悟空「オラの?」緑谷「ヒーローアカデミア!」   作:須井化

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前回までのあらすじ

どこにでもいる無個性少年緑谷出久。

彼は将来の夢であるヒーローを目指すべく日々修行を積み上げていく!

USJ襲撃から数日後孫悟空はなんと雄英の教師となり1-Aの前に姿を現した!!

生徒20人をまとめて相手にし、指一本も触れさせずにその圧倒的な力を見せつける!

一方緑谷少年はクラスメイトの取る態度の変化に苦悩していたのだが…

というか緑谷少年…盗人は犯罪だぞ………

更に向こうへ!PlusUltra!!!


第20話

【職員室】

 

 

 

プルルルル…

 

 

 

プッ

 

相澤<はい、相澤です

 

悟空「オッス!オラだオラ!」

 

相澤<オラて…オラオラ詐欺じゃあるまいしちゃんと名乗ってくださいよ

 

悟空「いや悪り悪り…電話で話すのなんか久々だからよー」

 

相澤<その様子じゃちゃんとスマートフォンも扱いこなしてるみたいですね。安心しましたよ

 

悟空「ははは!たまに力入れすぎて割れそうになる事あっけどな!!」

 

悟空「っとと…話逸らしちまったな」

 

相澤<…でどうでした?初授業

 

悟空「んー?それなりにって感じだぞ。皆オラが思ってたより強かったしめっちゃ楽しかったしよ!」

 

悟空「ただなんちゅうか…うーん、言いづれえな」

 

相澤<…?どうしました?うちの生徒が何か…

 

悟空「いや、別にそういう事じゃねぇんだけどよ……あれだ」

 

悟空「ほとんどの奴の気が乱れてた」

 

相澤<というと…?

 

悟空「血が上ってるっちゅーか、興奮してるっちゅーか……」

 

悟空「兎に角焦ってたって感じだったぞ」

 

相澤<………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【食堂:メシ処】

 

 

 

 

丁度僕が座っていたテーブルは他が全て空席だった。蛙吹さんは食器が乗っているトレイをそっと置き僕の右隣の席に静かに腰掛けた。

 

今日の彼女の昼ご飯はざるそばみたいだ。麺をつゆをよく染み込ませてツルツルと啜って食べていく。

 

…つゆ?

 

蛙吹「ここの麺汁がたまらないのよね」

 

蛙吹「コシもいい感じだし」

 

緑谷「そ、そうだね…梅雨…ちゃん……」

 

蛙吹「…」ズルル…

 

緑谷「…」ガツガツ…

 

会話がうまく弾まず暫く沈黙の時間が続いていく。くそぅ…更に空気を悪くさせてしまった。

 

蛙吹さんが態々僕の為にメニューまで決めてくれたってのに…無反応はやばい。

 

2、3分位経った後彼女は再び話を切り出した。

 

蛙吹「……怖かった…わよね、緑谷ちゃん」

 

緑谷「…」ガツガツ…

 

蛙吹「皆突然貴方を無視したりしてきて…」

 

蛙吹「でも悪気があってしてるんじゃないのよ…だから許して頂戴」

 

緑谷「………」

 

進んでいた箸が急に止まる。

 

いじめだとかそんなんじゃないのは僕だってちゃんと理解している。だから悩んでいるんじゃないか。

 

緑谷「別に君が僕に謝る必要なんてないじゃないか…確かにそりゃ…傷ついてないって言ったら嘘になるかもだけど」

 

緑谷「だけど…僕が何かしたっていうならハッキリ言ってほしいんだ。場合によっちゃそれこそ僕が皆に謝罪する必要がある」

 

蛙吹「…………」

 

 

 

 

緑谷『あいつとは…1vs1でやりたい』

 

緑谷『ああ…違うな。()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

緑谷『だったら尚更だ。クラスの皆を危ない目に合わせる訳にはいかない』

 

 

 

蛙吹「緑谷ちゃん…ほら、USJで私達を逃がしてくれたじゃない?」

 

蛙吹「それに皆納得がいかなかったの」

 

蛙吹「私自身は貴方は凄く強いし逆に人質とかにされるよりかはよっぽどいい判断をしたと思うのよ」

 

蛙吹「でもね…」

 

 

 

 

 

轟『俺達が束でかかりゃもっといい戦法だってあっただろ』

 

轟『あいつがあの化け物の強さを把握してたなら尚更そんな事分かってた筈だ』

 

轟『それを承知の上で俺等の手を拒んだってんなら…』

 

 

轟『緑谷にとって俺達はその程度の奴っていう認識しかされてないんじゃねぇのか』

 

 

 

 

 

緑谷「…」

 

蛙吹「それで……それに全員賛同して…」

 

蛙吹「最初は体育祭の時にギャフンって言わせてやろうって…皆奮起してたの」

 

蛙吹「でも段々それが悪い方に火ついちゃって……こんなギクシャクして……」

 

蛙吹「こう…なっちゃって……」

 

緑谷「…………さん」

 

蛙吹「私も止めようとしたけど…逆に闘争心煽ちゃって…」

 

緑谷「蛙吹さん…」

 

蛙吹「で、でも…!」

緑谷「蛙吹さんっ!!」バンッッ!!!

 

蛙吹「……っ……」ビクッ

 

 

テーブルを思い切り両手で叩きつけ、大声で彼女の名前を叫んだ、その強烈な効果音は食堂中に響き渡る。あまりに力を入れてしまったが故にその衝撃で蛙吹さんの身体が激しく振動する。

 

数秒静止した後、僕はその場に立ち上がり彼女にこう言い放つ。

 

 

 

緑谷「…もう、大丈夫。分かったよ蛙吹さん」

 

蛙吹「…や…だから……緑谷ちゃんね…」

 

緑谷「大丈夫、大丈夫だから…もう、うん」

 

緑谷「食べ終わったからもう僕行くね」ニッ

 

蛙吹「だ…その…っと…」

 

緑谷「…」スタスタ…

 

蛙吹「待って!!緑谷ちゃんっ!!!」

 

 

 

 

 

誰かに呼び止めららた気がした……がそんな場合ではなかった。

 

一刻も早く食堂から立ち去りたい。

一先ずどこか静かな所で頭を冷やしたい。

 

そう思った。

 

今の僕にはせいぜい、作り笑いで明るく振る舞ってその場から離れる事位しか出来なかった。

 

 

 

 

 

【1-A教室】

 

この部屋にも大きな変化が表れていた。何やら麗日さんは教室中を右往左往しており何やら慌ただしい様子。

 

 

麗日「むぅ…」スタスタ…

 

麗日「むぅぅ……!」スタスタ…

 

麗日「やっぱりデク君に話しに行った方がいいかな!?」ズイッ!

 

飯田「うおっ!?」

 

いきなり顔突き出すモンだから飯田君は驚倒してしまう。フラフラと立ち上がりながら麗日さんに話しかけた。

 

飯田「話…というのは今朝の事か?」

 

麗日「」コクコクコク

 

飯田「俺は別に構わないと思うぞ?寧ろこのまま話が拗れたままだと面倒な事になりかねない」

 

飯田「今の内に誤解は解いておいた方が懸命だ」

 

麗日「でも飯田君は行かんでしょ?」

 

飯田「それとこれとは話が別になる」

 

飯田「俺だって彼に説得しに行きたいのは山々だ…が………」

 

麗日「???」

 

 

 

飯田君はそれを言ったっきりで顔を俯き喋るのを中断した。彼はある事が気にかかっていたのだ。

 

 

飯田(…これは言い訳にもなるかもしれん…が)

 

飯田(今僕が緑谷君の所に行く訳にはいかないんだ)

 

飯田(君の事だ…きっと事情を知れば委員の事に関しても負い目を感じてしまうだろう)

 

飯田(突き詰めればその原因は僕にだってある筈だ)

 

飯田(自分から出しゃ張る訳にもいかんだろう…麗日君)

 

 

 

 

そうこうしていると教室の外が騒がしい事に気が付く。疑問に思いドアを開け様子を見てみると……

 

 

 

ザワザワ…

 

麗日「な、ななな…」

 

麗日「何事だあ!?」

 

 

他のクラスの大勢の生徒が教室付近に集まっているではないか。通路を塞ぐ程の人混みが出来ており思わず皆は腰を抜かしてしまう。

 

峰田「な、何だよこれ…出れねぇじゃん!」

 

爆豪「敵情視察だろザコ」

 

峰田「ふぉおっ!?」

 

峰田「ふざけやがって…ぶっ殺(スパァン

蛙吹「お呼びでない」

 

峰田(帰ってくんの早くね!?)

 

爆豪「敵の襲撃を耐え抜いた連中だもんな。体育祭(戦い)の前に一目見ておきてぇんだろ」

 

爆豪「それ意味ねぇから退けやモブ共」

 

飯田「とりあえず知らない人モブって言うのやめよう?」

 

「どんなもんかと見に来たが随分偉そうだなぁ」

 

「ヒーロー科に在籍するのはこんな奴らばかりなのかい?」

 

爆豪「ああ?」

 

かっちゃんの暴言に食いつき大行列を押しのけて1人の男子生徒が僕らの前に姿を現した。

 

どうやら普通科の生徒のようだ。

 

普通科生徒「こういうの見ちゃうとちょっと幻滅するなぁ」

 

普通科生徒「普通科とか他の科の人達ってヒーロー科落ちたから入ったって奴結構いるんだ…知ってた?」

 

普通科生徒「体育祭のリザルトによっちゃヒーロー科編入も検討してくれるんだって」

 

普通科生徒「()()()もまた然りらしいよ」

 

峰田「…!?」

 

普通科生徒「敵情視察?少なくとも普通科()は『調子のってっと足元ごっそり掬っちゃうぞ』っつー」

 

普通科生徒「宣戦布告しに来たつもり」クルッ

 

それだけ言うと彼はすぐ自分の教室へ戻っていった。大胆不敵な果たし状ありがとうございました。

 

切島「おいコラ爆豪!どーしてくれんだ!」

 

切島「おめーのお陰でヘイトが集まってきちまってるじゃねぇかよ!!」

 

爆豪「関係ねぇよ」

 

切島「はぁ!?」

 

 

 

 

爆豪「()()()()()()()()()()

 

轟「………」

 

爆豪「一々こんな小競り合いに付き合ってる余裕なんて無ぇよ」

 

爆豪「目指す場所はこの底辺共の更に遥か先にある」

 

爆豪「俺達が今相手にしなきゃいけねぇのはあのクソナードだろうが」

 

常闇「上…か。一理ある」

 

切島「くぅっー…1番!」

 

切島「シンプルで男らしい事言ってくれるじゃねーかよ!!」

 

上鳴「バッカ!!あいつ無駄に敵増やしただけだぞ!」

 

八百万「……」

 

 

 

 

 

 

 

【WC】

 

 

バシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャ

 

 

 

 

 

両手で水道の水を掬い顔面に勢いよくかける。その度に顔全体に水が広がるよう手を擦り付けた。強く擦りすぎたせいか頰がひりひりと痛みを感じてしまう。

 

何分これやってんだろ…

 

 

 

キュッ…

 

緑谷「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

ようやく懲りたのか蛇口を止め洗顔を中断した。長らく息を止め続けていた為に苦しそうに呼吸を行う。

 

 

 

いや…それだけじゃないな。何だろう…

 

 

 

麗日『初めて会った時から思ってたもん!この人絶対やるなーって!尊敬した!』

 

麗日『あーっ…尊敬!なるほど、私はデク君を尊敬していたのか…』

 

 

 

胸が痛い。めっちゃ痛い。

 

 

 

麗日『……ウチ、そんな大した事もやってないもん』

 

麗日『デク君みたいに成績バリバリ優秀な訳じゃないし…』

 

麗日『ウチなんか父ちゃん母ちゃんに迷惑かけてばっかだし………』

 

 

 

 

 

言われた瞬間はあの言葉が心の底から嬉しく感じられた。本心から僕の事を快く思ってるんだってとても安心した。

 

今はどうだ?

 

 

緑谷「…くそっ!」バンッ

 

 

なんでこんな悲しそうな顔してんだよ

なんでいらついて壁殴りつけてんだよ

 

 

 

緑谷『僕より大きい気の反応は無しと…』

 

 

思えば最初から感じていたのだろうか?

 

初日から…高い所で僕はずっと皆を見下ろしていたのだろうか?

 

 

緑谷『こっから先は僕の仕事だ』

 

 

何が自分の仕事だ…だよ。僕は周りの事なんか見えちゃいなかったのか?気にも留めていなかったのか?

 

いつの間に自分はこんな優越感に浸ってたんだよ…

 

皆にだって戦える力は十分あった…それどころか助けられただろ、何度も。不意打ちとか…協力して立ち向かえば撃退する方法なんていくらでも考えついた筈だ!!

 

いつから皆を【助けるべき人達】として見てたんだ!!いつから皆を戦力外として考えていたんだ!!彼らは【一緒に護り合う仲間】じゃなかったのか!?

 

 

 

そうだ。

僕はいつも自分の力1つで何とかしようとしていた。

他人の力を借りようなんてこれっぽっちも思っちゃいなかった。

 

僕は無意識の内に心の何処かで皆を軽蔑していたんだ。

 

いや…無意識ってのも本当は自分にそう言い聞かせ正当化させる為の口実に過ぎなかったのではないか?

 

緑谷「…………」キーンコーンカーンコーン…

 

緑谷「やば…HR……」

 

 

 

 

 

 

自分の胸中とは到底向き合えられなかった。

 

教室に戻れば再び陰鬱な雰囲気に満ちあふれていた。皆とどう接せばいいのだろう。

 

あれ程期待させておきながらこんな失態を犯してしまった。最低だ。こんな身勝手な奴が委員長に適任者である訳が無い。飯田君が継続すればよかったと心底後悔しているよ。若しくは繰り上がりで八百万さんとか。……まぁ副だろうが何だろうが僕には荷が重い仕事だが。

 

 

 

 

駄目だ。キリないや。

 

もう考えるのは止そう。そうすればいつもの調子に戻る筈だ。

 

 

 

 

 

 

数日後…

 

【とある山奥】

 

山…って言ったらまぁ1年間特訓したのでお馴染みのあそこですよ、あそこ。

 

放課後は偶にここで組手してくれる時もある。

 

丁度今も修行の真っ最中だ。

 

 

 

緑谷「だぁぁっ!!!」ダダッ

 

悟空「……」

 

悟空さんに向かって一直線に駆けていく。勿論

ただがむしゃらに突っ込みに行く訳じゃないぞ。

 

悟空「ほっ」ブンッ

 

悟空さんは右脚を振り上げ僕に蹴りをお見舞いしようとするが…

 

緑谷「」ブゥゥ…

 

悟空「お」

 

ザザッ…

 

 

残像拳で見事に回避成功。背後に回って攻撃を仕掛けようとする。

 

緑谷「はあっ!!」ゴオッ

 

悟空「……」

 

クルッ

 

悟空「だっ!!!」ブオッ

 

蹴りが失敗した後即座に身体を180°回転し今度は正拳突きをこちらに繰り出す

 

 

 

 

スカッ

 

悟空「い!?」

 

が当たらない。

 

 

緑谷(裏の裏を読んでやったぞ…!)ダンッ!

 

あの直後また残像拳を使って体勢を崩させたんだ。こんな隙だらけなら飛び蹴りの1発や2

ドッ!!!

 

悟空「……」

 

緑谷「っは…?」

 

ドサッ

 

 

無理でした。こっちに身体向けずに後ろに肘打ちしやがった…もろに顎に食らってしまいそのまま倒れ込んでしまう。

 

悟空「オラ位の格闘家なら相手の5手先は読んでおかねぇとな」

 

悟空「もう40分はぶっ続けでやってっぞ?そろそろ休…」

 

スクッ…

 

悟空「……」

 

緑谷「はぁ…はぁ…」

 

しかし手で痛みを抑えながらすぐ立ち上がり再び構え直す。

 

止まったら駄目なんだ。ずっと動かないとまたあの事を考え出しそうだ。

 

緑谷「はぁっ…はぁ…」

 

悟空「……動きが徐々に雑になってる」

 

悟空「おめぇ、なんかヤケ起こしてんじゃねぇのか?」

 

緑谷「……」

 

悟空「最近ピリピリしてっぞ何だか」

 

悟空「オラ学校行き始めたのはつい3日前だから何とも言えねぇけどよ」

 

悟空「言う程あまりクラスの奴らと馴染めてねぇんじゃねぇんか?」

 

緑谷「今は……っそんな事は…どうでも…」

 

悟空「どうでも良くなんかねぇよ…」

 

悟空「オラはおめぇの師匠だし先生なんだ」

 

悟空「悩んでんのをほっとける訳ねぇ」

 

悟空「来週体育祭があるから張り切ってんのは分かっけどあまり切り詰め過ぎっ

緑谷「大丈夫です…!平気ですから」

 

 

悟空「…」

 

緑谷「はぁ…はぁ…」

 

悟空「…何が大丈夫なんか…?」

 

緑谷「…………ーっ」

 

緑谷「…すみません。今日ちょっと疲れたのでこれ位でお開きにさせてください」

 

悟空「………その方がオラもいいと思うぞ。無理は体に毒だからな」

 

緑谷「…………」スタスタ…

 

 

 

話したって理解も解決もできない癖に。

 

そう思いながら聞こえない程度に舌打ちして歩き去っていく。

 

 

 

 

 

【雄英:屋上】

 

緑谷「」モグモグ…

 

緑谷「カツサンド最高ー」

 

緑谷「……」

 

ガブッ

 

緑谷「」モシャモシャ…

 

その翌日も僕は適当に選んだパンを適当に外の景色を眺めながら適当に食べていた。

 

今日で4回目…あ、金曜だから一週間もう終わるのか。早いなぁ。特に今週はやたら早く時間が過ぎていった気がする。

 

…?なんで食堂で食べてないのかって?

 

察してくれ。1人の方が気楽に食えるだろ。

 

緑谷「空が青いなぁ…」

 

緑谷「………関係ないけど」モグモグ…

 

 

 

 

何やってんだろ。自分…

 

これじゃ前の生活に逆戻りしてるだけじゃないか。中学の時も確かこういう風に隅っこで1人弁当食ってたっけ。

 

皆とどう接すればいいか分からない。どう向き合えばいいか分からない。

 

考えている内に面倒になってきて『なら自分も関わらなきゃいい』って自分から皆を避けるようにしてしまった。

 

何も…何も変わって無いだろ今までと。

 

こんなんじゃなかった筈だ。

 

僕がやりたかったのは…高校生活はこんな…

「あ…居た」

 

ダダッ…

 

 

緑谷「…?」

 

後ろから誰かの声がした。僕を見つけて何か独り言をボソッと呟いてたな。まさか態々屋上まで僕を探しに来る人なんている訳ないし…

 

僕と同じでハブられ者か?気が合うじゃないか。1人で食えないかもしれないが僕等は同志だ。2人で仲良く楽しもうじゃないか。

 

まぁ1番理想なのは今のが幻聴だったって事だけど。

 

緑谷「」ポン…

 

どうやらその可能性はなくなったらしい。僕の肩に声の主であろう人物の片手が置かれる。でも悪いな。出来れば今は1人で…

 

 

そう思いながら声がした方向を振り向く。

 

すると…

 

 

 

 

八百万「やっと見つけた…緑谷さん」

 

緑谷「………は?」

 

 

 

なんで…なんで八百万さんがここにいるんだよ。

 

その答えは全身汗だくの姿と息が荒々しい様子を見れば一目瞭然だった。だがそのお陰でまた新たな疑問が生まれた。

 

何故僕を探してた。

 

八百万「ここ一週間ずっと休み時間の間教室に姿が見当たらないと思えば…」

 

八百万「どうしてこんな所で黄昏れていますの?」

 

緑谷「………」

 

緑谷「君が…知る必要は無いだろ」

 

緑谷「関係ない」

 

八百万「大ありですわよ。友人が困っている所を放ってはおけませんわ」

 

八百万「それに委員長なれどクラスメイトを助けるのは学級委員の役目……」

 

八百万「…というか…その…あの…」

 

 

 

 

八百万「私は…貴方のパートナーですし…」

 

 

 

緑谷「………先週あんな偉そうに口叩いてたのになぁ」

 

緑谷「今だってそうだよな」

 

緑谷「僕は自分自身の力だけで全て丸く収めようとしてる」

 

緑谷「相澤先生の時だって皆の事を考えずただ1人で突っ込んでいっただけだし」

 

緑谷「私怨を訓練に持ちかけて皆に迷惑かけるし」

 

緑谷「…っとに……とんだ仕事が課せられたと思うよ…」

 

緑谷「飯田君に…申し訳ないや」

 

八百万「………一応、言っておきますが」

 

八百万「私は貴方を見損なったとか…決してそんな事は思ってないですわよ」

 

緑谷「?」

 

八百万「…」

 

 

緑谷『八百万さん……頼んだよ』

 

 

八百万「……あの時…咄嗟に私を逃がしてくれたのは…」

 

八百万「私なら、その場に残った人達を守ってくれる…」

 

八百万「そう信じてくれたからでしょう?」

 

緑谷「…………」

 

八百万「そういう無駄に視野が広い所、嫌いじゃありません」

 

 

 

 

 

無駄って何だよ無駄って。

 

慰めてるのか褒めてるのか罵ってるのか分からないじゃないかよ。

 

下っ手くそ………

 

 

 

緑谷「っぶぷ」

 

八百万「?」

 

緑谷「ははははははっ!!」

 

八百万「………」

 

緑谷「はは…は…げほ、っ!ごほっ!」

 

やばい。腹痛い!笑いすぎて咳出しちまった。クッソ…!

 

 

固く握り締めていた手の力が何時しか緩み始めてた。気付けば両腕で腹を抱えて笑いを抑えてさえいた。

 

 

八百万「え…私何か変な事…」

 

緑谷「ご、ごめん…いや、なんでも…」

 

緑谷「…何というか…少し頭ん中の靄が晴れたかも」

 

緑谷「ありがと、八百万さん」

 

八百万「そう…ですか」

 

八百万「それなら幸いです」ニコッ

 

緑谷「…」

 

緑谷「あの。さ…八百万さん」

 

八百万「はい」

 

緑谷「僕…皆とすれ違っちゃった…というかすれ違っていた。ずっと」

 

緑谷「どうすれば……解るのかな」

 

緑谷「どうすれば今みたいに笑い合えるのかな」

 

八百万「……言ってましたわよね、他の科の方」

 

八百万「足元掬うぞって…体育祭の事色々」

 

緑谷「……」

 

八百万「こんな所で油を売ってる場合ではなくって?」

 

 

 

 

『時間は有限。君達は合理性に欠くね』

 

『そんな兄に憧れ俺はヒーローを目指した』

 

『俺はここで1()()()()()()()()!!!』

 

 

 

 

 

馬鹿か…自分は……

 

なんでこんな事すぐに気付かなかったんだ?

 

やるべき事なんか…何ヶ月も前から決まっていたじゃないか!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………雄英体育祭………

 

散々説明してきたので最早お約束だろうがここの学校の体育祭は他校に比べ遥かに規模がデカイ。

 

競技の様子は全国へと発信され、毎年日本各地で話題となっているすごい行事だ。

 

どの位すごいかと言うと…

 

 

 

 

 

数日前…悟空初出勤の月曜

 

【1-A教室】

 

オールマイト「さて…余興(悟空さんの紹介)はこれ位にして」

 

オールマイト「とうとう雄英体育祭も残り2週間を切った訳だが」

 

(クソ学校ぽいの来たぁぁあ!!)

 

オールマイト「ウチの体育祭のシステム、皆把握してるかな?」

 

緑谷「確か…ヒーロー科・普通科・サポート科・経営科がごった煮になってまとめて行われる…」

 

緑谷「いわゆる学年別総当たり?」

 

オールマイト「そう!!つまり全力で自己アピールできる!」

 

オールマイト「雄英来たなら外しちゃならんよこの行事は!!」

 

芦戸「待って待って!敵に侵入されたばっかなのにそれって大丈夫なの!?」

 

オールマイト「逆に開催する事で雄英の危機管理体制の盤石を示す…」

 

オールマイト「て考えらしいな」

 

オールマイト「警備は例年の5倍まで強化するとの事」

 

オールマイト「何よりウチの体育祭は最大のチャンス」

 

オールマイト「敵ごときで中止していい催しじゃあない!」

 

峰田「いやそこは中止しよ?」

 

瀬呂「え?峰田…お前雄英体育祭見た事ねぇの?」

 

峰田「あるに決まってんだろ…そういう事じゃなくてよ~…」

 

オールマイト「ウチの体育祭は日本のビッグイベントの一つ!」

 

オールマイト「かつてはオリンピックがスポーツの祭典と呼ばれ全国が熱狂した」

 

オールマイト「今は知っての通り規模も人口も縮小し形骸化した…」

 

オールマイト「そして日本に於いて今()()()()()()()()()()に代わるのが雄英体育祭だ!!!」

 

八百万「全国のトップヒーローも観ますのよ!」

 

八百万「勿論スカウト目的でね」

 

上鳴「卒業後はプロ事務所にサイドキック入りがセオリーだからな」

 

耳郎「そっから独立しそびれて万年サイドキックも多いんだよね」

 

耳郎「上鳴あんたそーなりそうアホだし」

 

上鳴「くっ!!」

 

オールマイト「当然名のあるヒーロー事務所に入った方が経験値も話題性も高くなる」

 

オールマイト「プロに見込まれればその場で将来が拓けるわけだ!」

 

オールマイト「年に一度…計3回だけのチャンス」

 

オールマイト「ヒーロー志すなら絶対外せないイベントだ!!!」

 

 

 

 

 

 

と言った感じ。皆さん概要説明ありがとう。

 

5月の始まり…入学してから1ヶ月後、いきなりこんなどデカい行事が始まるのだ。

 

しかも生の観客数がえげつない。100万人は軽く超えるらしい。ひぇぇぇ…

 

日が近づくにつれ、プログラムの決定、装飾の張り付け等々準備は着実に進められていった。

 

それは生徒も同然。

 

 

 

 

 

切島「93…94…95!」グッ…

 

切島(俺達が…強くならなきゃ…)

 

切島(あいつに迷惑かかっちまうから…!!)

 

切島(あいつの足手まといになっちまうから…!!)

 

切島(そんなんクソ喰らえだ…!!)ピタッ

 

切島「………腕立て100回じゃ全然足りなぇ…」

 

切島「あいつを越せねぇよっ」

 

切島「+100回だ…!」

 

切島「101…102っ!!」グッ

 

 

 

 

 

 

バチバチッ…

 

上鳴「…はぁ…はぁ……」

 

上鳴(こんなんじゃまだ駄目だ…追いつけねぇ!)

 

上鳴(もっと強くならなきゃ…あいつをっ…助けられねぇ…!!)

 

上鳴(今のままじゃ…駄目なんだ!!)

 

上鳴「耐えろ…耐えれ俺っち…」

 

上鳴「もうちょいで超必完成しそうだからよ…!!」バチバチ…

 

上鳴「もってくれや俺の身体っ!」

 

 

 

 

 

 

 

八百万「……」

 

ギュッ

 

八百万(靴紐…両方共OK)

 

八百万(時間は後30分。十分余裕ですわね)

 

執事「百お嬢様…この時間にお出かけですか?」

 

八百万「ええ…ちょっと」

 

八百万「散歩がてら()()()()()()を」

 

執事「……ほえ?」

 

 

 

 

体育祭開催に伴い、各々が参加種目に備え奮闘していた。

 

そんな感じで約2週間…あっという間に過ぎていき…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当日、雄英体育祭開催。

 

【ゲート前】

 

ザワザワ…

 

マイク「群がれ!!マスメディア!」

 

マイク「今年もお前らが大好きな高校生達の青春暴れ馬」

 

マイク「雄英体育祭が始まディエビバディアァユウレディ!!?」

 

バンッバンッ…

 

 

 

 

校内入場可能時間の1時間前から100m近くもの大行列ができていた。

 

開始の合図と共にその人々を何十発もの雷が快く出迎える。

 

この日は雄英生・プロヒーロー・オールマイト…いずれも撮り放題!誰にも文句言われない!

 

マスコミにとっても今日はネタ満載のビッグチャンスなのだ!

 

 

 

レポーター「うーん…並び始めてから早2時間」

 

レポーター「まだかかんの?入場検査なっがいねぇ」

 

あ、貴方は何時ぞやの通りすがりの記者さんじゃないですか。流石に2時間以上も待たされちゃうんざりするか。

 

そんな彼女をカメラマンの方があれこれと宥め始める。

 

「しゃあねぇしゃあねぇ。何時もこんくれぇかかるよ」

 

「敵の襲撃受けたしなぁ。厳重にするわなそりゃ」

 

「今年に限っちゃ開催に批判的な声も上がってるぜ」

 

レポーター「まぁそーなんですけどね!」

 

レポーター「物議をかもす=数字がとれる!」

 

レポーター「今回の注目はやっぱり1年A組と言った所ね!!」

 

「敵を撃退した連中だからなぁ」

 

「優勝者は恐らくそいつらの誰かだろうな…実力にしろ経験にしろどちらも優ってる」

 

 

 

 

 

 

 

同じく全国からのプロヒーローも続々と雄英高校へと集結していた。

 

雄英生へのスカウトや観戦目的で来た者もいれば警備依頼が出されて招集された者も少なくはない。

 

この3人もどうやら今日は後者の理由で来ているらしい。

 

デステゴロ「ラストチャンスに懸ける熱と経験値から成る戦略等で例年メインは3年ステージだけど」

 

デステゴロ「今年に限っちゃ1年ステージ大注目だな」

 

シンリンカムイ「我らもスカウトに遅しみたいとこだが」

 

デステゴロ「警備依頼が来た以上仕方ねえよ」

 

Mt.レディ「なんか今年は全国からプロヒーロー呼んだらしいですね」

 

シンリンカムイ「……」<クチャクチャ…

 

デステゴロ「……」<クチャクチャ…

 

たこ焼きを不穏な効果音を発しながら粗暴に頬張る。年頃の女性とは思えない汚い食べ方に2人は絶句した。

 

Mt.レディ「うめえ 」

 

シンリンカムイ「……タダでもらったたこ焼きがか? 」

 

 

 

 

 

『お、Mt.レディじゃん!1人500円よ!』

 

Mt.レディ『今持ち合わせが無いの…』スリスリ…

 

『下半身!エッロ!!半額!!!』

Mt.レディ『ありがとーーー!!』<後青のり抜きな!!!

 

 

 

 

 

シンリンカムイ(外道が)

 

外道ですね、これは。

 

 

 

 

 

 

【1-A控え室】

 

入場予定時刻まで残り10分を切っていた。

 

今か今かと開始を待ち構えている人

限界まで高まった緊張感を何とか解そうとする人

どの決めポーズがキマッているのか苦悩している人(約1名)

 

残り少ない時間を皆それぞれ1秒1秒噛み締めていた。

 

 

葉隠「はぁぁ…コスチューム着たかったなぁ」

 

尾白「公平を期す為に着用不可なんだよ」

 

尾白「…って葉隠さんは逆効果なんじゃ…」

 

峰田「王子王子オウジベジータ」

 

蛙吹「何書いてんの峰田ちゃん…」

 

緑谷「……」

 

 

緑谷(滅茶苦茶緊張するぅぅぅっ!!)ドキドキ…

 

緑谷(だってこれ…あれだろ!?保護者とか知り合いどころか…)

 

緑谷(全世界に僕の恥ずかしい姿が晒されるんだろ!?死ぬわ!!)

 

緑谷(こんな心臓苦しいのっていつ以来だ!?入試とか、後入学初日位じゃない!?)

 

緑谷(すんごい臓器バクバクするよ!)

 

八百万「緑谷さん。そろそろお時間ですわ」

 

緑谷「ひゃ、ひゃい!!!」

 

皆に部屋から出る体制を取るよう大声出して指示を伝えようとするが…

 

緑谷「そっ…そろそ…りょ!入場時間だ…っから!みみみみ皆じゅじゅっんびぃを…」

 

全く言えてない。

 

八百万「全く言えてませんわ」

 

緑谷「ご…ごめ…生中継されてると思うとついつい……」

 

「……」

 

緑谷「……」

 

八百万「…はぁ…」

 

いつもならノリに乗ってツッコミをする場面なんだが…そんな気分な訳ないか。

 

 

 

 

 

「おい、緑谷」

 

緑谷「ふぁいっ!?」ビクッ

 

だが最も意外な人が僕に話しかけてきた。

 

轟君だ。

 

 

 

轟「ちょっといいか」

 

緑谷「え…ああ。構わないよ」

 

轟「客観的に見ても実力はお前の方が上だったと思う」

 

緑谷「うん………え?」

 

轟「……蛙吹から聞いたぞ、お前…」

 

轟「悟空先生の事前から知ってたんだってな」

 

緑谷「!?」

 

轟「ここ最近カカロットに目ぇかけられてるよな」

 

轟「事情を知る気もねぇし詮索するつもりも全くねぇが……」

 

 

 

 

 

 

轟「お前には勝つぞ」

 

 

 

 

 

 

その瞬間皆の目線が一斉にこちらに集中してきた。考える事は全員同じか。轟君は一種の代表者…みたいな感じだな。

 

切島「………」

 

上鳴「………」

 

蛙吹「………」

 

爆豪「野郎……」

 

 

 

緑谷「…轟君が…何を思って僕に勝つって言ってんのか…は分からないけど…」

 

緑谷「確かに僕の方が上…だったかもしれない。大半の人は敵わない位…客観的に見ても」

 

A組「……」

 

緑谷「でも…()はどうかな…」

 

緑谷「皆…他の科の人達が本気でトップを狙ってくる」

 

緑谷「だから…僕も遅れをとる訳には行かない!!」

 

 

 

緑谷「僕も()()で…獲りに行く!!!」

 

 

 

 

八百万「…ふふ」

 

轟「……おお」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【敵連合アジト】

 

 

ここにもまた、僕達の活躍を陰ながらモニターで覗きこんでいる者がいた。

 

 

 

死柄木「ちっ…なんで俺がこんなガキの下らねぇ遊びに付き合わなきゃならんのだ」

 

<まぁそう言うな。これも特訓だよ、死柄木

 

<奴らがどれ程の力を持っているのか、どういう弱点を持っているのか

 

<洗いざらい調べる事ができる

 

<それに君のお仲間さんもそこにいるはずだろ?

 

死柄木「……知らねぇよ」

 

<後先生ー。いいのかな?尻尾の奴は見なくても?

 

<この間仕留め損ねた猿人間か?…別にいい。

 

<興味本位で実験体(モルモット)にしようかなと考えていただけだ。そこまで欲しい訳じゃないさ。

 

死柄木「……」

 

 

 

 

 

 

 

【緑谷自宅】

 

デク母「うう…うう…」スタスタ…

 

デク母「出久大丈夫かな…今頃緊張高まり過ぎてブッ倒れたりしてないかな」

 

デク母「考えたら余計怖くなってきたぁぁ!?」スタスタスタスタ

 

どうやらこちらは心配し過ぎて居ても立っても居られないようだ。入学後1ヶ月足らずでし入院なんていう偉業を成し遂げたからな。そりゃ恐ろしいわ。

 

お、そんな事言ってたら…

 

デク母「…?」<ワーワー!!

 

マイク<さぁ!お待たせお前ら!!それじゃ早速選手入場と行ってみようか!!

 

マイク<では1年ステージ生徒出て来やがれえええっ!!!

 

デク母「は、始まった…!」

 

デク母(出久…!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

緑谷『オールマイトみたいにどんな危険な状況下でも…困ってる人達を笑って救けられる…』

 

緑谷『そんな英雄(ヒーロー)に』

 

 

 

 

緑谷(お母さん、悟空さん。そしてオールマイト…)

 

緑谷(見ててくれ…僕が1年培ってきた力を…)

 

 

 

緑谷(僕が来たってトコを!!!)

 

 

 




さらばUSJ編!!よろしく体育祭!!

須井化です…はい。

今回は予告通り、〜体育祭開始まで行けました。

場面変化が激しくてかなり苦労させられましたね。でも今回は結構力作。

そういえばママンは悟空さが先生になった事驚いてませんでしたね。

(実は事前に伝えていてデクには誤魔化してたんですよねー…描写入れる隙が無かった。じゃなきゃ今頃発狂してるよなママン、うん)






そして!!3月25日(土)から僕のヒーローアカデミア(二期)放送決定!こりゃ見逃せませんわ!!

こちらでは先駆けして次回から体育祭編突入しますぞい!!展開違うけどねーちょっと!!

って事はあの娘も登場なんか!?そうなんか!?オラwktk止まらねーぞ!!

とにかく乞うご期待!!うおおおっ!早速次話書き始めるぜぇぇ!!!



何か意見等ございましたら感想・メッセージで気軽にご相談ください。
3月6日(月)以内に第21話の投稿を予定しております。

お楽しみに!








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