悟空「オラの?」緑谷「ヒーローアカデミア!」   作:須井化

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前回までのあらすじ

どこにでもいる無個性少年緑谷出久。

彼は将来の夢であるヒーローを目指すべく日々修行を積み上げていく!

USJの一件で皆とすれ違ってしまった緑谷少年。

八百万少女の説得もあり全力で向き合おうと改めて決意を固める!!

悟空担任を新たに加え1-Aは次なるステージへ進んでいく。

遂に雄英高校体育祭の始まりだ!!!

更に向こうへ!PlusUltra!!!


ChapterⅠ-episode4 雄英体育祭編
第21話


マイク「雄英体育祭!!!」

 

マイク「それはヒーローの卵達が我こそはとシノギを削る年に一度の大バトルの事である!!」

 

マイク「ってかてめーら今日ここに来たのってアレだろ!?どうせこいつら目当てだろ!?」

 

マイク「敵の襲撃を受けたにも関わらず!鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!!」

 

 

 

 

 

マイク「ヒーロー科1年A組だろぉおおおっ!?」

 

ワァァ…!

 

 

 

マイクの咆哮と同時に600を超える雄英1年の生徒達が颯爽と入場ゲートから姿を現す。

 

勿論順番はA〜KなのでA組(僕ら)が初陣である。めちゃ緊張するっ!!心臓がバクバクと揺れ動き少しでも緊張を抑えようと胸を右手で押さえる。

 

緑谷「うっわ…人すんご…」ドキドキ…

 

気で感じてはいたものの生で見るとこれまた無数にいるような大民衆よ。これを世間でいう星の数だけって規模かよ。

 

しかもこれは生で観戦してる人のみでの話だ。実際には全国で放送され、終いにはYo○tubeとか…世界共通の動画投稿サイトに載せられる。

 

……ここまで言えば分かるだろ?

 

緑谷(世界中にいる数十億の人間に自分達の勇姿晒されながら競えって事かよ…)

 

緑谷(ハードル高すぎ…)

 

飯田「大人数に見られながら最高のパフォーマンスを発揮できるか…」

 

飯田「これもまたヒーローとしての素養を身につける一環なんだな」

 

USJでの敵の出現は瞬く間に世界中へと伝わり世間で大分騒がれていた。

 

何せ無敵の壁と呼ばれた雄英のセキュリティを掻い潜り職員・生徒を共に瀕死にまで追い詰めたのだ。本来真っ先に敵達が上手と考えるべきなのだろうが襲われた生徒の保護者や周辺地域の人達からすれば雄英の監視体制を疑うのも無理は無い。

 

だがその一方では勇敢に敵に立ち向かったA組への期待を大きく膨らませる結果となった。1-Aの活躍を一目見る為だけに遥々世界の果てから日本にやって来たという者も少なくは無い。

 

1-Aが登場すると共にスタジアムに観客の壮大な歓声が湧き上がる。待ってました!!と言わんばかりにだ。

 

切島「うっおおお…すっげ持ちあげられてんなおい!!」

 

切島「なんか緊張するな!!なぁ爆豪!!」

 

爆豪「しねぇよ。ただただアガるわ」ウズウズ…

 

あ、普通に軽い興奮状態になってますね。あれか。コレが例の超サイヤ人ですか。

 

A組・B組とまずヒーロー科が入場し、それに連なり…

普通科のC・D・E。

サポート科のF・G・H

経営科のI・J・K

と合計11クラスの生徒が競技場中央部に有るステージに集まってくる。

 

この体育祭は如何に我が校のヒーロー科が優れているかを世に発信するいわば宣伝である。

 

普通科生徒の中には扱いの明らかな違いに愚痴をこぼす者も。

 

「ただの引き立て役じゃん俺らー」

 

「たるー!休日返せやボケ」

 

普通科生徒「……」

 

 

 

 

「生徒一同!!整列!」

 

全員スタジアムの中心に集まるとステージの上にいた人物が生徒達に指示を出し始める。手に持った鞭を振りピシャッといい音を響かせながら…

 

 

 

 

ミッドナイト「これより1890年度雄英体育祭の開催をここに宣言する!!」ビシャッ!!

 

ワァァ…

 

 

お察しの通り。今回の1年主審は18禁ヒーロー【ミッドナイト】!!…?何処がどうイケないのかって?………うん。そう…露出度。これ以上言うと殺されそうだから黙っておくよ。

 

常闇「18禁なのに高校に居てもいいのか」

 

峰田「当然だ」

 

ミッドナイト「静かにしなさい!!そこ!」

 

ミッドナイト「ではまず選手宣誓。選手代表…」

 

 

 

 

ミッドナイト「1-A爆豪勝己!!!」

 

緑谷「」

 

爆豪「お。俺か」

 

…選ばれたのはかっちゃんだった。正気ですか、先生。確かに彼入試成績総合で1位だったけど…ロクな事したもんじゃないぞ。

 

どうせ

 

「俺が1番だ」

 

とか!

 

「お前ら格下。よって俺優勝。OK?」

 

とか!やりかねんぞおい!!

 

そうこうしている内にかっちゃんがステージに上がりもうマイクの前で仁王立ちをしていた。よくもまぁこんな場面でポケットに両手突っ込めるなぁ。

 

そして深呼吸してからこう言い放った。

 

爆豪「せんせー」

 

 

 

 

 

 

爆豪「俺が一位になる」

 

はいはい。予想通りでしたよ畜生!!!

 

「おいーー!調子乗んなやA組オラァ!!」

 

「ヘドロ野郎ーー!」

 

飯田「何故品位を貶めるような事をするんだ君は!!」

 

周りの生徒や観客からはブーイングの嵐。それどころかA組にも引かれてる始末だぞかっちゃん。それらに対し彼は…

 

爆豪「せめて跳ねのいい踏み台くらいにはなってくれたまへ」クイッ

 

顎を前に突き出し指で首を横一文字に切るようにスライドさせたぁああっ!!完全に舐めきってますよこのひ……

 

……んー……?

 

「どんだけ自信過剰だよ!!」

 

「俺が潰したるわ!」

 

爆豪「…」スタスタ…

 

緑谷「……」ドッ

 

いや…自信とか…全然そんなんじゃなかった。前までのかっちゃんならああいうのは笑って言ってた。

 

 

敢えてああいう図太い宣言しておいて自分を追い詰めているんだ。

 

まぁクラスを巻き込んでるのはかっちゃんらしいけど…

 

かっちゃんがこちらに歩いて戻ってくる時僕の肩とぶつかってしまう。あっと…ぶつけてきたの間違いか。あいつが意味もなくこちらに寄ってくる訳が無い。

 

宣誓が終わった所でいよいよ競技開始だ。開会式なんて無かったんだよ、うん。ミッドナイトの横にヴンとモニターが現れた。

 

ミッドナイト「んじゃ、早速第1種目行きましょう!」

 

麗日「雄英ってなんでも早速だね」

 

耳郎「早速ではないよね」

 

ミッドナイト「いわゆる予選!毎年多くの者がここで涙を飲む(ティアドリンク)!!」ドゥルルル…

 

ミッドナイト「さて運命の第1種目…今年は……」ドゥルルル

 

ミッドナイト「コレ!!!」バンッ

 

モニターにはある言葉が表示されていた。気になる第1予選の内容は…

 

 

 

緑谷「障害物競走……」

 

ミッドナイト「皆にはこのスタジアムの外周4kmを走り切ってもらうわ」

 

ミッドナイト「ほら…位置につきまくりなさい。ゲートが開いたと同時にカウントは始まるわよ?」

 

ガァァ…

 

そう言うと後ろからゲートの開扉音が聞こえてくる。10mは軽く超える巨大なゲートだ。3つランプがついているが恐らくそれが全部点滅したと同時にレースが始まるんだろう。

 

皆ぞろぞろとゲート前に並び始めた。とはいえ数百人。前に好んで行く者も後ろに好んで行く者も居ないだろう。何よりこれはコースを出なければ()()()()()O()K()。お互いの個性の情報が全く掴めてない上にこれは競走ではない。障害物を避けながら走らなければならないのだ。

 

先陣切って走ればいきなりの障害物との衝突も免れないし後ろから個性の追撃を受ける可能性もある。かと言えば最後尾が良いかと言えば早いモン勝ちになってしまう…

 

というとキリないな。

 

とりあえず僕は1番後ろを選ばせてもらうぜ。

 

緑谷「……」

 

ミッドナイト「それじゃ…3カウントどうぞ!」

 

プッ…

 

横に並んでいるランプの内右の1つが光り出した。後2秒…だけど緊張感が高まってるせいか物凄く長く感じられる。人生の中で最も長い3秒かも…

 

 

 

正直言うと僕は体育祭とか興味は特に無かったんだ。今はオールマイトとか…悟空さんに見てもらえてるし自分から目立つメリットとか…モチベーション無かったし敵襲撃の直後だったからイマイチ乗り切れなかったりとか…別に最強を目指してる訳じゃ無いし。

 

 

プッ

 

 

……って…

なんだかんだ言っても全員本気で頂点奪ろうって奮闘してるんだ。僕だってそれ相応の応え方しなきゃならんだろって話だよ。

 

そうさ。皆と本気でぶつかり合えば、きっと前以上に…本気で接し合えると思うんだ。

 

だから…だから……

 

 

 

プーーッ!!

 

ミッドナイト「スタートッッ!!!」

 

緑谷(全力で優勝かっさらってやるよっ!!!)

 

ダダダダダッ…

 

 

スタートの合図が出た瞬間一斉にゲートに向かい走り出した。4kmって結構長距離だと思うんですよ…でも皆最初から割と本気で駆けていくなぁ。

 

しかし、そうする理由もすぐに分かった。

 

 

このゲート異様に狭いのだ。なので…

 

 

「ぐおおお…つ、潰され…」ギュゥゥ…

 

「狭ぇぇぇぇっ!?」

 

 

早めに抜けないとこの大行列から抜けられない。忘れてしまっているかもしれないから言っとくがここにいるのは1m強の者しかいる訳ではない。異形系の個性でかなり身体体積を取ってしまっている人も中にはいる。

 

だから尚更横幅が狭いと上手くスタートダッシュを決められない。

 

 

そんでもって…溜まり場が出来ると都合良かったりするんですよ。なんでかって?

 

 

轟(ゲート内で人混みを作るなんざ格好の餌だぞそりゃ…)

 

轟「主に俺のだが」パキパキィッ!!

 

「ぐあああっ!?あ、脚がぁぁっ!?」

 

こんな事(氷結)できちゃうもん。

 

百単位の生徒達が下半身のほとんどを凍らされ、動けなくなってしまう。え?もうこれ最初から詰みなんじゃ…って思うでしょう?

 

 

 

八百万「甘いわ!!轟さん!」グオッ…

 

轟「お…」

 

爆豪「簡単に行かせるかよ半分野郎!!!」ボオッッ!!

 

 

皆ちゃんとタイミングを見計らって飛び上がっていた。八百万さんの場合は手から棒を創造する反動を使ってかっちゃんは爆風を利用して…などなど。

 

芦戸さんは酸で…みたいにそもそも氷を消滅させる方法もあるが…

 

何はともあれ1-Aは()()()全員第一難関突破したぞ。

 

緑谷「……」

 

緑谷(皆頑張れー)ピタァァ…

 

レースが始まって1分と経たない内に早速スピーカーからマイク先生の声が流れてくる。

 

選手達にも中継が聞こえるようにコース全域に付いているんだな。

 

マイク「さぁ!こっからの実況解説はこの俺プレゼント・マイクと1-A担任のカカロットでお送りするぜ!!」

 

 

………突っ込んだら負けだ。

 

悟空「いやぁ…オラこういう……司会すんのとか初めてで緊張すっぞ…」

 

マイク「まぁ固くならずに行ってくれや!お前のバックにゃ元担の相澤がついてるからな!」

 

マイク「最悪モニター越しにアドバイス頼んだらいいぜ!!」

 

なんだろう…実際聞こえなくとも「投げやりにするな」ってツッコミが頭に浮かんでくるんだが…

 

さてさて…A組や他の人達が無事ゲートの氷結を回避し終えた頃…

 

 

轟「クラスの奴等は当然にしろ…意外と残っちまったな」

 

先頭を1人走り去ろうとするがそうは行くまいと言わんばかりに峰田君が走り寄ってくる。

 

峰田「馬鹿め!!裏の裏を読んでやったわ!!!」ダダッ…

 

轟「?」クルッ

 

峰田「喰らえぇぇ!俺の新必殺技っ!」ブヂッ!!

 

丸い髪を千切り掴んで轟君を標的に定めた。大きく振りかぶりその投擲を狙うが…

 

峰田「ビックバンア

 

峰田「ダァァアッ!?」ドガッッ!!!

 

突然横から鉄のような物体と衝突する。…よく見れば腕みたいな形してるな…というかどっかでみた事あるメカメカしさ……

 

あ。

 

轟「…ありゃ…入試ん時の仮想敵か!?」

 

仮想敵「ターゲット…確認!」

 

ご名答。随分前僕がジャン拳で粉砕したあの量産型敵だ。成る程、この程度の障害物ならお茶の子さいさい……

 

 

って思うじゃん。

 

マイク「ほんじゃま障害物その①と行こうじゃねーか!!」

 

 

 

ズシン…!!

 

 

その強靭かつ巨大な足音に皆驚きその音が発生したと思われる前方を確認する。彼らが目にしたのは最早ロボットなんていう可愛げのあるような物などではなかった。

 

ビルなどの高層建築物と同等の高さを誇る巨大な二足歩行の殺戮兵器の群れが立ち並んでいた。

 

だがこれも皆見覚えがあるだろう。ヒーロー科の実技試験を受けた人ならば…

 

麗日「き…聞いてないわ…こんなん」

 

上鳴「改めて見るとでっけー…」

 

 

 

 

マイク「第1関門!その名も【ロボ・インフェルノ】!!!」

 

インフェルノ「ー…!!」

 

そう、入試の0P敵…別称【ドッスン】。

 

しかも今回は一体だけではない。フィールド内に10体近くもそんな化け物がうろちょろしているのだ。なんてこったい

 

「あれ!!試験の時のドッスン!!」

 

「え!?あんなんと戦ってたの!?ヒーロー科!」

 

八百万「どこからこんなお金出てくるのかしら」

 

正確には逃げたんだがな。後自分の所の会場の奴は僕が倒したんだが。

 

今回はそう簡単に逃がしてはくれなさそうだな。

 

 

 

 

……因みに。1体につき総工費2400億円、国の軍事費の約5%を占める代物と知ったのは大分後の話だ。しばらく固まっちゃったよそれを耳にした時は…ははは。

 

……2400億円破り捨てたのかぁ…僕は。

 

 

まぁそんな突っ込みをする暇も与えず攻撃を仕掛けようとするドッスンなのだが…

 

インフェルノ「……」ゴオオッ…

 

「あばばばっ!?腕下ろしてきたぁぁっ!?」

 

 

轟(がっかりだな…折角ならもっとスゲーのを期待してたんだが)

 

轟「クソ親父が見てるんだからよ」ブンッ

 

そう呟いて右腕を振り上げた。

 

その際生じた弱風がインフェルノに当たった途端…

 

 

 

ビキィィッ!!

 

「ああっ……」

 

「嘘……一瞬で……」

 

 

 

たちまちその個体の全身が凍りついた。機能は停止し、腕を振り下ろすポーズのまま静止し続ける。

 

 

轟「いっちょあがり」ダダッ

 

「よっしゃ!デカブツ凍りやがった!」

 

「今の内や!!」ダダダ…

 

轟君に続き隙あらばと仮想敵の下を走り抜けようとする生徒達だったが…

 

轟「あーやめとけ体勢悪い時に凍らせたから…」

 

グラッ…

 

「ん?」

 

 

 

 

轟「崩れるぞ」ズドオオオッッ!!!

 

轟「…って遅かったか」ダダッ…

 

凍った仮想敵がグラグラと体勢を傾き始めそのまま前に倒れ込んでしまう。

 

強大さ故にその衝撃は半端じゃない。スタート地点にいる僕の耳にさえ響いてきたんだから。

 

……え?さっさと走れって?

 

 

 

 

 

倒れたインフェルノの周りに生徒達が集まってくる。どうやら数人程倒れた仮想敵の下敷きになってしまったようだ。

 

「お、おい…大丈夫か?」

 

「んなわきゃないだろ」

 

「え、死んだ?これって死ぬん?」

 

 

 

 

「死ぬかあああああっ!!!」ボコォォオッッ!!

 

2400億円だとかお構い無しに1人の生徒が豪快に装甲を突き破って立ち上がる。

 

予算が…雄英財そのものがぁ…

 

勿論その姿に皆びっくり仰天。

 

「うがぁぁぁっ!?ゾンビィィッッ!!?」

 

切島「誰が死体だ!!」

 

切島「ったく轟の奴…ワザと倒れるタイミングでやりやがったな!!」

 

切島「俺じゃなけりゃ死んでたぞ…」

 

はい。こんな事できるのは精々【硬化】を持っている切島君ぐら…

ボコッッ!!

 

切島「!?」

 

「A組はホント嫌な奴ばっかだな!!ったくよ…」

 

「俺じゃなけりゃ死んでたぞ…」

 

 

 

いじゃなかったね。連鎖して誰かがまた出てきたぞ。でも見覚えないな。

 

マイク「おおーっ!!B組鉄哲も潰されてた!ウケるーー!!」

 

悟空「B組っちゅうと確か…」

 

相澤<もう1つのヒーロー科組ですね。

 

相澤<私自身接触したのは2、3回の事なんで詳しい事は知りませんが。

 

何これチャットか。そういえば初日からB組B組言っといて保留にしたままだったな。

 

この人も紹介しておこう。

 

鉄哲徹鐡……てつ×4ですね。個性【スティール】

 

身体が鋼の様に固くなる。最強の矛にも盾にもなるぞ!

 

まぁなんだ…一言で言うと…

 

切島「個性ダダ被りかよ!畜生!!!」

 

ですね、代弁ありがと。涙目になりながらも先を急ぐ切島君。鉄哲君も彼を走って追いかける。

 

切島「ただでさえ地味なのに!」ダダッ…

 

鉄哲「ちょっ…待ちやがれ!」ダダッ…

 

上鳴「いいよなぁ。あいつら…潰される心配しなくて」

 

嫉妬してる場合じゃないぞ、上鳴君。敵はまだわんさかいる。とは言え轟君レベルでもない限り1人で撃退というのはほぼ不可能に近い。普通なら…

 

「俺達は一先ず協力して道拓くぜ!!」

 

「おう!!」

 

というのが妥当な策だが。

 

爆豪「そう簡単に一抜けさせるかボケぇっ!!」ボボオッ!

 

かっちゃんが爆速【ターボ】を使い一気に敵との距離を詰める。

 

そのまま手を下にし爆発を連続で行いその衝撃を利用し上空に飛び上がる。

 

マイク「1-A爆豪!下が駄目なら上行くか!?クレバー!」

 

「マジかよ!登りやがった!!?」

 

爆豪(すんなり先行かれてたまるかよ!)シュタッ…

 

とうとうドッスンの頭上に到達。一旦着地し再度爆発で移動を繰り返す。無論飛び越えるという選択をする者は1人とは限らない。

 

「おめーこういうの正面突破しそうだけど…意外だわ」

 

「便乗させてもらうぞ」

 

シュタッシュタッ…

 

爆豪「…?」

 

後ろから2人の生徒が同様にドッスンの頭に着地する。

 

瀬呂君と常闇君だ。瀬呂君はテープをロープの様に伝って、常闇君は影を伸ばし黒影(ダークシャドウ)に運んでもらいながら。

 

瀬呂「へへ…」

 

常闇「ご苦労」

 

黒影<アイヨ!

 

 

 

 

【観客席】

 

ここではオールマイトをはじめとする様々な教員が生徒達の雄姿を見守っていた。

 

ポップコーンを頬張りながらも先生達A組の講評を行う。

 

 

 

13号「むぅ…やはり一足先に行くのはA組が多いですね」↑完治した。

 

オールマイト「他の科やB組も悪くはない!だが…」ボリボリ…

 

オールマイト「A組(彼ら)は立ち止まる時間が短い」

 

オールマイト「上の世界を肌で感じた者…」

 

オールマイト「恐怖を植え付けられた者…」

 

オールマイト「対処し凌いだ者…」

 

オールマイト「それぞれが経験を糧とし迷いを打ち消している」

 

スナイプ「それにヒーロー科はあれを一目見た事がある。だいたい()()()()()で闘りゃ叩き潰せるか予測つくだろ」

 

スナイプ「丁度あんな感じだ」

 

そう言ってスナイプは八百万さんの方を指差した。

 

 

 

 

 

【コース内】

 

八百万「くらいなさいっ!!」ドンッ…

 

ドオンッッ!!

 

「すっげ…あのデケーの1発で…」

 

「ってバズーカはズルくね!?」

 

八百万さんは大砲を創り出して一気にカタをつける作戦に出たようだ。

 

見事に一撃で1体インフェルノを粉砕する事に成功する。

 

八百万「チョロいですわ!」

 

お嬢様がチョロいって…今日日聞かないな。

 

 

 

 

【観客席】

 

スナイプ「入試の時は合否のポイントとの兼ね合いもあった。【避けるもの】として見るへきだったが…」

 

スナイプ「【倒すもの】として見りゃただの鈍臭い鉄の塊よ」

 

スナイプ「突ける隙も見えてくらぁ」

 

オールマイト「……だな」ボリボリ…

 

オールマイト(緑谷少年…何故スタート地点から一歩も動かん……)

 

 

 

 

【コース内】

 

マイク「聞いたかオイ!インフェルノチョロいってよ!」

 

マイク「ならこいつはどうよ!!落ちればアウト!それが嫌なら這いずりな!!!」

 

マイク「第2関門【ザ・フォール】!!!」

 

ロボの大群を抜けた先には小さな崖の数々。穴の底が全く見えない。こりゃ怖い。

 

崖と崖には一本ロープが繋がっているだけ。ここを綱渡りしろというモノだ。なんて鬼畜な…

 

 

 

蛙吹「大げさな綱渡りね」<ケロケロ

 

テクテクテク…

 

麗日「……」

 

そんな風に四つん這いで歩いて行けるの…君だけだよ、蛙吹さん。

 

楽々と進んでいく彼女の姿には周りの生徒達も呆然。

 

 

 

なのだが1名だけめっちゃ微笑んでるんですが。

 

「ウフフフフ!来ました!来ましたよアピールチャンス!」

 

「私のサポートアイテムが脚光を浴びる時!!」グオッ…

 

「見よ!全国のサポート会社!!!【ザ・ワイヤーアロウ】&【ホバーソール】!!」ガギィッ!

 

サポート科の女性だと一目見てすぐ分かる。服に色々便利そうな装備が装着されている。

 

胸部の所の機械からワイヤーを伸ばして遠くにある崖の地面に先に搭載されている矢を引っ掛ける。

 

そのままワイヤーを縮ませ、その反動で自分の身体を崖へと引っ張る。

 

「さぁ見て出来るだけデカイ企業!!!」ゴオッ

 

「私のドッ可愛い…」

 

「ベイビーを!!!」シュタッ…

 

脚部に装備しているツールを使って空気を噴射し崖との衝突を避け、尚且つ衝撃を減らした。

 

側面にポフッと着地し、そのまま崖を登っていった。

 

サポート科にとって体育祭は己の発想・開発技術を様々な企業にアピールする場でもある。

 

だから公平を期す為にも彼女等は自分で開発したアイテム・コスチュームに限り持ち込み可なんだ。

 

「フフフフ!バッチリ決まりました!」<フフフフ!

 

笑いすぎだろ。

 

 

 

マイク「さーて!色んな方がチャンスを掴もうと励んでいますが!カカロットさん?」

 

悟空「おう!皆頑張ってんな!」

 

マイク「アバウト過ぎなのも嫌いじゃないぜ俺!!」

 

悟空(なんでこう…メガネとかサングラスかけた奴が司会すんの多いんだろーな)

 

悟空(天下一武道会とかセルゲームもそうだった気が…)

 

マイク「先頭()の方は難なく一抜けしてるぞ!!」

 

悟空「スゲーな。轟トップをキープしてっぞ」

 

悟空「個性もそうだけど戦闘力や判断力も他に比べっと圧倒してら」

 

マイク「そらお前…轟はフレイムヒーロー【エンデヴァー】の息子さんだからな!」

 

悟空「えんでゔぁー?」

 

 

エンデヴァーは以前も触れた通り、事件解決数ではオールマイトを見事に上回っている。オールマイトと同様に国民問わずして世界から絶大な人気を誇る。

 

オールマイトの次に偉大なヒーローと呼べるであろう彼はNo.2として世の人々に称えられている。

 

 

マイク「……っていう感じ」

 

悟空「おお!なんとなくスゲーってのは分かったぞ!」

 

それは分かってないって言うんだが…

 

マイク「さぁ!先頭が一足第2関門突破し、下はダンゴ状態だ!」

 

マイク「上位何名が通過するかは発表しねぇから安心せずに突き進め!!」

 

マイク「早くも轟選手、最終関門突入!!気になる障害物その③とは…?」

 

 

 

轟「…」ダダッ…

 

轟「こりゃ…」

 

轟君が目にしたのはただの平原。特にこれといった障害物は見当たらない。だが目を凝らして見ると所々凸凹がある事に気付く。

 

これは……

 

轟「そういう系統か…!!」

 

マイク「一面地雷原!!【怒りのアフガン】だーーっっ!!」

 

地面の中に幾多の地雷が埋め込まれているそう。恐らく先程行った凸凹を踏んだ瞬間ドカン!なのだろう。確かに親切な設計ではあるが彼方此方に地雷を発見してしまうのでスムーズに走るのは難しい。

 

マイク「因みに!威力は大した事ねぇが音と見た目は派手だから失禁必至だぜ!」

 

悟空「失禁ってなんだ?」

 

マイク「」

 

何でもいいからフォローしてあげてください。

 

 

特に最初にここに足を踏み入れてしまった轟君は緻密に避けながら進まなければならない。慎重に進んでいくが…

 

轟(こりゃ先頭程不利なコースだな…)

 

轟(エンターテイメントしやがる)

 

爆豪「はっはーー!俺に爆発なんざ…」

 

轟「!?」

 

爆豪「カンケーーねぇぇ!!!」ボオォッ!!

 

そうだ。かっちゃん爆発効かないな。お陰で躊躇なく駆け抜けられる訳だ。加えて爆速【ターボ】…

 

あっという間に1位を通り越す。

 

爆豪「テメェ!宣戦布告する相手間違えてんだろ!!」

 

轟「……」

 

だが黙って先行かせる程彼は甘くない。

 

 

ガシッ

 

爆豪「アア!?」

 

轟「邪魔だ!!」グイッ

 

爆豪「てっめ…!!」ガシッ…

 

すれ違いざまに手を掴んでおり、抜ける前にかっちゃんを引っ張り後ろに寄せた。

 

だが負けじとかっちゃんも抵抗する。

 

 

マイク「ここでトップが変わったぁぁあっ!!喜べマスメディア!!お前ら好みの展開だぞ!!」

 

マイク「後続もスパート掛けてきた!!」

 

マイク「とは言うものの、引っ張り合いながらも……」

 

マイク「やはり轟・爆豪がリードかぁ!?」

 

とうとう第1・第2関門の突破者がほぼ出揃ってきた。地雷に気をつけながらも温存していた体力をフルに使い上位との差を縮めていく。

 

皆あれでスロースタートだったのかよ…はは。

 

 

 

 

負けてらんねぇな。

 

 

 

 

 

 

 

ドオオオオンッッッ!!!

 

 

 

 

 

突然巨大な爆発音がスタジアム中に鳴り響く。

 

一体幾つの地雷を爆破させたのかと思う程の音量であった。

 

皆気に留め少し後ろを振り向いて覗いてみると……

 

 

 

轟「!?」

 

爆豪「!?」

 

オールマイト「マジか…!!」

 

マイク「……あれ、君……いつから……」

 

悟空「………」ニッ……

 

 

 

 

 

 

僕がわざと爆発させたんだよ!かっちゃん方式でな!!!

 

 

緑谷「へへっ!」

 

マイク「1-A緑谷出久!!!ここに来てまさかの怒涛の猛追かぁぁぁぁっっ!?」

 

マイク「ってかいつから君走ってた!!?」

 

 

 

 

 

 




相変わらず時間ギリギリで申し訳ございません。

須井化です…はい。

今回少ないかもだけど展開的には丁度いいので決着は次回までのお楽しみ。

かっちゃん伏線〜障害物競走まででした。

時間の都合上飯田っちのカッコ悪い場面は抜かしました。単行本見てとくと目視せよ(適当)!!!

いかがでしたか?

次回は第2次予選開始まで…

つまりだ……………





とうとうあの娘が登場するんすよ…ええ

お楽しみに!!!





何か意見等ございましたら感想・メッセージで気軽にご相談ください。
3月9日(木)以内に第22話の投稿を予定しております。

お楽しみに!
(大事な事だから2回言った…え?前者の方がビックリマーク多い?………知らんな)







※前回から章区切りしてますが今までのを1つと括ると大雑把すぎるので分けてみました。
第0話がプロローグじゃねぇのとかそういうツッコミは求めてないっス

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