悪と正義の波紋&幽波紋(スタンド)使い、変化する者の幻想入り 作:(´鋼`)
~京谷が吠えて10分後~
「勇人さんが………勇人さんが………」
壁にもたれ掛かり、すすり泣く妖夢。流石にじいさんも掛ける言葉が見つからない様だ。
「……咲夜、妖夢の方に行ってくれ」
「分かった……それと」
咲夜は両手を俺の頬に当て、真剣な眼差しで俺の目を見る。
「無理は……しないで」
「……あぁ」
俺は最上階へと続く階段へと駆ける。勇人が待つ、最上階へと。
──────────────────────────
~妖夢side~
勇人さんが……魔王……勇人さんが……連れ去られた。何で……何で勇人さんが……どうして、こんな目に
「妖夢」
「さ、咲夜さん………?」
咲夜さんは私の目線に合うようにしゃがんで、私に手を差し伸べた。
「勇人を助けたいと思ってるかしら?」
「そ……それは……助けたいです……でも、私なんかが行って……何が出来るのか……」
「………ここの妖夢はまだ未熟だったのね」
咲夜さんの方を見る。呆れた様な顔をしながら溜め息をつかれる。
「未熟って……どういう?」
「簡単な話よ。『貴女は好きな人が危険な目にあっても動かない腰抜け』っていう意味よ」
「!!私は腰抜けじゃあ!!「じゃあ今すぐ動いてみなさい!!」ッ!!」
私に対し怒声を挙げる咲夜さん。ここまで感情的なのは、こっちの世界の咲夜さんでも見たことがない。
「……先ずは、『私何か』って考えを捨てなさい。確かに何が出来るかなんて分かりはしないわ。でも、そんな考えより先に大切な人の事を思って行動する事が大事よ」
「咲夜……さん……」
「もう一度聞くわ。『貴女は勇人を助けたいかしら?』」
……何か吹っ切れた。ここまでハッキリと言ってくれたお陰で、心につっかえていたしこりが外れた。……もう、迷わない!!
私は咲夜さんの手を取り、共に立ち上がる。
「決意……見届けたわ」
「どうやら、ワシの出番はなさそうじゃな」
「お祖父さん……」
「では、行こうかの。京谷を追いかけに。勇人を救うために」
お祖父さんの言葉に頷いた後、私たちは階段へと駆ける。好きな人を守りに行くために。
──────────────────────────
~京谷side~
思えば、初めて会った時は最悪だったな。牽制の弾幕撃ってきて、そのまま戦闘に発展。勇人は大きな傷を負って、痛みで気絶して。
俺はオーバーヘブンを使いすぎて魂のストック無くなるわ、何故かストック補充されていたわ。色々あったな……
そんな時、殺気がしたので直ぐ様後方に飛び退く。階段で飛び退いた為、予想していた着地点から少し離れた場所で着地。
殺気の原因を探ると、シアン、ハキム、ソネの3体が階段で待ち構えていた。
「よぉ、態々お迎えに上がった……って訳じゃ無いよな、始末ってか」
「よくご存知じゃないですか。異国の者」
「うっわ、バレてーら。……何時から気付いた?」
「貴方たちと対峙し、直ぐ確認に行ったのでね。そのリストに、貴方の名前は無かった」
「……どうせなら紫さん、そっちの境界も弄ってほしかったな」
ソネから発せられる俺の問いの答えに、俺は事実なんだと受け止める。スタンドを出現させ、DIOのオーラを最大限放つ。
「……やはりその気、あのDIOとかいう者と一緒ですね。貴方は一体何者なんですか?」
「あのDIOとは、切っても切れねぇ縁なんだよ。俺は」
相手との距離6メートル。射程距離内だ。
一瞬でスタンドを接近させ、ソネを殴り付ける。
「無駄ァ!!!」
「ぐっ!!」
階段に打ち付けられるソネは直ぐ様体勢を立て直し、口から出た血を拭う。
「やはり……見えない力が働いているか……侮れませんね」
「何なら、少し遊ぶか?殺し合いっていう遊びをよ!!」
スタンドを接近させハキムに攻撃を加えた後、脚を『星の白金《スタープラチナ》』に変化させてシアンに蹴りを入れる。
「ぐほっ!!」
「チィ!!!」
ハキムは諸に攻撃を受け仰け反り、シアンは脚での攻撃を腕で防御して防ぐが少々ダメージは入る。
左腕を『法皇の緑《ハイエロファント・グリーン》』に変化させ、天井に向けて左腕を伸ばし天井に行く。
その際スタンドは戻しておいた。
「やはり……侮れない」
「そうかよ、ここで死にな!!」
「ですが……魔王復活の手立ては別にありますし、何より時間ももうありませんからね」
「!?どういうこった」
「何、簡単な話です。この城の魔力を魔王の魂に注ぎ込み、漸く完成させるのですから」
「……こっちだと魔力うんぬんじゃなかったがなぁ。このヘブン・クラウド」
「話が長いぞソネ、早くしろ」
「分かってますy「させるとでも?」」
スタンドを『法皇の緑《ハイエロファント・グリーン》』に変化させ、エメラルドスプラッシュでソネを妨害する。
「えぇ、予想してました」
「何ッ!?」
突如、ヘブン・クラウドが揺れた。ソネが操作した様子は見えない。ならば、他の2人がしたのか?ハキムはその素振りも無かった。だったら残るは……シアンか。油断した
「さぁ!!これで漸く!!魔王復活が完遂する!!貴方たちの努力は無駄に終わったのですよ!!!」
その揺れは暫く続き、やっと止まった事が確認出来るとソネは笑っていた。
「ハッハァ!!!これで漸く魔王の復活です!!これで支配も思いのまま!!」
「………ッ!?残念だがソネ、どうやら復活は延期だ」
「!?……まさか……魔力が!?」
「この場合だと、先に地上に戻った2人がどうにかしてくれたな。計算外の事が起こったなぁ!!テメエら!!」
「ぐっ!!このくそガk「フッ!!」!?チィ!!」
急接近で攻撃を仕掛けたのは妖夢であった。妖夢はそのまま刀を構え、対峙していた。
「おっ妖夢、立ち直ったらしいな」
「えぇ、咲夜さんに色々と言われました!!」
「ハッハッハッ!!そうかい!!」
その後で咲夜と勇人のじいさんが集合する。
ソネ、ハキム、シアンと対峙し緊張感が張り詰める。
ここで、最終決戦前の門番どもと戦うなんて……まるでRPGみたいだな。
どうも、うぷ主の鬼の半妖です。
恋愛初心者妖夢に説教垂れる咲夜さん……カッケェ!!(錯乱)
京谷君、色々とメタいよ。
次回もお楽しみに。