ガールズ&パンツァー~島田家の長男~   作:園部

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そろそろ今年も終わりますね・・・・
今年一番後悔したことは劇場版の4DXが観れなかったことです。
もっと早くハマっていれば・・・・


2話

放課後の教室で俺は考えていた。

教室では感じないが廊下を歩いてると視線を感じる。

敵意がある感じではないけど一体なんなんだ?

最初は気のせいかと思ったがもう1週間だ。

いい加減うっとうしくなってきた・・・

 

「どうしたの?」

 

武部が話しかけてくる。

 

「いや、何でもない・・・・そろそろ帰るか?」

 

「うん・・・・と言いたいところだけど今日は華と帰るね」

 

「了解。じゃあ俺先帰るわ」

 

バッグを持って俺は教室から出る。

別にハブられてるとかそういうわけじゃないが、男の俺がいるんじゃやり辛いことなんだろう・・・・多分。

 

とりあえず視線の主を捕まえるために俺は人気のない廊下を通る。

 

「(視線は感じるし・・・あの突き当りを曲がって待つか)」

 

俺がそこで待機してると小さい足音が近づく。

人影が出てきた瞬間俺はそいつの胸元を掴んだ。

 

「よう。最近俺を見てたのはお前か?用があるなら・・・・・女?」

 

そいつは慌てた様子で喋り出す。

 

「す、すみませんでした!その・・・・話しかけようと思ってたんですが緊張してしまって・・・・申し訳ありません!許してください!」

 

慌てた様子で俺に謝ってくる。

どうやら悪気はないので俺はとりあえず手を離して話を聞く。

 

「・・・・とりあえず移動するか。俺に用があるんだろ?」

 

「・・・・はい」

 

俺達はとりあえず食堂に移動した。

 

「ほら、コーヒー」

 

俺は自販機で買ったコーヒーを渡す。

 

「あ、ありがとうございます」

 

そして席に座って俺もコーヒーを飲んで一息つく。

 

「まずは自己紹介か。俺は1年普通Ⅰ科B組の島田秋人。お前は?」

 

「わ、私は普通1年Ⅱ科D組の秋山優花里と申します!」

 

「そう、秋山さんね。で、俺に何の用?」

 

「そ、その・・・・私実は島田殿のこと前から知っていたんです!」

 

・・・・?

 

「よく分からないな。知っていたからつけていたんじゃないのか?」

 

「あ、違くて・・・・学校に入る前からです」

 

学校に入る前から?

 

「どこかで会ったか?でも大洗は高校で初めて来たしなー・・・・もしそうだったらすまない。俺は君のこと知らないんだ」

 

「い、いえ!こちらが一方的に知ってるだけで・・・・」

 

俺を入学前から知ってるやつ・・・・・で、考えると戦車道しかないか・・・・

 

「戦車関連の人?」

 

「そうです!あ、正確にはただのミリタリーファンですけど・・・・2年前の島田殿のご活躍を知っています!」

 

いや、活躍って俺大したことしてないんだけど・・・・

 

「2年前・・・・中学選抜か。けど俺はメディアにあまり顔を出してなかったはず・・・というか主役は選手たちで俺を知ってるなんて・・・」

 

「島田殿は我々の間では有名人なんですよ!なんせ男で戦車道に関わる人なんて滅多にいませんしいたとしても整備の方ですし・・・・腕もかなりの物だと聞いてます!それにあの作戦立案した方は島田殿って聞いてます!」

 

お、おう・・・・

 

「確かに作戦立案は俺だが実際に成功させたのは選手たちだからそこまで敬愛の眼差しで見られても・・・・」

 

「何を言ってるのでありますか!あんな大胆不敵な作戦を思いつくだけで凄いじゃないですか!それに答えた選手達ももちろん凄いですが・・・・・」

 

「とりあえず声落としてくれ。みんなこっち見てる」

 

さっきから秋山さんが大声で熱弁してるせいで食堂にいる人がチラホラみてくる。

 

「す。すみません・・・・・」

 

秋山さんが周りを見渡すと顔が赤くなった。

恥ずかしいよな。

 

「いいよ。で、俺の事を知ってる理由は分かったけどつけたのは・・・・」

 

「島田殿と話をしたかったんです・・・・初めて見たときは驚きましたよ。だってまさか大洗にいるなんて思ってなくて・・・てっきり戦車道のある学校に行くと思ってましたし・・・」

 

「まぁ、俺も色々あるんだよ。じゃあとりあえず連絡先交換するか?」

 

「え!?」

 

俺の急の提案に驚く秋山さん。

 

「俺こっち来てあまり友達いないんだよ。クラスの連中とは話すけど友達って感じなのは2人だけだし・・・・嫌か?」

 

「いえ!大歓迎であります!!」

 

「よかった。じゃあ携帯出してくれ」

 

そしてお互い番号とアドレス交換する。

 

「感動であります!初めてのお友達が島田殿なんて・・・感無量であります!」

 

え?初めて?

 

「そ、そうか・・・・じゃあこれから戦車ショップにでも行くか?ここら辺の戦車ショップがどこにあるか知らないけど、秋山さんなら知ってるだろ?」

 

「はい!案内はお任せください!・・・・あのぅ・・・」

 

「どうした?」

 

「えっと、秋山さんじゃ他人行儀なので是非名前で呼んでくれると嬉しいなって思いまして・・・・」

 

「そう。じゃあ優花里だな。これからよろしく」

 

「はい!こちらこそよろしくお願いします!」

 

こうして俺の大洗での3人目の友人が出来た。

 

 

俺が朝登校するとうずくまってる人がいた。

 

「どうしたんだ?気分が悪いのか?」

 

「い、いえ・・・・大丈夫です」

 

どう見ても大丈夫に見えないけど・・・・・

よく見ると足首を押さえているな。

 

「(捻ったのか?)失礼」

 

「あ・・・・」

 

俺は彼女の手をどけて足首を見る。

この程度なら保健室で治療すれば問題なさそうだな・・・

 

「助けは呼んだか?」

 

「いえ・・・・・」

 

「後で文句は聞くから・・・・」

 

「え?・・・キャッ!」

 

俺は彼女をお姫様抱っこで運ぶ。

 

「あ、あの・・・」

 

「悪いな。ここからなら学園に近いしこの程度なら保健室の治療で事足りる」

 

「い、いえそうじゃなくて恥ずかしい・・・・」

 

「恥ずかしいのは分かるが放置も出来ないんだよ」

 

そして俺は学園まで行く。

道中色々な人に見られたが無事に保健室についた。

彼女をベッドに座らせて俺は棚を物色する。

 

「恥ずかしかった・・・・」

 

「大丈夫。俺も恥ずかしいから一緒だ。保険の先生いないし俺が治療する」

 

棚から湿布と包帯を出して冷水を準備して彼女の治療をする。

 

「まずは冷やすぞ。そのまま寝てろ」

 

「えっと・・・スカート覗かないでね?」

 

「大丈夫。足首だけだから不安なら掛布団で隠しとけ」

 

患部を冷やして15分くらいかな・・・・

 

「捻挫みたいだけど腫れもそこまでじゃないから折れてはいないだろう。15分大人しくしとけ。その後は湿布貼って包帯巻くから」

 

「う、うん・・・・ありがとう」

 

始業ベルまで15分か・・・・保険の先生来てくれるといいんだが・・・

 

「あ、そういえば名前言ってなかったな。俺は1年の島田秋人。」

 

「私は2年の小山柚子だよ」

 

先輩だったのか・・・

 

「それは失礼しました。先輩とは知らなかったとはいえ・・・・」

 

「いいんだよ。でもてっきり知ってるものと思ってたよ」

 

ん?有名人かなんかか?そういえばどこかで見た気がする。

 

「えーっと・・・・」

 

「ふふ、私は生徒会副会長なの」

 

ああ、そういえば生徒会の挨拶で見たっけ。

 

「ああ、道理でどこかで見たかもと。そういえば珍しいですよね。生徒会役員が2年のみって・・・」

 

確か3人いて会長と副会長と広報だっけか?全員2年だったはず・・・

 

「うん、うちの会長は凄い人だからねー。でも私も島田秋人君のこと知ってたんだよ」

 

なんだ?また戦車道か?

 

「入試の成績は学年2位。でもトップとは2点差で・・・・男子自体珍しいからね。覚えていたんだよ」

 

ああ、そういうことか。

 

「生徒会って入試の成績も知ってるんですか?」

 

「うちの会長は学園長よりも強い権限あるからねー。そういうのも知ってるんだよ」

 

えー・・・・学園長よりも立場が強い生徒会長ってなんなん?

 

「そうなんですか。あ、時間経ったのでそろ「柚子ちゃーん!!」・・・・?」

 

扉を思いっきり開けて中に入ってきたのは・・・・

 

「学園の新聞で柚子ちゃんが男子に保健室に連れ込まれたって!」

 

「河嶋ー落ち着け」

 

確か小さいほうが生徒会長だっけ?で、一番騒がしいのが・・・

 

「お前か!?柚子ちゃんを連れ込んだやつって!」

 

広報だっけか・・・・

 

「桃ちゃん落ち着いて。別に連れ込まれては・・・・・連れ込まれたね」

 

「そこは違うと言ってほしいんですけどね・・・事実だし反論もし辛いのがなんとも」

 

明らかに誤解してるのは分かるけどな。

 

「やはり事実だったか!!」

 

「事実ではありますが、誤解がありますね。説明するので掛けてください。今お茶を出します」

 

俺は棚からお茶葉を出して人数分のコップを用意する。

 

「手馴れてるねー」

 

椅子に座り会長がそう言う。

 

「そうでもないですよ。湿布や包帯取るときにあったので・・・・別に使っても問題ないでしょ」

 

「面白い子だなー」

 

俺は3人にお茶を出して説明する。

 

「なるほど、そういうことだったのかー」

 

「すまない。私の勘違いだった・・・」

 

「いえ、構いませんよ。大事な友人が心配だっただけなんですから」

 

俺も友人が無人の保健室に連れ込まれたら動揺するだろうし。

 

「ああ、そう言ってもらえると助かる」

 

「もう、桃ちゃんは心配性だなー」

 

「桃ちゃん言うな!」

 

そういえば・・・・

 

「学園の新聞ってなんです?」

 

「その前に自己紹介しとく?」

 

ああ、俺としたことが・・・・

 

「失礼。俺は1年の島田秋人です。」

 

「私は2年会長の角谷杏だよー」

 

「私は広報の河嶋桃だ」

 

「島田君のことは知ってるよー入試2位で今年の男子人気ランキング1位だしねー」

 

・・・・人気ランキング?

 

「えっと、入試については小山先輩から聞きましたが人気ランキングって?」

 

「うん?新聞部&写真部主催の男女の人気ランキングだよー。入学した新入生を対象にしたランキング。ぶっちゃけ顔で選ばれるやつ。写真部が隠し撮りした写真で誰が一番美人とかイケメンとか在校生が選ぶんだよ」

 

「それでお前が今年の1位ということだ」

 

そんなランキングがあったなんて知らなかった。

というかいつの間に隠し撮りされたのだろうか・・・

 

「まー男子少ないからねー。で、学園新聞だっけ?そっちも新聞部が作ってるよー。新鮮のネタがあればいつでもどこでも新聞が発行されるやつ。ほら、これがさっき発行されたやつ」

 

俺と小山先輩がそれを見る。

 

「えーっと、『副会長熱愛発覚!?ラブラブお姫様抱っこで登校!お相手は人気ランキング1位のあの人!そのまま愛の保健室へ!?』・・・・写真つきですね。これは・・・」

 

「新聞部の人って裏とか取らないから・・・・というか恥ずかしいよ!学園歩けないじゃない!」

 

「で、これを見て私たちは保健室に特攻したってわけ」

 

なるほどなぁ。

 

「まー人の噂は七十五日と言いますし・・・・放っておきましょうか」

 

「ありゃ・・・・否定しなくていいのかい?」

 

「いちいち弁解して周れと?面倒ですし恐らくこれっきりの付き合いでしょうから自然と収まるのを待つしかないでしょう・・・あ、小山先輩足出して下さい」

 

「あ・・・・・うん」

 

どうしたんだろう?顔が暗いな・・・・

 

「痛みますか?」

 

「あ、大丈夫だよ」

 

ふむ、まぁいいか。

俺は気にせず患部に湿布を貼り、包帯で巻く。

 

「これでいいでしょう。腫れと痛みが引くまで運動は控えてくださいね・・・・」

 

「うん、ありがとう・・・・・秋人君」

 

名前呼び・・・・まぁいいけど。

 

「とっくに授業始まってますね・・・・・・・正直今日は授業サボりたい」

 

絶対武部辺りが煩い。

 

「まー今から1限出てもしょうがないし我々もサボりますかー」

 

それでいいのか生徒会。

 

「島田君のことをちゃっかり名前呼びした小山は歩けそうか?」

 

「会長!・・・・ええ、大分楽になったので歩く程度なら」

 

「じゃあ島田君。折角だし生徒会室に来ないか?あそこなら誰も来ないだろうし」

 

生徒会室か・・・・

 

「そうですね。小山先輩も「折角だし島田君も柚子って呼んでやれば?」・・・・柚子先輩の足も歩ける程度に回復したのなら・・・・やっぱり心配なのでまた抱っこしますね」

 

今なら皆授業中だし見られることはないだろう。

 

「お、いいねー。じゃあそうしてもらいな」

 

「か、会長!私はもう大丈夫です!」

 

「文句ならまた後で聞きますし移動しましょう」

 

俺は再び抱っこして運ぶ。

 

「やー島田君は中々積極的だねー」

 

 

 

「さぁ、ここが生徒会室だよー」

 

「お邪魔します」

 

俺は柚子先輩を椅子に下ろして隣に座る。

 

「で、要件はなんです?」

 

「うちの役員を助けてくれたお礼に干しいもでも振舞おうと思ったんだよー」

 

「・・・・そうですか」

 

喰えないタイプだし何かあると思ったんだけどな・・・・

そして色々話しながらお茶を飲む。

 

「うちの小山を助けてくれて島田には感謝するよ」

 

「いえいえ」

 

この人って何か作ってる感じがするよなー。

恐らく素は保健室に来たときのアレだろう。

 

「そうだ、島田君も生徒会に入ってみない?」

 

生徒会ね・・・・

 

「いえ、このタイミングで入ると噂が助長されるので・・・・それにプライベートでも若干忙しいので断ります」

 

「キサマ会長の願いを断るのか!!」

 

会長信者の広報がうるさいな。

 

「幽霊部員的なやつならいいんですけどね・・・・理由は共学化ですか?」

 

「察しがいいねー。男子の意見役としてほしかったんだけどなぁ・・・・ま、確かにこのタイミングはマズイかな。また今度にするよ」

 

「ごめんね秋人君。でも会長はやると言ったらやる人だからいずれ入れられちゃうから覚悟しておいてね?」

 

「別に嫌ではありませんよ。じゃあそろそろ行きますね。お茶と干し芋ごちそうさまでした」

 

「いつでも遊びに来てねー」

 

俺は生徒会室から教室に向かった。

 

 

杏side

 

結構面白い子だったなー。島田秋人君か・・・・

 

「会長。島田を生徒会に入れるのは本気ですか?」

 

「もちろんだよー。理由もホント。だけどもう1つ・・・・小山のお気に入りだからかなー」

 

「会長!別にお気に入りなんて・・・・」

 

小山が男を名前呼びしてる時点でなー。

 

「ま、今はまだ時期じゃないけど・・・・・いずれ絶対入れるよ」

 

「・・・・なるほど、会長も気に入ったんですね」

 

それはどうかなー?

 

 

杏sideout

 

 

俺が教室に向かう途中で1限終了のチャイムが鳴った。

俺は教室の扉を開くと真っ先に武部と五十鈴が俺に近づく。

 

「秋人!あの新聞どういうこと!?いつの間に副会長と・・・・」

 

「すみません。私も気になります」

 

来るとは思っていたが・・・・周りも気にしてるようだし・・・・

 

「普通に怪我してたから保健室に運んだだけだよ。保健の先生が不在だったから治療もね。終わったのが中途半端な時間だったから授業には出ませんでした。以上」

 

2人は安堵の顔を見せる。

 

「よかったー!秋人に先を越されてたらショックだったよぉ・・・・」

 

「本当に良かったです・・・・本当に」

 

武部は失礼なやつだな。五十鈴はなんだろう・・・・妙に重く聞こえたけど・・・・

 

「じゃあ真相分かったし次移動教室だよ!早く行こうよー」

 

「分かったよ。少し待ってろ」

 

「ふふ、急いでくださいね?」

 

柚子先輩の為にも早く噂がなくなればいいのにな・・・

 




キャラの口調がよく分からない

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