待ってた人いたらすまんなり
内容が微妙だったり文字数少ないのは久々だからってことで見逃してほしいなり
さて、サンダース戦まで残りわずかとなった。
今回は公式戦だから諸々の申請は戦車道教会が請け負ってくれるが、今一番重要なのは・・・・
「パンツァージャケットですか?」
昼休みの食堂。
いつもの面子で人6用テーブルに腰を下ろして昼飯を食べていた。(なお、麻子はいない。恐らくどこかで昼寝にでも行っているのだろう)。
華は、とんかつ定食大盛り+味噌ラーメン大盛りという食べ盛りの男子も真っ青なメニューを食べながら俺に声をかけた。
「ああ、要は戦車道のユニフォームみたいなもんだ。練習試合は別に制服でもよかったんだが、公式戦でパンツァージャケットを着ないのは問題なんだよ。」
いや、厳密に言えば無くてもいい。
ルールブックには、パンツァージャケットの着用有無は記載されていない。
しかし、書かれていないのは戦車道をやるうえでの常識だからだ。
書かれていないからといって着ないというのは、あまりに常識知らずとして他校からも笑われるし、コーチとして、島田流の一端を担う者としてあり得ない。
「可愛いのがいいよ!ピンクとかさ!」
沙織が身をのりだしながら提案する。
「私は迷彩柄が・・・」
おずおずと優花里が提案する。
「ピンク、迷彩・・・・ピンクの迷彩?」
みほがボソっと呟く。
「待て、そんな目立つ柄は却下だ。一応戦車道は昔からの伝統武芸の1つだから、大人しい感じがいい。」
俺の発言で各々が考える。
「・・・昔の資料はないのでしょうか?伝統を重んじるのなら、やはり以前と一緒のものもいいかと。」
昔の資料・・・盲点だったな。
正直忘れていたが、ここって昔は戦車道が盛んだったんだっけ・・・
「ありがと、華。ちょっと探してみるよ」
放課後になり、俺は生徒会室に向かう。
「かいちょー、昔のパンツァージャケットのデザイン画なんてあります?」
会長は、いつものように干し芋を食べながらダラダラしていた。
「パンツァージャケットって・・・ユニフォームみたいなやつだっけ?」
「そうですね。」
「たしか、過去の資料漁ってたときにあったようなー・・・・なかったようなー・・・」
過去の戦車道の資料については俺達全員で探した。
その時は、なかったと思うけど俺も全部の資料を目に通したわけじゃない。
「・・・とりあえず探してみますよ。戦車道関連の資料は全部図書室からこっちに移しましたよね?」
「見つけた限りでねー」
それなら話は早い。
俺は棚から全ての資料を引きずりだして探した。
「あ、そうだ・・・かいちょー」
「今度はなにー?」
「全員の採寸取っておいてください。作るときにいつもの被服屋に依頼するんで」
「あー・・・あそこなら、安いし丁寧だし早いしねー。うちのとこの制服もあそこだしいいんじゃない?かーしまー」
会長が河嶋先輩を呼ぶ。会長の、とりあえず面倒事は部下に任し、重要な事は自分でやるスタンスは嫌いじゃない。
「なんでしょう?」
「戦車道履修者の採寸よろしくー」
「分かりました」
さて、採寸はあっちに任せて俺は捜索を続ける。
デザイン画は30分程度で見つかった。
「正直古臭いデザインを予想してたけど、このままでも充分使えそうだな」
俺は1枚のデザイン画を手に取る。
「紺のジャケットに白いスカート・・・落ち着いているし、万人向けだし結構機能的だし・・・よし」
その時ちょうど河嶋先輩が戻って来た。
「お疲れさまです。早かったですね」
「ああ、何人かにも手伝わせたからな。それがデザイン画か?」
「ええ」
俺は河嶋先輩にデザイン画を渡す。
「・・・悪くないな。これはこのままでいいのか?」
「特に変更するところもありませんしね。後はお任せしても?」
「では、今から被服屋に持って行こう。あそこなら一週間もせずに全員分作ってもらえるからな」
「じゃあ、お願いします」
パンツァージャケットについては問題ないだろう。
練習も、皆の上達が分かるくらいに早い。
みほ以外素人だからっていうのもあるんだろうが、蝶野教官が感覚派の指導を、俺が理屈派の指導を、それぞれ教えているから効率が良いといのもあるんだろうが・・・。
「だからと言って勝てるかどうか微妙だな・・・」
5日後、戦車格納庫前に全員集まる。
「パンツァージャケットが届いた。全員格納庫内で試着した後、何か問題があるなら報告くれ。あと、これからの練習はジャケットを着て行うように」
全員を格納庫に入れたあと、俺は彼女たちが来るのをじっと待つ。
着替えを待つこと15分。全員が揃った。
「どうどう秋人!似合ってる?」
沙織がよく分からないポーズを取って俺の前に立つ。
「ああ、似合ってるよ。問題ないか?」
「うん!」
俺は辺りを見渡して・・・
「問題のあるやついるかー?」
「問題ありませーん!」
「甲冑がよかったぜよ・・・」
「迷彩・・・」
「ドイツ軍を模した軍服を・・・!」
特定したぞ。
「問題ないみたいなら、これから練習に入る。ああ、さっき文句を言ったやつらのチームは練習量倍な」
怨むならチームメイトを怨めよ。
「これでいいかな?」
「いいんじゃないか?細かいところは試合中に判断するってことで・・・」
初戦前日。俺の部屋でみほと一緒に最後の作戦会議をしていた。
「うちの場合、作戦を組んでも実際その通り動けるかまだ怪しいからな。大まかな作戦だけでいい。みほは隊長なんだから、何が起きても慌てないようにな」
「うん。なんとかやってみるよ。サンダースは強敵だけど絶対勝てないわけじゃないし・・・秋人君が見たうちの勝率ってどれくらい?」
「3割あればいいほうだな」
「だよねー・・・」
「そう気を落とさなくていい。ここで負けても来年があるんだから、気負わずにやればいい」
ま、ここで負けたら来年は無いんだけどな。
「うん!頑張ってみるよ!」
その後、みほは部屋に戻った。
俺がやれることはやった。後は彼女達を信じよう。
しかし不安が残る・・・こういう時は、ボコのDVDを見てテンション上げようか。
次回からサンダース戦
でも主人公は出ないから、結局他校と一緒に観戦しかないなー