響とベールヌイに関しては同じものとして扱い、ガングートとの会話時のみ、ロシア呼びをすることにしました。
今回はもしかしたら話の内容が人を選びますので不快な思いをした方はごめんなさい。
やあ、暁型駆逐艦の響だよ。
私は現在、酒保にウィスキーとウォッカを買いに来ているんだが一つ問題が生じてしまった。
え?子どもがお酒を飲んでも問題ないのかだって?大丈夫。見た目は子どもだけど私たちは艦娘だ。つまり軍艦であるから人間の法律は適用外ってわけさ。まあ、さすがに鎮守府の外では飲めないけどね。
さて、それで何が問題かというと、どうやら今日の酒保のバイトは雷と電らしい。これが暁や他の鎮守府の雷と電であればこのまま何食わぬ顔をして、お酒を買って自室に戻るところだが、ここの二人の前でそれをやると少々問題が発生する。
「ありがとうなのですー」
「少しオマケしておくわね!」
具体的にどんな問題が発生するかというと、取り上げられるのだ。
この二人はどうも私がお酒を飲むことを嫌っているらしく、私が飲んでいるのを発見すると体に悪いやら子どもは黙ってジュースなのですやら、とにかく私からお酒を遠ざけようとするんだ。ちなみに、これが暁なら、ほとんどジュースではあるがスクリュードライバーとかにしてあげると一緒に飲んでくれる。
そのため、いつもお酒を買うと私はそれを店長か鳳翔さんのところに置いている。たまに夜とかに暁と抜け出して一杯やって帰るのだ。ただ、暁を連れていくと次の日必ず二日酔いになってベッドから起き上がれないため、バレてピンピンしている私がそのぶん二人から怒られるのだが、姉と飲む酒は楽しいのでこれが止められない。
さて、どうしたものか……バレないようにギンバエをするか、それとも諦めて鳳翔さんのところでボトルをキープしておいてもらうか……
「Βepный、そこで何をしている」
「ッ!?あぁ、Γангут дваか驚かさないでくれ」
「いや、声をかけただけなのだが」
彼女はガングート、最近着任したばかりではあるが、同じロシア艦ということでそれなりに仲がいい。暁がいないときは彼女と店長のところで飲むことが多い。まだ、字が満足に読めない彼女に鳳翔さんのところは敷居が高いらしく、読み書きができるようになったら行きたいといつも言っている。
とりあえず、私はガングートに今の状況を説明した。
「実は今日の酒保のバイトが雷と電なんだ……」
「なるほどな、いいだろう。私が代わりに買ってこよう。」
「いいのかい?」
「任せておけ。」
「Cпасибо」
「貴様と私の仲だ。気にするな。」
彼女には本当に頭が下がる。今度読み書きの練習に付き合おう。
「待たせたな、さて行くか」
「行くってどこにだい?」
「私の部屋に決まってるだろう?飲むぞ」
「今からかい?わかった少し待ってくれ、部屋に書き置きと暁を探してくるよ。前から気になっていたんだろう?」
「わかった、では先に準備をして待ってるぞ。」
「それじゃあ、また後で」
私は彼女に背を向け走り出す。大好きな姉と新しくできた友人、この二人と一緒に過ごす時間に胸を踊らせながら。
「……そのうちどうにかしないとな」
酒保から走り去る響、店内で働く二人、そして今日はまだ姿を見ていない一人を思い、彼は苦い顔をして呟いた。
どうでしたか?
そのうち、シリアスを入れたいと思います。