リリカルライダー——悪とされた者の物語   作:エイワス

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クリスマスが終わって作者の心は最高にハイッてやつだ!


拾い物

転生してから二年がたった。幽雅は今小学3年生。

これまでの小学校生活は退屈の一言だった。既に何度も大学生活を送ってきている幽雅にとって、高校までの勉強は大抵出来る。

 

何も無い、平穏な学校生活。

 

幽雅は毎回の事だが、前の世界では特に酷い人生だった。

ダークライダー達のトップをして、サブライダーや主役ライダー達とのスーパーヒーロー大戦(仮)で仮面ライダー一号に蹴り殺されたりと禄なものではない。

二度目は灰にされている。

 

前は大学の途中辺りからダークライダーとして戦ってきたので、小学校に通っている間は余裕を持って生活できる。

 

 

 

・・・・・・と思っていた。

 

これまでに五回もの死を遂げてきた幽雅にとって今回が初めての事態。

 

目の前に金髪のレオタードを着た美少女が倒れている。

放っておくわけにもいかないので、人目がないことを確認して、少女を背負い、家まで連れていく。

伊達に体を鍛えてないので数分で家に着くことが出来た。

 

少女をベッドに寝かせて布団を被せる。幽雅は少女が目覚めるまで、ベッドの近くに椅子を持っていき本を読み始める。

 

「知らない・・・・・・天井だ」

 

数十分たっただろうか。少女が目覚めて声を発した。

 

「起きたか。それで、体調はどうだ?」

 

「あなたは?」

 

幽雅は本を閉じて、近くにあった机に置く。

 

「黒崎幽雅だ。この家は俺しか住んでいないから安心してくれ」

 

「私はフェイト・テスタロッサ。体は大丈夫だよ」

 

フェイトは上半身を起こして壁にもたれかかる。明らかに体調が悪そうだった。

 

「おい、大丈夫じゃないだろ。ほれ、少しこい」

 

「えっ!ちょっ・・・・・・!」

 

幽雅は突然ベッドに身を乗り出し、フェイトの額に掌をつける。その行動のせいでフェイトの顔は真っ赤に染まる。

 

「少し熱いな・・・。お前今日はうちに泊まってけ」

 

「えっ?いいよ。迷惑かけちゃうだろうし」

 

「俺としてはこんな状態のお前を一人で帰すのは心配なんだがな・・・」

 

フェイトは幽雅の顔が近くにあるせいで顔が熱くなり真っ赤となっている。それを幽雅は熱がある、と勘違いしている。

 

その時、グ〜〜〜という音が、フェイトのお腹から聞こえてくる。

フェイトはさらに顔を真っ赤にして俯く。

 

「〜〜〜〜〜〜!!」

 

「はぁ。ちょっと待ってろ、今なんか作ってきてやるから」

 

幽雅はため息をついてキッチンへ向かう。

フェイトは幽雅のことを見届けて部屋を見渡す。無駄な装飾がないシンプルな部屋。

強いて言うならば、壁一面本棚になっており、本棚には沢山のジャンルの本がギッシリと詰まっている。

 

ドンッドンッ。

 

窓の壁が叩かれたので、フェイトは開けてみる。

開けた窓からはフェイトの使い魔であるアルフが飛び込んできた。

 

「大丈夫かい!?帰ってこないから心配してたんだよ!?」

 

「ご、ごめんねアルフ」

 

アルフの剣幕に少し怯えながらフェイトは謝る。

 

「なんか増えてないか?」

 

両手をお盆で塞がった幽雅が入って来た。

 

「ほれ、作ってきたぞ」

 

「えっ・・・待っ・・・・・・ッ!」

 

アルフを無視して椅子に座り、お盆を机に乗せる。

器を手に取ってスプーンでフェイトの口の中に勝手に入れていく。

食べているフェイトの顔は幸せに歪んでおり、頬を紅潮させていた。

 

「それで、アンタ誰?」

 

「勝手に入って悪かったさね。アルフってんだ。フェイトの使い魔をしているな」

 

「使い魔・・・・・・魔法?」

 

魔法と考えて地下に置いてある指輪とベルトを思い浮かべる。

 

「幽雅は魔法を知っているの?」

 

「さぁね」

 

フェイトに器とスプーンを渡して、幽雅は窓を閉める。

 

「迎えが来たならイイじゃん。それ食べたらもう帰りかよ。時間も時間だし」

 

それだけ言うと幽雅は部屋を出ていく。幽雅は地下室に行き、ケースからドライバーと指輪を取り出す。

 

「さて、仕事の時間だ」

 

《Cerberus NOW》

 

ドライバーに指輪をかざして、プラモンスターのブラックケルベロスを召喚して、嵌めていた指輪を付ける。

 

「あの二人のことをバレないように追って」

 

ワンワン、と犬のように叫びながらブラックケルベロスは走り去っていった。

 

「さて、鬼が出るか蛇が出るか・・・。ある意味両方とも面倒だが・・・」

 

それから30分後、フェイトとアルフは家に帰った。

それから少したち、ブラックケルベロスからの報告を聞いてベッドで意識を落とした。


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