白の狐は何を見る   作:橘 聖

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キャピキャピリン
どうも、橘聖です

GWのくせして投稿間隔はほぼ変わらないというね
いや、筆が進まなかったんですよ
今回はほんとに、本気と書いてマジで

あ、『天人お嬢様に恋をした』という小説を書き始めました
恋愛もので、オリ主と比那名居天子の話です
向こうも不定期更新ですし、表現が乏しいですが…

さて、他作品の話もここまでにしておいて
『22.宴会準備(中)』、どうぞ

…記念回が私から遠ざかっていく


22.宴会準備(中)

持ってきた材料をほぼ使い切ったとき、境内の方から話し声が聞こえる

参加者が集まりだしたようだ

まだ開始まで一時間以上あるが、気が早いなぁ…

来た参加者にそんなことを思いつつ、料理の手を止め境内へ向かう

 

外に出ると紅魔館メンバーが来ていた

全員なのかは知らないが、俺が紅魔館で会ったメンバーは全員顔を見せている

紅魔館の門番、紅美鈴

図書館の管理人、パチュリー・ノーレッジ

吸血鬼の従者、十六夜咲夜

紅魔館の主、レミリア・スカーレット

吸血鬼の妹、フランドール・スカーレット

その五人が境内にビーチパラソルを地面に刺して敷物を敷いて霊夢と話していた

 

「来てくれてありがとなー」

 

感謝の言葉と共に軽く挨拶をする

 

「あら、霜月ももう来てたの?」

 

そう言ってくるのは足を組んで優雅に座っているレミィだ

ただ、そこまでは何ら変わらない

…なんで美鈴が四つん這いになってその上に座っているんだ

 

「いや、まあ主催者だから早めに来ておくのが普通だろうが…なんでレミィは美鈴の上に座ってるんだ」

 

「ああ、これ? なんか地面に座るのは抵抗感あってね。だから美鈴を椅子代わりにしてるのよ」

 

「…美鈴の気持ち、確認したか?」

 

「ええ、もちろん。『美鈴、椅子代わりになってくれないかしら?』って言ったら『……はい』ってちゃんと肯の意を示してたわよ」

 

あれは明らかに『そんなこと絶対にやりたくないけど主の願いだしやらなきゃ解雇されるから仕方ない』とか思ってそうな返事だぞ

ほら、現に美鈴が助けを請うような目でこっち見てるじゃん

…仕方ない、助け船出すか

 

「レミィ、降りてやれ」

 

「え、嫌」

 

簡潔な否定の言葉ですか

美鈴の哀れな姿を宴会で披露するのは気が引けるので半強制的にレミィを降ろしますかね

 

「降りなさい」

 

殺気を放ちながら命令形の言葉を口にする

すると、その殺気を感じたレミィは顔を青くしながらゆっくりと美鈴から降りる

 

「美鈴、大丈夫か?」

 

「あ、はい、ありがとうございます」

 

体育座りして膝を抱えたまま震えているレミィに聞こえないような小声でお礼を言ってくる

 

「いや、いいんだけど…やりすぎた?」

 

「…やりすぎでしょうね」

 

「…行ってくるわ」

 

レミィがあんなに震えていたのはやりすぎとの声が聞けたので、いまだに震えているレミィの横へ行く

そのとき、やはり体を一層震わせていたのは見間違いではないだろう

レミィの頭に手を乗せ、ゆっくりと撫でて安心できるようにする

 

「ごめんな、レミィ」

 

謝りつつも手は止めないようにする

すると数分の内にレミィの顔はいつもと同じような色に戻り、震えはもうなくなっていた

 

「…もう大丈夫」

 

今更ながらこの状況を理解したのか顔を赤らめるレミィ

本人の口から大丈夫の言葉か聞けたので頭から手を離す

…時間とりすぎたかな

 

「すまない、時間をとってしまった。まだ料理を作り切ってないからここで一度席を外させてもらう」

 

紅魔館メンバーに向けて話す

すると、フランの面倒を見ていた咲夜が手を挙げた

 

「私もお手伝いしてもよろしいでしょうか」

 

「気持ちはうれしいけど参加者に準備をさせるのは気が引けるからいいよ」

 

「…ではこれでも同じことが言えますか?」

 

その言葉に疑問を持った瞬間、俺の目の前に俺が持ってきた半分程度の食材が現れた

咲夜の発言からして紅魔館メンバーが持ってきた分なのだろう

でも、この量は…

 

「…お願いします」

 

「わかりました、紅魔館のメイド長として恥じないような料理の腕を振るわせていただきます」

 

待ってましたと言わんばかりの笑顔で宣言する咲夜

…料理好きって女子力高いな

 

ここだけの話、レミィは料理の腕は悪くはない

オムレツを作るときでも、卵を割ると必ず殻が入るし、焼いた卵をひっくり返すときも必ず形が崩れる

だけど見た目が悪いだけで味は良いのが玉に(きず)である

対してフランも悪いわけではない

卵を割るのは片手できれいに割れるし、殻も入らない。焼いた卵をひっくり返すときは見本のごとくきれいに盛れる

しかしこっちは味があれだ、やばい

砂糖と塩を間違えただけじゃあるまいし、ひと口、口に入れると形容しがたき味と風味が脳まで突き抜ける

しかもその後飲み込もうとすると、何かが喉に詰まってなかなか飲み込めない

水とかで押し込んだら胃の中がおかしくなりそうな感じがする

あれはまじでやばい、もう二度とフランには料理させないと誓った瞬間だったね

レミィが下準備してフランが調理したらちょうどいいんじゃないのかな

…確証はないけど

 

ゴホン…話がそれた

 

昔の思い出に浸っているうちに咲夜は見えなくなっていた

目の前にあった食材もなくなってるし調理場へ向かったのだろう

 

「それじゃあ俺もお手伝いに…あ、また誰か来た」

 

調理場に戻ろうとしたとき、階段から人影が見えたので挨拶を兼ねて向かう

 

来たのは銀髪の女の子と桃色の髪の女性

そう、妖夢と幽々子だ

 

「今回は来てくれてありがとう、ゆっくりしていってくれ」

 

「言われなくてもそうするわよ」

 

「今回はお誘いいただきありがとうございます」

 

変わらない雰囲気で話す幽々子とかしこまる妖夢

 

「そんなかしこまらなくていいよ、妖夢」

 

頭を下げる妖夢

わかりました、と受け取っていいんだろう

…で、気になってるんだけど

 

「その妖夢が背負ってる大きな風呂敷は何?」

 

問われた妖夢は、表情を変えないまま一言

 

「何って、食材ですが…?」

 

食材…?

俺がスキマ経由で持ってきた量とほぼ変わらんぞ

それを背負ってこれるとか妖夢すごいな…

 

「でも正直もう十分と思うが…」

 

「ああ、霜月様は知りませんでしたか」

 

「何を?」

 

「幽々子様の食欲のことです」

 

幽々子の食欲?

記憶が正しければ普通だった気がするがそれがどうかしたのだろうか

 

「その様子だとわかっていないようですね。言ってしまうと、幽々子様の胃袋に底はありません」

 

「…はい?」

 

「昔は違ったのですかね? 幽々子様に満腹という言葉は通用しません」

 

「…そうなのか?」

 

幽々子に聞こうかと思ったら既に妖夢の横からいなくなっていた

姿を探そうとまわりを見渡すと調理場へ入ろうとしていた

…妖夢の言うことが本当ならやばい

暴走する前に止めなければ

 

今来ているメンバーは紅魔館メンバー、白玉楼メンバーのみ

しかしすでに騒がしくなりつつある博麗神社の境内である




まだ宴会本編までは遠そうです(白目

そういえば、なんかよく揺れを感じるんですよね
揺れといってもほぼ感じないような揺れですけど、不安です
…大きな揺れがこないことを祈ります

感想・評価、お待ちしております
それではまた次回お会いしましょう、さようなら





霜月「そういえば、また筆者が尊敬している人がこの小説をお気に入り登録してくださったらしいぞ」
紫「なんかそれ毎回言ってない?」
霜月「うん、まあ、これで三回目だな」
紫「そんなに…ありがとうございます」
霜月「これで筆者のモチベーションも上がるだろうな」
紫「でもGW終わりの落ち込みのせいであまり上がってなさそうよ?」
霜月「…学校って精神的に追い込む場所なのか?」

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