長月視点です。
「ハアッハアッ…」
「ねえ、いつまでそうしてんの?そろそろ動かないと寒いんだけど」
北上さんは退屈そうに倒れている私を見て言う。もう何度目の挑戦だろうか?ここまで当たらないとは思っていなかった。
北上さんはほぼ無傷、弾も魚雷も消費無し。対してこちらは弾薬、魚雷の余裕はまだあるが多数の打撲及び擦り傷がある。
彼女は近接格闘のみで私を相手しているのだ。弾も魚雷も当たらず、機銃では威力が足りない。撃っている間に接近を許し、蹴られ殴られ今に至る。
「クソッ!」
私は痛む体を立ち上げ、再度主砲を構えた。
「あ、休憩終わった?」
北上さんは言い終わるとこちらにゆっくりと向かってきた。完全に嘗められている。私は下がりながら彼女に向かって主砲を撃ち続ける。
「闇雲に撃っても当たらないんだよねぇ~」
「ああっ!?」
足を払われ転がされる。北上さんは右手の主砲を私の頭にくっつけて溜め息をつく。
「だーかーらー、さっきからどこを見て弾撃ってるのさぁ。私の居たところを撃っても意味無いじゃん!私は止まってるだけの訓練用の的じゃあないんだからさー」
私だってそんなことはわかっている。しかし、北上さんの動きが読めないないのだ。イロハ級やホト級なら大きいため当たるのだが、それらに比べ彼女は小さく速い。
「動きが読めないならさ、近づいて撃ちなよ。近づくほど貰いやすいけど、近づきさえすれば長月でもあたるでしょ?」
彼女は私の考えを察したのかもう一度溜め息を吐き、近づいて撃つよう私に促す。
「そんなことをしたら隊列を崩すことになるのでは?」
「そのまま、敵を全部殺っちゃえば問題なくない?」
次元が違う答えが帰ってきて、何も言えなかった。
「うん、そうしよっか!とりあえず適当に撃ったげるから長月はそれ避けながら私に触れる訓練に変更で」
「勝手に訓練内容を変えて大丈夫なのですか?」
さすがに一応上官にあたる店長の指示を勝手に変えると不味いと思い具申する。
「あー、大丈夫だよ。元々長月の戦闘スタイル見るためのガチ戦闘だから、さすが大人げないから艤装はほぼ使わなかったけどね。」
「ということは……」
「おめでとう長月、君に近接射撃及び雷撃の極意を授けてしんぜよう!」
笑顔で言う北上さん。それを見て私はあぁ、この笑顔から逃げることは死ぬときだけなんだろうなぁと悟った。
その訓練を後に長月はこう語っている。
「はっきり言って後にも先にも今回ほど修復剤を垂れ流すように使った訓練は無かった。」(青葉通信にて)
やっぱり戦闘描写なんて私には無理なんだ……(悟り)
更新遅れ、無理矢理終わらせてごめんなさい!!