艦これはじめてそろそろ一年の私がついに二次創作に手を出しました!
生暖かい目で見ていただけたら幸いです!
初めまして、朧です。
いきなりですが、この鎮守府は他所と違って提督以外にも男性がいます。酒保の店長です。
え、明石じゃないのかって?明石さんは夕張さんと酒保そっちのけで工廠に引きこもってますので代わりに店長が酒保を預かっているそうです。
しかし、艦娘は女の子しかいません。酒保では艦娘の下着とかも扱います。このままだとセクハラですね。そのため、数人の艦娘がバイトとして酒保で働いています。
実はこれからアタシはその酒保にバイトに行くところです。今日は第7駆のみんなと旅行に行くための資金を稼ぎに来ました。
さて、これから私たち艦娘と店長による物語が始まります。
「店長ー、この商品どこに置きますか-?」
レジでカタログを読んでいる店長にアタシは商品の位置を聞いた。
「ん?ああ、その商品は装飾品の棚の下に置いといてくれや」
店長はカタログに目を向けたまま答える。
「わかりましたー。ところでコレこんなに必要なんですか?」
アタシの手に大量にあるのは髪を留めるピンだ。出撃の際、飛んでいってしまうこともあるので消耗品ではあるがさすがに小さな段ボールとはいえ、溢れだしそうなソレは異常だと思える。
「青葉が大量に買ってくんだよ。」
読んでいたカタログから目を離し、嗤いながら言う。嫌な予感がした。
「用途は?」
「ピッキングだな」
「えぇ……」
この鎮守府の青葉さんはスクープのことになると手段を選ばない。インタビュー、盗聴、盗撮、アンケート等で話題を見つけてきては新聞にしては皆に追い回されている。しかし、妙に面白いので禁止されず、皆自分に来ないことを祈りながら新聞を楽しんでいる。
「ていうか、あの人ピッキングできたんですか?」
「受講費は一回一万円だ、お前もどうだ?」
「遠慮します」
あ、店長直伝ですか……
「そうか、それにしても漣遅えな、トイレにどんだけ時間かけてんだよ」
「たぶん、サボってケータイ構ってるかも?」
「わかった、おーい、曙ー!」
店長が男性厳禁!と書かれている垂れ幕に顔を突っ込み、曙を呼び、しばらくしてスコーンと言う音ともに店長は後ろにひっくり返りました。
「ッテェ、お前ぇ何しやがる!こちとら雇い主だぞ!」
「アンタの目は節穴なのかしら?このクソ店長!男性厳禁って垂れ幕に書いてあんのになんで入ってくんのよ!」
曙が怒鳴りながらでてくる。片足が靴下なことから先ほど投げたのは靴だろうとアタシは予測する。
「はいはい、俺がわるーござんした。んで、本題だけどトイレに行ったまま戻ってこないピンク頭を連れてきてくんね?」
「はあ?なんでアタシがそんなことしなきゃなんないのよ!」
「お前が一番適任だからだ。別に漣だけ給料無しでも俺は一向に構わないんだぞ?」
店長の一言にアタシたちは固まる。漣の給料がでないということはそれだけ旅行が遠退くということである。それはマズイ。アタシは曙にヤれとアイコンタクトで伝える。曙にアンタが行きなさいよと返されるが顔を横に反らしてやり過ごす。
「わかったわよ!呼んでくりゃいんでしょ!呼んでくれば!」
「んじゃ、頼んだわ」
折れた曙はドスドスと音を立てながらトイレに向かい、なにやら怒鳴っているようだ。しばらくすると叫び声が聞こえ、先ほどよりスッキリした表情の曙に真っ白になったピンク頭もとい漣が引きずられてきた。
「よう、サボり魔」
「よう、店長」
「お前、今度の朝、単艦な」
「ソレだけはヤメテ!?」
「サボったお前が悪い」
「ぐぅ……!なんもいえね~……」
単艦とは朝のレジを通常二人で行うところ、一人で行う罰である。普段は盗撮などが見つかった青葉さんや酒を飲んで暴れた隼鷹さん等々、様々な艦娘がこの罰を受けている。無論、漣も常習犯である。
「店長さーん!お仕事終わりました~。」
「潮ー!助けておくれ~」
「きゃっ!漣ちゃんどうしたの!?」
書籍コーナーでの仕事を終えた潮が漣に抱きつかれ驚いている。首を縦に降るまでしがみついていそうなので、とりあえず潮に理由を話す。
「なら、漣ちゃんが悪いね。えいっ!」
「ぬおっ」
「じゃあ、あっちで少しお話しようか?ね?」
「やっべ、逃げっ……られないだと!」
潮は離れない漣を無理やり引き剥がし、襟首掴んで隅っこに連れていく。漣は逃げようと必死でもがくが全く逃げられない。潮は顔だけ笑っているが目は笑っていない。何気に怒らせると一番恐ろしいのが彼女である。
「あんなん服脱ぎゃ一瞬で逃げられんのにな」
「一応、あれでも女よ?アイツ」
「曙も大概酷いよね……」
「それな。じゃあ、あとは片付けて二人回収したらあがっていいぞ。漣にあとで酒保棟に来るよう伝えとけよ?」
「「わかった(わ!)」」
この後、私たちは片付けをして、二人を回収し、夕勤の蒼龍さんと飛龍さんに引き継ぎをして寮にもどった。