白の狐は何を見る   作:橘 聖

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キャピキャピリン
どうも、橘聖です

リアルではいろいろ疲れることが身の回りで起こってるんですが、私はそれでも小説を書くことは止めません
妄想を膨らませて書くのってすごい楽しいんですもん

それと今更なのですが、霜月の口調がごっちゃごっちゃになっています
敬語もあればタメ口もあったり
そんな駄文の作品ですが読んでくださる方がいらっしゃって感激です

さて、涙を流している橘聖は無視していただいて
『11.魔法の森の人形遣い』、どうぞ


11.魔法の森の人形遣い

幽香から教えられた魔法の森に行ってみる

 

そこは、日中だというのに薄暗くジメジメとしており、決して気持ちのいいところではなかった

 

「ひまわり畑と対照的なところだな」

 

そんなところを適当に歩いて進んでいく

 

 

 

生い茂った草をかき分けて進んでいると開けたところへ出た

その開けたところにはひとつの建物があった

 

「ここがアリス・マーガトロイドの家なのか?」

 

表札みたいなものも無く、所有者が誰なのかはわからない

 

「横文字の名前だし、洋風の家だから合ってるのか…?」

 

いくら推測しても答えは当然わからない

ということで扉をノックしてみる

 

「だれかいないかー」

 

礼儀は知らん

 

「どなたかしら」

 

扉を開けて中から出てくるのは、幽香の家で見た人形とほぼ変わらない姿をした女の子だった

 

「失礼した、俺は霜月という。幽香の紹介でアリス・マーガトロイドに会いに来たんだけど」

 

「あら、幽香の知り合いなのね。アリス・マーガトロイドは私よ、アリスと呼んでちょうだい」

 

「ん、わかった。よろしくアリス」

 

「こちらこそ、よろしくね」

 

玄関先で挨拶を済ませてアリスの家に入る

木で作られたシンプルな椅子と机、レンガでつくられた暖炉、きれいにされたキッチン

そして、棚の上には人形

机の上には人形

浮いているのも人形

アリスの肩の上にも人形

 

いたるところに人形があった

 

「…人形が好きなんだな」

 

「そうよ、なにか文句でもあるの?」

 

「滅相もございません」

 

「…ふふっ」

 

会ってから無表情だったアリスの顔に笑みがこぼれる

 

「いい笑顔だな」

 

「ふえっ」

 

急に顔を赤らめるアリス

 

「…口説こうとしてるの?」

 

「…ああ、すまない、そういう意味で言ったんじゃない。無表情より笑顔の方が人が集まるだろうってことだよ」

 

「的確に弱点突いてくる…」

 

膝から崩れ落ちるアリス

 

「どうしてあなたは私の心をそんな簡単に抉ってくるのかしら…」

 

「すまない、アリスの友人はそんなに…あれなのか?」

 

「ふぐおぅっ」

 

「…アリスについて話すのは止めにしとこう」

 

「…そうしてくれたほうが助かるわ」

 

立ち直るアリス

その近くには人形がふよふよ浮いていた

 

「その人形は自立してるのか?」

 

「いいえ、これはまだ半自立、セミオートよ」

 

そう言ってアリスは指を動かす

するとアリスの近くに浮いていた人形が手を振る

 

「こんな感じよ」

 

「ほお…すごいな」

 

「…え?」

 

言われるとは思わなかった、そんな感じの顔をするアリス

 

「ん? だって直接触らずに思うがままの行動を人形にさせれるんだろ? それがすごくないわけがない」

 

「…霜月は気持ち悪いって思わないの?」

 

何かにおびえるような声を出して問うてくる

 

「別に。人形は元から好きな方だしな」

 

「…ありがとう」

 

「なんでお礼なんてするのかねえ」

 

「最初にこの人形達を見たときに何て言われたと思う? 『気持ちわりい』とか『こんなとこに住めるあんたが狂ってるんじゃないのか』とか、散々言われてきたの。それから私はあまり家から出なくなった。でも来る人を拒んだりはしない。どうしてだかわかる? あの時言われたこととは反対の言葉、それを聞きたかった。でもそれは今まで無かった。来る人は全員同じようなことを言って逃げていった。そんなときだった、霜月さんは私の人形を拒んだりしなかった」

 

気がつくとアリスの瞳からは涙がこぼれていた

長年の悲しみを一人でため込んでいたのだろう

尻尾を出し、アリスをゆっくり包む

 

「ひゃっ」

 

「大いに泣け、大いに吐き出せ、今までの悲しみを出せる分、全て出してすっきりしろ」

 

「…うっ…うわああぁぁぁぁ!!」

 

尻尾の中で今までの思いを吐き出すアリス

俺は尻尾で優しくアリスの背中を擦っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…もう大丈夫、ありがと」

 

尻尾を叩くアリス

その言葉を聞いて尻尾を消す

 

アリスの目は赤くなっており、その近くと鼻頭も赤くなっていた

 

「ん、憑き物がとれたみたいだな」

 

今までの思いを吐き出したせいか、はたまた泣いたせいか、アリスの顔は明るくなっていた

 

「上海、蓬莱、いらっしゃい」

 

アリスの呼び声に反応するかのように家の奥から二体の人形が現れてアリスの顔の左右で止まる

 

両方とも長い金髪に赤いリボンをつけている

 

「この子たちは私が作った中でほぼ自立に近い人形、上海と蓬莱よ」

 

「シャンハーイ」

 

「ホーライ」

 

ペコリ、と空中で頭を下げる上海と蓬莱

 

「よろしくな、上海と蓬莱」

 

上海と蓬莱の頭を撫でる

 

「シャンハーイ♪」

 

「ホーライ♪」

 

目を細くして嬉しそうな声を出す上海と蓬莱

…声?

 

「なあアリス、上海と蓬莱ってどうやって声を出してるんだ?」

 

そう問うた瞬間、上海と蓬莱がどこから出したのか剣と槍を突き付けてきた

 

「ちょっと!? 上海と蓬莱、止めなさい!」

 

アリスが驚きつつも上海と蓬莱を止めに入る

主から怒られたせいか上海と蓬莱は武器を収める

 

「上海と蓬莱、霜月さんに謝りなさい」

 

「いやいいんだ、こっちの配慮が足らなかった、こちらこそすまない」

 

上海と蓬莱も申し訳なさそうな雰囲気を出している

 

「お前たちには禁句だっただけだ、俺に非があるから気にしなくていい」

 

「シャンハーイ…」

 

「ホーライ…」

 

「だから…あーもう」

 

尻尾で上海と蓬莱をつかむ

 

「気にしなくていい、お前たちは人間らしい一面を出しただけだ」

 

つかんでいない尻尾で上海と蓬莱とアリスの頭を撫でる

咲夜の言うことが正しければ落ち着くはず

 

「…なんで私までなのかしら」

 

アリスは頭を撫でられることに抵抗があるようで、尻尾を手で払いのける

 

「シャンハーイ♪」

 

「ホーライ♪」

 

上海と蓬莱は気持ちよさそうに撫でられている

対するアリスは申し訳なさそうな顔をしていた

 

「なんか…ごめんね」

 

「いや、俺の失態だからこれくらいはいいさ」

 

アリスの家の中で行われていること

アリスは申し訳なさそうな顔をして立っている

上海、蓬莱は尻尾に捕まってナデナデされている

霜月はその尻尾の持ち主で尻尾を操っている

 

そんな不思議な光景を窓の外から眺める人がいたことを誰も気づかない




ネタを入れないと精神安定しない気がする(嘘

はい、もうネタに走ってたり過去を偽装してたりしてます
アリスの過去っぽいのもおそらくオリジナルかと思います
適当に考えて、その場のノリで書いてるなんて言えない…

今回はここまで
感想・評価、お待ちしています
また次回お会いしましょう それではさようなら





霜月「上海と蓬莱、触っていい?」
上海・蓬莱「イイヨ」
霜月「え、喋れるん?」
アリス「よくわかんないんだけど、たまに喋るわよ」
霜月「では失礼して…おお、ふかふかだ」
上海・蓬莱「キモチイイ?」
霜月「きもちいいよ」
アリス「…慣れないわね」
上海「ナレルノハ」
蓬莱「ジカンノモンダイ」
霜月・アリス「!?」

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