他にも書く作品あるはずなんだけどな・・・・
俺が大洗学園に入学して少し経った。
大洗学園は俺の上の学年から共学に変わったらしくて男子が全体の1割もいないって知ったのは入学してからだった。
学科はそこそこあったが俺が入ったのは普通科。
他にやりたいこともなかったしね、
「武部、五十鈴、ご飯行こうか」
「うん」
「分かりました」
俺は2人の友人を誘って食堂に行く。
本来なら男子の友人が欲しかったところだが・・・・
俺のクラスには俺しか男子いないとかイジメもいいとこだ。
「ねぇねぇ、今日は何食べる?」
武部沙織。常に明るい女の子。いつも彼氏を欲しがってるが彼氏いない歴=年齢らしい
「そうですね~トンカツ定食と味噌ラーメンでしょうか?」
見た目大和撫子の大食いは五十鈴華。実家は華道をやってるらしい。
「いつも思うけどよく食えるよな」
俺が2人とつるむ切っ掛けになったのは五十鈴の大食いが原因だ。
2人がお昼に食堂にいたとき俺もそこにいた。五十鈴の食べる量が凄いからつい声をかけてしまった。別に後悔もしてないし楽しいので問題はない。
「秋人は?今日は何食べるの?」
「俺は・・・焼肉定食かな。初日食ったときにハマった」
タレがご飯と合って超美味いんだよなー
「そっかー」
「武部は?いつものレディースランチ?」
「うん!女は小食のほうがモテるらしいしね!」
別にそういうことはないと思うけど・・・
「あれ量が少ないから五十鈴はもの足りないんだろうな」
「そんなことは・・・・ありますね。あれなら5セットほしいです」
だろうな。そして食堂について買ったご飯を食べる。
「ねー折角の共学なのに男子少ないってどう思う?」
俺が肉を口に運んでるときに急に武部が不満を漏らす。
「んー・・・共学になって2年目だしなー。中学の方はまだ女子校だっけ?外からじゃ入りずらいとかあるんじゃねーの?つっても去年よりかは多少多いらしいけど」
「そうですね。それに男性と一緒というのはまだ慣れませんね・・・・」
「俺も?まだ五十鈴は慣れない?」
「いえ!秋人さんは別ですよ」
そっか、よかった。
「折角共学になったのにこれじゃあ意味ないよー・・・」
武部が項垂れてるけど人が来ないのはしょうがないだろう。何か特色でもあれば別だけど大洗は良くも悪くも無難だからなー。
「そんなに男に囲まれたいのか?」
男としては嫌だけどな。男子校だけは入らないって決めてたし。
「モテたいの!高校に入ったらモテモテになる予定だったのにぃ・・・」
「残念だったな。来世になったら頑張れ」
「私来世になるまで彼氏出来ないの!?」
「冗談だよ。頑張れば出来るさ。とりあえず学園艦にいる男子に片っ端から告白すれば1人くらいはヒットするんじゃないか?」
「下手な鉄砲も数を打てば決まるってことですね」
「それただのビッチでしょ!私は向こうから告白されたいの!」
向こうからねぇ・・・・
「じゃあまず男子の知り合いを1人でも多く作ることからだな。学園艦に全くいないわけじゃないんだからさ。で、ある程度仲良くなったら向こうから告白されるのを待つってどう?」
「切っ掛けがないよ・・・・」
切っ掛けって言われてもそんなの自分で作ればいいじゃないか。
「切っ掛けですか・・・・秋人さんの友人を紹介してもらうのはどうでしょうか?」
「それだ!」
こっちを見る武部だが・・・・
「悪いがそれは無理だ。こっちに来てからお前らしか友人はいない」
「えー!入学してから一週間だよ!?何してたの!」
いや、何してたって・・・
「お前ら2人と遊んでだくらいだな。この前の案内は本当に助かったよ」
なんせ右も左も分からないような状態だからなー。
「そういえば何で秋人は大洗に来たの?」
「そういえば聞いてませんでしたね」
うーん・・・・
「そうだなぁ・・・・街の雰囲気とかかな。大した理由はないよ」
男子校以外。戦車道以外。それなら割とどこでもよかった。
単純に一番最初に目についたからここにしただけって感じだし。
「そっかー。あ、お昼時間なくなるしそろそろ行こっか!」
そして教室に戻る俺達。
放課後。特に部活にも入っていないので俺はそのまま帰宅する。
部屋について携帯をベッドに投げて制服を着替えると着信が鳴る。
「誰だって・・・・カチューシャか?」
『アキーシャ!アンタのクラスってどこ!?このカチューシャ様が迎えに行ってあげるわ!』
何言ってんだ?このお子様は・・・
「どこもなにも・・・・俺はプラウダにいないぞ。一体何を勘違いしてるんだ?」
『え?何言ってるの?そんな冗談はいいから早く「だからプラウダに入学してないって」・・・・ホント?』
「本当。俺そんな事一言も言ってないはずだよな?」
『・・・・ノンナ!!どういうこと!?』
カチューシャめ・・・・電話あてながら大声出してんじゃねーよ。
『・・・・ノンナの勘違い?そんな・・・一緒に戦車道したかったのに・・・』
あれ?俺悪くないのに罪悪感が凄いんだけど・・・
「泣くなカチューシャ」
『泣いてないわよ!』
嘘つけ電話越しで鼻すすってんじゃん。
「今度そっちに遊びに行くからそれで許してくれ。今俺大洗にいるんだけど何かしらの特産品持ってってやるよ」
『・・・・約束よ?近いうちに絶対に来なさい!』
何とか機嫌が直ってくれたようだ。
「ああ、色々見て周りたいし長期休暇のときにでも寄らせてもらうよ」
『ふん!うちに来なかったことを後悔するぐらい凄いの見せてやるんだから!』
一体どんなの見せてもらえるのだろうか・・・
休日。俺は今聖グロリアーナにいる。
「帰っていいか?皆の視線が超気になる」
正確には食堂だろうか。他の生徒もチラホラ見える。
「知っていて?せ「あ、格言はいらない。聞き飽きたし」・・・・人が話ているときに喋るのはマナー違反よ」
だってなぁ・・・毎回毎回面倒になるし・・・
「で、今日は何で呼んだんだ?」
俺は出された紅茶を飲みながらダージリンに聞く。
「ええ。実はお願いがあって・・・・私たちの練習相手というかコーチをやってほしいのよ」
・・・・・・なるほど、そういうことか。
「練習相手なぁ・・・・お前はともかく他の子は賛成しないだろ?」
男が戦車道だし厄介者扱いされるに決まってる。
「それがそうでもないのよ。2年前の試合は貴方が思ってる以上に戦車道やってる子たちには有名だから。事前に聞いてみたら向こうがOKしてくれたら歓迎ですって」
へー。でもなぁ・・・
「あんまり役に立たないぞ」
「貴方は自分を過小評価してるみたいだけど・・・・・なぜ?」
なぜって・・・・
「母さんにだって俺はマグレでしか勝てないしなぁ・・・・」
「(島田流家元にマグレでも勝てる時点で優秀なことに気づかないのかしら?)問題ないみたいね。じゃあ行きましょうか」
あれ?俺の話聞いてた?
行先は格納庫。そこには既に選手たちが揃っていた。
「皆さんお待たせしました。今到着しましたわ」
うわーお嬢様がいっぱいだ・・・・
俺が唖然としてるとダージリンが声をかけてくる。
「まずは挨拶をお願い」
俺は一歩前に出て挨拶を行う。
腹括るか・・・
「皆さん初めまして、島田秋人です。皆さんの中にはなんで男が?って疑問に思う人もいるでしょう・・・・まずはそれに疑問を持つ方がいれば前に出てください」
俺が少し待つと誰一人前に出て来ない。
あれ?
「別に晒し者にする気もないし遠慮なく前に出てください。疑問を持ったまま練習しても身になりませんよね?」
それでも誰も前に出てくる人はいない。
そこでダージリンが・・・・
「あの、秋人さん?言ったと思いますが貴方は自分が思ってるよりも有名なのよ。この中に不満を思う方はいませんわ」
聞いたけど・・・・・1人もいないの?
ちょっと予想外だな・・・・
「そうですか。1人もいないなら問題ありませんね。では改めて・・・まずはいつも通り練習を行ってください。それを見て必要なら横からアドバイスを出したり分からないなら実演もします。今日1日よろしくお願いします」
『よろしくお願いします』
そして始まる練習。
なるほど、随分丁寧というか優雅というか・・・・綺麗だな。
この戦車の動きが標準か。全てにおいて綺麗なのはいいが・・・
俺は横からアドバイスを言う。すぐに修正できるのはいいな。
そして練習が終わる。
「皆さんお疲れさまです。今日1日の練習は終わりましたがどうでしょう?」
うん。結構好評っぽいな。
「では以上で解散」
そう締めくくるとドサっとこちらに人が流れ込んでくる。
「あの、砲撃のタイミングをもっと教えてほしいんですの」
「実演されたときの操縦は見事でした」
「アドバイスが凄くタメになりましたわ!」
「コーチもっと教えてください!」
おお、これは・・・・
「皆さん。あまり無理を言ってはダメですよ。秋人さんもお忙しい身ですので・・・・でもたまには今日のようにコーチをしてくれませんか?」
「ああ、たまになら・・・・俺もいい練習になるしな」
「では私は秋人さんを送って来るので皆さんは片づけをお願いします」
そして俺とダージリンが歩き出す。
「今日はすみません。急に無理を言って・・・・」
「いやいいけどさ・・・・でも何で連絡くれたときに言ってくれなかったんだ?」
「それは・・・・・もし断られでもしたら・・・」
ああ、断られるのが不安だったのか・・・
俺はダージリンの頭に手を乗せる。
「先約があるならともかく・・・・それ以外断る気ねーよ。心配しなくていい。戦友の頼みなんだからな」
「じょ、女性の頭に無暗に手を乗せるのはし、紳士のやることじゃないと昔も言ったでしょう・・・!」
懐かしいな。そんな事言われたっけか・・・
「いいじゃないか。俺とお前の仲だしさ・・・・もうちょっと気安くていいだろ」
付き合い自体は中2からだから2年程度だけどな。
「・・・・もう、貴方って人は・・・・」
笑顔で言われても説得力に欠けますよー
「おっはよー!」
聖グロのコーチをしてから2日後。朝の教室。
「武部うっさい。何か良い事でもあったのか?」
「聞いて秋人に華!実は昨日ナンパされたんだー」
顔に手を当てて腰をクネクネする武部。
ほう、それはそれは・・・・
「「嘘だな(ですね)」」
「う、嘘じゃないもん!」
えーだって武部が?
「なんか勘違いな気がする」
「秋人気になる!?気になるよね!?」
テンション超うざい。
「いや、別に気にならないし・・・・」
月曜の朝からここまでテンション高いやつっているだろうか?
「えー!聞いてよ!実は日曜に街に行ったんだけど・・・」
どうしよう。聞いてもいないのに語りだした。
「私が1人でショッピングに繰り出してると急に後ろから声をかけれらたの。ナンパかなって振り向くと・・・・・イケメンの人がハンカチ落としたよって!」
・・・・?
普通に落し物を拾っただけなんじゃ・・・・
「あの・・・それは普通に落し物を拾っただけなんじゃ・・・」
五十鈴も同じことを思ったのか、武部に聞く。
「ち、違うもん!あれは私が可愛いから後を着けて声をかけるタイミングを探してたところにちょうど良くハンカチを落とした私に声をかけたシャイのイケメンだよ!」
イタすぎる!コイツに声をかけたら全てナンパ認定されるんじゃないだろうか・・・
五十鈴も顔を引き攣ってるし・・・・
「あのさ、その後どうなったんだ?」
「え?あの後はこっちから切り出したほうがいいかなって思ってお礼にお茶に誘ったけど忙しいらしくて断られちゃったよ。でも彼はシャイだからしょうがないよね」
ここまで脳内お花畑のやつって存在してたんだな・・・
「残念な事実だが、それはナンパではなく落し物を拾っただけだ」
「だから違うって!あ、分かった。秋人嫉妬してるんでしょ?」
は?
「それならそうと言ってくれればよかったのに・・・・・秋人って私の事好きなんでしょ?」
俺は五十鈴のほうを見る。
そして頷いたので俺は早速武部に近づいて
「秋人?どうし・・・・・・イター!!」
アイアンクローをかました。
「ちょ・・・なんで!?は、華たすけ・・・・」
「もっと力を込めていいんじゃないでしょうか?」
無慈悲の宣告。
「クラスのみんなー!私をたすけ・・・・」
皆顔を逸らす。聞き耳立ててた連中もしょうがないと思ったんだろうな。
制裁が終わったので武部を椅子に下す。
「言う事は?」
「すみませんでした・・・・」
そんな月曜日の朝の出来事。
Q.愛里寿ちゃん一番好きなのに何で一度も出てない・・・・?
A.作者がバカだから