悪と正義の波紋&幽波紋(スタンド)使い、変化する者の幻想入り   作:(´鋼`)

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優しさと弓矢

道中、京谷に向けて陰口を叩く里の人間が見える。

しかし京谷は気にも止めず、魔理沙と慧音が居る寺子屋へ着々と歩みを進めていた。

 

利久「き、京谷……さん。」

京谷「ん?どったよ?」

利久「いやぁ、さっきから里の皆から陰口を叩かれていますよっていう事を……」

京谷「くだらんなぁ。」

利久「え?」

京谷「わざわざそんなもの一々気にすることは無いんだよ。利久君。」

利久「は、はぁ。」

 

と道中で三人の人物に行く手を阻まれる。

そこには、魔理沙と、早苗と同じような巫女服を着ている少女と、赤いモンペで少々白髪の女子であった。

 

 

 

 

『スティッキーフィンガーズ!!』

 

 

 

 

所変わって、守谷神社。二柱が茶を啜っている。

 

神奈子「なぁ諏訪子。」

諏訪子「どうしたよ神奈子?」

神奈子「いや、どうしても気になっていた事があってな。」

諏訪子「なんだいなんだい?神奈子ともあろう者が気になる事ってなんだい?」

神奈子「……どうしてあの人間は私の傍に居たんだ?」

諏訪子「あぁ、それね。」

神奈子「知っているのか!?」

 

諏訪子は茶を啜り、そして話す。

 

諏訪子「あの人間が自ら看病するって言ったからさ。」

神奈子「…………はっ?」

諏訪子「だーかーらー。」

神奈子「ちょっと待て!えぇと、つまり、なんだ?『あの人間が自ら私の看病をした』のか?」

諏訪子「そう言ってるじゃん。」

神奈子「な、何故だ!?あの人間と私は戦って……」

諏訪子「だからこそらしいよ。」

神奈子「何?」

諏訪子「あの人間、言ってたんだ。

『自分がしてしまったことは自分自身で償わなきゃ』

                ってさ。」

神奈子「…………」

諏訪子「本当、あの人間は特別分かんないね。まるで過去にそんな体験をして、それの償いをしているみたいだ。」

神奈子「………はぁ。」

 

神奈子は茶を啜り、何も無い天井を見上げる。

そして、呟く。

 

神奈子「なんじゃそりゃ。」

 

 

 

 

 

『スティッキーフィンガーズ!!』

 

 

 

 

場所は戻り、人里。京谷は目の前にいる三人をDIOのジョジョ立ちをしながら見ていた。

 

京谷「魔理沙……これはどういう事だ?」

魔理沙「簡単だぜ、私がイライラしたからお前を潰すために仲間を集めて来た。ただそれだけだぜ。」

?1「流石に私も慧音を傷つけられちゃあ黙っていないわよ。」

?2「私は、もしかしたら幻想郷のバランスを崩す可能性があるって言われたから一応来たのよ。さっさと退治されてくれたら助かるのだけれど?」

 

しかし京谷は三人の言い分を無視するかのように利久に尋ねた。

 

京谷「利久、魔理沙以外の二人は分かるか?」

利久「あ、はい。あの少し白髪の方が藤原妹紅(ふじわらのもこう)さんで、もう一人がこの幻想郷を守ってる博麗の巫女の博麗 霊夢(はくれい れいむ)さんです。」

京谷「ほぉ。幻想郷のバランサーという訳か。後、すまんが安神を一旦預かってもらって良いか?」

利久「ええ、構いませんが。」

京谷「すまないな。」

 

京谷は抱えている安神を利久に預け目の前の三人に向かい合う。

 

霊夢「どうやら覚悟はできたようね。」

京谷「一つ聞きたい。博麗の巫女。」

霊夢「何よ。言うなら早くして。」

京谷「何故俺が幻想郷のバランスを崩すと言えるのだ?」

霊夢「はっ?何を言って……」

京谷「俺はただの人間だ。何の変哲も無い、ただの人間なのだよ。何故退治する必要がある?」

魔理沙「じゃあ、私に触れずにボコボコにしたり、直したり、触れてから数秒経ったら扉が爆発したりと、何故できるんだ?京谷。」

妹紅「はぁ!?」

霊夢「魔理沙、あんた頭イカれたの?」

魔理沙「悪いが嘘じゃあないぜ。こいつはそれができる。こいつはその能力を『すたんど』って呼んでるらしいぜ。」

妹紅「『すたんど』?何よそれ?」

魔理沙「私も正確には知らない。」

霊夢「じゃあ……」

魔理沙「だが、あいつの能力を直に体験した私が言うんだ。あいつはただの人間じゃあ無いぜ!」

京谷「見ていたのか。あの爆発を。」

霊夢・妹紅「!?」

魔理沙「あぁ。」

京谷「……なるほど、では余り隠す必要性も無いな。」

霊夢「なんですって?」

京谷「そうだ。魔理沙の言う通り俺は『貴様らには見えぬ者』を使役するなぁ。俺たちはそいつを『スタンド』と呼び、その『スタンド』を使役する者を『スタンド使い』と呼ぶ。そして、『スタンド』は同じ『スタンド使い』にしか認識できないし、『スタンド』に攻撃が通るのは同じ『スタンド』のみだ。」

霊夢「……俺『たち』?」

京谷「さて………戦おうか。」

 

京谷は、三人に向かって走りだす!

その右腕に、電気の様なものを纏わせながら!

三人は飛翔する。

 

京谷「無駄ァ!『隠者の紫《ハーミット・パープル》!』

 

京谷は左腕を出す。その先にいたのは藤原妹紅!!

 

妹紅「何をして………うお!?」

 

妹紅の体に何か巻き付いた感覚が襲う!

 

京谷「波紋疾走《オーバードライブ》!!」

 

京谷は三人から見れば虚空に手を当てている様にしか見えていない。しかし利久には京谷から紫色のツタを出し、妹紅を捕まえ、そのツタに手を当てているのだ!!

そのツタを伝い、右手に集束された電気の様なものが妹紅に襲う!!

 

妹紅「ッアァァァ!!」

霊夢「妹紅!!」

魔理沙「妹紅を……離せ!!」

 

魔理沙は星の弾幕を放つ!

 

京谷「『変化者《チェンジャー》!!』

 

京谷の発言から僅か一秒!魔理沙の弾幕は全て消される!

利久が見えたものは、やはり物凄い速さでチェンジャーが打ち落としていた!

 

霊夢「フッ!」

京谷「甘いわッ!」

霊夢「チィ!!」

 

霊夢は京谷の後ろに回り込み京谷の右横腹に蹴りを入れる。

しかし京谷は右脚を上げ、霊夢の攻撃を防ぐ!

霊夢は後ろに飛び、弾幕の用意をする。

 

京谷「無駄ァ!!」

 

京谷は上げた右脚をそのまま霊夢の方へとつき、捉えていた妹紅を霊夢に投げる!

霊夢は左に避け、妹紅との衝突を回避する。

妹紅はそのまま地面にめり込まれる。

 

霊夢「霊符『夢想封印』!!」

 

霊夢は自身の周囲に四つの光弾を出現させ、京谷に放つ!

京谷は避ける。しかし!その光弾は京谷を追う!

 

京谷「追尾型か。ならば!『変化者 ザ・ハンド《チェンジャー ザ・ハンド》』!!『ザ・ハンド』!!」

 

京谷は右腕を掲げる。そして振り下ろす。

霊夢は驚く!何故なら、光弾が急に消えたからだ!

それに続くかのように他の光弾も消える!

その出来事に三人は驚いていた!例えるなら猫に追い詰められた鼠が猫に噛みついた時のように!

あり得ない出来事に驚愕していたのだ!

 

霊夢「嘘……でしょ……」

魔理沙「霊夢の夢想封印が……」

妹紅「敗れた………!」

京谷「動揺しているな!恐怖しているな!あんなものに期待を込めていたのか間抜けぇ!」

霊夢「ッ!舐めないで!魔理沙!妹紅!同時に仕掛けるわよ!」

妹紅「言われなくても!」

魔理沙「やるに決まってるぜ!!」

 

霊夢、魔理沙、妹紅の三人は京谷の周囲に移動し、力を貯める。

 

京谷「大技を放つか。良いだろう。せいぜい足掻けぇ!」

霊夢「『夢想天生』!!」

魔理沙「『ファイナルマスタースパーク』!!」

妹紅「『パゼストバイフェニックス』!!」

京谷「『変化者 クリーム《チェンジャー クリーム》』!!俺を飲み込めぇ!!」

 

京谷への一斉射撃!

その場に煙が立ち込める。

 

魔理沙「やったか……」

妹紅「これで慧音の笑顔が……」

霊夢「はぁ………はぁ……」

 

その場にあった煙が晴れる。

しかしその場には、

何も居なかった。

 

霊夢「?どういう……こと?」

 

突如!ガオンという音が聞こえる!

 

妹紅「グアァ!」

魔理沙「妹紅!!」

 

その音と共に!妹紅の左腕が消失した!

霊夢、魔理沙はその出来事に何が何だか理解が出来なかった!

 

霊夢「!?動かないで!」

魔理沙「ッ!」

京谷「動いても動かなくても同じ結果だがな。」

霊夢「!?」

 

京谷は霊夢の後ろにいた!何時後ろに来たのか全く分からなかったのだ!

 

霊夢「ッ!」

京谷「『変化者《チェンジャー》』

チェンジャー「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄  無駄ァ!」

 

チェンジャーは霊夢にラッシュする。勿論、霊夢には見えていない。見えているのは利久と京谷のみ。

 

霊夢「ガ……ハ………」

魔理沙「霊夢!!」

京谷「残るは魔理沙……貴様だ。」

魔理沙「クッ!」

 

魔理沙は箒に乗り、飛翔しようとする。

 

京谷「『ザ・ハンド』空間を削る。」

 

京谷は右腕を振り下ろす。

魔理沙は自身の意思とは無関係に京谷に接近する。

 

魔理沙「ッア!」

京谷「能力の試運転だ。『変化者 ヘブンズドアー《チェンジャー ヘブンズドアー》!!』」

 

京谷は魔理沙の顔に触れる。

すると魔理沙は気を失う。

利久が見えたものは魔理沙の顔が本のようになっていた!

 

利久「京谷さん!魔理沙さんのその顔は!?」

京谷「少し魔理沙を漫画にした。寺子屋に行くぞ、利久。」

利久「あ、はい。分かりました。」

京谷「後、安神を運んでくれ。」

利久「分かってますよぉ。」

 

利久と京谷は寺子屋に向かう。

 

 

 

 

『キングクリムゾン!!』

 

 

 

二人は寺子屋に着き、中に入る。ちなみに京谷が足を上手く使って開けた。

 

京谷「上白沢慧音ー。失礼するよー。」

利久「先生ー。お邪魔しまーす。」

 

と奥の方から足音が近づいてくる。

 

慧音「お、お前たち!何で!?それに霊夢、魔理沙、妹紅、安神まで!?」

京谷「あー、兎に角、部屋用意してよ。重いったらありゃしない。」

慧音「………へっ?」

利久「慧音先生、今は部屋に。」

慧音「そ、そうだな、案内する。付いてきてくれ。」

 

案内された部屋に入り、背負ってたり抱えてたりしていた者たちをゆっくりと降ろし、京谷のクレイジーダイヤモンドの能力で治す。

 

京谷「あー疲れた。」

利久「あれだけ暴れましたからね。」

慧音「お、おい暴れたとは一体?」

京谷「………利久君。説明宜しくー。」

利久「でぇ!?ちょ!?」

京谷「それはそうと慧音さん。」

慧音「ふぁ!?」

京谷「書く物何かない?」

慧音「ふ、筆ならあるが。(さんづけ?)」

京谷「じゃあ貸して。」

慧音「あ、あぁ。」

 

『キングクリムゾン!!』

 

慧音「持ってきたぞ。」

京谷「ありがとー。……さてと、」

 

京谷は筆に墨をつけ筆を持ったまま安神に近づく。

 

慧音「な、何を?」

京谷「『ヘブンズドアー』っと。」

 

京谷は左手で安神の顔に触れ、安神の顔に何か書く。

 

慧音「!?」

利久「き、京谷さん!?」

京谷「おし!これでオッケー。後は目覚めるのを待つだけっと。……あ、後ついでに魔理沙を元に戻しとくか。」

 

京谷は魔理沙の顔に触れる。

 

魔理沙「ん?んうぅ?」

京谷「おっはよー!元気?魔理沙ちゃーん!」

魔理沙「うをっ!な、ななな何で京谷がここに!?」

京谷「運んできたー。」

魔理沙「………………」

慧音「……………」

利久「はぁ。」

慧音「なぁ、利久。」

利久「はい?何でしょう先生。」

慧音「あいつは何なんだ?一体。」

利久「僕も初めての時は驚かされましたよ。京谷さんの性格。」

慧音「もう一つ。」

利久「はい?」

慧音「何故、お前はあの外来人に着いていった?」

利久「………怒ってます?ひょっとして。」

慧音「………聞きたいだけだ。」

利久「……僕の貴重な経験になるだろうと京谷さんに。」

慧音「?どういう意味だ?」

利久「……僕も京谷さんと似たような力を持ってるんです。」

慧音「なっ!?」

 

とそんなシリアスな会話の中に入ってくる突然の雰囲気ぶち壊し屋!

 

京谷「まぁまぁそんなことより、どうだったよ?利久君。僕の戦い方は?」

 

利久は悩みながらも言う。

 

利久「えぇっと……やっぱり『ズルい』ですよね。」

京谷「あーそっちかー。でもさ、スタンド使いじゃないのに喧嘩ふってくるアホが悪いわけで。」

魔理沙「だーれーがーアホだとぉ!」

京谷「魔理沙ちゃん、霊夢ちゃんに妹紅ちゃん。」

利久「はっきり言い過ぎです京谷さん。せめてもう少し優しく。」

京谷「出来ないねぇ!」

利久「あっはい。」

 

と慧音の咳払いでシリアスに戻される三人。

 

慧音「おほんっ!でだ、京谷。」

京谷「なにー?」

慧音「お前の能力、教えてくれるか?」

京谷「良いよー。」

慧音「あ、あぁ。」

京谷「さて、順序だてて説明するよ。先ずは僕の能力だね。といっても『スタンド』は正確に言えば能力じゃないんだよ。」

慧音「なっ!?」

利久「えっ!?」

魔理沙「はぁ!?」

利久「京谷さん!?能力じゃないってどういう事ですか!?」

京谷「あれはどちらかと言えば魂の力が具現化したものなんだよ。利久君。まぁ言わば『霊』のような存在と考えてくれば良い。」

慧音「な、なら何故私たちには見えないんだ!?」

魔理沙「そ、そうだぜ!!」

京谷「そこは知らないよ。ただ言える事は『スタンド』は『スタンド使い』にしか確認出来ない。ということだけさ。」

利久「それで!?京谷さんの能力って!?」

魔理沙「それは私も気になるぜ。白状してもらうぜ!」

京谷「白状はしないけどさ。僕の能力は『変化する』ただそれだけ。」

慧音「『変化』?」

魔理沙「説明になってないぜ!」

京谷「後、利久君と安神君はそれぞれ、『直す(治す)能力』と『物体の恐怖した時の癖を見つけて紙に閉じ込める』だよ。」

慧音「!?今、紙と言ったのか!?」

京谷「そだよ。この安神君が女性を紙にした犯人ってな訳。」

慧音「何だって!?」

魔理沙「嘘だろオイ!」

京谷「とお目覚めのようだね。」

 

京谷の発言から五秒後、安神が目覚める。

 

安神「ここは、寺子屋?」

慧音「安神!起きたのか!?」

安神「け、慧音先生!!」

慧音「安神!お前!」

安神「ごめんなさい!!」

慧音「………えっ?」

魔理沙「…………」

利久「(京谷さん、安神に何したんですか?)」

京谷「(何、命令を書き込んだのさ。『目覚めたら改心し、自分のした事を白状する』ってさ。)」

利久「(えっ!?)」

安神「ごめんなさい!!こんな力手に入れたから、つい調子に乗ってしまったんです!本当にごめんなさい!!」

慧音「……安神。」

安神「はい!!」

慧音「ちゃんと謝ってくれる事は凄く嬉しい。だが自分の犯した罪は分かってるよな?」

安神「十分反省してます!!」

慧音「分かった。今回は許そう。」

京谷「それはそうと安神君。」

安神「な、何でしょうか?」

京谷「その力、どうやって手に入れたんだ?」

安神「はい。矢に射ぬかれたら急に。」

慧音・魔理沙「射ぬかれたぁ!?」

京谷「うわーマジかよ。」

安神「はい。」

京谷「誰が射ったか覚えてる?」

安神「余りよくは。ただ、意識が無くなる中で赤と青が少しだけ見えました。」

京谷「赤と、青?」

 

 

 

 

 

『スティッキーフィンガーズ!!』

 

 

 

 

とある場所。

 

?1「それじゃあお願いね。」

?2「はーい。」

?1「……ふぅ、やっとね。さてと。」

 

そう言い、黄金の弓矢を手にとる。

 

?1「やはり何時見ても美しい……」

 

そこにいる者はとても小さく呟いた。

 

?1「誰だか知らないけど、楽しんでるわよ。

 

 

 

 

         『神様』

 

 

 

 

                   」




どうも、明けましておめでとうございます。
と早速唐突なキャラ紹介。今回は安神君です。

安神 康則(あがみ やすのり)
年齢13歳 身長152cm 体重49㎏
スタンド名 エニグマ
能力 物体の恐怖した時の癖を見つけて紙に閉じ込める程度の能力(幻想郷風)
説明 利久とは同級生で仲良し。ある日誰かに射ぬかれて意識を失い、その後スタンド能力に目覚める。どこで知ったのかは今のところ不明だが、能力の使い方を知っている。
ちなみに、チェンジャーとエニグマが共鳴して、チェンジャーはエニグマの能力が使えるようになった。

以上ですね。それでは次回もお楽しみに。それにしても京谷君が完全なる悪に染まってますなぁ。

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