IS ~システムFate~   作:マルク マーク

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プロトアーサーの体験クエストの呼符を使ったらキャスギルが来ました。



鈴の逆鱗!マジで一夏は何考えてんだか

「………Oh」

 

掲示板に貼られた紙を見ながら俺は呟いた。

昨日の一悶着から一夜明け、貼り出されたリーグマッチの対戦表を見に来ていた。

そこに書かれていたのは....

 

第1試合

1組代表 織斑一夏

vs

2組代表 凰鈴音

 

という文字だった。

 

「…フフフ、ちょうどいいわ」

 

 

突然横から聞こえてきた低い声に驚き、慌ててそちらを見ると、鈴が不敵な笑みを浮かべながらそこにいた。

 

「…鈴?」

「謝られただけじゃ気が済まないと思っていたところだったのよ…。これは一夏をメタメタに…、いやギッタギタにできるいい理由が出来たわ…」

 

そう言いながら、鈴は歩いていってしまった。

 

「……………」

 

....そっとしておこう

 

 

 

そこから数日間、俺は箒達と共に一夏の特訓に付き合っていたが、一夏はまだ鈴に謝っていないらしい。

というより、一夏は未だに約束の真実が分かっていないらしく、自分の記憶が正しいと思っているので謝る理由がないと意地をはっていた。

鈴も鈴で一夏とは全く口を聞かないようにしており、偶々出会ったとしても威嚇して近寄らせないようにしているらしい。

こうしてお互いが意地を張ったまま、なんの進展もなく時間だけが過ぎていった。

 

 

そんな感じでリーグマッチまで残すところあと3日に迫っていた。

しかも、リーグマッチの前日は会場の準備が入るため、アリーナを使用することはできない。

なので実質、今日と明日しか特訓できる時間がないのだ。

その少ない時間を有効に使うべく、今日も一夏達のいる第3アリーナへ向かう

 

「あら、アキラじゃない。どこにいくの?」

 

途中で鈴が話しかけてきた。

 

「ああ、今から一夏達のいるアリーナの方に」

 

俺はそう答える。

 

「じゃあ、アリーナに一夏がいるのね?じゃああたしも付いて行くわ」

「どうしてだ?」

「決まってるじゃない!アイツずっと待ってるのに全然謝りに来ないのよ!こうなったらあたしから行ってやろうと思ったのよ」

 

どうやら鈴は謝りに来ない一夏にいい加減しびれを切らしたらしい。

と言うか待ってた?

 

廊下

 

「おい、鈴」

「キシャアアアア!!」

 

 

食堂

「なあ、鈴」

「シャアアアアア!!」

 

 

 

寮前

 

 

「り....」

「グルルルルル!!」

 

 

 

 

 

ま、待ってた....?

 

…まあ、いいか。試合前に2人のわだかまりを解いた方がいいだろうしな。

 

「じゃあ一緒に行こうか」

「もちろんよ!一夏、首を洗って待ってなさいよ!」

 

 

 

アリーナに着くと、3人はISを装着した状態で何やら話しているところだった。

 

「ん?おお、アキラ…と鈴!?」

 

俺達に気づいた一夏が驚いた顔をする。

箒達も鈴に対し、警戒度をMAXにあげる。

 

「貴様!何故ここに…」

「そうですわ!ここは関係者以外立ち入り禁止でしてよ!」

 

2人共威嚇するかのような目で鈴を見る。

 

「はんっ!」

 

それに対し鈴は挑発的な笑いを取る。

 

「あたしは関係者よ。一夏関係者、だから問題なしね。」

「ほほう、ではどういう関係なのかじっくり聞きたいものだな?」

「盗っ人猛々しいとはまさにこのことですわね!」

 

箒とセシリアはなおも鈴に噛み付く。

 

「はいはい、今はあたしが主役なの。脇役は引っ込んでてくれる?」

 

「わ、脇役……!?」

「何ですって…!?」

「鈴、あんまり挑発的な言葉を「アキラももういいわよ。ここからはあたしと一夏の問題なんだから」

 

そう言って俺の言葉を遮り、一夏の方へ向かう。

反対に箒達が詰め寄ってくる。

 

「アキラ!一体どういうつもりだ!」

「そうですわアキラさん!どうして凰さんを連れてきたのですか!?」

「いや、いい加減2人のわだかまりを解くべきだろ?あんな感情的になったまま試合を迎えたら、どちらかが大怪我するかもしれない」

「そ、それはそうだが…」

 

2人共一夏が怪我をするのを想像して、冷静さを取り戻し始めた。

 

そうしている間に、鈴は一夏と話を始める。

 

「さて一夏、反省した?」

「へ?何が?」

「だからっ!あたしを怒らせて、申し訳なかったなー、とか!仲直りしたいなー、とか!なんかあるでしょうが!」

「そんな事言われたって、鈴がずっと避けてきたじゃねぇか」

「…じゃあ何?女の子が放っておいてって言ったら放っておくわけ!?」

「おう、何か変か?」

「変かって……、謝りなさいよ!」

 

鈴は焦れたように声を荒げて、頭を掻いている。

話し合いは上手くいっていないようだ。

 

「だからなんでだよ!約束覚えてただろうが!」

「あっきれた、まだそんな事言ってんの!?約束の意味が違うのよ、意味が!」

「じゃあ意味ってなんなんだよ!説明してくれたら謝るっつーの!」

「せ、説明したくないからこうして来てるんでしょうが!」

 

鈴が顔を赤くして怒鳴る。

説明すれば良いのに....そうしないとあの朴念仁(一夏)に伝わる筈ないのに。

 

「じゃあこうしましょう、一夏!明明後日のリーグマッチで勝った方が負けた方に何でも一つ言うことを聞かせられるってことで!あたしが勝ったら謝ってもらうから!」

「おう、いいぜ!俺が勝ったら説明してもらうからな」

「せ、説明はちょっと…」

「何でだよ!」

「う、うるさいわね!この朴念仁!間抜け!アホ!」

 

ついに罵倒になってしまった。

頼むから一夏はそれに応じるなよ....

 

「うるさい、貧乳。」

 

 

ドゴォォン!!!

 

 

 

大きな音とともにアリーナが揺れる。

震源は、右手をISに部分展開して地面に打ち付けている鈴。

一夏もしまったという顔をしている。

 

「…言ったわね。言ってはならない事を言ったわね!」

 

部分展開した鈴の右腕に紫電が走っている。

一夏のやつ、とんでもない地雷を踏んだらしい。

鈴のやつ、本気でキレている。

 

「い、いや悪い!今のは俺が悪かった!すまん!」

 

一夏も慌てて謝るが、一夏の弁解に鈴はピクンと反応する。

 

「『今のは』?『今のも』でしょうが!いつだってアンタが悪いのよ!」

 

鈴は火山の如く怒り散らす。

もう誰の手にも負えないだろう。

 

「ちょっとは手加減してあげようかと思ってたけど、どうやら死にたいらしいわね……。いいわよ、希望通りにしてあげる。全力で叩きのめしてあげる」

 

そう言って、鈴は荒々しくアリーナを去って行った。

残された一夏達は何も喋れないでいたが、やがてセシリアが口を開く。

 

「…パワータイプ、ですわね。それも一夏さんと同じ、近接格闘型…」

「…ああ、そうだな」

 

鈴の殴りつけた後を見ながら口にする。

そこには、直径1mほどのクレーターが出来ていた。

 

「どうしよ…。完全に怒らせちまった…。」

 

一夏は顔を青くして、頭を抱えている。

 

「こうなったら、しょうがない。とりあえず今日と明日でアレを完成させるか。それしか今の一夏には勝機がない」

 

僕の言葉に3人が頷き、特訓にとりかかった。

 

 

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寝る前

 

明明後日は確か襲撃があった筈

ベッドで寝転がりながら考える。

どうしようかな?

簪がキーボードを叩く叩く音を聞きながら対処法を考える。

 

 

 

 

やっぱり、一夏の近くに居れば飽きる事はなさそうだ

 

 

 

そう思いながら俺は眠った。

 

 




訓練の様子を少し

「それじゃあ始めるか」
「ああ....で、何をするんだ?」
「一夏は感覚でやるタイプだからな、簡単な鬼ごっこでいいだろう」
「鬼ごっこ?まあ、いいか。で、誰が鬼なんだ?....出来ればあの亀みたいなのはやめてくれよ?」
「それなら大丈夫だ。鬼役は俺だからな」
「よし!わかった!じゃあ、さっそくやろうか!」

「わかった、必死にやれよ?これより逃げた大嘘つきを退治します・・・転身火生三昧!」

「え?....う、嘘だろおおおおおおおおぉぉぉぉ!?」

一夏の訓練が始まった。


箒とセシリア巻き込まれる前に逃げ出した。

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