ガールズ&パンツァー~島田家の長男~   作:園部

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やっと原作入れるー
部員って6人必要だったのか・・・


8話

4月。今日は入学式。

在校生は5日まで休みだが、俺は生徒会として入学式に出席しなければならない。

入学式では特に問題もなく終わり、各部活動の部員獲得合戦が始まる。

そしてバレー部もとい元バレー部は・・・・

 

「とりあえず中学でバレー部だった子達を勧誘する。これデータ」

 

俺が典子に元バレー部だった子のデータを渡す。

 

「おー16人もいるのか!これなら部の復活も早いかも!」

 

「あんまり期待しすぎるなよ・・・・とりあえず手分けして勧誘してみよう」

 

「了解!」

 

早速典子と手分けして当たってみるが・・・・あまり良い反応は貰えなかった。

高校では別の事をやりたいって子が予想よりも多かった。

 

「はぁ・・・・思ったよりも戦果がないな・・・次は近藤妙子か」

 

俺は彼女のクラスに行って中庭に呼び出した。

 

「初めまして近藤さん。俺は2年の島田だ・・・・単刀直入で悪いけどバレー部に君が欲しい」

 

「バレー部・・・・ですか?でもここってバレー部が無いって・・・」

 

「去年人数不足のせいで廃部になった。今は同好会として活動してるけど人数が揃えば部として復活出来るんだ。どうだろう?元バレー部でもある君の力を貸してほしい」

 

「・・・・分かりました。私バレー好きなので是非こっちからお願いします!」

 

「ありがとう!」

 

俺は両手で彼女の手を掴んで上下にブンブン振る。

 

「あはは、大げさですよ先輩」

 

「やっと見つかった1人目なんだ!色々声をかけたけどフラれまくってさー。あ、今から時間ある?部長のところに案内するよ」

 

俺は典子にメールで1人確保と連絡する。

 

「大丈夫ですよ。式も終わったので帰るだけですし」

 

「じゃあ行こうか。案内するよー」

 

俺が彼女と中庭まで行く。

途中で色んな部が彼女に声をかけようとしたが・・・

 

「おーいそこの背の高い子!是非バスケ部に・・・・・あ、島田君の女か」

「その容姿なら是非演劇部に・・・・あ、島田の女か」

「そこの彼女!フットサル部に・・・・・あ、島田君のツレか」

 

「先輩・・・・?」

 

近藤が不審な目を向けてくる。

 

「気にするな。本当に気にしないでくれ」

 

去年新聞部に色々書かれたせいで俺の風評被害が大変なことになっている。

生徒会として前に出ることもあるので恐らくこの学園で会長並みの知名度があるんじゃないだろうか・・・・?

 

「はぁ・・・・・」

 

そして典子を見つけた。

 

「秋人!こっちは2人も確保したよ!」

 

「おーナイス。これで後1人だな」

 

そして各々自己紹介をする。

 

「まずは私。2年キャプテンの磯部典子だ!ポジションはセッター。これから一緒に頑張ろう!」

 

「私は河西忍。ポジションはWSです。」

 

「私は近藤妙子です。中学ではMBをやってました」

 

「佐々木あけびです。私もMBやってました」

 

「じゃあ最後は俺か。2年生徒会副会長の島田秋人だ。バレー部には所属出来ないが色々顔を合わせることも多いと思うしよろしく頼むよ」

 

「先輩バレー部じゃなかったんですか!?」

 

近藤が驚く。

 

「ああ、ただ個人として手伝うだけだからな」

 

「島田・・・・島田・・・・どこかで・・・・」

 

河西がブツブツ呟てるけどどうしたのか。

 

「どうした河西?」

 

「あ、いえ・・・何でもありません」

 

ふむ、何もないならいいけどさ・・・

 

「じゃあ自己紹介も終わったし早速活動するぞ!」

 

「アホ。今日は入学式だけなんだから何も準備してないだろ。本格的なのは明日からにしなさい。」

 

「う・・・・それもそうか。じゃあ今日は親睦を深めたいし今から遊びに行くのはどうだろうか?」

 

それに後輩3人も賛成する。

 

「俺は生徒会の仕事が残ってるしお前らだけで行ってきな」

 

「そうか・・・・・じゃあ今日はありがとう!バレー部復活の希望が見えてきたよ!」

 

さてと・・・・やり残した仕事を片づけに行きますか・・・・

 

 

俺が仕事も終わり家まで戻る。

が、俺が来たのは隣の部屋だった。

チャイムを鳴らして家主が出るのを待つ。

 

「おかえりなさい・・・・秋人君」

 

「ただいま・・・・みほ」

 

みほの転入手続が済んだので既に引っ越しも済ませていた。

俺は部屋に入って床に座る。

 

「もう準備って出来たか?」

 

「バッチリだよ・・・・本当にありがとう」

 

「礼ならいいさ。俺がやりたくてやったことだしな」

 

なるべく学園生活を円滑に進ませるためにサポートをした。

部屋を借りるときも協力したし、学校内でのサポートをする為にクラスも一緒にするように会長から教職員に圧力をかけた。

名目上は転校生のサポートの為って言ったけど・・・・会長には不審がられたな。

 

「夕飯作ったんだ。食べるよね?」

 

「みほの手作り?料理出来たのか・・・・」

 

「簡単な物で申し訳ないけど・・・・」

 

「カレーだろ?好きだし問題ないよ」

 

入ったときの匂いですぐに分かった。

 

「よかった。お惣菜だけど秋人君の好きな唐揚げも買ったから載せて食べてね」

 

さすがみほ。よく分かっている。

量は自分で調節したほうがいいのでそこは自分でやる。

 

「「いただきます」」

 

うん。味はちょっと焦げ臭さがあるけど普通だな。

でも店で食べるより何かいいな。

 

「どう?」

 

「美味しいよ。初めて作ってこれならいいんじゃないか?」

 

「え・・・何で分かったの!?」

 

それは・・・・

 

「その指見れば分かるさ。頑張ったんだな。ありがとう」

 

「えへへ・・・少し焦がしちゃったけど」

 

「しょうがないさ。少なくても俺よりいい」

 

1人暮らししてから1年経ったけど料理なんてしないし。

 

「え?でもボコクッキー美味しかったよ」

 

ああ、ホワイトデーにあげたやつな。

 

「あれは友達に手伝ってもらったからな」

 

沙織に手伝ってもらった。

 

「お姉ちゃんも美味しいって言ってたし・・・・みんなにボコクッキーあげたの?」

 

「ああ、一緒の方が渡しやすいしな」

 

みほ、まほさん、ダージリン、カチューシャ、ノンナさん、沙織、華、優花里、会長、柚子先輩、河嶋先輩、典子、大学選抜の人たち、愛里寿、母さん。

身内を除けば結構な数を貰った。全員別にして返すのも面倒だったし・・・

一番は愛里寿が喜んでくれたのがよかった。

 

「・・・・多分皆勘違いしちゃったんじゃないかなぁ・・・」

 

「そんな単純じゃないし大丈夫だろう」

 

料理を食べ終わってお茶を飲んでゆっくり過ごす。

 

「さて・・・・そろそろ始めるか?」

 

「そうだね・・・・準備は出来てるよ」

 

準備とは何か・・・・それは。

 

「さぁ・・・・ボコ鑑賞会の始まりだ!!」

 

毎晩毎晩行われるボコ鑑賞会。

DVDで1話ずつ見た後はお互いの感想を言い合う。

みほとはボコ友だが、ここまで深く語り合うことがなかなか無かったので充実した時間を過ごせる。

 

「は~やっぱりボコいいなー」

 

「どんなにやられても折れる事なく立ち上がる・・・・立ち上がる瞬間が最高に恰好いいんだよなー」

 

そして時間も深夜2時にさしかかる。

 

「もうこんな時間か・・・・」

 

「時間過ぎるの早いなぁ・・・・もっとお話ししたいのに」

 

「ま、これからも時間がいっぱいあるんだ・・・・焦らなくていいか」

 

「うん!」

 

 

そして春休みが終わった。

4月5日。今日は始業式。みほと一緒に学園まで向かう。

 

「朝のパン屋さんの匂い良いな~」

 

「焼きたてのパンの匂いか。ここは味も良いから今度食べにこよう」

 

「うん!でも焼き立て食べてみたいなぁ・・・・」

 

「平日ならタイミング合わないけど休日なら食べられるだろうし・・・休日の朝はパンにする?」

 

「いいね!」

 

学園に着いた後はみほと一旦別れる。

クラスに行く前に会長に呼ばれたからだ。

生徒会室に行くと既に会長と柚子先輩、河嶋先輩が来ていた。

しかし・・・・何だ?随分雰囲気が・・・・

 

「やーやー島田君も来たとこだし話をしようか」

 

話?

 

「始業式についてですか?それなら段取りも既に終わっていますが・・・」

 

「違う・・・・そうじゃない・・・」

 

河嶋先輩が苦虫を潰したような顔をしている。

そして会長が口を開く。

 

「・・・・学園が3月で廃校になることになった」

 

「・・・・・は?」

 

廃校?何で?そんな・・・・じゃあバレー部は?沙織や華、優花里とは?それに・・・みほと一緒の学校になれたのに・・・・

 

「うちは古いしか取り柄がないからねー・・・・それによって学園艦も廃艦だってさ・・・でも回避する方法がある」

 

目の前が真っ暗になりそうだったが回避する方法があると聞いて持ち直す。

 

「それは何ですか?」

 

「今年の戦車道全国大会で優勝すること。実績があれば潰すなんて出来ないもんね」

 

確かにそうだが・・・・今年?経験者なんてほぼ皆無の状態で・・・・1回戦まで時間も残り2ヶ月程度しかないのに?

 

「あまりに無茶だが・・・・やるしかない。今年から戦車道を復活させる。生徒会は強制的に今年の選択科目は戦車道になるから島田も協力するように」

 

「今から過去に戦車道経験者のある生徒を調べるから島田君も手伝ってほしいな」

 

このメンツなら2日もあれば全校生徒調べつくすことが出来る。

それはマズイ。みほの存在がバレれば会長は何をしても入れるだろう。

何とかみほだけは隠して・・・

 

「・・・・分かりました。今から始業式なの「ちょっと待って」・・・・会長何ですか?」

 

「いやー実はもう調べ終わってるんだわ」

 

そんな・・・・こんな時に無駄に有能ぶりを発揮しなくていいのに・・・

 

「早いですね。居たんですか?」

 

「うん・・・・・2人いるなんてラッキーだね。」

 

「2人ですか・・・・少ないけどいただけでもラッキーと思うしかないですね。早速その2人に接触してみましょう」

 

河嶋先輩が早速動こうとするが・・・・

 

「いやー・・・・接触は1人だけでいいんじゃない?ねえ・・・・島田君」

 

河嶋先輩と柚子先輩がこちらを見る。

誤魔化すのも無駄・・・というか、俺は誤魔化す必要なんてないか。

 

「そうですね。俺は戦車道経験者ですし戦車道も履修しますよ・・・・大会には出られないので監督的な役割ですけど」

 

「うん、だからもう1人のほうに接触すればいいよ。2年普通Ⅰ科A組の西住みほさんにね」

 

どうする?どうすれば回避できる・・・・・折角戦車道から離れたのに俺が大洗に誘ったせいでみほが・・・・

 

「彼女は転校生ですか・・・・今日は始業式なので明日に接触してみましょうか?」

 

「うん、そうしようか」

 

そしてとりあえず今日のところは終わった。

俺は教室に戻るとみほと沙織と華が一緒に話していた。

 

「なんだもう友達になったのか?」

 

沙織や華には事前に話していたが、さすがのコミュ力だな。

 

「あ、秋人君。おかえりなさい」

 

「秋人おはよー少し久しぶり?」

 

「秋人さんおはようございます」

 

「ああ、ただいまそしておはよう」

 

そして俺も話に混ざる。

今日が初対面なのが信じられないくらいに仲良いな。

 

「じゃあ家って秋人の家の隣なんだー」

 

「うん、こっちに来るときサポートしやすいようにって」

 

「秋人さんちゃんとサポート出来てるんですか?」

 

「失礼だな。ちゃんと朝と晩はみほの家に飯を集りにいくぞ」

 

「サポートされる方!?」

 

「あはは・・・・」

 

そして予鈴が鳴ったので体育館に向かう。

始業式は恙なく進行したので後は帰るだけになった。

 

「みほー今日一緒に出掛けない?ここら辺案内してあげるよ!」

 

沙織がみほを誘う。

 

「ありがとう。じゃあお言葉に甘えるね」

 

「秋人も来る?」

 

「いや、俺はやることあるから・・・・みほの事頼むな」

 

「はーい」

 

沙織たちを見送った後に俺は電話をかける。

 

「もしもし?まほさん久しぶりです」

 

『秋人か・・・・みほの様子はどうだ?』

 

「一応元気でやってますよ。友達も出来ましたしね」

 

『そうか・・・・元気ならそれでいい。何か異常があったらすぐに連絡してくれ』

 

本来なら自分で確かめたいのに・・・・立場がそれを許さないんだな。

 

「分かりました。とりあえずみほの事は任せてください」

 

『頼りにしてる。練習あるからこの辺でな』

 

たまにこうして連絡してる。

純粋にみほが心配なのが分かるしな・・・

 

「あれ?先輩?」

 

俺に声をかけてきたのはバレー部の近藤妙子だった。

 

「近藤か、どうした?」

 

「先輩こそ・・・・ここ1年の廊下ですよ」

 

ああ、ボーっとしてたらこんなとこまで・・・

 

「ついボーっとしててな・・・・近藤は?練習は早朝と夜だろ?」

 

「はい!最初は起きるの辛かったんですけど、少しずつ慣れてきましたね」

 

体育館は正規の時間だと他の部で使うため。彼女たちは早朝の5時~6時。19時~20時に練習をしている。

 

「お前ら以外に誰か入った?」

 

「いえ・・・・練習時間を聞いたら皆逃げちゃうんですよ」

 

普通の女子高生ならそれもしょうがないか。

 

「後2人か・・・・・そういえば、結局近藤は何をしてたんだ?」

 

「ああ、私はこれから寮に戻るとこだったんですよ。そうしたら先輩がいたから何をしてるのかなーって」

 

「なるほど、じゃあそろそろ行くわ。またな」

 

「はい!あ、いつでも練習に参加していいですからねー!」

 

「近いうちに行くわ」

 

 

朝、今日もみほと一緒に登校して教室で話す。

 

「今年の選択教科どうする?」

 

沙織が俺達に聞いてきた。

 

「去年俺は忍道取ったけどさ・・・・手裏剣投げられなかったよ・・・」

 

「秋人テンション上げてたよねー。初授業の後めちゃくちゃテンション落ちてたけど」

 

まさか近代スパイの情報収集力とか・・・・意味分からない。

いや授業で隣になった歴女たちと知り合いになってから楽しくなったけどさ。

 

「今年は・・・・戦車道が追加されてますね」

 

う・・・・目に見えてみほが落ち込んでる。

 

「戦車道って・・・・あの夏祭りのときにアシスタントしたやつ?」

 

「ああ、つっても俺達には関係ないよ」

 

最初は俺だけでも選ぼうかと思ったけど・・・・俺が関わってみほが思い出すのはよくないから選ばないことにした。

会長は強制だって言っていたけど・・・・・無視しよう。

そうして話をしていると会長たちが教室に来てみほを連れて行こうとする。

 

「待ってください。話ならここでいいでしょう」

 

「んー・・・・ま、いいか。西住ちゃんは戦車道選んでねーってだけだしね。じゃあよろしく頼むよ」

 

そう言って会長たちは去っていった。

 

「みほ・・・・選択科目は自由だから。別に選ばなくていいぞ」

 

「う、うん・・・」

 

あの決勝を思い出したのか?

授業中も心あらずでついには先生にも言われて保健室に向かう。

心配になって俺達もついていった。

 

「みほ大丈夫?」

 

みほを保健室のベットに寝かせて沙織が声をかける。

 

「うん・・・大丈夫だよ・・・」

 

「生徒会の方に戦車道をやってと言われてからですよね?秋人さんは何か知っていますか?」

 

さて、どう答えるべきか・・・・

 

「みほは前の学校で戦車道をやっていたからな・・・だからスカウトされたんだろ。でもみほはやりたくないって思ってる」

 

「そうなんですか・・・・やりたくないものは無理にやる必要もありませんしいいんじゃないですか?」

 

「そうだよ!これはみほの意志が大事なんだしさ!」

 

「ありがとう・・・・」

 

気分も多少良くなって保健室から出たら生徒会からの緊急招集が連絡された。

俺達は体育館で選択科目についての説明をされる。

 

「(戦車道のPVみたいなものか。いつの間に作ったのか気になるけど・・・よく出来ている。興味のない連中も食いつき始めた)」

 

このPVを見て沙織も華もやる気になってしまった。

教室に戻った俺達は・・・

 

「みほもやろうよ!」

 

沙織はそう言うが・・・・

 

「みほは戦車道したくないからこの学校に来たんだよ。だからみほはやらない。後、俺もやらない」

 

「えー・・・じゃあしょうがないか」

 

そして沙織と華は戦車道に書いた〇を消してみほと一緒の香道にする。

 

「そんな!私に合わせなくてもいいんだよ?」

 

「いいのいいの!どうせなら4人一緒がいいしね!」

 

「そうですよ。折角のお友達なんですから」

 

そして提出した後の放課後。

生徒会からみほと俺の呼び出しがかかった。

 

「予想はしてたし・・・・行くか」

 

「う、うん・・・・」

 

「私達も行くよ!」

 

華と沙織も連れて俺達は生徒会室に向かった。

 

「会長ー来ましたよ」

 

「やーやー・・・・で、これどういうこと?」

 

会長は俺とみほが提出した選択科目の希望調査書を見せた。

 

「どうもこうも・・・・そのまんまですよ。俺達は香道を選びました」

 

「ふざけてんの?」

 

「そう見えます?」

 

「戦車道選ぶって言ってたじゃん。裏切るの?」

 

「裏切る?別に何を選んだって俺の自由でしょ」

 

「そう・・・・・・あんたら2人学校にいられなくなってもいいの?」

 

沙織と華が反論するが、まともに取り合わない。

というかそんな脅しが通用すると思ってるんだろうか?俺は事情を知っているから遅いか早いかの違いだが・・・・

違うな。ここで俺が去ったらバレー部や沙織や華、優花里も悲しむ。他にも大洗で知り合いになった人もいる。俺の交友関係把握してるなぁ・・・・・。

 

「で、どうする?」

 

「会長はやると言ったらやる人ですからねぇ・・・・しょうがない。転校しようか?みほ」

 

「秋人!?」

 

「秋人さん!?」

 

悪いな。みほを連れてきたのは俺なんだ。責任取ってやんなきゃな・・・

 

「へー・・・・・本当にいいの?」

 

「俺達の退学にそっちは何もメリットはありませんがそち「あ、あの!!」・・・みほ?」

 

皆がみほに注目する。

 

「私・・・・戦車道やります!!」

 

な・・・・いや、みほの性格を考えれば・・・・・

この状況ならみほは自分を殺してでも選ぶのは少し考えれば分かることだった。

 

「みほさん・・・本当にいいんですか?」

 

「うん・・・・大丈夫だよ」

 

大丈夫か。全然大丈夫じゃないだろ・・・・

ならせめて傍にいて支えてやれるように・・・俺も戦車道に変えた。

 

 

3人が生徒会室から出て少し経ったころ。

 

「先輩らの気持ちは分かりますけど・・・・よくもやってくれましたね」

 

俺は3人の前でキレていた。

 

「いやー悪いとは思ってるけどねー・・・こっちもなりふり構ってられないんだよ」

 

ああ、分かるよ。1年だけでも先輩たちを見てきたんだからな。どれだけ学校が好きなのかは理解してるさ。

 

「・・・・・・もういいです。ただ・・・・・戦車道をしてみほを傷つけるようなマネをしたら絶対に許さない」

 

「うん、肝に銘じておくよー」

 

俺は生徒会室から出た。

 

 

杏side

 

やー怖いなぁ・・・・・本気でキレたの見たの初めてだけど、殺気を受ける感じってこういう感覚なのか。

 

「かーしまいつまでビビってんだ?」

 

「び、ビビってません!」

 

嘘つけ。泣きそうになってた癖に。

 

「秋人君・・・・」

 

小山は単純に島田君の心配?それともあれだけ島田君に愛されてる西住ちゃんへの嫉妬?

 

「にしても・・・・一応は計画通りかな?」

 

まさか西住ちゃんの為に転校を決意するなんて少し予想外だったけど・・・・

 

「そうですね・・・・・しかし島田や西住は戦車道経験者って言ってましたがどの程度のレベルなんですか?」

 

「んー・・・・西住ちゃんは名門黒森峰で副隊長。しかも戦車道の名門西住流家元の娘。島田君も名門島田流家元の息子。どっちも大分強いんじゃないかな?」

 

「ですが、島田の場合は監督で関わる予定なんですよね?良い選手は良い監督になれるわけでも・・・・」

 

まー河嶋の不安は分かる。私もあの資料見るまではそう思ってたし。

 

「いや・・・島田君の監督としての腕は昔の記録にあったよ。3年前の中学選抜対高校選抜の試合・・・・当時中学選抜の勝つ確率は一桁とまで言われていたけどね・・・それを覆した立役者は島田君って言われてるんだ」

 

「中学生が・・・・監督ですか?」

 

河嶋が不審な目をしてる。まぁ、そうだよね。

 

「どんな事情でそうなったか知らないけど事実だよ。一応陸上自衛隊の人を講師に呼んでたし大丈夫だとは思う」

 

「そうですか・・・・いえ、別に島田が信用できないとかではなくて・・・私たちは絶対に勝たなくてはいけないので」

 

「もちろん。勝つためならどんなことだってするよ」

 

もちろんルールの上でね。

 

杏sideout

 

 

夜。みほの部屋。

俺はいつものようにみほの家に訪れてた。

 

「・・・ごめん」

 

「秋人君のせいじゃないよ。私が選んだことだから・・・・」

 

みほはレシピ本を見ながら料理を作っている。

 

「それでも・・・・・謝りたい。俺がみほを大洗に呼ばなければこんなことにならなかったんだから」

 

「私ここに来たことは後悔してないよ。秋人君もいるし沙織さんや華さんとも友達になれた。それだけで嬉しいんだ」

 

こちらを見て笑顔で言う。

 

「(そんな顔されたら何も言えないじゃないか・・・)」

 

みほだって覚悟を決めたならこれ以上言っても野暮だ。

 

「出来たよー」

 

出来上がったみたいなので皿を運ぶためにキッチンに向かう。

 

「今日は生姜焼きか」

 

あ、エ〇ラの生姜焼きのタレがある。

野菜はカットキャベツか。最近野菜も高いしね。

 

「焼くだけだから簡単だね」

 

「ちょっと焦げてないか?」

 

「タ、タレは焦げやすいですし・・・・」

 

テーブルに運んで一緒に食べる。

 

「やっぱ肉いいな!」

 

多少焦げ付いたところで問題はない。

ご飯が凄い進む。

 

「ちゃんとキャベツも全部食べてね」

 

「人って肉だけ食えば生きていけると思うんだ・・・・」

 

「バランスよく食べなきゃダメだよ?」

 

作ってもらっている身なので渋々ながらキャベツも食べる。

食べられないことはないけど、野菜は好きじゃないんだよなぁ・・・

 

 

夕飯も食べ終わったし明日も早いので今日はボコ鑑賞会をしないで部屋に戻って寝た。




主人公は料理を作ってくれる対価としてみほの食材代含めて全て払っています。
これまでほぼ出番がなかったのにこの話だけで一気に正妻ポジに入ってくるとは思わなかった

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