また、今後もちょくちょく書き方を変えますが基本的には前の話の様な感じでいきます。
そして更新が家庭の事情により停まってしまい大変申し訳ありませんでした。
月曜日、マルゴーマルマル。毎週月曜日、店長の朝は早い。
彼は起きると手早く着替え、身支度を整えると下に降りる。
「へんひょう、おふぁようほざいまふ……」
気の抜けた返事をするのは、前日から夜勤で働いている川内だ。
この時間帯になると集中が切れ始め、この状態になる。そのため、この時間帯は駆逐艦娘と一部の空母艦娘から銀蝿タイムと呼ばれている。
もっとも成功するのはごく一部の選ばれた艦娘のみである。なお、毎週月曜日は店長が朝早いため、そのような愚行を犯す艦娘はいない。
「それじゃあ行ってくる、朝飯は冷蔵庫に入ってるから適当に食ってくれ。」
「…いっへらっしゃ~い」
今にも寝そうな川内に見送られ、彼は本日最初の仕事へと向かう。
彼が向かった先は空母寮、その玄関では既に二人の艦娘が彼を待っていた。
「おはようございます、店長。今週もまたよろしくお願いしますね。」
「おはようございます、店長。はい、これ袋と軍手です。」
丁寧な挨拶をする、艦隊の母、鳳翔。挨拶と共に仕事道具を渡してくれる龍鳳。この二隻が彼の月曜の朝をサポートしてくれるスタッフである。
「ああ、毎週スマンな」
「いえ、これは
鳳翔が空母寮の玄関を開けながらため息をついて言う。
玄関をくぐって、まず最初に目に写るのは散乱したカンや瓶である。その奥では数隻の艦娘が酒に溺れて轟沈している。彼は漂う酒の臭いに顔をしかめながら、沈んでいる彼女らを起こさないよう空のカンや瓶を回収していく。
そう、毎週月曜日の仕事とは週末空母寮で行われる、呑兵衛たちの後始末である。艦隊規模が大きくなるにつれて二人では手が回らなくなってきたところ、事情を察した彼も参加することにしたのだ。
黙々と作業を進めること30分、ようやく回収が終わると彼はサポートの二人に指示を飛ばす。
「終わったな、じゃあ、龍鳳は集めたカンと瓶を明石に届けて再利用するよう言ってこい、鳳翔は今回の収穫を持ってきてくれ。」
しかし、彼もただ善意のみで片付けを行うわけではない。ちゃんとそれなりの旨味があっての参加である。
「お待たせ致しました。こちら本日の報酬となります。お納めください。」
鳳翔が持ってきたのは先程まで呑兵衛たちのまわりに置いてあった酒の余りである。彼は毎週、後始末をする代わりに飲み残しを報酬として持って帰り、晩酌に活用するのである。もちろんそれを黙って見過ごすほど呑兵衛たちも甘くはない。
「「あたしだちの酒をかえせーー!!!」」
隼鷹たち呑兵衛、数隻が彼らに襲いかかる。
「甘い!」
彼はバックからタッパを取り出し、それを宙に放る。
「ッ!!」
瞬間、呑兵衛たちは全て地に伏せており、立っているのは赤い袴の艦娘だけであった。
「ご無事ですか店長?」モグモグ
「後で食え、赤城。いや、しかし今週も助かったわ。」
そう、正規空母の赤城である。彼女は彼から料理を貰うかわりに呑兵衛たちの撃退役を買って出てくれてる。ちなみに今週は肉巻きおにぎりである(串付き)。
「しかし、貴方たちも懲りませんね。そろそろ節度というものを覚えてもいいのでは?」
「「無理です」」
「「はあっ……」」
即答に呆れる赤城と鳳翔。
「さて、じゃあ俺は帰るからあとは鳳翔任せた。」
「わかりました。彼女らはどうなさいますか?」
「とりあえず、酒が抜けるまでランニング。酒が抜けきったら、全員潜水艦との
「「死んだ……」」
「ヒトミ、私今日帰れないかもしれない……」
空を仰ぐ呑兵衛。しかし、その瞳に光は無い。
「んじゃ、お疲れさま。」
「お疲れさまでした。来週もよろしくお願い致しますね。」
「来週は魚料理でお願いします。」
鳳翔にお仕置きメニューを告げると嘆く呑兵衛たちを背に彼は空母寮を後にした。
余談であるが、このお仕置きメニューのお陰で素面の時の彼女らの回避率は鎮守府の中でもトップクラスだったりする。
今回は鎮守府の呑兵衛とお艦たちのお話でした。
赤城さんや鳳翔さんにに関してはそのうち個別に書きたいと思います。他の娘は思い付くようなら書きたいです。
【注意】月曜日のお話なのに土曜日に投稿したことについては突っ込みを受け付けません