悟空「オラの?」緑谷「ヒーローアカデミア!」   作:須井化

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前回までのあらすじ

どこにでもいる無個性少年緑谷出久。

突如敵に襲われる彼だが孫悟空という謎の男に救われる!

緑谷少年は将来の夢であるヒーローを目指すべく日々修行を積み上げていく!

孫悟空の協力もあり約10ヶ月後、遂に3つの技を会得する!!

ってか3つの技って一体何なんだ?

もったいぶらずに教えてくれよ!

更に向こうへ!PlusUltra!!!



第3話

人間には不完全と完全の2種類が存在する。

 

私はそれの中では完全な人間の部類に入るのでしょう。

 

 

「…ふぅ」

 

椅子に腰掛け、温かい紅茶をゆっくり味わう。

 

私にとっては心安らぐ一時です。

 

爺やが淹れてくれるこの紅茶の味は絶品で毎度舌鼓を打つ程だ。

 

飲み終わるとすぐに立ち上がり別の部屋へ移動します。

 

執事「お嬢様。今日は何処かお出掛けへ?」

 

「ええ。少し服が窮屈になってきたので新しい物を」

 

執事「成る程」

 

たわいもない話をしていると衣類が収納されている部屋の1つに到着しました。

 

「…今日はここでいいかしら」

 

ガチャ…

 

 

 

私の家には約300種類の衣服が存在します。

 

無論、爺やに頼めば10分程度で5着10着はすぐに購入できますが…

 

「……爺や、わざわざここまでボディガードせずとも…」

 

執事「いえいえ…お嬢様の身嗜みのチェックも私の仕事でございます」

 

「私ももうお子様ではないのですよ?」

 

執事「いえいえ…お歳が変わろうと私が行わなければならない事に変わりはございません」

 

「お父様とお母様にご報告しますわよ」ギロッ

 

睨みつけながらそう言い放つと…

 

執事「失礼致しました」ガチャ

 

バタン

 

即座に部屋から退散しました。

 

「…… 」

 

この通り、筋金入りの破廉恥。

 

余程私の事を愛してると見れますが…

 

度が過ぎると恐ろしいものです。

 

「全く……さてと」

 

「何にしようかな」

 

 

 

 

 

 

私の名前は八百万百。

 

どこにでもいるしがない中学生…

 

という訳ではありません。

 

才色兼備・文武両道・富貴栄華…

 

俗に言う【エリート】の様な人間です。

 

……自画自賛?いえいえ…

 

これは確たる事実です。

 

現に今…

 

 

八百万「……」スタスタ…

 

<うひょー可愛い…

 

<何アレデカイ

 

 

街の外を歩くだけで人々の注目を浴びていますし…

 

そしてこれからも完璧(そう)であり続けなければならない。

 

そういう使()()があるのだから。

 

 

 

 

私の家系は代々ヒーローとして社会であらゆる活躍をしてきました。

 

この様な財閥にまで昇りつめたのも初代のお陰だとか。

 

(まぁ名前は度々変わっていますけど)

 

私のお父様とお母様もヒーローに就き、世の為人の為活動しております。

 

……他にも様々なお仕事をなさっている様ですが。

 

ですので私も八百万の名に恥じぬ様、2人のような立派なヒーローになるべく日々精進しているのです。

 

……戦って退治するだけなのにそんな大変なの?とお思いでしょう?

 

そんな簡単な職業では無いのです。

 

そもそもヒーローとは【超常】が起こった数年後、それを好機とし個性を悪用する犯罪者が後を絶たなくなるという非常事態が発生した際、政府が苦肉の策として個性の限定的使用を認めた事が起源と言われています。

 

ですので当初はあまり受け入れ難い職業でした。

 

時が流れ今では人々に愛される存在にまでとなりましたが…

 

実際世界の何処かでヒーローを否定し続ける人達は数知れぬ程居ます。

 

勿論誰もがなろうと思えばすぐなれるようなシステムにはなっていません。

 

ヒーロー科専門の学校に通い、ヒーローたるものを学び終えた後、プロヒーロー免許を取得しなければなりません。

 

これが無ければ個性の使用も出来ませんし、無断に敵を攻撃するのも犯罪となります。正当防衛として考えると話は違ってきますが…

 

…これ以上突っ込むと収集がつかなくなりそうなのでやめておきましょうか…

 

同時にヒーローはあらゆるスキルを必要とされます。

 

特に多才な知能、強靭たる強さ、揺るがぬ勇気…

 

知・力・心の三大要素が不可欠と言えましょう。

 

世間で最も人気のある職業であると同時に…最も就職するのが難しい職業です。

 

例え1度はプロになれたとしても、収入が不安定なこの仕事では挫折する人が多数派。

 

結局プロとして長年活動する人は40人中1人だとか……

 

ヒーローになるという事はそれ程過酷な道を進むという意味を示しているのです。

 

 

 

と…まぁ簡易的ではありますが解説させて頂きました。ご静聴ありがとうございました。

 

……あ、そうこうしてる間に…

 

八百万「着きましたわね」

 

 

 

店員「いらっしゃいませ」

 

八百万「…」

 

ここは最近よく私の服を仕入れている高級ブランドショップ。

 

折角だから幾つかまとめて買っておきましょう。

 

八百万「うーん……」

 

八百万「あの…恐れ入りますが…」

 

店員「はい、どういったご用件でしょう?」

 

私は2つの服を指差しながらこう言いました。

 

八百万「ここからあちらまでの(50着)を頂けないでしょうか」

 

店員「」

 

大富豪と庶民の金銭感覚はこうも違うのかと言わんばかりに唖然としてしまう。

 

私、然程買った様な気はしませんが…

 

店員「9,800,000円となります……」

 

八百万「小切手でもよろしいですか?」

 

店員「小切手……………!」

 

 

 

 

 

 

八百万「帰ったら早速試着してみましょう」

 

大量の手提げ袋を両手に持ち歩きながらそんな事を考えていました。

 

?50着もの服を持ち歩く事が不可能?

 

私の体はそんな柔じゃなくてよ。

 

とはいえ時折周りの目線が気になる事もありますが…

 

「スゲー…10は軽く超えてるぞあの袋」

 

「1本につき1つとか指千切れん?」

 

八百万(ご心配なく)

 

それからしばらく歩いていると…

 

 

スタスタ…

 

「…うぇぇ…」

 

八百万「…」スタスタ…

 

「ぇっく…」

 

八百万「……」スタスタ…

 

「びえええええ」

 

八百万「…」スタスタ…

 

「ええええっ!」

 

突如5、6歳程度の子供が泣き出したのです。

 

まぁ気にもならずにそのまま歩き続けましたが。

 

…………?どうなさいました?何か言いたげですね…

 

あ、子供?

 

…質問を返す様ですが…

 

私が助けなければならない義理があるのでしょうか?

 

例えば街角でティッシュを販売している人が居るでしょう?

 

貴方は呼びかけられずともそれを貰いに行きますか?

 

恐らく大半の方はノーと答えるでしょう。

 

また…例えば貴方が水泳が苦手な方と仮定しましょう。

 

人通りの少ない河川敷で誰かが溺れていた時貴方はどうしますか?

 

恐らく殆どが【助けを呼ぶ】までに収まるでしょう。

 

この様に人間というのは本能的に自己利害を第1に考える生命なのです。

 

その人に自覚が無くとも脳がそう判断せざるを得ないのです。

 

不必要なティッシュをわざわざ自分から貰いに行くメリットは無いし…

 

幾ら他人が死の危機に直面していようと自ら命を張ってまでその人を助けようとは到底思えられません。

 

増してや身内でも知り合いでも無い人を…

 

予め言っておきますが私の【完璧】の定義とは自分がどれ程優秀であるか…この一点に尽きます。

 

ですから赤の他人の心配をする程私もお人好しではありません。

 

今この買い物も休日の貴重な空き時間を使って行っている事であって…

 

みすみすそれを潰しに行く様な事は致しません。

 

ただ…場合にもよりますが。

 

結局皆自分の事しか考慮していないのです。

 

ヒーローになった方の中ではきっと()()()()だとか()()()()()()()()()()()

とか…

 

自分の利益の為という動機の人も0では無いのでしょう。

 

……勿論その逆も然りですが…

 

 

 

八百万『………』

 

子供の頃、PCの画面に映っていたその姿は今も決して忘れられません。

 

あるヒーローのデビュー動画を見ていた時でした。

 

 

<スゲー……もう100人は助けてるよ!

 

<マジで!これマジでヤベーッて!!

 

『もう大丈夫!何故かって?』

 

『私が来た!!!』

 

 

八百万『わぁ……』

 

その人はとても輝いていて見た瞬間忽ち惹かれてしまいました、

 

 

 

世の中にはどんな馬鹿らしい様な事でも平気に命懸けでやって退けてしまう不思議な人間もいるのです。

 

 

 

 

ダンッ

 

そんな事を思い返していると勢い良く地面を蹴り飛ばす音が後ろから聞こえて来ました。

 

「よっと」パシッ

 

子供「ぇ…?」

 

「はい。風船」

 

「今度は無くしちゃダメだよ?」

 

子供「うん」

 

ほら、こんな感じに。

 

この会話で私はようやくさっきの状況を理解できました。

 

さっきの号泣は【風船が飛んで行ったので誰か取ってくれ】というメッセージだったのです。

 

どうやら通りかかった男性が取った様ですが。

 

放っておいてもこういう【お節介馬鹿】が助けてくれるだろう…

 

面倒事を避ける為にそうやって全員他人をアテにしています。

 

言ってしまえばまず自分がどんな状況でも対応できる様な完璧な人間ならば気遣い云々を考える必要は無いのです。

 

皆が皆そうであれば互いに気を遣わずに済みますし……

 

…え…ヒーローにそぐわない人物像ですって?

 

私がヒーローになるのはあくまで反社会的な悪を粛正する為であって…

 

ただ奉仕活動をする便利屋になりたい訳じゃありませんのよ?

 

勘違いなさらない様に。

 

おっと…長話し過ぎたようですね…

 

八百万「…ふぅ…」

 

流石に両手に大量の荷物を抱えて2、30分も歩き続けるのは一苦労だったのか…

 

人気の無い路地裏で荷物を一旦置き小休憩を取る事にしました。

 

ため息をつきながら私は携帯電話を取り出し爺やと連絡を取ります。

 

この際あった通知の数は10。

 

八百万「… 」

 

八百万「…もうすぐ帰ります…と」ピッ…

 

執事<左様ですか!

 

執事<何度も送信しても既読が付かないものでしたからお嬢様の身に何かあったのかと…

 

執事<お怪我はございませんね?

 

執事<そうそう。今日のお夕

八百万「」ピッ

 

全く関係の無いトークが始まる様な気がしたので直様電源を切りました。

 

八百万「なんで態々私がこんな事をしているか存じて言っているのでしょうかね…」

 

八百万「本気で相手にしていたら1、2時間は削られてしまいますわ」

 

八百万「さてと…」

 

そろそろ歩き始めようかと荷物を持とうとした途端、前方ある会話が耳に入りました。

 

チンピラα「っかー最近溜まってきとるわー」

 

チンピラβ「うわ…またヤろうとしてら」

 

チンピラα「うっせ悪りぃか」

 

チンピラα「漢は皆変態上等」

 

チンピラγ「流石はあんちゃん変態の鑑」

 

チンピラα「とりあえず俺の事変態変態言うの止めよ?な?」

 

八百万「…」

 

八百万(柄の悪い不良…といったところですか…)

 

八百万(関わらないのが得策ですわね)

 

そう思い、荷物を手に取りすぐにその場から離れようと急いで歩き出しました。

 

八百万「…」スタスタ…

 

チンピラ「……」スタスタ…

 

ドッ

 

チンピラα「うっお」

 

八百万「っ!」ドサッ

 

焦るあまり先程の3人組とぶつかってしまいました。

 

勢い良く衝突した為にそのまま転倒してしまい…

 

八百万「痛……」

 

チンピラα「ってて…何しちゃってくれ…」

 

チンピラγ「……あんちゃんこりゃ…」

 

八百万「し…失礼致しました。ご機…」

 

一言謝罪を言って一刻も早く立ち去ろうとしますが…

 

ガシッ

 

逃走を察知した不良の1人に左腕を掴まれてしまいます。

 

八百万「ひっ…」

 

チンピラα「よう嬢ちゃん。アンタのせいで服汚れちゃったんだけど」

 

チンピラα「詫びと言っちゃなんだかちょいと俺らと付き合えよ」

 

八百万「わ…私今急いでいるので…」

 

チンピラα「すぐに済むからよぉ…な?」グイッ

 

そう言うと相手は腕をこっちに引っ張ります。

 

チンピラγ「うひょー最近の学生はけしからんねー!」

 

チンピラγ「全員こんなエロいのかよ」

 

チンピラβ「お…おいここで?流石にそれはやばくね…」

 

チンピラα「ダイジョーブ。この時間帯は殆ど誰も通らねぇ」

 

チンピラα「最悪サツじゃなけりゃ…なぁ?」ゴソゴソ…

 

そう言いながらポケットの中に手を入れると中からある物を出してきました。

 

チンピラα「拳銃(こいつ)でイチコロよ」

 

チンピラα「指紋軽く拭き取ってトンズラしてこいつを犯人に仕立て上げりゃいいさね」

 

八百万「っ…!」

 

チンピラβ「あ、ナルー」

 

チンピラα「つー訳だ。君に拒否権無いから、な?」

 

八百万「!?」

 

とんでもない奴と絡んでしまった…そう思うと同時に身震いする程の恐怖を感じた。

 

今すぐにでも逃げなければ…頭で考えていた事はそれだけでした。

 

八百万(とっ…とにかく爺やに連絡を……)

 

自由だった右腕でポケットから携帯を取り出そうとしますが…

 

ガシッ

 

八百万「!」

 

チンピラγ「…ーっとそいつはいけねーよネーチャン」

 

そう言うと不良は突っ込んでいた私の右腕をポケットから思い切り引っ張ります。

 

ドッ

 

勢いのあまり、携帯を掴んでいた手が開いてしまい落としてしまいました。

 

八百万(しまっ…)

 

チンピラγ「チッ。割れりゃしなかったか、運のいい奴」スタスタ…

 

チンピラγ「ま、念の為回収しとくよっと」パシッ

 

チンピラα「…今何しようとしたのかなぁ…?お嬢ちゃん」

 

八百万「…」

 

遂に八方塞がりになって黙りこんでしまいました。

 

チンピラα「救援呼ぼうってか?アアン゛!?」

 

チンピラα「君この状況分かってる?相手銃持ってんのよ?ピ・ス・ト・ル!」

 

助けを呼ぼうにもこの状況では来るまでに撃たれて場所によっては死ぬ可能性もあり得る…

 

かと言ってこのまま抵抗しなければロクな事をされない…

 

考えれば考える程冷静にはいられませんでした。

 

八百万(どうする…どうする…)

 

八百万(このままじゃ…私…………)

 

八百万(……一か八か……)

 

八百万「……っ最低」

 

チンピラα「あ?」

 

八百万「この汚らわしい最低のクズ野郎って言いましたのよ!!」

 

チンピラα「……は?」

 

八百万「集団がかりで未成年を銃で脅迫するなんてろくでなししか行わない所業ですわよ?」

 

八百万「しかも女性を」

 

八百万「所詮警察やヒーローが怖いからこうやって密かに犯罪を犯すただの臆病者に過ぎませんわ!」

 

八百万「まだ堂々と悪事を働く敵の方が勇敢ですわね!!」

 

チンピラα「ッテメコラ誰に口を聞いて…」ジャキ…

 

頭に血が上り銃を構える不良。

 

チンピラγ「バッカ!!銃で撃っちまったら俺らしか犯人いねぇだろ!」

 

八百万「自分で墓穴を掘りますか、これだから庶民は恐ろしいですわ」

 

チンピラα「………ッッッ!!」

 

チンピラα「このアマ…好きに言わせておきゃ…!!」

 

チンピラα「それだけされたきゃお望み通り丸腰でリンチしてやるよ!!!」バッ

 

痺れを切らした不良は掴んでいた手を放し私に殴りかかってきました。

 

チンピラγ「ちょっおま!!」

 

八百万(やった…離れた!)

 

八百万(このまま後ろに走って…)

 

チンピラβ「っと逃げちゃダメだよ逃げちゃ」ガシッ

 

すぐに振り返ろうとすると後ろにいた1人の不良に組みつかれて身動きが取れなくなってしまいます。

 

八百万(こっの……!)

 

チンピラα「死ねクソガキィッ!!」

 

不良の拳が私の方に伸び頭に激突するまで後数cmまでと迫っていました。

 

八百万「きゃっ……!」

 

もう殴られる……そう諦めかけていました。

 

 

 

 

 

 

ある言葉が聞こえるまでは…

 

 

 

「いけないな…」

 

チンピラα「!?」クルッ

 

突然後ろから声がするものですから反射的に不良は腕を振り上げたまま停止させそのまま後ろを振り向きました。

 

「女の子を殴るのはいけない」

 

チンピラα「…っだお前…」

 

八百万(今の声……さっきの風船の…?)

 

声が聞こえた方向を目を凝らして見ると…

 

 

そこに居たのは緑髪でそばかすがある…私よりも小さい1人の少年でした。

 

八百万「………!?」

 

チンピラα「次から次へと…めんどくせーなあーもう!」ガシッ

 

そう言うと不良は私の胸ぐらを掴み空中に持ち上げます。

 

八百万「っ…!」

 

チンピラα「チビの分際で何偉そうにしちゃってんですかねぇ…ええ!?」

 

チンピラα「最近の若者は目上に対する態度ってのがなってないんじゃないかな!?」ジャキ…

 

「…」

 

チンピラα「こうやって銃口向けられたら怯えて何もできやしねぇじゃねえかよ!」グイッ

 

八百万「うあっ…」

 

チンピラα「ヒーロー気取りかなぁ?ご大層なこった!!」

 

チンピラα「立場をわきまえろっての」

 

「…これ位でいいかな」ガシッ

 

チンピラα「俺はそういう偽善者が1番見てて腹立つんだよ!!!」

 

「……」スッ…

 

チンピラα「………何だ」

 

チンピラβ「石…か?」

 

少年は地面に落ちていた握り拳1個分程度の石を拾いそれを私達に見せつけるかの様にこちらに向けてきました。

 

その直後…

 

「っと」ピンッ

 

軽く指を1回弾いて石に当てたのです。

 

すると…

 

ピキピキ…

 

チンピラα「んあー?」

 

グシャ

 

八百万「!?」

 

チンピラβ「いいいー!?」

 

チンピラγ「少し指が触れただけだってのに…」

 

そう。1回指が接触した…その瞬間に石は粉々に砕けたのです。

 

チンピラα「…た、ただの個性だろ…ビビる必要は…」

 

「次」

 

チンピラ「?」

 

少年は自分の頭に指をトントンと指しながら再度こう発言しました。

 

「次やられたい人」

 

チンピラα「え………」

 

「…退く事をお薦めします」

 

チンピラβ「…」

 

チンピラγ「…」

 

チンピラα「…………に…」

 

チンピラα「逃げるだぁああっ!?」ダダッ

 

チンピラβ γ「「合点承知ノ助ーーー!?」」ダダダダッ

 

少年を見るなり不良達は瞬く間に退散していきました。

 

ドサッ

 

同時に掴んだ手も離されたのでようやく身動きが取れる状況になりました。

 

持ち上げられていたのでその拍子に地面に倒れこんでしまいましたけどね….

 

さりげなく携帯を置いていってるあたり間の抜けている人というか何というか…

 

八百万「痛たた…」

 

八百万(何とか撒けましたわね…一時はどうなるかと…)

 

スッ……

 

八百万「え」

 

 

「怪我無い?大丈夫?」

 

八百万「………」

 

彼はそう言って私に優しく手を差し伸べてくれました。

 

さっき殺されそうになったにも関わらず何も動じずただ笑顔で…

 

八百万「……は…はい」

 

返事を返した後私は彼の手を掴みゆっくりと立ち上がります。

 

「そっか。なら良かった」

 

「それじゃ!」

 

と挨拶をすると即座に少年は走り去っていきました。

 

八百万「……あ…ちょっと…」

 

八百万「行っちゃった…」

 

八百万「お礼位言わせて貰いたいものですわ」

 

八百万「…」

 

やはり理解し難い。

 

何故無関係な人間もああに命を張ってまで助けようとするのか…

 

何故そんな馬鹿げた事がを平然とできるのか…

 

まるでそう…()()()の様に……

 

私はその答えを知る為にも前に進まなければならない。

 

憧れの学校で…憧れの人に…なる為に。

 

 

 

 

 

ふと…走り去っていく少年の姿を見ながら…

 

 

八百万「……また会えるかな」

 

いつの間にか…そんな事を呟いていたようです。

 

 

 

 

 

 

 

因みに…言い忘れてましたけど…

 

緑谷「はぁ…はぁ…!」

 

緑谷(やばい女の子と喋っちゃったしかも手握っちゃった畜生くっそ恥ずかしいもしかして引かれたかなああどうしようモチベーション下がったー!何やたらカッコつけてんだこれじゃただのキザな奴にしか思われねぇじゃねえかァァァァ)グシャグシャ…

 

市民「何あれ怖い」

 

これが後に()()()()()()()を築くきっかけとなるのですが…

 

さてさてこの先どうなります事やら…

 

 

 




今回は皆大好き八百万回でした。

あ、ウラビティさんは試験であるから、ね?(震え声)

思ったより文章構成に悩まされた…オリストって難しいね!

今回の長ったらしい熱弁(解説)ご苦労様ですヤオヨロッパイ。

まぁ40人に1人は単なる作者の直感で付けた設定ですが…

後執事さんも勝手に作ったオリキャラです。まぁどんな姿かは皆様のご想像にお任せしますが…





(あまり重要なキャラじゃねぇしなぁ…)

多分誰かしらボディガードの1人か2人はいますよね…よね?

意外と茶番が面白くなりそうだったので付けてみましたけどいかかでしたか?

それにしてもこの娘よく紅茶飲むなぁ…どこの生徒会長だよ<ジュンケツ「呼んだ?」

呼んでねぇし…八百万の眉毛が太くなる…

何か違うクロスが始まりそうだからこのネタ止めよう…(分かる人居るのか?)

次回からまた原作通り進行するのでお楽しみに。

そしてまたもや挿絵を描いてくださった方が!

内容は八百万 in砂漠ーー(ブルマスーツ)


【挿絵表示】



あーありましたねこんなスーツなっつかし!

あれ…というかこれブルマよりデカイんじゃ…(チラッチラッ

なんてけしからん!おのれさいころソード(褒め言葉)

というわけで今回描いてくれたのもさいころソード様です!一応その方のマイページのリンクも貼っておきます!↓
http://syosetu.org/?mode=user&uid=175541

例の如く補足を付け加えておきます!

さいころソード「フィギュアでのブルマの衣装を参考に書いてみた」

さいころソード「乳を垂らさないように最大限の注意を払った」

さいころソード「………砂漠が【desert】、デザートは【dessert】」

さいころソード「くれぐれも間違えないように」


………皆さんの今夜のデザートって何ですか?

多分満場一致で…おっと誰か来たようだ。

挿絵投稿ありがとうございました!


何か意見等ございましたら感想・メッセージで気軽にご相談ください。
次回も1週間以内に投稿出来ればと思っております。
第4話もよろしくお願いします!











うっうわ何をする!にゃ、ニャメロ
(ピチューン

残機
530000→529999

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