悟空「オラの?」緑谷「ヒーローアカデミア!」   作:須井化

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緑谷「………」

「………………」

緑谷「ぇ…ぇぇと……」

緑谷「月初の恒例イベント…ブレイクタイム2時間目を始…め…ます」

八百万「………言いたい事は分かりますわね?緑谷さん」

緑谷「は、はぁ…」


八百万「作者のあまりに不適切な対応に閲覧者の方々の不満を解消すべく始まったこの特別企画……」

八百万「第1回目が始まってからここまでの期間の投稿が1話って一体どういう事てすの?」

耳郎「何の音沙汰も無く更新無しと来たらそりゃまぁ驚くわな」

葉隠「一体何人もの読者が失踪したと思って去っていったのか……」

芦戸「んまー、リアルで風邪引いたからっていうのは百歩譲って…いや無いわー」

蛙吹「よくもまぁ迷惑だから次回の更新予定日時を公開しないようになんて言えたものね」

麗日「公開しないのが仇になって後悔してるんですね分かります」


緑谷「………いや、あの…その…」

緑谷「僕に言われましても……なんとコメントしたらいいか…」

拳藤(これはひどい)<リンチェ…



キーンコーンカーンコーン…



緑谷「…………と、いう訳でですね」

緑谷「月初の恒例イベント…オラのヒーローアカデミア、ブレイクタイム2時間目始めたいと思います!」

麗日「いあーー!」

八百万「」パフパフ~

拳藤(なんだこのテンションの差は…)

緑谷「本編の投稿が滞る中、まさか再開するのが一ヶ月後などと誰が予想したのでしょうか!?」

緑谷「こんな悪空気をも必ずやこの企画でぶち壊してやりましょう!」

八百万「だからこそのブレイクタイムですし」

拳藤(ブレークタイムは休憩時間なんだよなぁ)

緑谷「さぁ!長々と前座を置きましたが2時間目の主人公(ヒロイン)を発表していきましょう!」ドゥルルル…

八百万(前回は番狂わせが起こってしまいましたが今回は違いますわよ!)

八百万(作者がロクに更新をしない事により本編の記憶が薄い&アンケートの票が少ない筈ですわ!)

八百万(と、いう事は否が応でも私に投票する他無いt
緑谷「蛙吹さんです!!」デデン!

八百万「……へ?」


耳郎「ま、まぁ…梅雨だし」

芦戸「梅雨だもんなー」

葉隠「梅雨だからね」

麗日「6月と言えば梅雨ちゃんやしね!」

蛙吹「ケロケロ…なんか安直すぎる理由な気もしなくは無いけど」

蛙吹「嬉しいわ、選ばれて」

八百万「いやいやいやいやいや!?」

緑谷「まぁ今回は更新が途絶えた都合上前回と同じ4票なんですけどねー」<蛙吹さん2票の耳郎さん1八百万さん1

拳藤「だとしても前回と同じ票数ってのはすごくね?」

拳藤「5/5で更新止まってただろ」

八百万「いっ異議ありですわ!」

麗日「却下」←前回当選済

八百万「えええええっ!?」

緑谷(あれ…八百万さんサイバンチョだった筈…)

耳郎「投票してくれた人ありがとねー」




No.2

ザァァァ…

 

 

 

今日この頃雨。かなり大降り。

 

春を通り越して最早季節が夏なのでは無いかと疑う程の蒸し暑さを耐え凌ぎ、ようやく6月がやって来た…

 

かと思いきやこの時期である。そう、梅雨だ。

 

天気が悪いわ、暑くてじめじめするわ、水泳始まるかと思いきや雨のせいで室内体育になるわ……

 

高校に入って早3ヶ月…ようやく生活に慣れ始めた高1にとっては尚更この【梅雨】というものは苦痛であり、憂鬱な時期なのだ。

 

 

 

でも私はそんな雨が好きだ。

 

特にこの【梅雨】の時期は私にとってのお気に入り…

 

 

 

「雨は楽しいな♪」ビチャビチャ…

 

 

 

 

 

…とは言えこんなに上機嫌にスキップしながら下校するのはかなり珍しいけど。

 

 

 

 

 

 

私の名前は蛙吹梅雨。雄英高校に通う1年生、ごく普通のヒーロー志望生よ。

 

くれぐれも呼ぶ時は苗字じゃなくて【梅雨ちゃん】と気軽に呼んでちょうだい。

 

今日はある事情で友達の家に寄らなければならなくなってしまったの…え?それじゃなんでそんな気分が良いか…ですって?

 

 

 

 

それはおよそ1時間前に遡る。私は傘を片手に帰宅しようと廊下を渡っていた。

 

そんな時、不意に後ろから孫先生(私の担任)に呼び止められたの。

 

 

「蛙吹〜悪りぃけど少し帰る前に緑谷ん家寄ってくんねぇか?」

 

「早めに渡してぇ紙?があんだけど…」

 

「え…私が……ですか?」

 

緑谷ちゃんは今日風邪を拗らせて今は休養中なの。要するに本当は今日渡す筈だった資料も渡せなくなったのでそれを届けに行けという話よ。

 

USBなりメッセージなり使えばいいのでは無いかと先生に聞くと…

 

「いやぁ…うっかりまたすまほ壊しちまったし」

 

「オラパソコン使えねぇからな〜」

 

<後ゆーえすびぃってなんだ?

 

孫先生はオールマイトに負けず劣らずの超人パワー持ちだけど少しおっちょこちょいな所が面白い。

 

…何かその言い方だと今まで何度も携帯を壊してきたように聞こえるわね……

 

「駄目かぁ?蛙吹〜」

 

「……うーん……」

 

 

 

緑谷ちゃんは静岡県出身。私はその隣の愛知県に住んでるから近いという理由で言うのならば百歩譲って納得しましょう。

 

だからと言ってこんな荒れている天候の中、わざわざ別県に住んでいるクラスメイのお家に寄ってこいと言うのは…いささか無理があるんじゃないかしら。

 

いくらお人好しな私でもそんな難しい要求をハイハイと呑む訳ないじゃない…………

 

 

 

 

 

 

とか思っていた時期が私にもありました。

 

 

「勿論、喜んでやらせてもらうわ」

 

 

 

一応言っておくけど緑谷ちゃんの私生活を覗くとかそんなやましい気持ちは全く無いわよ。

 

本当は面倒くさかったけど緑谷ちゃんには色々と助かってるし…日頃のお礼よ。

 

それに倒れている友達のお見舞いをするのだって当然じゃない?当然でしょう?

 

だから決して緑谷ちゃんの家に遊びに行きたいとかそういう事は微塵も思ってないから安心してちょうだい。

 

………大事な事だから2回言っただけよ?

 

 

 

 

 

 

「ようやく着いたわね…緑谷ちゃん家」

 

街の一角にポツンと建っているアパートの一室…そこが緑谷ちゃんのお家。

 

何の変哲もない普通の家なのにこんなに胸が踊るのは何故かしら…すごいドキドキする。

 

雨でずぶ濡れになった傘をバシャバシャとはたいた後階段を上っていき伝言されていた番号の部屋に辿り着く。

 

とりあえず友達の家に入る時は1P(ピンポン)が定石よね。

 

 

ピンポーン

 

 

「………けろ?」

 

ピンポンを鳴らしたが反応が無い。聞こえなかったのかしら…それとも手が離せなかったり……

 

念の為もう1回インターホン押しとこうかしら…あーでもしつこく押し続けても迷惑になるだけだし。

 

 

そうこうしている内にドアの向こう側から人の足音が聞こえてきた。良かった…ちゃんと気づいてたのね。

 

それにしては何か歩くスピードがやけにゆっくりだけど突っ込むのは野暮かしら。

 

念の為そっとドアを開けて中を確認してみると…

 

 

 

ガチャ…

 

「……ん?」ゴホッ…

 

「…」

 

 

なんとフラフラとドアにゆっくり歩いていたのは緑谷ちゃん本人だった。

 

ま…まずいわね。寝てる所を起こしちゃったのかしら……睡眠の邪魔をしてしまったのなら謝らないと…

 

い、いやいやその前にほら…いきなり家に侵入して来ちゃったし…えと、挨拶しなきゃ…

 

 

「お、おはよ…緑谷ちゃん」

 

「……えっと……」

 

「今…夕方だよ?梅雨ちゃん」

 

そういうツッコミ狙いじゃないのよね、うん…

 

 

 

 

 

ひとまず家の中に入らせてもらい、廊下を歩きながら簡単に事の経緯を話した。

 

「へー…それでわざわざ」

 

「ありがとうね…こんな天気の中手を煩わせちゃって」

 

「礼には及ばないわ。友達だもの」

 

「友達…ねぇ……」

 

「そういえば…こんなどしゃ降りの中じゃかなり制服濡れたでしょ?タオルで……」

 

そう言いながらこっちに振り向いた緑谷ちゃんだったが私を見た途端口を開けたまま固まってしまった。

 

何か変な虫でも付いているのかと思って確認してみると…

 

 

「…あちゃ…」ビチャビチャ

 

 

予想以上に濡れてたわね…うん。白い下着がはっきりと見える位透けてらっしゃる。

 

透ちゃんも驚きの透明度…って洒落にならないわ。

 

まぁそれを見ちゃ顔も赤くなるわね。

 

「……どうしたの?熱高そうじゃない?」

 

「顔が真っ赤よ緑谷ちゃん」

 

「いっ…いやっその…ふぁっ!」

 

慌てて必死に手で遮ろうとする緑谷ちゃんなんか可愛い。もうバッチリバレバレだからいくら見てもいいわよ。

 

…恥じらいが無いだとかそういうのは禁句(タブー)よ。

 

このまま反応を楽しむのも面白いけどそろそろ冗談無しに身体が冷えてこっちが風邪になりかねないから…

 

「緑谷ちゃん」

 

「ひゃい!?」

 

「シャワー借りてもいいかしら…」

 

「…………ぁ」

 

「ご、ご自由に」

 

 

 

 

シャワァァ…

 

思ったよりも反応が薄かったわね…あっさり了承されちゃった。まぁ体調が体調なだけに大きなリアクション出す気力も無いって所かしら…

 

いつ浴びてもやっぱりシャワーは慣れないわね。天然の雨を浴びたいわ…汚れちゃうけど。

 

勢いで入ってしまったものの…シャンプーとか何使えばいいのかしら?

 

「え、えーっと…」

 

「緑谷ちゃーん!貴方ってどのシャンプー使ってるの?」

 

何の洗剤を使えば良いのか私1人では判断できない為、緑谷ちゃんを呼び出すものの…

 

「んー?何使ってもいいよ!」ゴホゴホッ

 

その答えが1番困るのよ…緑谷ちゃん。

 

「ところで梅雨ちゃん、君のサイズってどの位?」

 

「」ブシャァァ

 

な、何を聞いてるの緑谷ちゃん!?さ、さ…ササささサイズッ!?

 

「い、いや……一応服用意する時にキツキツだったりとか、逆にブカブカだったりしたらアレかと思ってさ!?」

 

「け、ケシテそんな卑猥な事は!」

 

言ってる時点でアウトよ。

 

そ、そうよそうよ…今聞いているのはバストでもウエストでもヒップでも無いのよ!だからギリギリセーフ!聞かれても答えられ…

 

…下着用意する時聞くじゃん。

 

「あ、後そうそう…バスタオルとかは前のカゴに置いとい」ゴホゴホッ

 

「それとさっきまで着てた服は洗」ゴホゴホッ

 

「後は全部私がやっとくからあなたは寝なさい」

 

…何か今洗濯するって聞こえたような気がするけど気のせいよね、うん。気のせい。

 

 

 

 

 

身体を無事洗い終えた後、すぐに着替えてお粥を作る準備を始めた。どうやら私がやってくる直前に緑谷ちゃんのママが買い物に行ったらしくしばらく帰ってこないらしい。

 

何故か既に炊いてあったお米があったので小腹?が空いたという緑谷ちゃんの為にれっつくっきんぐ。勿論彼と彼のママからは了承は得たわよ。

 

因みに入浴後の服は勝手に色々と借りる訳にも行かなかったので緑谷ちゃんのママのある服を1枚だけ借りてます。

 

お粥は弟達が風邪になった時とかに何度も作った事があるのよね。何度もやれば慣れるものね。

 

グツグツ…

 

「よし…大分煮えてきたわね」

 

鍋からお粥のいい香りが漂ってくる。うんうん、見た目は上出来。後は味見を…

 

「…っ…へ…」

 

「っくちゅ!」

 

不意にくしゃみをしてしまった。お風呂から出た直後っていうのと()()()()()からかしら…まぁ鼻のムズムズで察知はしてたから口でおさえる&後ろを向くで間一髪鍋の中に体液が入るのは避けられたわ。

 

「危ない危ない…お客様(緑谷ちゃん)の料理に料理人()の汚い唾を入れるなんて失礼極まりないからね」

 

「さてと…味見味見」

 

おたまで少し汁をすくうと口にゆっくりそれを注いでいった。

 

ズズッ…

 

「…少し味が濃いかもしれないけど、緑谷ちゃんは多分こっちの味付けの方が好みだからこんな感じでいいわね」

 

出来栄えは良し!後は緑谷ちゃんの口に合うかどうかね…何かこれだけ見るとただ女房が旦那にご飯作ってるみたいね。

 

…あ、いや、何でもないわよ。

 

変な妄想をしながら焦っておたまを鍋の中に戻してしまった。

 

 

(唇をつけた)おたまを鍋の中に戻してしまった。

 

 

大事な事だから2回言ったわよ。

 

「ああっ!?」

 

その途端に自分の行ってしまった過ちに気づき、反射的に悲鳴をあげてしまう。まずいわ…大きな声で叫んだら緑谷ちゃんが安静にできない。

 

最後の最後でやってしまったわ…意識してはいたけれど……

 

「はぁ……」

 

ため息ついてても仕方ないわね、このまま出しましょう。もう一度作る時間も材料も無い。

 

それに………

 

いや、何でもないわ…だから何でもないですってば。

 

 

 

 

「お待ちどうさま」

 

内心冷や汗かきながらもニッコリと笑顔で緑谷ちゃんの部屋へお粥を運びに行った。

 

ドアを開けた瞬間、緑谷ちゃんはゴホゴホッと咳をしながらヒョイッとこちらの方を振り向いた。

 

余程お粥の完成が待ち遠しかったのね。まぁ…多分見た瞬間お粥よりも()()()の方に気を取られると思うけど。

 

「あ。ありがと梅…」

 

台詞が途中で途切れ、さっきの様に顔を紅く染めながら手で目を隠した。初心(うぷ)ねぇ。

 

「なっ!な、ななな…なんで蛙吹さん裸エプロンなの!?」

 

「緑谷ちゃん、焦りすぎて言い方戻っちゃってるわよ」<梅雨ちゃん梅雨ちゃん!

 

「それとなく話題逸らすのやめよ!?」

 

い、いやぁ…その……私のサイズに合う服探すのに緑谷ちゃん家のタンスをガサゴソ乱雑に探すのは如何なものかと思って……ね?

 

別にあんな目的そんな目的で着た訳じゃないのよ、信じてちょうだい。…あ、ここまで来たら言い訳にしか聞こえないと。

 

「さ、そ…そんな事よりお粥よ。緑谷ちゃん」

 

「あなたの口に合うかどうか分からないけど…」

 

そもそもこれでお粥(唾液)美味しいなんてコメントが出た日には私発狂するわよ。

 

「あ、美味しいそう…それじゃお言葉に甘えて!」

 

あーんと大きく口を開けながら数十の米粒の塊を無理やり口の中へ放り込む。体調が悪くとも食欲は健全ね。

 

「ふぁ、ふぁつ!」

 

「ふぁ…」

 

モグモグモグモグ…

 

頰を大きく膨らませて必死に噛んでるのがまんまリスの食事シーンね。これまたかわいい。

 

ゴクッ

 

「……っはぁ!美味しい!すごく美味しいよ梅雨ちゃん!」

 

「そそそっそれは良かったわ!」

 

お粥が美味しくできた事自体は嬉しいけど材料を知ってるこちらとしてはとても恥ずかしいわ!ええ!恥ずかしいですとも!

 

後【美味しいよ梅雨ちゃん】だと色々と誤解生むからやめなさい!

 

「それにしても…何か違和感があるな」

 

「独特の風味?……というか隠し味?」モグモグ

 

!!流石は緑谷ちゃんセンサー!微量の異物混入も彼の味覚には騙されないらしい。

 

…え、待って。隠し味……

 

「ふーむ…この味は…」モグモグ…

 

ゴクッ

 

「分かった!ごま油だ!微かにだけど感じられるこの香ばしさ…」

 

「すごい…お粥にごま油ってすごく合うね!」

 

「梅雨ちゃんって料理得意なんだ!」

 

 

「………ぇぇ、そぅょ…ぅん」

 

「え、あれ?梅雨ちゃん?おーい」

 

 

 

結局…彼の食レポでお粥がとても美味しいのコメントよりも私の唾液=ごま油という(一言)が私の心に深く突き刺さり、とても落ち込まずにはいられなかったという…

 

因果応報の結果で終わりました。トホホ…

 

 

 

 

 

料理で使った用具の片付けも無事終了し、ひと段落した所で緑谷ちゃんの様子を見に行った。

 

部屋を覗くとさっきよりも激しく咳をして、とても苦しそうな彼の姿があった。

 

 

 

「大丈夫?緑谷ちゃん」

 

「あ…梅雨ちゃん…大丈夫大丈」

 

「っぶほっごほっ!」

 

「その感じだとあまり大丈夫じゃなさそうね…眠れないの?」

 

「いや…雨が思ったよりも強くってさ…寝入らないんだ」

 

「……こんな雨の中じゃそれも仕方ないわね。音も激しいし」

 

「それにしてもこんな天気の中…あなたのお母さん、買い物しに行ったんでしょう?」

 

「怪我とかしていないかしらね」

 

「うーん…まぁ車で向かったし、さっきLINE見たらもう買い物自体は終わったって言ったから多分問題ないよ」

 

「さぞかし大変ねぇ」

 

「「………」」ザァァァ…

 

「…雨っていいよね」

 

「どこが?」

 

「ほら、雨粒そのものがまず綺麗だし」

 

「落ちる音も大小高低様々で…なんだ…風潮感じられるし」

 

「確かにじめじめしたりとか嫌な時もあるけど…」

 

 

「自分はなんか…雨が好きだ!」

 

 

「………そう、ね」

 

 

 

 

 

 

 

いつまで経っても眠れないというので仕方なく緑谷ちゃんの枕元に座りながら彼と話していた。

 

風邪が悪化する可能性もあるので何とかして寝かしつけないと、とどうすれば良いかと考えを巡らせていた。

 

結局、考えて考えた末に出した答えは…

 

 

 

「羊の数を数えましょう」

 

「…」ゴホゴホッ

 

そんな冷たい視線で私を見ないでちょうだい。

 

「なにゆえ?」

 

「数え続けたらその内疲れて寝るでしょ、多分」

 

「は、はぁ……」

 

「…………じゃ、じゃあさ、せめて…」

 

「蛙の数にしない?」

 

「……なにゆえ?」

 

「………梅雨ちゃんだから……?」

 

「そこで蛙吹さんと言わなかったのは意外だったわ」

 

「少しは悩んだけどさ、ははは…」ゴホゴホッ

 

「…じゃ、蛙の数を数えて寝ましょうか」

 

 

 

 

「えーっと蛙の数え方ってどうだったっけ?」

 

「普通に匹でいいんじゃない?」

 

「あ、それじゃ…………」

 

「…言わないの?緑谷ちゃん」

 

「いや、蛙吹さんが言うかなと…けほっ」

 

「ケロ…」

 

「「………」」

 

「「どうぞどうぞ」」

 

「……フフ、これじゃずっと寝れないじゃない」

 

「せ、せーので同時に言おっか」

 

「そうね」

 

「「……」」

 

「「せーの」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チュンチュン…

 

蛙吹「………」ガバッ

 

蛙吹「…えーと……」ボーッ

 

鳥の囀りがこんなに心地悪いと思った事が初めてでは無いだろうか?見た事のある天井…グチャグチャに染み付いた寝癖……

 

時間を確認してみると…もう始業時刻はとっくに過ぎてた。

 

蛙吹「…けほけほ………」

 

 

 

あー…そういうパターン?

 

 

 

 

 

 

その日の放課後、何故か緑谷ちゃんがお詫びを入れながら私の家にお見舞いをしにやって来るのだけれど…

 

それはまた別のお話…

 




〜蛙吹の場合〜

<ケロリーの〜は見たんだロットォォオッ!?

<どうだった?

緑谷「……」

緑谷「意外と…大きいです」

蛙吹「緑谷ちゃん?」

八百万「今なら私に清き1票を入れてもよろしくてよ!?期限は20日まで!」

耳郎「お願いしてるのか許可してるのかどっちなんだよ…」

麗日「涙拭けよ」

拳藤(一言じゃ無くなってるんだよなぁ…カオス)

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