悪と正義の波紋&幽波紋(スタンド)使い、変化する者の幻想入り   作:(´鋼`)

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第9話 DIOvsDIO

ここ『ヘブン・クラウド』にて、俺はある事を話さなければならない。その為、勇人たちの歩みを停め話をしなければならなかった。

 

 

「勇人、妖夢……少しだけ待ってくれ」

 

「?どうした?」

 

 

勇人と妖夢は俺に振り向く。俺は近くにあった壁にもたれ掛かり座ろうとした。その時は咲夜にゆっくりと補助を付けて降ろしてもらったが。

 

 

「お前らに……話さなきゃいけねぇ事があってな」

 

「それは、俺が勇人の能力に対し使った能力の事についてだ。俺が話してぇ事は」

 

 

まだ少しだけ息づかいが荒い。少しずつだが、魂が減っていってるな。さっさと話さなきゃな………

 

 

「勇人よ。京谷と対峙した時の不思議な現象、覚えておるじゃろ?」

 

「!?じいさん……」

 

「あ、あぁ。覚えてる」

 

「京谷から聞いた。あの時の能力は【真実を上書きする能力】、その状態の自分か、あの守護霊の手や拳に触れれば、望む通りの真実に変える事ができるのじゃ」

 

「な、成る程……だからあの時、俺の能力が効かなかったのか……でも、それだと」

 

「うむ、勿論代償も大きい。何せ『本来使うには魂を使わなければならない』のじゃからな」

 

「「!!!?」」

 

「そして、魂の磨り減った状態がこれじゃ。本来であれば動く事なんぞ出来わせん。わしが神力を与え、何とか持たせておるだけで精一杯なのじゃ。証拠に途中で倒れて血反吐を吐きおったからの」

 

「説明ご苦労さん……血反吐はねぇと思ったがな」

 

「こんな説明でもせんと伝わらんじゃろうて、その度合いがのぉ」

 

「確かに……なッ!!っとと」

 

 

咲夜の補助でよろけながらも立ち上がる。

 

 

「………京谷」

 

「……どうした?さっさと行「お前は下りてくれ」……」

 

「勇人さん…………」

 

「多分、俺との戦いで……使いすぎちまったんだろ?だったら、これは俺の責任だ。お前が行く必要は無い、これ以上魂を磨り減らすな」

 

「勇人……お前……」

 

「頼む……下りてく「バカかお前」……へっ?」

 

 

ったく、メンドクセェ。こんなに泣かれてちゃあ、俺だってどうしようも無くなるわ。

 

 

「このヘブン・クラウドは俺たちが1度経験した物。だったら、その関係者が行かねぇのは色々と不味いだろぉが」

 

「だ、だけどよ!!俺はお前に「それ以上はよしてくれ」ッ……!!」

 

「これは俺が選んだ道だ。んで、これは俺の末路でもある。だったら、待ち構えてる因縁放ってゆっくりなんぞ暮らせるか」

 

「因縁……とは?」

 

「……ここに来て漸く疼いたのさ、俺たちの因縁がな」

 

 

俺は襟の後ろを引っ張り、首もとにある星の痣を見ながら言った。つまりは『ジョースターの信号』、そのアイツも疼いているだろうよ。

 

襟を元に戻し、俺は勇人と妖夢に向かい合う。

 

 

「俺は行くぜ。あの別世界の彼奴を殺しに行く」

 

 

そう言って、俺は階段を咲夜に手伝ってもらいながら上る。

 

少し耳を傾ければ、アイツらの足音が聞こえてくる。どうやら、決心はついたらしい。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

「京谷……」

 

 

不意に咲夜の声が聞こえた。見てみると、咲夜が涙を流していた。

 

 

「お願い……本当は……私だって……」

 

 

俺は咲夜の涙を左手の親指で拭き取り、咲夜の顔に近づいて唇を奪う。

 

 

「んっ!!………ふぅ……」

 

「……ふぅ」

 

 

俺は唇を離し、咲夜に精一杯の笑顔を向けた。

 

 

「大丈夫さ、咲夜。心配しなくて良いから」

 

 

これぐらいしか出来ない。俺もタイムリミットは分かっている筈だ。心配は……既にかけている。だがやはり、俺はこうしなきゃ何時もの俺じゃなくなりそうだ。

 

光が見えた。次の部屋の光。それに1歩1歩近付く度に、俺の痣も疼く。

 

そして、部屋に入った途端見えてきた光景はゾンビや虫の化け物どもがウヨウヨしていた。だが、俺はその先を見た。

 

化け物と化け物の隙間からうっすらと見えた、黄金の髪、白い肌、美しい体型。アイツが居た。

 

そんな事を考えていると、勇人と妖夢が化け物に向かって先制攻撃を仕掛けた。それは見事成功し、化け物を殺しまくる。

 

ゾンビは勇人が的確に眉間を狙い、後ろから跳び掛かろうとしていたゾンビには後ろを見ずに眉間を狙って撃つ。

 

虫の方は妖夢が首と胴体を別れさせている。時折スペルカードを使い、吹き飛ばしている。

 

俺が見ていた彼奴は、先の部屋に進んでいた。それの少し後、ゾンビや虫の方は殲滅されていた。2人共息づかいが荒くなっている。無理もない、あれほどまで集中していたからな。

 

勇人のじいさんは2人に神力を与えて回復させる。これで戦えるな。俺たちは、その先にある通路を歩き、大きな部屋に出た。

 

 

 

 

「ほぉ……ここまで来るか」

 

 

 

刹那、俺と咲夜にとっては忘れられない記憶が甦り、片や勇人と妖夢、そしてじいさんは見るのを少し戸惑った。

 

俺は見た。アイツの姿を……そういや、この光景俺の中に居るDIOにも見えてんだよな?それだと……俺が殺してるとDIOは自分を殺してる錯覚に陥るのかな?

 

 

「……そこのメイドと、ジョースターの血縁の者には効かぬらしいなぁ」

 

「ご生憎様、俺は………!!!」

 

 

俺はDIOのオーラを出す。これには向こうのDIOも驚いていた様だ。

 

 

「貴様……このDIOと同じ気質を持つとは……何者だ?」

 

「ただのスタンド使いだ」

 

「フッ……ただのスタンド使いが、このDIOと同じ気質を扱える時点で普通の意味を持たぬがな」

 

「言えてるねぇ、んなこたぁどうでも良いがよ」

 

 

コイツ……どうやらオーバーヘブンは使えないか。第3部のDIOか……まだ勝機はあるな。俺は咲夜から離れ、スタンドを構える。

 

DIOも同じくスタンドを出す。やはり『世界《ザ・ワールド》』か、まだどころか普通に勝てるな。俺が万全だったらの話だけど。

 

チェンジャーvsザ・ワールド………どんな感じかなッ!!?

 

 

「「無駄ァ!!」」

 

 

お互いのスタンドの拳が衝突する。一瞬風圧が生まれるが、関係無い。

 

 

「このパワー、スピード、精密性……成る程、大した物だな」

 

「貴様こそ、やはりザ・ワールドの性能は侮れんな。承太郎と同等のパワー、スピード、精密性……だが、この『DIO』はそう簡単には負けはせん」

 

「……このDIOを名乗ったか……熟していない果実の様に青臭いガキが……私の名を名乗ったか……いや、このDIOと同じ体質ならば違うことは無いのか」

 

「与太話はもう良いな?」

 

「抜かせ」

 

 

大きく拳を引き、穿つ様にザ・ワールドに殴り付ける。

 

しかし、それはザ・ワールドの拳と衝突しダメージを与える事は出来なかった。だが、それでも……

 

 

「「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!!!」」

 

 

ラッシュを放つ。同時にラッシュで相殺されるが、何度も何度も放つ。その影響か、俺とDIOの体はゆっくりと宙に浮かんだ。

 

終わらせようとフェイントを入れてみたが、相手も同じことを思ったらしくお互いの拳はお互いの拳で防がれた。

 

 

「ぐっ!!!」

 

「ぬぅ!!!」

 

 

お互いの体は仰け反るも、DIOは綺麗に着地。俺は体力が無い事で体勢を崩し地面に衝突する。

 

 

「厄介な……消しておくべきか……」

 

 

俺に近付くDIO。俺は右腕を後ろに回し、右腕をハイエロファント・グリーンに変化させ勇人のポケットから血が入った試験管を取り出す。

 

 

「残念だが、テメエの敗北だ」

 

 

俺はチェンジャーに試験管を素早く持たせ、投げつける。

 

その拍子に蓋だけは取っておいた。これを利用する!!

 

俺の左腕をクレイジーダイヤモンドに変化させ、蓋を持つ。

 

一方DIOは投げられた試験管を避ける。

 

 

「はっ!!最後の悪あがきにしては、随分と幼稚なのだな」

 

「そうじゃねぇんだよ」

 

「何………ッ!!グオッ!?」

 

 

突如、DIOの背中に何かが刺さる。それは……投げられた試験管だった。

 

 

「なッ!?ば、バカな!!何故投げられた試験管がッ!!?」

 

「クレイジーダイヤモンドの能力で『直した』んだよ、試験管の本体は俺の持ってる蓋に引き寄せられる。俺の左手の直線上に居るテメエを撃ち抜いてよぉ!!」

 

 

そう、DIOの体は撃ち抜かれた。つまりは、試験管に入っていた『血』も一緒に含まれる。不変化するのだ。

 

試験管は蓋に引き寄せられ、元に戻る。中身はDIOの体内だろう。DIOは動けなかった。

 

 

「ば、バカなッ!!動けんッ!!」

 

「その状態だと、もう時を止める事も出来ねぇな。何せ、『止まった時の中を動けねぇ』からなぁ!!」

 

「無駄ァ!!!」

 

 

俺のスタンドでDIOの心臓を貫いた。そして、何かに触れた感触を味わうと、俺の体力が満ち足りた気分になった。

 

俺は懐に忍ばせていた『黄金の弓矢』を使い、スタンドに刺した。膨大な光に包まれると、俺は額に星のマークを、下瞼にはそれぞれ【DIODIO】【JOJO】と続いており、目と髪は金に染まっていた。

 

 

「チェンジャー・オーバーヘブン・レクイエム。俺はすべてを越えた」

 

「!!!!」

 

「失せろ!!」

 

 

進化したスタンドでDIOをおもいっきり殴る。これだと、内蔵はグチャグチャ、まともに立つことも不可能だろう。

 

そう思いながら俺は飛ばされた所まで歩き、見てみた。

 

そこにDIOの姿は無く、代わりに血が大量にあった。

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

「くそッ!!まさか………このDIOがッ!!こんな無様な姿を晒すなんぞッ!!!」

 

「こんな所で何をされておられるのかな?」

 

「くっ!!……ソネか……貴様!!あのガキ共を始末しろ!!俺は体を休めて!!「ザクッ」グボァ!!?」

 

「何を世迷い言を。ただの実験台の癖に、よくもまぁ言えますね。負けたのに……まぁ、これで実験は終わりました。この【魔王の魂】は返してもらいますね」

 

「ガフッ!!ガアァァァ…………」

 

「………こんな骨1つでも、良いデータが採れました。後は魔王復活を行うのみ………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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