ガールズ&パンツァー~島田家の長男~   作:園部

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時間なくて急いで書いてしまって適当になってしまった。
でも、いつも適当だし関係ないか。


9話

今日は戦車道受講の初日。

受講者は全員戦車倉庫の前に集まる。

人数は俺含めて23人だが、特典のわりにはあまり集まらなかった印象だ。

 

まずはバレー部チーム。

話では活躍すればバレー部を復活させてもらえるっていうことだが・・・

 

「そんな事会長が言っていたのか?」

 

俺は典子に確認する。

 

「ああ!会長が「んぁ?いーよー」って言っていた!」

 

うーん・・・あまり信憑性というか、多分会長自身覚えてなさそうな返答だな。

 

「先輩も戦車道選んだんですね!・・・・もしかして私たちの為に!?」

 

「さすが島田先輩!」

 

いや、そんな事実はないんだけどな・・・・

佐々木も近藤も勘違いしてるなぁ。

 

「先輩がいるのって心強いですよ。去年バレー部の為に色々してくれたこともキャプテンから聞いてます!」

 

河西は冷静沈着ってイメージはあったけど、典子にでも毒されたか?

それに色々と言っても大したことはしてない。

 

「結果は残念だったけどな・・・・まぁ、これからよろしく頼むよ」

 

『はい!』

 

次は歴女チームかな。

去年の選択科目で知り合った程度の仲だけど、また一緒になるとは・・・・

 

「ようお前ら。また一緒だな」

 

「おや?島田じゃないか」

 

最初に声をかけたのはカエサル。

こいつらはソウルネームで普段から呼び合ってるせいで1年経っても本名はしらない。

 

「島田も戦車道を選ぶとは・・・」

 

「これは運命だ!」

 

エルヴィンと左衛門左。

長いから俺はエルと門左と呼んでいる。

 

「まぁ・・・・よろしく頼むわー」

 

後は・・・・1年グループか。

 

「あの男の先輩って・・・・」

「やっぱりそうだよぅ」

 

俺を見てコソコソする1年チーム。

 

「人のこと見ながらコソコソ話すのは感心しないなー」

 

「す、すみません!」

 

「あわわわわ・・・・」

 

「うぅ・・・・」

 

あれ?俺そんなに怖いのか?

 

「いや分かってくれればいんだけど・・・・何故そこまでビビるんだ?」

 

「だ、だって・・・・・あの大洗のハーレムキングさんですし・・・」

 

今この子・・・・・何て言った?

 

「あー・・・・誰かと間違えてないか?」

 

「だって・・・・・島田秋人先輩ですよね?」

 

「確かに島田秋人は俺だが・・・・・」

 

「やっぱり!私達も食べられちゃうのかなぁ・・・・」

 

なんだろう。これ放置すると後々面倒になりかねない気がする。

 

「はぁ・・・・一番冷静そうな・・・・君の名前は?」

 

「さ、澤梓です!」

 

「じゃあ澤さん。どういう事?ハーレムキングってなに?」

 

「えっと・・・・私たちの1つ上の学年に常に女性を侍らせてる人がいるって聞いて・・・その人の名前が島田秋人さん。大洗のハーレムキングって新聞部の新聞に書いてあったので。記事によれば近づいてきた女性全てを食らうから気をつけろって・・・」

 

また新聞部か。あまりにも書かれ過ぎて途中で読むのやめたっけ。

あれからまた根も葉もない記事を・・・・

 

「今の2、3年は全員理解してるけど・・・・1年だししょうがないか。基本的に新聞部の記事は面白半分で見ることを教えておくよ」

 

「面白半分・・・・ですか?」

 

「ああ。基本的に2、3年は創作物として楽しんでるのが大半だよ。入学してきたばっかの1年生は君らみたいに信じてる人もいるけど・・・・・半年くらいしたら慣れるんじゃないか?」

 

俺がそう言うと

 

「なんだデマか~」

 

「漫画みたいな人がいるなぁって思ってたけど」

 

「先輩カッコイイから信じちゃった!」

 

これから長い付き合いになるかもしれないんだ。

変な誤解はなるべく払拭しときたい。

 

「じゃあこれからよろしくな。分かんない事あったら何でも聞いてくれ」

 

『はーい!』

 

素直な子達だな。こういう子達って伸びるんだよなー。

俺は次に優花里のもとに来た。

 

「やっぱり来たな」

 

「あ、島田殿!当然ですよ!私が来ないわけないじゃないですかぁ」

 

それもそうだ。誰も来なくても優花里だけは来ると確信してたし。

 

「これからは同じチームだ。俺は試合に出れないけどよろしくな」

 

「はい!それにしても西住みほ殿がいるなんて・・・・島田流と西住流・・・夢の競演ですね!」

 

「ま、2度とないことかもしれないし・・・・ある意味奇跡だな」

 

日本を代表する二流派の本家筋が同じチームって今までにないんじゃないか?

改めて思うけど・・・・本当に奇跡と言っていいかもな。

俺は優花里に別れを告げて前に出ようとすると・・・・

 

「ちょっと!私達は無視なの!?」

 

「沙織か・・・・普段教室で顔合わせてるし今更挨拶もなにもないだろ」

 

「そうですけど・・・少し寂しいです」

 

「華がそう言うならしょうがない。ほら、何か話せ」

 

「何で華ばっかりいつも優遇するの!?しかも妙に上から目線だし!」

 

「そんなことない。沙織もちゃんと大事にしてるぞ」

 

「え・・・・・それならいいけど・・・・」

 

さて、沙織の機嫌も戻ったし会長のとこに行くか。

俺はみほに小さく手を振りそれに気づいたみほも俺に小さく手を振った。

俺が会長のとこに戻って報告する。

 

「報告します。人数は生徒会を抜いて18人。結構仲間内で固まってるのでチーム分けは仲間内でいいでしょう。あそこに1人でいる子はみほのところに入れます。必要戦車数は5両といったとこですかね」

 

「うん、報告ありがとー。じゃあついでに仕切りもよろしくー」

 

うわ、面倒な事になった・・・・

 

「では・・・・今から戦車道の授業を始める。講師役は俺、島田秋人が行う」

 

「秋人が?」

 

沙織が疑問を口に挟む。

まぁ、乙女の嗜みと言われてるくらいだし男の俺が講師役というのもおかしいと思ってもしょうがないか。

 

「俺は幼い頃から戦車道に関わってきた。監督としての実績も一応ある。だから俺が選ばれた。一応講師役の人も明後日来るが・・・・その人も常に俺達を指導してくれるわけじゃないからな。納得したか?」

 

「納得はしたよ・・・・・戦車道やっていたことなんて初めて知ったけど」

 

戦車道に関係がない沙織たちに話してもしょうがないと思っただけで他意はない。

そして俺は戦車倉庫を開ける。

 

「中に戦車が入ってるから実物を一度見てみてくれ」

 

俺は彼女らを引き連れて戦車倉庫に入る。

 

「これって・・・・」

 

「Ⅳ号戦車D型だ」

 

汚い、ボロい。そんな言葉が聞こえてくる。

長年放置されていたしそれもしょうがないだろう。

 

「装甲も天秤も大丈夫そう・・・・・これなら問題ないかも」

 

いつの間にかみほが手をつけて確認していた。

 

「でもこれ1両じゃ・・・・」

 

1両じゃ勝負以前の問題だしな。

俺は手を叩いて注目を集める。

 

「さて、実はこの戦車倉庫には1両しかない・・・・・しかし、あくまで戦車倉庫にはだ。今日の授業1回目は全員で戦車探しを行う」

 

ブーブー文句を言うやつもいるな。

文句を言いたい気持ちも分かるけどな。

 

「1両じゃ話になんないんだよ・・・・だから最低でも4両。1チーム1両ずつ探してくれ」

 

戦車道を始めるならせめて必要数を用意しとけよって話だが・・・しょうがないだろ。急遽決まったんだからな。

 

そして戦車探しを始める彼女達。

俺はみほにメールで「お前をチラチラ見てる子いるから誘ってやってくれ」と打って送信する。

みほならちゃんと誘ってくれるだろう・・・

 

「生徒会では探さなくていいんですか?」

 

「うん。1チーム1両見つけられればOKだからねー」

 

「しかし見つかるでしょうか・・・・」

 

河嶋先輩が心配そうにするが・・・・

 

「ぶっちゃけ運ですね」

 

「身も蓋もないな・・・・」

 

都合よく見つかればいいんだが・・・・

 

 

本当に1チーム1両見つかった。

ご都合主義っぽい気もするが、見つかったものはしょうがない。

それを自動車部に依頼して戦車倉庫の前に運んでもらった。

 

「どれをどのチームが乗る?」

 

河嶋先輩が俺に聞いてくる。

 

「普通に見つけたチームがそれに乗るって感じでいいでしょう。生徒会チームはみほ達が見つけた38tがいいですね・・・・みほ達にはⅣ号に乗ってもらうけどいいか?」

 

「うん、大丈夫だよ」

 

後は・・・・洗車する必要あるけど明日でも問題ないか。

 

「今日はこれで終了する。明日は戦車の洗車をするから体操服か、汚れてもいい服で来るように・・・・・解散!」

 

『ありがとうございましたー!』

 

さて・・・・・と

 

「じゃあ詳しく聞きたいし・・・・」

 

「ゆっくり出来る場所に行きましょうか?」

 

俺は沙織と華に連行される形でついていった。

 

 

「で、どこに行くんだ?」

 

「みぽりんの家。正直気になってたんだよねー関係性とか・・・」

 

関係性なぁ・・・・

 

「別に私と秋人君は・・・・友達だよ」

 

「いやそれは分かってるけどね・・・・結構前に知り合ったんでしょ?」

 

「うん。戦車道関係でね・・・・」

 

そして俺達はみほと俺の暮らすアパートについた。

 

「ここがみぽりんの家かー」

 

「みほさんらしい部屋ですね」

 

俺達はとりあえず座ってお茶を飲む。

 

「まずは夕飯食べながら聞きたいなー」

 

そして沙織主導で料理を作る。

意外と華が出来なかったのが意外だけど・・・・お嬢様だっけ。

それなら出来なくてもしょうがないな。

優花里が飯盒で米を炊こうとしてたのは・・・予想はしてたけど予想通りすぎて少し退いてしまった。

そして出来上がった料理を皆で食べてる途中で話に入る。

 

「そういえば聞いてなかったもんね。秋人が大洗に来るまでのこととか」

 

「そういえばそうでしたね」

 

「家柄はみほと同じようなもんだよ」

 

「確かみほさんは西住流で・・・・なら、秋人さんは島田流ですか?あれ?島田流ってどこかで・・・・」

 

華が思い出す前に沙織が思い出した。

 

「思い出した!去年の夏休み!」

 

「そういえばあの方は島田流家元・・・・もしかしてあの方って秋人さんのお母様ですか?」

 

「正解だよ」

 

「あのイベントは最高でした!まさか島田親子の共演が見られるなんて思いもしませんでしたよー!」

 

優花里が感動したように言う。

 

「えっと・・・・・そんなに凄いの?」

 

「もちろんです!日本戦車道ここにありと世界に示した島田流は西住流と並ぶ日本の戦車道の二大流派なんですよー!」

 

「そんなに凄いんだ・・・・・じゃあ秋人とみぽりんが知り合ったのっていつなの?」

 

「それは・・・・・3年前の中学選抜だな。俺はそこで監督をやってみほが選手だった」

 

懐かしいな・・・思い出したくないこともあるけど

 

「懐かしいね。急に来た秋人君が「俺がお前らの監督だ。今から実力を見せてやる。それで1人でも不満なら出て行ってやる」って・・・・・皆あっけにとられてたなぁ」

 

みほが思い出し笑いをする。

 

「秋人そんなこと言ったの!?」

 

「・・・・あの時は急に指名されたからな。時間もなかったし認めてもらうには一番てっとり早かった」

 

「それでそれで?」

 

沙織が興味深そうに聞く。

俺的には恥ずかしい黒歴史だから止めてほしい。

 

「長くなるから過程は省くけど・・・・・結果的に全員認めて秋人君が監督になったの。」

 

あの時は少し無茶したっけ・・・・

そして優花里が補足する。

 

「その試合は中学選抜対高校選抜だったんですけど・・・・勝率一桁台と言われてた中学選抜が勝ったんですよ。それ以来ですね。島田殿が有名になりだしたのって・・・」

 

「一部でな」

 

「それが監督としての実績なんですね・・・・」

 

「じゃあじゃあ・・・・・何で大洗に来たの?そんなに凄いならもしかしてスカウトあったんじゃないの?」

 

「・・・・・強豪校は女子校ばっかだからな。男の俺が入れるわけないだろう」

 

「嘘ついちゃダメだよ秋人君。ダージリンさん達から聞いてるよ。特別枠でスカウトされたのに聖グロもプラウダもサンダースも蹴ったってね」

 

「それ本当ですか!?聖グロもプラウダもサンダースも全国4強の1つじゃないですか!」

 

みほめ・・・・別に言わなくていいことを・・・・

 

「でも戦車道って本来女子だけだよね?スカウトされても選手としては・・・あ、分かったコーチとしてだ!」

 

「沙織正解。俺はコーチとして3年間協力するようにスカウトされたんだよ」

 

「では・・・・・なぜスカウトされて行かなかったんですか?」

 

「・・・・・女々しい理由だから言いたくなかったけどさ・・・・どこに入ってもどっかと敵対するだろ?それが嫌だったんだよ・・・俺にとっては短い期間とはいえ初めてのチームメイトだったんだから」

 

癖が強い人達だったけど・・・・それでも良い奴らだったんだ。

ま、結果的に全部と敵対することになったけどさ・・・

というか、何でこっちを見てニヤニヤするんだよ。

 

「いやー秋人も可愛い所あるんだなぁって」

 

「秋人さんの新しい一面を見れた気がします」

 

「島田殿って優しくて甘いですよね~」

 

ちくしょう・・・・・

 

「以上で話し終わり!ご馳走様!俺は帰る!」

 

「えーもっと話そうよー」

 

「断る!」

 

俺は部屋から飛び出して自室に戻って不貞寝した。

 

 

みほside

 

ちょっと余計な事言っちゃったかな?

 

「あー秋人怒っちゃった・・・」

 

「少し悪ノリがすぎましたね・・・・」

 

華さんと沙織さんが反省している。

 

「大丈夫だよ。きっと照れてるだけだから・・・・明日になれば元通りの秋人君になってるよ」

 

3年の付き合いだもん。それくらいは分かるよ。

 

「それならいいけどさ・・・・ま、今日は秋人のこと知れたしよかったなー」

 

「そうですね。あまり過去を詮索するのはよくありませんが・・・・知れて嬉しいです」

 

やっぱり秋人君ってどこに居ても愛されてるんだなぁ。

昔も色々あったけど、最後には皆から愛されるようになったし・・・

親愛が恋愛に変わった人も多いけどね。

 

「どうしたのみぽりん?」

 

「う、ううん!何でもないよ!」

 

もしかして沙織さんと華さんも・・・・でも秋人君だもんね。1年秋人君と一緒にいたのなら充分にあり得るか。

 

「ではそろそろ片づけますか!皿洗いなら任せてください!」

 

優花里さんがみんなの食器を運んでくれる。

皆優しくて・・・・やっぱり大洗に来てよかったな。

 

 

みほsideout

 




中学選抜のせいで既にみほは色々なチームの面子と知り合いです。

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