悪と正義の波紋&幽波紋(スタンド)使い、変化する者の幻想入り   作:(´鋼`)

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第15話 支配者の時間

 引き金が引かれた。擊鉄が元に戻る。弾丸が飛び出す。しかし俺にはそれがゆっくり動いていると感じられる。危険な目にあった時に起こるアレと同じだろう。

 

『(代償は……目だ)』 

 

 悪魔の囁きに似た声が脳に直接届く。俺は瞬間、スタンドを『J・T・R』に変化させ自分の後ろに立たせる。スタンドが持つナイフは俺に影響が無いように俺の頭をすり抜ける。

 

 その時、丁度弾丸が眼球を抉る。それに合わせるかの様にナイフで弾丸の軌道を直ぐ様変え、俺の口の中に弾丸が出てくる。……これで良いんだな?DIO

 

『(あぁ……やってくれると信じていたぞ)』

 

 やめろ気持ち悪い。そしてさっさとやれ。

 

『(了解した)』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 刹那、俺とDIOの意識が変わった。つまりはDIOが俺を操作する事だ。俺の体を操るDIOは口の中の弾丸を吐き捨てる。

 

 カランカランという音と共に出てきた弾丸は眼球を道連れにさせていた。んまぁ要約すれば、弾丸と一緒に目玉出てきたって訳。

 

 

「き、きょう………や……」

 

 

 咲夜が恐怖していた。というより絶望しているのか。俺の目玉に向かって弾丸が放たれて、その後口から目玉と弾丸出てきたからな。帰ったら名一杯愛でてやるか。

 

 

「……………フッ」

 

 

 DIOが笑う。その隙にスタンドが『アナザーワン・ザ・ワールド』に変化されていた。勇人たちから見えない様に後ろにスタンドを立たせて。

 

 

「フフフフ………ククク………ハァ………」

 

「アーハッハッハッハッハッ!!!」

 

 

 やめろDIO、皆引いてるから。皆俺の体を見てるから皆引いてるから。っと、ここで時間を決めたのか。恐らく決めたのは………

 

 

「『このDIO以外に能力は使えない時間』を決めた」

 

 

 ハモっちゃった。

 

 

「の、能力が使えない時間?バカを言わねぇ方が身のためだぜ!!」

 

「ハッ!!抜かせ雑魚が」

 

「ッ!!?お、お前……誰だ?誰なんだ!?」

 

「先程も言った。この『DIO』に同じ言葉を2度も繰り返そうとするな。ハキムよ」

 

「んなっ!?」

 

 

 この時間にした事で30秒間は俺の決めた時間通りに動く。ただ、勇人の不変化はハッキリ言ってメンドクサイ能力だ。チート過ぎる。でも意外にも弱点はある。簡単な事だ。

 

 

「この人間の能力が発動する前に能力を使えば良い。謂わば先着順というヤツだな」

 

 

 DIOはガシッと勇人の頭を掴み、思いっきり上の部屋に向かって投げた。

 

 

「これで相子だ」

 

 

 変化させたスタンドで勇人の腹に蹴りを入れる。その衝撃で上の部屋らしき場所まで飛ばされる勇人。

 

 俺の体を操るDIOは後ろに振り向き、シアン、ハキム、ソネを見る。不敵に微笑んだ後、ゆっくりと歩みだす。

 

 

「この体の者が世話になったな、貴様ら」

 

「DIO……ですか。何故貴方がその者の中に居るのか、詳しく聞かせてもらえませんかね?」

 

「残念だが……貴様らはここで死ぬ。つまりは無意味、無駄な行為だ」

 

 

 今度は『世界《ザ・ワールド》』で時を止めた。言わずもがな、俺の体と咲夜しか動いていない。しかも、能力稼働時間が残り15秒ある。

 

 シアン、ソネ、ハキムを殴りに殴った後、時を動かすDIO。俺がやってないから何かもどかしい。

 

 しかしながら、全くもって不思議である。何故俺の中に居るDIOは乗っ取るということを考えていないのか。普通なら考えそうだけどよ。

 

 

「ガフッ!!」

 

「グブォ!!」

 

「ゴボォ!!」

 

 

 その3名は共々吹っ飛ばされ、壁に激突する。ってか、まだ目玉の空白感が残ってて気持ち悪い。

 

 

「き、京谷……さん?今のは……一体?」

 

 

 おっとまずった。妖夢とじいさんが呆気にとられてる。取りま、さっさ戻ってくれ。

 

 

「まだこの体を堪能したいなぁ」

 

 

 お前が言うとBLに聞こえるからヤメイ。戻らんのなら力付くでも戻るぞ。代償さえあれば変われるんだろ?

 

 

「チッ……まぁ良いだろう」

 

 

 俺とDIOの意識が交代する。瞬間、俺は膝を着いてしまった。それに対応するかの様に咲夜が支える。

 

 

「京谷………」

 

「咲夜……その、さっきのは……ごめん。というか、無茶するなって言われたのに無茶しちゃった」

 

「んもぉ………馬鹿ぁ……」

 

 

 咲夜の目尻には涙があった。それを拭き取った後、オーバーヘブンで目を元に戻す。立ち上がり振り向けば、さっき殴った3名が少しフラフラしながら戦闘態勢に移っていた。

 

 

「ま、まさか……DIOを心中に宿していたとわ。道理でDIOと同じ気を放てる訳ですね……」

 

「正解だソネ。俺は生まれ変わりってヤツさ、だからこそテメエらが使った駒にも対応は出来た。情報収集能力が低いんじゃねぇの?」

 

「先ず別の世界の住人を呼ぶことがイレギュラーなんですけどね。そこまで対応するのは、入念過ぎる奴だけです」

 

「それもそうか……さて、お喋りが過ぎたな」

 

 

 瞬く間にDIOのオーラを放出し、この階段全体に充満する。今気付いたが、能力継続時間が30秒を過ぎた。ということは、他の奴等の能力は使える事になってるな。勿論魔王化してる勇人も含めて。

 

 先ずはスタンドを『牙《タスク》ACT2』に変化させる。これにより、俺は爪弾を撃てる様になった。続けざまに爪弾を5発放つ。

 

 

「爪ッ!?」

 

 

 驚いてる3名を尻目に、スタンドをACT3に変え2発地面に放つ。回転が攻撃するッ!!!

 

 

「グヌゥ!?こ、これはッ!?」

 

「地面が……回転しているだとッ!?」

 

 

 呆気なく終わらせてもらうッ!!!

 

 

「ACT4!!!」

 

 

 宙に浮く人型スタンドに変化した後、俺は残り3発を正確に狙い発射させる。穿つ様に回転された爪弾は、今までの爪弾よりも格段に素早い。それに3名とも当たるって事は?もう分かるだろ?

 

 

「チュミミーン!!!」

 

「「「!!?」」」

 

 

 殺れば、出来る子、Y・D・Kッ!!!

 

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!!」

 

 

 オープンセサミ……こんにちわ。そして、さようなら。

 

 

 

        永久に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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