白の狐は何を見る   作:橘 聖

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キャピキャピリン
どうも、橘聖です

ほぼ一ヶ月空いてしまいました
その点については大変申し訳ございません
ただ、リアルでの部活やテスト前ということもあって、あまり書く時間がなかったのです
もう、はい、それは本当に

ついに来ました宴会回
しかしいつものごとく上下に分かれるパターン
しかも筆者ですら宴会回のゴールが見えていないというこの見切り発車感満載のUA数1000記念回

そんな感じの作品ですが
『24.月夜の宴は星空の下で(上)』、どうぞ!


24.月夜の宴は星空の下で(上)

ワイガヤワイガヤ

 

ただいま宴会の真っ最中

俺は料理の運び役を担っております

ただ、こいつらが邪魔をするんだが…

 

「もっふもふぅ♪」

 

「あ゛~生き返るわぁ~」

 

レミィと紫が尻尾に巻かれて、尻尾の感触を楽しんでるんですわ

巻いてるのはお前だろ、だって?

しょうがないじゃん、だって真後ろで尻尾を凝視されてたんだもん

触るなとは言ったよ? だからって見続けるってのを思いつくとか考えつかないじゃん

だから、もう諦めてそれぞれ一本貸してるの

そしたら二人とも『巻かれたい』とか言い始めるからさ。仕方なくだよ、うん

まあ、料理運びに使うのは多くても五本だからいいんだけどさ

 

ちなみに残りの二本は消してます、じゃないとこいつらが欲を出してくる

あ、ほら、紫が思考を読んだかのようにこっち見てきやがった

 

「尻尾残り二本出して~」

 

「やだよ、めんどくさい。というか宴会始まってるんだから飲み食いしてこい」

 

「霜月が来ないと私たちは何もできないのよねー」

 

「ねー」

 

「俺は暇じゃないんだ。というかレミィも話に乗ってこなくていい」

 

ただでさえ料理運んでると、苦労している父親に向けるような視線をいくつも向けられるんだが

おい幽々子、あんたはちょっとは遠慮を知れ

あんただけは料理をがっつきっぱなしじゃないか

 

そしてパチェ、お前のその目はなんだ

まるで親友が嫁にもらわれたときの婿に向ける視線じゃないか

そんな視線を俺に向けるんじゃない

 

「しもつきぃ~、わたしの、さけがぁのめないってぇのかぁ?」

 

「うわ、酒くさっ。慧音、お前酒に弱かったっけ?」

 

「ちょっと慧音、失礼だろう」

 

酒に酔っぱらってこっちに来た慧音の後ろから現れたのは、長い銀髪にリボンをつけ、長い垂らしがついたもんぺを着た女性だった

 

「おう、妹紅、お前も来てたのか」

 

「まあね、慧音から酔ったときのストッパー役として呼ばれてたわけだが、いつもより羽目を外してるからか手に負えなくてな」

 

「そのストッパーが仕事してないのは…」

 

「だって慧音がどこからともなく酒瓶持ってきて一気飲みしたんだよ。止める隙もなくああなってしまった」

 

妹紅と共に慧音の方を見やる

 

「れいむぅ~、わらひにひゃくをひれふれぇ」

 

「ちょっと、あんたもう酔ってんの? しかも何言ってるのか聞き取れないわよ」

 

「にへへぇ~…う゛っ…」

 

笑顔が一転、ものすごくやばそうな顔に変わる

 

「あー、妹紅、行ってやってくれ」

 

「はいよ、どこがいいかな」

 

「そこらへんの茂みで大丈夫だろう。さっさと吐かせて楽にしてやれ」

 

「ほいほい。んじゃ行ってくる」

 

慧音の方へ走っていく妹紅を見送る

なんか、こう見ると母の世話をする子どもみたいな感じがする

周りが静かならよかった…あ、やばそう

これは―…よし、仕方ない

 

「我慢してくれよっ!」

 

あることを思いついたので、その場から跳躍をして慧音の横に着地する

そのまま、うずくまっている慧音を残っている尻尾で腰辺りを巻いて、後ろに引き勢いをつける

 

「ちょっ、霜月、何する気だ」

 

「妹紅、すまない。慧音の無事を祈れ」

 

そして、慧音をそのまま向こうにある茂みへ思いっきり投げる

慧音の反応を見る間もなく、慧音は茂みに突き刺さる

瞬間、慧音の方から吐瀉物が地面に流れていく音と表現しがたい声が聞こえてくる

なんとか間に合ったようだ、よかったよかった、めでたしめでたし

 

「めでたくない。慧音がけがしたらどうする気だ」

 

さらっと心の声を聞かれてるわけですがなぜなんでしょう

 

「半人半獣だし、多少は大丈夫だと思って投げたんだが」

 

「それでも限度ってものがあるだろう」

 

「限度って言ったって茂みにシュートしただけだろう。人間ならけがするかもしれないが慧音ならけがしないとふんでやったから大丈夫」

 

「だが予期しない結果になることもありえただろう。例えばその茂みに妖怪が隠れていたりしたらどうする気だったんだ」

 

「人里の守護者と呼ばれる慧音だぞ? ここの近くに来る妖怪なんぞ弱小だろう」

 

「それは霜月が弱小だと言ってるようなもんだぞ?」

 

「あ゛? なんだって?」

 

「耳が遠くて聞こえなかったか? 霜月が弱いって言ってるんだよ」

 

…ははは

やってやろうじゃないの

 

「はい、そこらへんで止めにしておけ」

 

火花(物理)を散らしていた俺と妹紅の間に割って入ってきたのは、先ほど茂みに刺さりつつ戻していた慧音だった

 

「慧音、もう大丈夫なのか?」

 

こちらから視線を外し、慧音の容態を確認する妹紅

向こうが喧嘩をふっかけてきておきながら…ああイライラする

 

「まあ、胃の中のすべてを出したから楽なほうではあるかな」

 

「そうか、良かった。それで、投げられたときにけがはしてないか?」

 

「いや、してないぞ。なんだ、心配してくれたのか?」

 

「べ、べつにそんなわけないし…」

 

…やる気失せたわぁ

なんでここでそんな属性出すかねぇ

もういいや、ここにいたら甘々の波に飲み込まれかねない

 

そういえばまだ手伝いの途中だった

後ろの二人は器用にスキマ使いながら宴会楽しんでるし、もうこれ降ろしていい?

二人なのに、もう酔ってうるさいし

…なんで主催者がこんな気分が落ち込んでるんだ。誰か理由を教えてくれ

 

「しもつきぃ、のんでりゅう?」

 

そんな気分の中、後ろで騒いでいた一人、紫がこちらへ話しかけてきた。が、完全に酔ってる

 

「もうベロベロじゃないか。飲むのは周りが静かになったらな」

 

「やだぁ、しもつきといっひょにのみたいぃ」

 

「呂律が回ってないやつに飲ませるお酒はあいにく無いんだ」

 

「やーだ。まだのむのぉ」

 

「飲むと言って焼き鳥の串だけを振ってるのはいったいなんだ。もうお前は休んどけ」

 

「やだ。まだこのしっぽをたんのうひらいのぉ」

 

「…はぁ、わかったわかった。お前がそのときまで起きてるならいっしょに飲むから、だから尻尾を引っ張るのだけはやめてくれ」

 

紫が尻尾を堪能したいとか言うと同時に尻尾を引っ張らないでくれますかねぇ

俺の種族の象徴でもあるからな、それ

 

「……すぅ」

 

「ん? 紫、お前…寝るんかい」

 

散々飲む飲む言っておいて言い終わったら寝ましたわ

レミィは尻尾に噛みついた状態で寝息たててるし

 

…いや、なに噛んでくれてんの?

いやいや、さっき俺の種族の象徴とか言ってたのを噛むとか何してくれてんの

尻尾を引っ張られたときの痛みで、噛まれたときの痛みがわからなかったのか?

それでも許可なく噛むとか教えたやつ誰だよ、親の顔が見てみたいわ

…それって半分俺になるのか?

ツェペシュが肉親になるが、育て親と言われたら俺…なのかな

だが俺は教えてねぇ! そんなことは言ってぬぇ!

 

ゴホン 話がそれた

まだ始まって数時間しか経ってないけど、まだ騒いでるのが大半

酔い潰れて寝てるのはちらほら見かける

…神社の本殿の中に勝手に寝せていいのかな

さすがに地面とか石畳の上で寝かせるとかいう鬼畜巫女でないことを祈ろう

 

紫、レミィをはじめとする数人の寝ている人妖を寝かせる

俺が知らないやつもいたから挨拶回りくらいしておけばよかったかな

 

 

 

主催者がほぼ飲み食いしないまま、月はゆっくりと昇っていく

だが、これはまだ宴会の序章に過ぎない




さあ始まりました今更感たっぷりのUA数1000記念の宴会回

そしてもうすぐUA数7000を超えそうで喜んでいいのか戸惑ってしまう今日この頃

次回更新はもう少し早めにしたいと思っています

感想・評価、お待ちしております
それではまた次回お会いしましょう、さようなら





霜月「で、どうだった?」
紫「FPSのゲームとか戦争ゲームのことばっかり考えてたわ」
霜月「ゲームのことばっかりじゃねぇか」
紫「でも部活があったりとか、リアルが忙しいのは本当みたいよ」
霜月「…筆者に暇な時間ってあるのか?」
紫「時間があったらすぐゲームだからねぇ」
霜月「…まあ、次からゲームやってたら燃やしますわ」
紫「じゃあ私がスキマの中でギッタンギッタンにしてあげますわ」

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