悪と正義の波紋&幽波紋(スタンド)使い、変化する者の幻想入り   作:(´鋼`)

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第13話 仲間になって初めて 1

~京谷が吠えて10分後~

 

「勇人さんが………勇人さんが………」

 

 

壁にもたれ掛かり、すすり泣く妖夢。流石にじいさんも掛ける言葉が見つからない様だ。

 

 

「……咲夜、妖夢の方に行ってくれ」

 

「分かった……それと」

 

 

咲夜は両手を俺の頬に当て、真剣な眼差しで俺の目を見る。

 

 

「無理は……しないで」

 

「……あぁ」

 

 

俺は最上階へと続く階段へと駆ける。勇人が待つ、最上階へと。

 

 

 

 

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~妖夢side~

 

勇人さんが……魔王……勇人さんが……連れ去られた。何で……何で勇人さんが……どうして、こんな目に

 

 

「妖夢」

 

「さ、咲夜さん………?」

 

 

咲夜さんは私の目線に合うようにしゃがんで、私に手を差し伸べた。

 

 

「勇人を助けたいと思ってるかしら?」

 

「そ……それは……助けたいです……でも、私なんかが行って……何が出来るのか……」

 

「………ここの妖夢はまだ未熟だったのね」

 

 

咲夜さんの方を見る。呆れた様な顔をしながら溜め息をつかれる。

 

 

「未熟って……どういう?」

 

「簡単な話よ。『貴女は好きな人が危険な目にあっても動かない腰抜け』っていう意味よ」

 

「!!私は腰抜けじゃあ!!「じゃあ今すぐ動いてみなさい!!」ッ!!」

 

 

私に対し怒声を挙げる咲夜さん。ここまで感情的なのは、こっちの世界の咲夜さんでも見たことがない。

 

 

「……先ずは、『私何か』って考えを捨てなさい。確かに何が出来るかなんて分かりはしないわ。でも、そんな考えより先に大切な人の事を思って行動する事が大事よ」

 

「咲夜……さん……」

 

「もう一度聞くわ。『貴女は勇人を助けたいかしら?』」

 

 

……何か吹っ切れた。ここまでハッキリと言ってくれたお陰で、心につっかえていたしこりが外れた。……もう、迷わない!!

 

私は咲夜さんの手を取り、共に立ち上がる。

 

 

「決意……見届けたわ」

 

「どうやら、ワシの出番はなさそうじゃな」

 

「お祖父さん……」

 

「では、行こうかの。京谷を追いかけに。勇人を救うために」

 

 

お祖父さんの言葉に頷いた後、私たちは階段へと駆ける。好きな人を守りに行くために。

 

 

 

 

 

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~京谷side~

 

思えば、初めて会った時は最悪だったな。牽制の弾幕撃ってきて、そのまま戦闘に発展。勇人は大きな傷を負って、痛みで気絶して。

 

俺はオーバーヘブンを使いすぎて魂のストック無くなるわ、何故かストック補充されていたわ。色々あったな……

 

そんな時、殺気がしたので直ぐ様後方に飛び退く。階段で飛び退いた為、予想していた着地点から少し離れた場所で着地。

 

殺気の原因を探ると、シアン、ハキム、ソネの3体が階段で待ち構えていた。

 

 

「よぉ、態々お迎えに上がった……って訳じゃ無いよな、始末ってか」

 

「よくご存知じゃないですか。異国の者」

 

「うっわ、バレてーら。……何時から気付いた?」

 

「貴方たちと対峙し、直ぐ確認に行ったのでね。そのリストに、貴方の名前は無かった」

 

「……どうせなら紫さん、そっちの境界も弄ってほしかったな」

 

 

ソネから発せられる俺の問いの答えに、俺は事実なんだと受け止める。スタンドを出現させ、DIOのオーラを最大限放つ。

 

 

「……やはりその気、あのDIOとかいう者と一緒ですね。貴方は一体何者なんですか?」

 

「あのDIOとは、切っても切れねぇ縁なんだよ。俺は」

 

 

相手との距離6メートル。射程距離内だ。

 

一瞬でスタンドを接近させ、ソネを殴り付ける。

 

 

「無駄ァ!!!」

 

「ぐっ!!」

 

 

階段に打ち付けられるソネは直ぐ様体勢を立て直し、口から出た血を拭う。

 

 

「やはり……見えない力が働いているか……侮れませんね」

 

「何なら、少し遊ぶか?殺し合いっていう遊びをよ!!」

 

 

スタンドを接近させハキムに攻撃を加えた後、脚を『星の白金《スタープラチナ》』に変化させてシアンに蹴りを入れる。

 

 

「ぐほっ!!」

 

「チィ!!!」

 

 

ハキムは諸に攻撃を受け仰け反り、シアンは脚での攻撃を腕で防御して防ぐが少々ダメージは入る。

 

左腕を『法皇の緑《ハイエロファント・グリーン》』に変化させ、天井に向けて左腕を伸ばし天井に行く。

 

その際スタンドは戻しておいた。

 

 

「やはり……侮れない」

 

「そうかよ、ここで死にな!!」

 

「ですが……魔王復活の手立ては別にありますし、何より時間ももうありませんからね」

 

「!?どういうこった」

 

「何、簡単な話です。この城の魔力を魔王の魂に注ぎ込み、漸く完成させるのですから」

 

「……こっちだと魔力うんぬんじゃなかったがなぁ。このヘブン・クラウド」

 

「話が長いぞソネ、早くしろ」

 

「分かってますy「させるとでも?」」

 

 

スタンドを『法皇の緑《ハイエロファント・グリーン》』に変化させ、エメラルドスプラッシュでソネを妨害する。

 

 

「えぇ、予想してました」

 

「何ッ!?」

 

 

突如、ヘブン・クラウドが揺れた。ソネが操作した様子は見えない。ならば、他の2人がしたのか?ハキムはその素振りも無かった。だったら残るは……シアンか。油断した

 

 

「さぁ!!これで漸く!!魔王復活が完遂する!!貴方たちの努力は無駄に終わったのですよ!!!」

 

 

その揺れは暫く続き、やっと止まった事が確認出来るとソネは笑っていた。

 

 

「ハッハァ!!!これで漸く魔王の復活です!!これで支配も思いのまま!!」

 

「………ッ!?残念だがソネ、どうやら復活は延期だ」

 

「!?……まさか……魔力が!?」

 

「この場合だと、先に地上に戻った2人がどうにかしてくれたな。計算外の事が起こったなぁ!!テメエら!!」

 

「ぐっ!!このくそガk「フッ!!」!?チィ!!」

 

 

急接近で攻撃を仕掛けたのは妖夢であった。妖夢はそのまま刀を構え、対峙していた。

 

 

「おっ妖夢、立ち直ったらしいな」

 

「えぇ、咲夜さんに色々と言われました!!」

 

「ハッハッハッ!!そうかい!!」

 

 

その後で咲夜と勇人のじいさんが集合する。

 

ソネ、ハキム、シアンと対峙し緊張感が張り詰める。

 

ここで、最終決戦前の門番どもと戦うなんて……まるでRPGみたいだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも、うぷ主の鬼の半妖です。

恋愛初心者妖夢に説教垂れる咲夜さん……カッケェ!!(錯乱)

京谷君、色々とメタいよ。

次回もお楽しみに。

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