悟空「オラの?」緑谷「ヒーローアカデミア!」   作:須井化

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キーンコーンカーンコーン…


緑谷「えー長らく皆様お待たせしました!誰得企画!僕の風邪を治そうの会ー!!」

麗日「いあーー!」

八百万「」パフパフ~

緑谷「最早存在すら忘れたよ!って人の為に一応説明しておきますと筆者さんがあまりにも投稿ペースが遅くなっている為ペナルティとして設けられたのがこの企画という訳です!」

緑谷「一言でこの内容を言うと僕の風邪菌を女性陣が駆除するといったお話です」

葉隠「クジョ…!」

蛙吹「物騒な言い方しないでちょうだい緑谷ちゃん」

緑谷「では早速第1話の主人公(ヒロイン)を発表していきたいと思います!」

緑谷「記念すべき初回に選ばれたヒロインは…」ドゥルルル…

八百万(まぁ最初はやはりメインヒロインである私が安定ですわ

デデン!
緑谷「麗日さんでーす!」

麗日「え?え!?う、ウチ!?ウチッ!?」

芦戸「おめっとさん麗日ー!」

葉隠「むむ…悔しい」

八百万「…」

蛙吹「百ちゃん…納得いかないって顔ね」

八百万「どういう…事ですの?これは…」

蛙吹「時期が時期だっただけに仕方ないわよ百ちゃん」

蛙吹「ちょうど期限内の時にお茶子ちゃんメインの話していたし」

八百万「」

緑谷「因みに八百万さんは4票中の2票入ってるね」

八百万「ちょ、ちょっとお待ちなさい!!どうしたら麗日さんになりますの!?半分以上私が占めていますわよね!?」

緑谷「いや…麗日さんの票も一緒に入ってた人もいるから…」

八百万「どう考えてもおかしいですわよ!?それは!」

緑谷「もしこれ0票としたら八百万さん1票だけになっちゃうよ?」

「…………………」



八百万「………もう…何でもいいですわ」






拳藤「……というか最早誰も突っ込まないのな、日付」

緑谷「作者さんの体感的にはまだ5/1だからね、仕方ないね(震え声)」

拳藤「仕方なくねぇだろ!」


No.1

 

「オッモチモチモチモッチモチー…」

 

「つやつや綺麗なモッチモチー」

 

「何でも合うよモッチモチー」

 

「喉に…」

 

 

 

口ずさんでいた歌詞が急に止まってしまった。あかん…つまったらただの殺人鬼や。

 

あ……っと私の説明がまだだったね。ウチの名前は麗日お茶子。何処にでもいるような普通の女子高校生(ヒーロー志望)。

 

今は訳あって下校中にある友達の家に寄ろうとしてるとこ。何故スキップしながら向かう程上機嫌なのかと言いますと……

 

 

 

 

それは1時間前に遡る。私が下校しようと廊下を通行していた時の事だった。

 

突然孫先生(私の担任)が声をかけてきたのだ。

 

「麗日〜悪りぃけど少し帰る前に緑谷ん家寄ってくんねぇか?」

 

「早めに渡してぇ紙?があんだけど…」

 

「え…私が……ですか?」

 

デク君…いわゆる緑谷君は今日風邪を拗らせて今は休養中なんだ。本当は今日渡す筈だった資料も渡せなくなったのでそれを届けに行けというなのだ。

 

USBなりメッセージなり使えばいいのでは無いかと先生に聞くと…

 

「いやぁ…うっかりまたすまほ壊しちまったし」

 

「オラパソコン使えねぇからな〜」

 

<後ゆーえすびぃってなんだ?

 

孫先生はぶっちぎりのスーパーパワーを持っているのだが何か抜けてる所が所々目立つんだよなぁ…

 

…?またって……何度も携帯壊してるの?

 

「駄目か?麗日〜」

 

「…………うーん……」

 

何を悩んでいるんだろう、私。デク君の家静岡でウチ全く別の県出身だよ!?寄り道じゃ無いよ!?デク君家行って私また東京戻ってくるんだよ!?

 

そんな労力削ってまで私が行くメリットなど鳴いだろう。こんな理不尽な用件誰が呑むのだろうか…

 

 

 

 

 

「はい。いいですよ?」

 

ごめん。私がいた。

 

 

 

 

 

 

これは…つまりアレだ。

 

風邪のデク君をお見舞いにという事を口実に彼の家に合理的に侵入できるってこった。

 

誰がこんな機会(チャンス)逃すものか。

 

なんて幸せな日なんだろう…まさかデク君家に遊びに行けるなんて……

 

ってウチは何言っとる!?そうだ…デク君は今体調崩してるんだから私がサポートせんと……

 

 

 

…とまぁ色々目論みつつ、目的地の自宅に到着した訳なのですが……

 

「ぅぅ…どう登場すればいいか分からん」

 

その場のノリで来てしまったとは言えほぼ無計画の状態で辿り着いてしまった…さぁどうする。

 

平常運転でおしとやか(?)に行こうか…それとも逆に破茶滅茶して楽しもうか…いや寧ろ押し倒すか?逆に襲おうか?

 

まずいまずい…思考回路が異常をきたしてる。これじゃアブノーマルやん。

 

「と、とりあえず入らなきゃ始まらんわ…」

 

指をプルプル震わせながらインターホンを鳴らす。確かにインターホンの音が家からしたが肝心の反応が無い。

 

「居ない…のかな?」

 

誰も返事をしないからもう一度インターホンに指を近づけるが寸での所で止めてしまう。

 

 

(待て待て待て…もし家に居るのがデク君だけやったらインターホン連打は危ないんじゃ…)

 

(ならいっそここは1回押して出なかったから潔く引い…)

 

(あっ…で、でももしこれで手が離せない用事があって出てなかっただけだったら……)

 

(ウチの第一印象まさかのピンポンダッシュ!?)

 

(それは嫌ぁぁ…)プルプル…

 

 

インターホンを鳴らすか否かで苦悩する。デク君やおばさんに迷惑はかけたくない…かと言ってこのまま引き下がるのも……

 

その時閃いた。そうだ…インターホンが使えないなら直接はいればいいじゃん。多分余程大きな声で呼ばない限りデク君起きないし…後家の中に誰か居るかどうかも1発で分かる。

 

そうと決まれば話は早い、善は急げだ。早速私は玄関のドアを開ける。

 

 

 

ガチャ…

 

「……ん?」ゴホッ…

 

なんとそこに立っていたのはゴホゴホと苦しそうに咳込みんでいるデク君の姿だった。

 

「…デ……ク……君?」

 

それを見て一瞬で状況を理解してしまった。

 

自分のせいで彼の睡眠を妨害してしまったのだと……

 

 

「……ぁ…」ドサッ

 

 

「え…麗っちょっ…麗日さん!!?」

 

 

 

 

 

少しの間気絶してしまった私だがベッドに運ばれて間もなく目を覚ましたらしい。それでも1、20分は寝ていたらしい。

 

まさか看病しにきた筈が逆に気を使わせる羽目になるとは…とほほ。

 

とりあえず起きた後、ある程度の事情を話して本来の目的であるプリント贈呈をすぐに済ませた。

 

「いやはや…ごめんねぇ。いきなり家に押しかけてきちゃって」

 

「そんな事ないよ。寧ろ助かったさ…わざわざこれを届けにきてくれて」

 

おだてちゃあかんよデク君…照れてまう。

 

「ひひ〜」

 

「悪かったね…手煩わせちゃって」

 

「そんな事ないよ!私が好きで来ただけだし…」

 

「でも風邪とかうつしたら迷惑だし、後もう外も大分暗くn

「いいのいいの!お母さんも居なさそうだから帰ってくるまで私が診とくよ」

 

「でも悪

「悪くないよ?」

 

「…そうかな?」

 

危ない危ない…折角デク君's roomにお呼ばれされたというのに手ぶらで家に帰るなんてそんな無下にするような真似はせんよ。

 

兎に角何でもいいからデク君の為になれるような事…

 

とは言ったものの果たしてほぼ完璧主義に近い彼にそうするべき事があるのだろうか…デク君の部屋をキョロキョロと見回してみるが……

 

部屋?

 

 

 

 

フキフキ…

 

「窓とかの溝は汚れやすいから定期的に拭いた方がいよデク君」

 

「う…うん」

 

まず身の回りの環境から改善すべし…かぁ

 

盲点だった…そもそものこの部屋自体を改善すれば万事解決やん。男子って結構ここら辺適当になりがちなんだよなぁ…

 

まぁウチもそうだけど。

 

とはいえ綺麗か汚いかと言われると何とも言えない微妙な部屋なあたりデク君らしいというか何というか…

 

でも男子で掃除欠かさないってかなり珍しいなぁ。ここおばさんの管轄じゃないって言うから自分で掃除してるっぽいし。

 

床拭き、掃除機…その他諸々完了!!

 

 

 

 

「さてと…一仕事終えた後はお楽しみ、おやつターイム」

 

「麗日さん…もう5時近く……」

 

「ツッコんではならんよデク君」

 

何気に楽しみにしてたお菓子タイム。ちゃんと風邪気味のデク君の為に奮発したんだからね!不味いとは言わせんよ。

 

「あーでも僕喉痛いしお菓子は…」

 

「つべこべ言わず食えー!」ズザザ…

 

 

菓子の袋を開け中のお菓子を全て口の中に流し込む。普通なら窒息死しそうだけどデク君ならすぐ飲み込むし大丈夫でしょ。

 

ゴクッ

 

「げほっ…げほ!何を…」

 

「……美味しい…」

 

「でしょ?風邪の時にマシュマロってかなり効果あるんだよね」

 

「確かに…他の食べ物と違って喉に引っかからずスゥ〜って飲み込める」

 

「これは病みつきになる」パクパク…

 

掴みは完璧!相変わらずがっつくなぁ…食べてる時1番幸せそうだし…

 

頰膨らませてるデク君可愛い。

 

「後クッキーとかも…」

 

「クッキー?これまた喉が痛くなりそうな…」パクッ

 

「…」ポリポリ…

 

「これは…ジンジャークッキー?」

 

「うん!生姜は風邪に効くからね」

 

「ただ生姜食べさせるだけのもアレだったし」

 

「この程よい甘さとピリ辛さがたまらない!」モグモグ…

 

「これまた美味しい美味しい」パクパク…

 

屈託のない笑みで口一杯にお菓子を頬張っているデク君。どうやらお気に召していただけようでこちらもこちらでとても満足だ。

 

それににしても…痛い出費やわ……しばらくはもやしかそうめんで耐え凌ぐ他ないか。ぅぅ…財布が軽くなった分ウチへの負担が急増してしもた。

 

「」バリバリムシャムシャモグモグ…

 

 

 

まぁデク君嬉しそうだから構わないけどさ…

 

食べカス盛大にこぼすデク君可愛い。

 

 

 

 

 

 

買ってきたお菓子をあっという間に平らげてしまったデク君…ぁぁ…10日分の食料がぁ…(菓子5袋)

 

本当はもっとお話したい所なんだけど無理に身体を起こせば悪化しかねんからな!デク君を寝かしてから帰ろう、そう決めた。

 

 

 

「……」

 

「…デク君、寝れる?」

 

「う、う〜ん……」

 

結局横になって早20分経過。寝る気配が一切見られない。無理もないか…同学年の女子が枕元に座ってたらそりゃ眠れんか。

 

だからと言ってこの場を離れる訳にはいかないからなぁ。デク君の身はこちらに委ねられた訳だからちゃんと安眠してるかどうか確認せんとアカンし……

 

……デク君の寝顔を真近で見たいなんて口裂けても言えんわ。

 

困ったなぁ…子守唄は…流石に馬鹿馬鹿しいにも程があるし。デク君の眠気を起こすには………

 

 

 

 

幼少期の頃の事を思い出した。確か怪談聞いた後怖くて練れなかった時父ちゃんがよく昔話を聞かせてくれたな…

 

これだ!

 

 

 

「そうだ!デク君…昔話聞かない?」

 

「え…昔話?」

 

「ウチも寝れんかった時よく父ちゃんに聞かされたんだ…童話」

 

「聞いてみる?」

 

「……うん。聞く聞く」

 

「そうたなぁ…まずはうその名人ってお話」

 

 

 

 

ー昔、嘘をつく名人で有名な子供が居て村人に大層人気があったそうなー

 

ーその子は大人になっても嘘をつき続けて、村人達を喜ばせたが考え詰めすぎて病気にかかって死んでしまったというー

 

ーお葬式を出すと実は【死んでいた振りをしていただけ】でまたもや村人達は彼の嘘に呆気に取られたそうなー

 

ーだがその名人も老いてしまいとうとう寿命が尽きるという時、名人は村人達に感謝を込めて【床下にある壺の中にお金が入っているから使ってくれ】と遺言を残したのだがー

 

ー調べてみるとこれまたびっくり。壺の中には【嘘のいいじまい】とだけ書かれた1枚だけ入ってただけだったとさー

 

 

 

 

「へぇ〜面白い!それって…麗日さんの地元の昔話なの?」

 

「ん…多分そう…だと思う」

 

「一生を嘘にかけるって…何か流儀通してるみたいでかっこいいね!」

 

「まぁ…ウチ的には死を装うってのはやりすぎな気もするけど……」

 

「他にどんな童話あるの?」

 

「え……そ、そうだね……」

 

 

 

 

「zzz…」

 

「ふ…ふぅ」

 

5、6種位話聞かせた所でようやく眠りについてくれた…予想以上に没頭してたなぁ。大分疲れてしまったよ。

 

……もう完全に寝入ったよね?

 

背を丸くし、彼の顔を覗き込み様子を確認する。鼻と鼻がギリギリ接触しない位にまで顔を近づけた。すご…呼吸音もハッキリ聞こえるよ。

 

「……何かこうして見ると…」

 

「何とも言えない感が半端じゃないなデク君」

 

「イケメンかと言われるとえらい凛としてる訳でもないし…」

 

「可愛い系かと言われるとそれ程チャームポイントは見つからない」

 

「あ…でもある意味このそばかすはある種のチャームポイントとして確立はしている」

 

「髪が緑色っていうのも何か爽やかボーイ的な…そんな象徴だよね」

 

「これらの1つ1つが調和しないと決して成り立つ事は無い傑作と言えよう…」

 

何故私は真面目に解説をしているのだろう。何故私は芸術鑑賞のレポート的な感覚でデク君の観察をしているのだろう。

 

色々とツッコミたい所があったが1つ…確信できた事がある。

 

(あれ…顔が勝手に近づ……)

 

(ぅぁ…何……これじゃ私……)

 

(デク君とキ……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チュンチュン…

 

麗日「………」ガバッ

 

麗日「…えーと……」ボーッ

 

鳥の囀りがこんなに心地悪いと思った事が初めてでは無いだろうか?見た事のある天井…グチャグチャに染み付いた寝癖……

 

時間を確認してみると…もう始業時刻はとっくに過ぎてた。

 

麗日「…けほけほ………」

 

 

 

あー…そういうパターン?

 

 

 

 

 

 

その日の放課後、奇しくもデク君が申し訳なさそうにお見舞いに来る事になっちゃうんだけど……

 

それはまた別のお話…

 

 

 

 

 

 




〜麗日の場合〜

Q.マシュマロは?
緑谷「美味しかったです」

Q.クッキーは?
緑谷「滅茶美味かったです」

Q.口づけは?
緑谷「………///」

緑谷「ノーコメントで」

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