白の狐は何を見る   作:橘 聖

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キャピキャピリン
どうも、橘聖です

終わらない
いろいろ終わらない
休みだからって人狼ゲームしすぎた

『白玉楼でお泊り会』が終わらないよぉぉぉ
誰か、誰かこの流れを止めてくれぇぇぇ

昨日はエイプリルフールでしたね
ほんとは嘘をつくのは午前中だけらしいですね
まあ、私は家でゴロゴロしているだけなので嘘をつく相手もつかれる相手もいませんでしたけどね
…別に悲しくないよ…グスン

エイプリルフールの嘘は早めに嘘だとバラシてくださいね
取り返しのつかない事態になることもありますのでご注意ください

それでは『17.白玉楼でお泊り会(中Ⅱ)』、どうぞ

…上中下だけで終わんないよ、無理やりだよちくせう

あ、今回も少しグロシーンがあるかと思われます
苦手な方はご注意ください


17.白玉楼でお泊り会(中Ⅱ)

幽々子の部屋から出たが行くあては無い

泊まると言ったので白玉楼から出るわけにはいかない

 

ちなみに今は夜

寝ているうちに夜になったようだ

 

…それにしても、懐かしくて思い出したくないことを見た

幽々子が死んだときのこと

 

俺は西行寺家に仕えていた

なぜか、それは人間に慣れるため

ツェペシュの件から人間が嫌いになって数百年

人間慣れするために仕えた家が西行寺家だったのだ

 

そしてもうひとつの理由

人間に化けるのを慣れるための試し

人間は妖怪を嫌う

妖怪がどうしようとも人間は逃げる

だからこっちが工夫をしなければならない

その試験を西行寺家でしたのだ

 

結果から言うと、人間に化ける方は大成功だった

人間に慣れることも良くはなっていた

 

ただ、あの一件で人間慣れの結果は無になった

 

 

 

 

西行寺家に仕え始めて早数年

今は西行寺家のお嬢様、西行寺幽々子の側近になっている

幽々子からは懐かれ、『ゆーくん』などと呼ばれている

別に悪い気はしないのだが、なんだかむずかゆい

俺は立場上『幽々子様』と呼んでいるが、気に食わないらしい

なので、幽々子と二人きりのときは『幽々子様』ではない名前で呼んでいる

恥ずかしいので出さないが、その名を呼ぶと笑顔でこちらに寄ってくる

妖怪にもあるのかはわからないが、なんか、こう…父性本能というだろうか、そんな感じの何かがこみ上げてくる

そのおかげで人間慣れというか幽々子やその両親などとは仲良くなっている

 

こんな時間がいつまでも続けばいいのに、そう思ったのが間違いだった

妖怪と人間、生きる時代が同じでも流れる時間は違う

いつかは別れのときがきてしまうものだ

 

…そう、両親が亡くなったのだ

二人の最期は布団の中で眠るようにして亡くなった

この時代にしては長生きしたほうだろう

そして、部屋を整理

していると遺言状みたいなものもあった

幽々子の今後を考えたことや従者に宛てた言葉が書かれてあった

そこには俺に宛てられた言葉もあった

要約すると『幽々子をこれからもお願いする』みたいなものだった

もちろん、さすがにここで放り投げるわけにもいかない

改めて頑張ろうと思ったときだった

 

そしてそれからだ、幽々子がおかしくなったのは

ふらふらと部屋を出たと思ったら池をのぞきこみ、そのまま池に頭から落ちることもしばしばあった

また、夜中に起きて部屋を出ていくこともあった

そして両親が寝起きしていた部屋に行っては一人なのにも関わらずに声を出したり笑ったりしていた

 

そんな幽々子は見たくない

頑張って正気に戻そうと、西行寺家にある文献をいろいろ読んだ

しかし徒労に終わった

その間も幽々子はおかしくなっていった

部屋でずっと天井を見ていたり

爪で自分の腕をひっかいたり

自傷行為までし始めていた

 

そして、そのときは訪れた

料理長が包丁のひとつが無くなったという報告が始まりだった

会議では誰か泥棒が盗っていたのではないか、というのが最終結果だった

しかしそれにしては盗みの残骸が無いのが気がかりだった

桜の花びらが散る庭園には足跡一つ無かった

正面は警備が厳しいので入れる場所はこちらしかないはずなのだが…

そんなことを考えながら幽々子の腕の治療をした

そして気づくべきだった

幽々子の腕に鋭いもので切ったような傷が増えていたことを

 

その次の日、幽々子の部屋に行くと幽々子がいなかった

またどこかに行ったのか、と思いつつ探索をしようとした矢先、従者の一人の悲鳴が聞こえた

急いで悲鳴の聞こえた場所に行くと、幽々子がそこにいた

満開に咲いた桜の下、包丁を胸元に向けた幽々子が光の無い眼でこちらを見ていた

 

そこからは夢の内容の通りだ

目の前には幽々子の死体とそれに刺さった血に濡れた包丁

そこからはあまり覚えていない

気づくと桜の下、幽々子が死んだ場所に墓があった

そこはもう赤い液体は無く、桜の花びらがその場所を隠すように墓の上に積もっていた

 

雇い主を失った従者は散り散りになった

俺はもう信頼した人間を失う怖さを味わいたくなく、いつもの生活に戻ろうとした

しかし、いつもの生活に戻れるはずがなかった

考え事をすると、いつも思い浮かぶのは幽々子の笑顔

忘れようとするほど幽々子の笑顔が鮮明に頭に浮かぶ

 

夢にも幽々子の顔が出てくることがあった

その顔は笑顔だったが、思い出したくない笑顔だ

目には穴が開いてそこから血が流れ出ており、歯は欠け、顔のところどころは切り傷で血だらけになっていた

夢が覚めると背中には汗をかいており、額からも気持ち悪い汗が流れていた

 

もうこんな思いはしたくない

そう考え、人間と仲良くなることは無いようにしてきた

 

 

 

 

下駄を履き、池にかかっている橋に腰を下ろす

そしてなんとなく周りを見渡そうとしたら妖夢を見つけた

上半身はサラシだけで下半身はズボンを履いている

その妖夢は刀を振っている

おそらく素振りだろう

その洗練された動きに目を引かれる

妖夢はこちらが見ているとわかったのか、素振りをやめて汗を拭いこちらに歩いてきた

 

「霜月様、どうなされたのですか? こんな夜中に」

 

「いや、寝付けなくてちょっと外の風を浴びに、ね」

 

幽々子の従者だからこの嘘で察してくれるだろう

 

「…私もあまり寝付けなくて素振りをしていたのですが、疲れたので休憩に入ろうとしていたところです」

 

「それは良かった。それなら少し俺の話し相手になってくれないか?」

 

「私で良ければ」

 

妖夢も察しが良くて助かる

しかも疲れたというのは嘘だと思う

おそらくこちらに合わせてくれたのだろう

 

ある程度話した後、妖夢は汗を流したいということでお風呂に向かった

一人になった後、桜を眺める

散っていく花びらが池に落ちるたび、俺の心が少しづづではあるが晴れている気がした




苦しい
表現能力がなくて苦しい

活動報告にて行っている登場人物アンケート
ただいま二名の方が書いてくださっています
ありがとうございます
期限は…『白玉楼でお泊り会』が終わったらUA1000到達記念回のアンケートは締め切らせていただきます
ただ、登場人物アンケート自体はいつでも募集中なのでお気軽に書いてください

感想・評価、お待ちしております
それではまた次回お会いしましょう、さようなら




霜月「ホラーゲームに出そうな顔を思い出してくれれば夢の幽々子の顔が想像しやすいかと」
紫「…そんな顔の幽々子は考えたくないわね」
霜月「あ、紫」ガシッ
紫「…なんで私の首根っこを掴むのかしら?」ダラダラ
霜月「あの置き手紙はなんでしょうか?」ニコニコ
紫「いや、ほら、あんな美女が二人いるからさ…」ガタガタ
霜月「死刑、さよなら」
紫「いやあぁぁぁぁ!!」


藍「…今頃なんか罰が執行されてるんだろうなあ」
橙「…紫様、ご愁傷さまです」

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