悪と正義の波紋&幽波紋(スタンド)使い、変化する者の幻想入り   作:(´鋼`)

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第14話 救う選択は

「勇人ぉぉぉおお!!戻ってきやがれぇぇえ!!」

 

「勇人さん!!お願いです!!元の勇人さんに戻ってください!!」

 

「勇人!!戻ってきなさい!!」

 

 

 各々声を掛ける。でも勇人の表情は変わらずに居た。冷たい目をしていた。叫んでも返事はこない。呼び掛けに応答する事を拒否しているかの様に。

 

 俺は突っ込んだ。スタンドを発現させて、精神に呼び掛け、力を増幅させる。増幅させた力で思いっきり殴り付けた。

 

 しかし勇人は、その拳を避けた。普通なら見えない。しかし見えていたかの様に動いた。後ろに下がった。

 

 しかも少し戦闘してた時に折らした右足が治っている。魂……魔王の魂とやらが原因か?

 

 そして……さっきからDIOのオーラを受けて立っているのは正直可笑しい。殺り甲斐はあるけどよ。

 

『(だろう?五十嵐京谷)』

 

 !?な、何でお前が出てくるんだよ!?邪魔はすんなDIO!!

 

『(来てるぞ)』

 

 うぇ?っと、見れば咲夜の眉間に向かって銃弾が放たれていた。一気にスピードを上げ、銃弾を殴り付ける。

 

 しかし殴り付けた途端、眩い光が銃弾から放たれる。

 

『(閃光弾というヤツか。メモをしておくか)』

 

 もう何もツッコミたくねぇ……それを考えていると俺の腹に勇人の蹴りが入り、咲夜を巻き込んで飛ばされる。謝罪の視線を送ると咲夜は気にしていない様子。 

 

 咲夜が時を止めて反撃しようとするが、今度は勇人が何かした。不変化というのが分かったのは、時が止まっていない事に気付いた直後だった。

 

『(どうも血を着けずとも能力の発動は可能らしいな)』

 

 黙らっしゃい諸悪の根元。

 

 勇人は咲夜に接近し、右手を翳す。咲夜の動きが徐々に鈍くなるのが分かり、即刻中断させる為に右腕をスタンドでへし折る。

 

 しかし勇人は残っている左手で銃を撃つ。

 

 俺はスタンドで殴り掛かった。そこで思い出した不変化されている事を。つまりは腕に銃弾が貫通するということ。

 

 直ぐ様『ゴールド・エクスペエンス』にスタンドを変化させ、傷を塞ごうとした。その直後、勇人が俺の眉間を狙い銃を構え引き金を引こうとした。

 

 それは横から来た妖夢が阻止する。そのチャンスを逃しはしないと傷を塞ぐ。

 

 

「す、すまねぇ……妖夢。助かった」

 

「いえ、それよりも今は勇人さんを」

 

 

 ごもっともだな。咲夜に視線を移し合図を送った後、俺は勇人に向かってバカ正直に突っ込む。

 

 勿論勇人は眉間を狙うだろう。そこに咲夜のナイフが勇人の左腕に飛来。そして深く刺さる。

 

 その一瞬の隙を狙って、変化させたスタンドで殴り付ける。

 

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァア!!」

 

 

 勇人の骨が叫ぶ様に砕かれ、軋む。その感触は嫌という程自分の手に伝わってくる。毎度毎度の事だが、殴る感触が伝わるのはどうにも慣れない。

 

『(いっその事変わるか?)』

 

 黙らっしゃい。俺はDIOにツッコミを入れた後、勇人に近付き話す。

 

 

「勇人、もうこんな事、終わりにしようぜ…………お前が悩むのは1人でどうにかしようとしてるからだろ?」

 

 

 そう、勇人は悩んで悩んで悩み続けていたのだ。たった1人で悩み続けていたのだ。『自分の事が抑えられない』『自分を隠し続ける』等と、俺と同じ程の歳で考えていたのだろう。

 

 俺は頭を掻きながら、言葉を綴っていく。

 

 

「まぁ、確かにそんな衝動は人に打ち明け難いかもしれないが…………だからといって、妖夢達に言えないぐらいなのか?お前は妖夢達を信じれないのか?」

 

「咲夜の言った通りお前は『臆病者』だ。本当は自分の衝動が大事な人に向かうのが怖いんじゃなくて、それを知られた時に相手が自分を恐れる事が怖かったんじゃないのか?」

 

「俺は分かってる。お前は悪い奴じゃないと。お前が撃つたびに間がある。それは大事な奴は撃ってはいけないという事が衝動の中にも働いてるからじゃないのか?」

 

「俺らはお前を受け止める準備はできてる。あとはお前だけだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんなの、ただの戯言だ」

 

 

 ッ!?急に声のトーンが変わった!?まさかとは思うが魔王の魂が働いてんのか!?おいDIO!!

 

『(あっている。その小僧は呑み込まれつつある)』

 

 呑み込まれつつ?つまりは、まだ残っているのか?感情が。

 

『(その通りだ。流石プッチに育てられただけはあるな)』

 

 

「人を殴った時に『衝動で殴った』と言ったらどう思う?異常者だと思うに決まってる」

 

 

 ………ある種否定できないのが悔しいな。人間道徳だと衝動なんて言葉は通用しないからな。俺が転生者ってのも理解できねぇけどよ。

 

 

「ゆ、勇人さん…………」

 

 

 ………DIO、救う方法はあるのか?

 

『(あるにはあるが……貴様が後悔せんようにな)』

 

 ……ならやってくれ。可能性があるのなら。

 

『(………良かろう)』

 

 勇人を見ると、左手に再度銃を取り俺に構えた。

 

 俺は立ち尽くしたままだった。コイツの言うことを信頼するのも悪かない話だな。皮肉でもあるが。

 

 引き金に勇人の指が懸かる力が強くなっている事は、引き金辺りを見れば分かる。

 

 勇人は引き金を引いた。辺りに銃声が響く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも、うぷ主の鬼の半妖です。

色々と飛ばしている箇所があるので、その辺りはsakeuさんの『諸行有常記』を見てください。←オイ待て

さて、京谷君はDIOに何をしてもらうのか?

次回『五十嵐京谷死す!!』(大嘘)デュエルステンバーイ!!イエッサー!!←混ざってる。



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