悪と正義の波紋&幽波紋(スタンド)使い、変化する者の幻想入り   作:(´鋼`)

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地霊殿での出来事

京谷「…………………」

プッチ「…………………」

さとり「…………………」

 

現在、京谷とプッチは先程出会った『さとり』という妖怪の部屋で話をしていた。

いや、話すというより“伝えている”という方が正しい。

 

さとり「………なるほど、全部旅行感覚で行くんですね。」

京谷「いやさ、俺も父さんも幻想郷のこと知らないし。どうせなら、潰しに行くついでに行こうかなって。」

さとり「だからと言って、鬼に面と向かって戦う事で私たちにも被害が出てくるんです。少しは考えてください。」

京谷「考えれば良いの?」

さとり「えぇ、考えてください。」

京谷「だが断る。」

プッチ「こら。」

 

プッチのデコピンが京谷の額を襲う。

 

京谷「痛っ!?父さん痛い。」

プッチ「はいはい。っとそれより。」

さとり「何故、息子さんを狙うのか?ですね。」

プッチ「あぁ、そうだ。京谷は強いからそこまで心配はしていないが、私も親の立場。何故、狙っているのかが聞きたい。」

京谷「(父さん、嬉しいよ。ただ一言要らなかったね。)」

さとり「一言要らないと息子さんが。」

京谷「おいこら。」

さとり「それより、何故狙うのかですよね。簡単です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     『能力が欲しいんですよ』

 

 

 

 

 

プッチ「……なるほど。」

京谷「何て無駄な事を。」

さとり「確かに無駄です。しかしながら、月の方たちは京谷さんの『真実を上書きする程度の能力』がどうしても欲しいらしいです。」

プッチ「思惑ぐらいは分かるか?その月の奴らの思惑は。」

さとり「残念ながら、この知らせは手紙によるものなので心を読めませんでした。」

京谷「結局、この能力を得たいと思う時って『支配』だったり、『叶わない願いを叶える為』でしょ。」

さとり「恐らく、月の方たちは後者の考え方で京谷さんを狙っているんです。しかし、自分たちが手を汚さない様に私たちに頼んでいるんでしょう。」

プッチ「度胸の無い奴らだな。全く。」

京谷「ノミと同類の種族ってか?」

 

そんな中、部屋の扉が開かれた。

 

咲夜「食事が出来たわよー。」

京谷「ありがとー、今行くよー。」

 

部屋の扉が閉められる。

 

さとり「ほぉほぉほぉほぉほぉ。」

京谷「ん?何?」

さとり「いえ、別にィ。」

プッチ「(まさか、心を。)」

さとり「正解です。さて、食事にしますか。行きましょう。」

京谷「おっけー。」

プッチ「わ、分かった。」

 

 

 

 

 

 

 

『キングクリムゾン!!』

 

 

 

 

 

 

 

さとり「お待たせしましたね。」

燐「さとり様、少し遅かったですね。」

さとり「ちょっとお話をね。」

?「早くご飯食べたいよー。さとりさまー。」

さとり「はいはい、分かってるわよ。お空。」

京谷「………羽?」

プッチ「羽だな。」

咲夜「はーい、二人とも席に着いて着いて。」

 

 

 

 

『食事の時間だ!!』

 

 

 

 

 

食事の時間を終えて、京谷は用意された部屋で一冊のノートを読み返していた。

 

京谷「『螺旋階段』………『カブト虫』………『廃墟の町』………『イチジクのタルト』………『カブト虫』………『ドロローサへの道』………『カブト虫』………『特異点』………『ジョット』………『天使(エンジェル)』………『紫陽花』………『カブト虫』………『特異点』………『秘密の皇帝』………生まれ変わる前、こんな事考えてたのか。俺は。」

咲夜「何読んでるの?京谷。」

京谷「ノートをね。俺にとっても、父さんにとっても大事なヤツだから香霖堂で買ってきたんだ。」

咲夜「京谷にも、プッチにも?」

京谷「あぁ。生まれ変わる前の俺が書いた物らしい。」

咲夜「それって…DIOの時に書いたノートって事?」

京谷「そうそう。俺がDIOの時に書いたノートで、題名が『天国へ行く為の研究』らしい。」

咲夜「“らしい”?どういうこと?」

京谷「実はこのノートの題名が読みにくくなってね。辛うじて分かる位、消えかかってる訳なんだよ。」

咲夜「ふーん。天国ねぇ。」

京谷「まあ、俺は既に天国に到達したけどさ。」

咲夜「???」

京谷「『オーバーヘブン』、『真実を上書きする能力』を手に入れる事で天国に辿り着いたって訳になるんだわ。」

咲夜「あぁ、あの宴会の時に柱を消したあれね。」

京谷「それさ。共鳴で手に入れた能力だけど、もう馴染んだ。」

咲夜「馴染んだ?」

京谷「共鳴の時は、ある程度時間をかけなきゃ馴染まないんだよ。例として体の節々が痛くなったり、重くなったり。」

咲夜「意外と不便ね。」

京谷「その分、強力なんだけどね。」

 

その時、部屋の扉が開かれる。

 

京谷「んなことより、何で部屋が何時も一緒なんだろうね?」

咲夜「さぁて、何ででしょう?」

?「…………………」

 

京谷と咲夜は扉が開かれた事にさえ、気づかなかった。

 

?「…………………」

京谷「…………………ん?」

?「わあっ!!」

京谷・咲夜「うわっ!!」

 

京谷と咲夜は、声のした方向へ向く。

その方向を見ると、一人の少女がいた。

 

京谷「うわー、びっくりしたぁ!」

?「お兄さん誰?」

咲夜「こ、こいし様?」

こいし「あー!メイドさんだー!何でいるのー?」

咲夜「今日は訳あってね。1日泊まらせていただく事になっているのです。」

こいし「ふーん。それで、お兄さん誰?」

京谷「五十嵐京谷っていうよ。ここで言う外来人さ。」

こいし「私は古明地 こいし(こめいじ こいし)。宜しくね、お兄さん。」

京谷「あぁ、宜しくな。」

こいし「それはそうと、メイドさんとお兄さんって付き合ってるの?」

咲夜「ブフゥ!!」

京谷「……………ん?」

こいし「ねぇねぇ、どうなの?どうなの?」

京谷「いやー、確かに咲夜ちゃんと話してると落ち着くけど付き合っては無いね。」

こいし「えー!?」

京谷「何で驚かれなきゃいけないの?」

咲夜「…………………」

京谷「咲夜ちゃんは、何で無言で俺を見るの?」

こいし「ばいばーい。」

京谷「いやちょっと!?この状況作ったの君でしょ!?」

 

そう言い、こいしは部屋から出ていく。

 

咲夜「…………………………」

京谷「いや、咲夜ちゃん?何で腕を掴むの?何で力を込めてんの?」

咲夜「…………『咲夜の世界』」

京谷「!?」

 

周囲の色が失われる。

 

京谷「(な、何で時止めをしたんだ?しかも、まだ離してくれないし!)」

 

22秒後。京谷は動かなくなった。

 

京谷「(う、動けん。バカな。って考えてる場合じゃねぇ。)」

 

咲夜の手が京谷の腕から離れる。

 

京谷「(今だ!『星の白金・世界《スタープラチナ・ザ・ワールド》』!!)」

 

京谷は色を取り戻し、咲夜から逃れる。

 

咲夜「えっ!?」

京谷「ちょっと気絶してもらうよ!」

咲夜「『J・T・R』!!」

京谷「ちょっ!それ反則!」

咲夜「『一旦京谷の意識を殺す』!!」

京谷「オワタ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『二時間後』

京谷「………んあっ?」

 

京谷の意識が目覚める。

 

咲夜「ふふん。」

京谷「………何でマウントポジに居るんだよ?」

咲夜「良いじゃない別に。」

京谷「ふー………ってここベッドかよ。」

咲夜「何か考えてることは?」

京谷「どうやって、この状況を逃れるか考えてる。」

咲夜「殺すわよ。」

京谷「いや、何で!?何で殺されなきゃいけないんだよ!?」

咲夜「………京谷、まだ分からない?」

京谷「???」

咲夜「ふ、普通はこんな事『貴方にしかしない』…ゎょ。」

京谷「???」

咲夜「だ、だから!私は!『貴方にしかしない』って言ってるじゃない!貴方!どこまで鈍感なの!?気づけ!」

京谷「いや、何の事?」

咲夜「だーかーらー!もう!」

 

ズギュウウウウウン!!

 

京谷「!?」

咲夜「ぷはっ。こ、これで…分かったでしょ////////」

京谷「………えっ?ちょ、何?ドッキリじゃ無いよね?」

咲夜「ドッキリでキスなんてしないわよ!バカッ!!」

京谷「り、理解不能理解不能理解不能。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『キングクリムゾン!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

京谷「…………………………」

咲夜「…………………………」

京谷・咲夜「(き、気まずい!!)」

京谷「(えーと、つまり、咲夜ちゃんはずっと僕に好意を抱いていて、僕が中々気付いてくれなかったのでキスしたと。………)」

咲夜「(ああ!もう!何であんな行動をとったのよ!?私!た、確かに京谷が気付いてくれなかったし。あそこまで鈍感だったし。気付いてほしかったし。凄い天然だし。)」

京谷・咲夜「……………………」チラッ

 

二人の目が合う。

そして、直ぐに後ろを向く。

 

京谷「(す、すげー気まずい!!あんな事聞かされた時点で振り向ける奴がいるか!!絶対に!)」

咲夜「(うー、私のバカッ!!これじゃ顔も見れやしないじゃない!あ、でも京谷の唇結構潤ってた。……って何考えてるのよ!こんなときに!)」

京谷「(どうする!?こんな時、どうする!?)」

 

その時!京谷の頭に声が響く!

 

京谷「(ん?………………………はあッ!?なッ!!こ、ここに来てまさかの助け船がこいつかよ!『ジョナサン』!!ん?また……って今度は『DIO』も言ってんのかい!!ジョナサンはまだあれだとして、何でDIOが出てくるんだよオイ!?)」

 

しかし、京谷は観念したかの様に溜め息を吐く。

 

京谷「(……仕方ない、この状況を打開するためだ!やってやるぜ!!)」

 

京谷は口ごもりながらも、咲夜に言った。

 

京谷「さ、咲夜、ちゃん。ちょっと、良いかな?」

咲夜「ひゃ、ひゃい!!な、何!?」

 

京谷は、咲夜の体を優しく包み込んだ!

 

咲夜「き、京谷!?ななな何を!?」

京谷「………ごめん。」

咲夜「ふぇ?」

京谷「いや、さ、その、気付かなくてごめん。」

咲夜「……………」

京谷「外の世界じゃ、あんまりこんな経験無くて、咲夜ちゃんの思いが分からなかったんだ。ごめん。」

咲夜「………………ぃゃ、こっちこそ、ごめんなさい。急に、私がしてしまった事だし。」

京谷「で、でも!ありがとう!外の世界じゃ結構不気味がられてたから、そんな事言われるのが…ちょっと嬉しかったりしたんだ。」

咲夜「……『嬉しい』か……フフッ。」

京谷「な、何だよ。」

咲夜「何でもない。」

京谷「……そっか。」

咲夜「それより!私が勇気出して言ったんだから、京谷もそれに見合った事を言ってもらうわよ!」

京谷「………マジで?」

 

咲夜は頷く。

 

京谷「あー…………えと、その…」

咲夜「じゃあ!答えて!『私と付き合うのか、そうでないのか』!!」

京谷「何でその質問になるの!?」

咲夜「さっさと答えなさい!!」

京谷「うぐぅ…………………」

咲夜「…………………」

京谷「……………………………」

咲夜「………………………」

京谷「

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    『付き合ってもらいませんか?咲夜』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

咲夜「!!!」

京谷「な、何か“ちゃん”を付けないで呼ぶと、ちょっとあれだね。はははっ。」

咲夜「…………フフッ。」

京谷「???」

咲夜「てーい!!」

京谷「のあっ!?」

 

咲夜は京谷を押し倒す。

 

咲夜「♪~~」

京谷「さ、咲夜ちゃ「ちゃん付け禁止。」……咲夜、一体何を?」

咲夜「やーっと言ってくれた!嬉しい!」

京谷「あぁ、そうなの。」

咲夜「♪~~」

京谷「………そろそろ寝る?」

咲夜「一緒にね♪」

京谷「へいほい。」

 

 

 

 

 

『スティッキーフィンガーズ!!』

紅魔館にて。

 

レミリア「(咲夜の運命をちょちょっと弄ってみたけど、やっぱり家族の笑顔を見れるのは嬉しいわね。てか、京谷が鈍感過ぎてこうするしか無かったけど…京谷の反応が面白いわねぇ。)」

 

ゲスな笑顔をしているレミリアが部屋に居た。

 

 

 

 

 

 




どうも、うぷ主の鬼の半妖です。
いやー、書いてて恥ずい。それにの恋愛系書くのが苦手というね。
因みに、ここで京谷君は『世界《ザ・ワールド》』で24 秒、『星の白金・世界《スタープラチナ・ザ・ワールド》』で12秒止められる事が出来るようにました。
では、次回もお楽しみに。

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