白の狐は何を見る   作:橘 聖

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キャピキャピリン
どうも、橘聖です

深夜に2時間足らずで書きました
眠たい状況でこれを書いています

バレンタインデーが終わりましたね
皆さんはどうだったでしょうか
私ですか? 私は3つです
母親からと祖母から一つずつ
あと一つは何かって?
仲良くしている女の子からもらいました

…どこかから橋姫の声が聞こえてきそうな感じがしますが
『10.小さな甘い毒』、どうぞ

あと今回、短いです

気づいたら10話ですよ
閲覧してくださっている読者の皆様、ありがとうございます
これからも頑張って精進していきたいと思います

長くなりましたが、改めまして…どうぞ


10.小さな甘い毒

舌の痛みが無くなりかけたとき、玄関の方から扉を開ける音が聞こえた

 

「ただいまー」

 

「お帰り、遅かったわね」

 

「ちょっと傷ついた鈴蘭が多かったから…」

 

そんな会話を幽香としながら入ってくるのは

金色の髪に赤いリボンをつけた女の子

近くには同じような姿をした人形がふわふわ浮いていた

 

「ご飯はー…」

 

こちらを認識するなり固まる女の子

…あ、尻尾出したままだった

 

「九尾の狐様っ! 殺さないでくださいっ!」

 

きれいにジャパニーズDOGEZAを決めてくる

殺気は出していないはずだが…

 

「大丈夫よメディ、この狐は私の友達だから」

 

「ほ、ほんとですか?」

 

涙目で顔を上げながら聞いてくる女の子

 

「う、うん、ごめんね」

 

そう言って尻尾を消す

 

「紹介が遅れたわね、この子が言ってた家族のメディスン・メランコリー」

 

「よ、よろしくお願いします」

 

震えた声で挨拶をして頭を下げてくるメディスン

…罪悪感がすごい

 

「こちらこそよろしくね、メディスン」

 

「私のことはメディ、と呼んでください」

 

「わかった。遅れたけど俺の名前は霜月、改めてよろしくね、メディ」

 

「さて、顔合わせも済んだことだしメディはお昼ご飯まだなのよね?」

 

「うん、もうお腹ペコペコだよー」

 

幽香はすぐにできるから待ってなさい、と言い残してキッチンの方へ向かう

残されたのは俺とメディとその横に浮いている人形だけ

 

「その人形はメディのかい?」

 

「え、あ、はい、私が妖怪化したときからは横にいました」

 

「妖怪化、ならメディは後天性の妖怪なのか?」

 

「はい。元々は人形だったのですが、ここからちょっとしたところにある無名の丘ってところにある鈴蘭畑に捨てられていたんです。私はその時に人間から捨てられた恨みと鈴蘭の毒によって妖怪になったんです。と言っても妖怪になってからまだ数年しか経っていないんですけどね」

 

「…大変だったんだね、でも数年しか経っていないのならまだ新米なのか。紫や幽香とかはもう何千ねn…」

 

そのとき、キッチンと背後からとてつもない殺気が放たれた

背中に冷たい汗が流れる

 

「…何でもないよ、俺の命が無くなる」

 

「? そうですか」

 

メディは何も感じなかったようだ

俺だけに殺気を放つとか器用すぎだよ

 

「できたわよー」

 

幽香は満面の笑みでメディの昼食を運ぶ

 

何かの肉の香草焼き、サラダ、トマトの冷製スープ

…あれ? 俺のやつと違う

 

「幽香、その肉って何の肉だ?」

 

見ただけではわからなかった肉の種類を聞く

対する幽香は首だけこっちに向ける

 

「ひ・み・つ」

 

いや、そんな上ずった声で言われてもなにも思わねえ

ほら、メディも「なんだこいつきもちわりい」みたいな顔してそっち見てるじゃねえか

 

「…何よ」

 

「いえ、なんでもありません」

 

俺は顔を背ける

メディは何事もなかったかのように料理を口に運ぶ

 

そんな変な雰囲気のまま誰も声を発することなく時間は過ぎていった

 

 

 

 

 

 

 

「ごちそうさまでした」

 

「おそまつさまでした」

 

メディが昼食を食べ終わったところで幽香に聞いてみる

 

「幽香、聞きたいことがあるんだがいいかい?」

 

「何?」

 

座った状態で体ごとこちらに向けてくる幽香

 

「いや、そんな大事なことじゃないんだが」

 

「いいから、何?」

 

幽香は続きを催促してくる

 

「ひまわり、まだ育ててくれてたんだな」

 

窓から外を見る

 

そこには精一杯背伸びをして、首を太陽の方向に向けている黄色い花が数えられないほどたくさん咲き誇っていた

 

「霜月のプレゼントだったしね、思えばあれが最初で最後の殿方からのプレゼントだわ…」

 

外を向き、ひまわりの向こうを見る幽香

 

「…気が向いたらまたプレゼント買ってくるよ」

 

「…ええ、よろしくね」

 

メディが「何この言いようのないロマンチックな雰囲気は」と言いたげな、苦虫を噛み潰したような顔でこちらを見ていたことは絶対忘れない、絶対にだ

 

 

 

 

 

「…ゴホン」

 

わざとらしい咳こみで雰囲気を変える

 

「何か幽香がおすすめするような観光場所は無いか?」

 

次の目的地を幽香に聞く

すると幽香は思いついたような顔をする

 

「それなら魔法の森はどうかしら?」

 

「魔法の森? どんなところだ?」

 

「さっき紹介したアリスが住んでいるところよ。ただ面倒な魔法使いが近くに住んでるけどね」

 

「ふむ、ありがとう。じゃあそろそろお(いとま)しますかね」

 

席を立ち玄関へ向かう

 

「あら、もう行っちゃうの?」

 

「ああ、さすがにずっといるわけにはいかないし。古い友人の顔を見たかったから寄っただけだから」

 

「そう…気を付けるのよ」

 

「もちろん。じゃあな、お世話になったよ」

 

「プレゼント、期待してるからね」

 

そう言って幽香は自分の頭を触る

俺の同じところにはひまわりを(かたど)った髪留めがある

 

「もちろんだよ。メディもまたな」

 

手を振って幽香の家を後にする

さて、次向かうなら魔法の森か

 

アリス・マーガトロイドと別の魔法使い、か

 

 

 

新しい出会い、そして古き友人との再会

幻想郷の生活に霜月は満足していた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただし、彼は気づいていなかった

通り過ぎた森から一つの視線が彼を見ていたことを

 

 

 

バカジャネーノ




最後のやつは多分二次創作から影響を受けてます

ネタ回みたいになってしまいましたね
展開が思いつかずに無理やり次に繋げてる感が拭えないですね

今回はここまで
感想・評価、お待ちしております
それではまた次回にお会いしましょう、さようなら





霜月「ねえ、料理がメディと違ったのはなんで?」
幽香「久しく霜月に料理を作るから奮発しちゃった」
霜月「じゃあなんで辛いやつとか苦いやつを出す」
幽香「え、あれはまだ序の口よ? もっとすごいものもあるわよ?」
霜月「お前…味覚とかまで強かったんだな」
メディ「幽香、これ」
霜月「それ、世界一辛いって噂のキャロライナ・リーパーじゃねえか」
幽香「パクッ…(´~`)モグモグ」
霜月「…まじかよ」




幽香「…辛い、無理するのはやっぱり厳しいわ」
メディ「霜月さんがいなくなるまでよく我慢したね」
幽香「あれをただのいたずらと言うのはちょっとまずい気がしたからね」
橘「これどうぞ」
幽香「お、ありがと…ブハァッ!?」
橘「それ、くさやを一週間つけた水です」
幽香「幻想『花鳥風月、嘯風弄月』」
橘「ひえっ!? すいませn…」



霜月「あ、流れ星だ」

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