「よろしくお願いします」

 

悟空「…ああ。よろしくな、緑谷!」

 

 

 

 

多くの救けを受けて…僕の人生は変わってゆく。

 

1つの大きな誓いを胸に…

 

夢の高校生活が始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【雄英高校職員会議室】

 

「……レスキュー無しで77…」

 

「こりゃかなりの好成績だ」

 

「知ってるか?筆記満点2教科あったんだぜこいつ…」

 

「入試成績1位爆豪勝己…恐ろしい男よ」

 

「…こいつだけじゃねえさ」

 

「実技試験107P通過…」

 

「こんな事過去に一度でもあったか?」

 

「3桁越えとか……」

 

「今年は異形なルーキー達が続出ねー」

 

ガヤガヤ…

 

(……ったくワイワイと…)

 

(気楽なもんだ)ピラッ…

 

「…これは実に…」

 

 

「実に非合理的な試験結果だな」

 

 

 

 

 




3日連続で投稿はしないと言ったな…

全て嘘です!これはパラガスが仕k
ドアラッ!!!



はいはい。第5話書き終わりましたよー。

意外と内容はそんな多くない気がすんのに前回より文字数多かったw

本当はイレイ何とかヘッドさん登場までやりたかったけど量がえらい事になりそうなんでやめました。

いかがでしたか。

何か意見等ございましたら感想・メッセージで気軽にご相談ください

次回はようやく雄英高校編スタート…長い前振りだった。

ヤオヨロと愉快な仲間達が登場乞うご期待。

第6話は1週間以内に投稿します…ええ…1週間以内に。

お楽しみに。



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