ガールズ&パンツァー~島田家の長男~   作:園部

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10話

「明日には教官が来るから今日中に洗車を済ますこと」

 

俺は彼女たちに指示を出して洗車させる。

彼女たちは素人なので俺とみほが手分けしてそれぞれのチームの戦車をみた。

 

「これなら指示を出すだけでなんとかなりそうかな。みほのほうは?」

 

「同じかな。思ってたよりもひどくはないからなんとかなるかも」

 

そしてそれぞれの清掃ポイントを説明した後は生徒会チームのほうに行って清掃を開始した。

 

「柚子先輩なんで一人だけ水着なんですか?」

 

「うぅ・・・・だって会長が・・・・」

 

柚子先輩の姿は白いビキニ。正直眼福すぎる。

俺は会長を見てGJをすると、会長も答えてくれた。

 

「似合ってるしいいじゃないですか。じゃあ俺は中をやるので、柚子先輩はそのまま外装のほうをよろしくお願いします」

 

俺は返事を聞かず中に入った。

ついでに会長と河嶋先輩は見てるだけだった。

 

 

「恵みの雨だー!」

 

俺が作業をしてると外で楽しそうな声が聞こえる。

俺も水浴びしたいと思ったので外に出た。

 

「あれ?終わったの?」

 

柚子先輩がデッキブラシを持ったまま俺に声をかける。

 

「後半分くらいですかね。水浴びついでにちょっと休憩です」

 

「そうなんだ。今1年生がホース使ってるから行ってくるといいよ」

 

俺は水浴びついでに様子を見に1年チームのほうに行く。

 

「よう、順調か?」

 

俺はホースを持ってるツインテールのメガネに話をかける。

名前?聞いてないから知らない。

 

「あ、先輩。順調です!」

 

「そっかそっか。分かんないことあったら俺かみ・・・西住に聞いてくれ」

 

「はーい。ありがとうございます!」

 

「後俺に水かけてくれないか?戦車の中暑くてさー」

 

「あはは、分かりましたー」

 

笑いながら俺に水をかけてくる。

あー気持ちいいな。

水でびしょ濡れになったのでシャツを脱いで絞る。

 

『・・・・・・』

 

ん?視線を感じたのでその方向をみると1年チームだった。

 

「どうした?」

 

「いえ・・・あの・・・・」

 

澤が何か言いづらそうというか・・・顔を赤らめる。

 

「先輩ガッシリしてるー!」

 

・・・・こいつ誰だっけ?

見た目も声も幼いやつ。

なんか急に降りてきて人の腹筋触ってくるんだけど・・・・

 

「ちょ、桂利奈ダメだよ・・・・凄い硬い・・・」

 

ダメとか言いながらお前も触ってんじゃねーよ。

えっと・・・・1年チームで一番スタイル良さそうなやつ。

 

「本当だ~」

 

「私も触る~」

 

「・・・・・・」

 

結局澤以外の1年チームが触ってくる。

つーかお前らいいの?思いっきり下着透けてるんだけど・・・

 

「こら!みんな先輩に失礼でしょ!」

 

澤は1年のまとめ役だな。

 

「えー梓だって触りたいと思ってる癖に~」

 

「う・・・・」

 

図星だったのか黙ってしまう澤。

 

「ねー先輩あれできる!?あの腕に捕まってぶら下がるやつ!」

 

桂利奈?が聞いてくる。

 

「あーあれか。多分出来るぞ」

 

「やってやってー!」

 

ここまで無邪気じゃないけど何故か愛里寿を思い出すな。

あれ?コイツって15歳・・・・・

まぁ、いいや。気にしないようにしよう。

 

「ほら、腕に捕まれ」

 

「わーい!」

 

桂利奈が腕に捕まったので俺はそのまま持ち上げる。

 

「すごーい」

 

「力持ち~」

 

人間1人を片腕だから結構疲れるな。

漫画とかでは楽にやってるけど普通にキツイ。

 

「凄い先輩!」

 

おいそのままブラブラ揺れるのやめろ!

しかし先輩としてのプライドがあるので口には出せない・・・

 

「おい!1年チームと島田!何を遊んで・・・・なんで島田は半裸になってるんだ!?」

 

やっべ、河嶋先輩に見つかった。

 

「休憩ついでに水浴びしたいから1年チームに行ったらこんな感じになりましたー」

 

「ましたー」

 

「お前らは・・・・・島田、また新聞部に書かれるぞ」

 

マズイと思った俺は桂利奈を下ろしてシャツを着る。

 

「これ・・・・・経験上もう手遅れなんですが・・・」

 

「諦めろ。お前が悪い」

 

見出しは『島田秋人!今度は新入生に半裸で迫る!!』かな?

 

 

俺が戻ると柚子先輩が作業を続けていた。

 

「おつかれーっす」

 

「・・・・・」

 

あれ・・・あんまり機嫌良くない?

戻るのが遅くなったしなー・

 

「えっと・・・・戻るの遅くなってすみません」

 

「別にいいよ。秋人君が1年生たちとイチャイチャしてても私には関係ないもん」

 

あ・・・・戻って来るのが遅れたからじゃなくて1年生と楽しそうにやってたのが悪かったのか。

 

「別にイチャイチャしてませんよ。ほら、入ったばっかの新入生だとどうしても先輩に壁作っちゃうでしょ?それじゃあよくないし、今後の事も考えて仲良くしてたんですよ。ま、要らない心配だったんですけどね」

 

なんせあんまり話したことない先輩相手にボディタッチしてくるくらいだ。

あれなら問題ないし、行きすぎたら澤が注意するだろうし・・・・案外バランス良いな。

 

「ふーん・・・・・そんな打算があったんだね。そうは見えなかったけど・・・・あの子たちの透けブラをチラチラ見てたでしょ?」

 

「・・・・そこは健全な男子なので・・・・許して頂けると」

 

バレてたのか。

しかし俺も健全な男子だ。ある程度はしょうがないと思ってほしい。

 

「・・・・・シュークリーム食べたいなぁ。生クリームたっぷりの」

 

その程度で許してくれるなら・・・

 

「帰り喫茶店に寄りますか。今日は何でも奢りますよ」

 

「うん!約束だよ!」

 

さて、話も終わったし作業再開しますか。

 

 

 

洗車も終わったし今日はこれでお終いかな。

細かい整備は自動車部に任せよう。

 

「今日はこれで終わりだ。後は自動車部に整備を依頼して明日までに運転出来るようにする・・・そこは河嶋先輩から頼んでもらっていいですか?」

 

「分かった」

 

「じゃあ解散!」

 

そうしてそれぞれ着替えに更衣室に向かう。

俺は柚子先輩に声をかける。

 

「じゃあ校門で待ち合わせしましょう。着替え終わったら来てください」

 

「分かったよ」

 

俺はすぐに着替え終わったので校門で柚子先輩を待つ。

そうすると5分程度待って柚子先輩が来る。

 

「待った?」

 

「5分程度なんで問題ないです。じゃあ行きますか」

 

そして俺と柚子先輩は近くにある喫茶店に向かった。

店に入ると学生でいっぱいだった。

 

「じゃあ言ったとおりお好きにどうぞ」

 

まぁ、女子の胃袋だし大した出費にもならないだろう。

しかし俺は忘れていた。華という前例と甘いものは別腹という言葉を・・・

 

「ありがと。じゃあシュークリームと・・・・・チョコケーキとモンブラン。後は桃のゼリーとイチゴのショート。あ、飲み物はコーヒーで」

 

結構食べるんだな。まぁ、問題はない。

 

「とりあえずそれで」

 

とりあえず?まさかそれだけ食べて追加注文する気なのか・・・

そのまさかだった。

柚子先輩は容赦なく食べた。

普段は小食のハズなのに甘いものには目がないのかその後も食べては注文を繰り返した。

 

「5200円です」

 

俺も食べたけど柚子先輩の消費量半端じゃねぇ・・・・

その栄養はどこに・・・・ああ、胸か。

会計を済ませ外に出る俺達。

 

「ごめんね・・・少し食べ過ぎちゃった」

 

あれで少し?

 

「いえ、大丈夫ですよ。食べてる時の幸せそうな顔が見れたのでむしろ役得です」

 

「もう・・・・あんまり人の食べる姿見るのよくないよ?」

 

「いいじゃないですか。奢った人の特権ですよ」

 

「しょうがないなぁ、秋人君は」

 

しょうがないとか言いながら柚子子先輩は笑う。

俺達はそのまま帰路に着いた。

 

 

 

今日から本格的に戦車道の授業に入る。

整備も自動車部が頑張ってくれたので運転出来そうだ。

 

「今から教官が来るから粗相のないように」

 

俺も誰が来るかは分からない。

陸上自衛隊に連絡したときに教官を派遣するとしか聞いてないからだ。

 

「はい!教官ってイケメンですか?」

 

沙織が手を挙げて俺に質問する。

 

「お前バカ?戦車道の教官なんだから女性に決まってんだろ」

 

いや、俺の存在がいるから勘違いしたのか?

しかし陸上自衛隊の隊員は事務員と整備士以外は全て女性だ。

後はお偉いさんもか。

整備士も事務員も男性の数は極少だけど・・・。

 

そうしてると空から輸送機が降りて戦車を駐車場に放つ。

正確には学園長の車の上に落ちてコナゴナにしてこちらに来る。

 

「(あ・・・最近新車に変えて自慢しまくってた理事長の車が・・・・)」

 

哀れ学園長。

俺は心の中で合掌を送る。

 

そして戦車から出てきたのは見覚えのある女性だった。

 

「みんな、こんにちは!」

 

挨拶されても皆退いてるんだけど・・・・

 

「あー・・・教官の蝶野亜美一等陸尉だ。全員挨拶!」

 

『よろしくお願いします!』

 

しかし蝶野さんか。この人戦車の腕は良いけど感覚派・・・・天才なんだよな。

教えるのにあんまり向いてるタイプでもないと思うけど実際はどうだったっけ

 

「戦車道は始めての人が多いと聞いていますが、一緒に頑張りましょう!」

 

こちらを見る蝶野さん。

 

「久しぶりね、秋人君!」

 

「はい、ですがお話は後でお願いします。時間があまり「あれ?西住師範の娘さん?」」

 

聞けよ。

 

「師範にはいつもお世話「蝶野教官!個人的な話は後にして早速ですが教導をお願いします!」・・・それもそうね」

 

言葉を遮ったのは悪いけど、黒森峰以外にいるんだからみほの事情を察してほしいな。

 

「西住師範?」

 

「秋人先輩とも知り合いだったっし・・・」

 

チッ、ざわめきだした。

俺は手を叩いて静かにさせる。

 

「私語は慎んでくれ!・・・・教官、お願いします」

 

俺は一歩後ろに下がって蝶野さんの右後ろに立つ。

 

「本日は練習試合を行います」

 

え?まだ動かしてないんだけど・・・・

 

「すみません、蝶野教官。彼女たちは一度も戦車を動かしてないんですが・・・」

 

俺がそう進言すると・・・・

 

「大丈夫!戦車なんてバーって動かしてダーって操縦してバンッって撃つだけなんだから!秋人君もそうでしょ?」

 

正直一緒にしないでほしい。

そういえば昔陸上自衛隊の演習に参加したときに・・・

 

「え?今の操作?なんとなくやったら出来た」

 

天才というべきか、本能で最適を導けるタイプって身体が理解しても頭では理解してないから素人に教えるのにあまり向いてない。

なぜ自衛隊はこの人を寄こしたのか。

 

「えーっと・・・各々、地図の印のところまで戦車を移動してみろ。習うより慣れろ。実戦あるのみ・・・・らしい・・・・ゴメン皆」

 

こんなことになるなら教官来る前に基本操作は教えておくべきだった。

 

 

俺と蝶野さんは高台に上がって皆の見える位置に移動する。

 

「正直蝶野さんが来るなんて予想してませんでしたよ」

 

人選的な意味で。

 

「驚いた?秋人君がいるって聞いて自分から志願したの。何故か周りには止められたけど」

 

俺のせいか、ごめん皆。

 

「で、俺は蝶野さんと一緒にここで審判・・・・と」

 

「出たかった?」

 

正直出たかった。生徒会チームなら空きがあるから出れたし。

 

「俺が出ても・・・・・意味がないので」

 

俺が出れば負けない。

これは自信じゃなくて確信だ。

ただ、公式戦に出られない俺がやっても意味がないし勉強にはならないことを当然理解してるけど・・・・みんなと戦車道やりたいな。

はぁ、こういう所が女々しいんだよなー・・・・

 

「ふふ、出たいなら出てもいいわよ」

 

「え!?」

 

「今日は戦車に慣れる為にするからね。そうねぇ・・・・生徒会チームの装填手ならやってもいいわよ。ただし装填のみに集中すること・・・・貴方が指示していいのは最後1対1になったときのみで相手が西住師範の娘さんのときのみ。それを約束するならいいわ」

 

「蝶野さん大好き!」

 

俺は蝶野さんに思いっきりハグをする。

 

「あら・・・・秋人君嬉しいけどせめて場所を「じゃあ早速行ってくる!」あ・・・ふふ、いっぱい楽しんでおいで!」

 

俺はかけだして38tのもとに急ぐ、指定位置には既に38tが着いていたので乗り込んだ。

 

「やっほー皆さん俺も参加します」

 

「秋人君!?」

 

「島田!?参加するのか!?」

 

「はい、装填はお任せしていいので好きにやっちゃってくださいませ」

 

「おー島田君かー。てっきり審判するのかと思った」

 

会長が寝そべって言う。

 

「教官から許可を貰ったので・・・・・でも装填しか出来ません。条件を満たさないと指示が出来ないのでそれまでは3人にお任せします」

 

「条件ってなんだ?」

 

河嶋先輩が聞いてくる。

 

「最後の1対1の相手がⅣ号のときのみ俺は指示を出せることになってます。それまでは装填のみしか出来ませんので」

 

「そうか。まぁ、装填も兼任しなきゃいけないとこだったんだ。それだけで助かる」

 

うん、やっぱり会長は寝てるだけか。

 

「ふむ・・・柚子先輩が操縦、河嶋先輩が砲手、会長が一応車長ですか。正直みんなと戦車に乗れて試合が出来るだけで嬉しいのでもう満足なんですけどね」

 

勝ちたいよりも嬉しいって気持ちがデカすぎてニヤケが収まらない。

 

「ふふ、秋人君凄い嬉しそうだね」

 

「こんなに嬉しそうな島田君って始めて見たかもねー。ま、楽しんでこーか」

 

いつものように会長が占める。

 

『みんな位置に着いたわね?』

 

おっと、蝶野さんからの無線か。

 

『戦車道にはフラッグ戦、殲滅戦の2つがあります。今回は殲滅戦を行います。要は全部倒せってことです。最後に・・・・戦車道は礼に始まり礼で終わります。一同、礼!』

 

『よろしくお願いします!』

 

そして試合が開始された。

 

 

「まずはどうしましょう?」

 

俺なら他と協力してⅣ号を倒す・・・・・フリをしてⅣ号を倒させる。

倒させた後は必ず無防備になるから速攻で撃破するな。

 

「まずはⅣ号だ。経験者のⅣ号を他と協力して倒す。それでいいですよね?会長」

 

「いーんじゃない?」

 

干し芋食ってリラックスする会長。

 

「俺にも干し芋下さい・・・・お茶持ってくればよかったですね」

 

俺の言葉に柚子先輩が反応する。

 

「え?お茶やお菓子って持ち込んでいいの?」

 

「はい。紅茶を常備してる高校もありますし規定違反ではないので・・・・規定違反さえなきゃ基本何やってもいいです。ただ、マナーの範疇で」

 

俺は貰った干し芋を食べながら柚子先輩に答える。

 

「そうなんだ。結構自由なんだね」

 

「お前ら試合中だぞ!集中しろ!」

 

河嶋先輩が嗜めるけど・・・・

 

「大丈夫ですよ。ここからみほのいるⅣ号までまだ時間はかかりますし・・・・序盤は恐らく皆色々試してるとこですから」

 

なんせ初めて乗るんだ。スムーズにいくわけない。

 

「だからって・・・・!」

 

うーん気負っているなぁ・・・・

俺は河嶋先輩の肩に両手をのせて揉み解す。

 

「リラックスリラックス。そもそも集中なんて長時間続きませんし・・・・必要ないところで気合い入れて肝心なところで疲弊しちゃ元も子もないでしょ?」

 

結構こってるな。

 

「おま・・・・やめ・・・・あ・・・・」

 

うん、吐息がエロイな。

 

「桃ちゃん!?秋人君何をやってるの!?」

 

「あー前見て前見て運転に集中してくださいな」

 

俺はそのまま継続して揉む。

 

「もう・・・・だい・・・じょうぶだ・・・」

 

「じゃあ止めますね」

 

「お前なぁ・・・・」

 

顔が赤くなってこちらを睨んでいる。

 

「そんな顔をして睨んでも可愛いだけですよー」

 

「かわ!!・・・・私は可愛くない!」

 

「可愛いですよー。普段は気が強く見えるけど実はそうでもなくて、有能そうに見えるけど実は成績が低かったり・・・・時折みせる甘えた顔なんて特に可愛いです」

 

「秋人君!?さっきから桃ちゃんを口説きに行ってない!?」

 

前しか見てないし騒音だから聞こえないと思ったんだけどな。

 

「桃ちゃん言うな・・・・あと、島田はもうやめてくれ・・・恥ずかしい」

 

俺は河嶋先輩の手を引いて腰に手を回して顔を近づける。

 

「ほら・・・・そういうところ。本当に可愛いな・・・・桃ちゃんは」

 

「!!??!?!??!??!」

 

顔が真っ赤だな。やりすぎたか?

 

「いやー何か島田君の本気を見たって感じだね」

 

ガラにもない事を言ったな。テンション上がりすぎて少しハイになりすぎたか?

俺は手を離して河嶋先輩を座らせる。

 

「さ、そろそろ敵が見えるころですよー。恐らく他の敵が既に襲撃してるころなので混乱に乗じてヤリましょう」

 

「指示していいの?」

 

「指示じゃありません。独り言です」

 

お?気づいたら後ろにM3・・・・1年チームが着いてきてるな。

 

「後ろに1年チームがいますね。気にしなくていいでしょうけど、頭には入れといたほうがいいかもです」

 

当てられる技術はまだないだろうしね。

 

 

おっと、橋にⅣ号が止まってるな。

んで、追撃してるのは三突と八九式・・・・・三突が歴女で八九式がバレー部か。

 

「よし!」

 

河嶋先輩がⅣ号を仕留めようとするが外れる。

 

「桃ちゃーん・・・・そこで外す?」

 

「桃ちゃん言うな!島田のせいで少し動揺しただけだ!」

 

あら。効きすぎたか?

 

「じゃあもーいっぱつどうぞ」

 

俺は河嶋先輩が撃った瞬間には既に装填は完了させた。

 

「次は外さん!」

 

しかし外した。

あらら・・・・

 

「ドンマイでーっす・・・・・あん?」

 

Ⅳ号の動きが止まったと思ったら・・・・明らかに動きが変わった?

 

「(操縦手を変更した?誰と?・・・今までの素人臭さがなくなってる・・・・みほか?いや、みほは操縦はそこまで上手くない。一体誰と・・・・)」

 

考えてもしょうがないし考えるのはやめた。

そして復活したⅣ号がⅢ号と八九式を仕留める。

 

「(操縦を任せられるやつがいたおかげで砲撃に集中できたってわけか・・・)」

 

しかしここまで変わるとは・・・・さすがだな。

 

「どうする!?」

 

「どうしよう・・・・」

 

「とりあえずM3の後ろに移動しようか。すぐに撃破されるだろうけど・・・・島田君が動けるようになるよ」

 

そしてすぐにM3の後ろに隠れるが、M3も撃破されてしまった。

 

「じゃあ今から車長と装填手を兼任します・・・・・いいですか?」

 

「もちろんだよ!」

 

「頼む!」

 

「じゃあ私はのんびりさせてもらうねー」

 

みほは勝った気でいるか?だが、試合はこれからだ・・・・

 

 

みほside

 

38tの動きが変わった?

動きに迷いが無くなってる気がする・・・

 

「秋山さん。一発38tに撃ってみてください。外しても構いません」

 

「了解です!」

 

砲撃は外れたけど問題はありません。

やっぱり動きが変ってる・・・・38tは生徒会チームだけど・・・・

秋人君は乗ってないはずだし、秋人君以外に経験者はいないはず・・・

 

「このまま距離を詰めていいのか?」

 

「お願いします」

 

さて、どう倒せばいいんだろう。

このまま距離を詰めても相手は離れて行くし・・・なら

 

「冷泉さん。一周周ってさっきの橋に誘導できる?」

 

「やってみよう」

 

このままじゃ埒があかないし・・・地形を利用するしかないか。

 

 

みほsideout

 

 

「動き的には誘導か・・・・このままじゃ埒があかないしな。なら乗ってやるか」

 

そしてさっきの橋まで近づいてきた。

 

「柚子先輩。徐々に徐々に減速してってください。そして合図を出すのでその時急停止して思いっきり右にハンドルをまげてください」

 

「うん」

 

次は・・・・

 

「河嶋先輩・・・・相手の意表をつきます。隙が出来てなおかつ近距離。チャンスは一発ですが・・・汚名を返上したいなら俺の合図で撃ってください。」

 

「任せろ!」

 

さて、砲身は斜め後ろ・・・・タイミングが勝負になるな。

 

 

みほside

 

 

砲身の位置がおかしい・・・・あれじゃあこっちに撃っても当たらない。

 

「多分気づいてないんじゃないかなぁ?」

 

生徒会チームは素人しかいない。確かにそれもあり得るけど・・・・・なにか不気味だなぁ・・・

 

「一応警戒しておきます」

 

それに・・・・

 

「冷泉さん。もしかして前の戦車のスピード落ちてますか?」

 

「落ちてるぞ。徐々に徐々にって感じだな」

 

なら・・・ここで決めます

 

「冷泉さん。ここで思いっきりスピードを出して距離を詰めてください。優花里さんは合図を出すのでそのとき撃ってください」

 

「分かった」

 

「お任せください!」

 

スピードが上がって距離を詰める・・・・タイミングは・・・ここ!

 

「撃・・・・!?」

 

急停止!?しかも右に思いっきり曲がりながら・・・・・砲身がこっちに向いて・・・

 

 

みほsideout

 

 

みほなら絶対ここで決めてくると読んでたよ!

 

「撃て!」

 

距離はかなり短い!まず間違いなく当たる!

 

「喰らえー!!!!」

 

雄叫びをあげて河嶋先輩が撃つ。

 

 

結果は・・・・・・・・・




ここで終わります。
時間がないんや

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