Z/Xの世界に転移 〜この世界で幸せを見つける〜(番外編)   作:黒曜【蒼煌華】

29 / 37
各務原あづみ happybirthday!No.16

《あづみ》「大祐くん…今ーー」

 

[九条大祐が、各務原あづみをベッドに優しく倒す音]

 

《あづみ》「……えっ…………あっ…だ、大祐くん……ほんとに…?」

 

《九条大祐》「………あづみさん…相も変わらず、可愛らしいこと…」

 

《あづみ》「んっ…」

 

《九条大祐》「こんな美少女に此処まで誘われて、我慢出来る男性が何処に居ますって?…それに、あづみさんは本気じゃなかったと?」

 

《あづみ》「ち、違うのっ……ただ、少しびっくりしちゃって……」

 

《九条大祐》「何時もなら、否定の意を示してましたからね」

 

《あづみ》「………ね、ねぇ…大祐くん…?…大祐くんは、ほんとに私で…良い、の…?」

 

《九条大祐》「今から何をするのか、多少は理解している様な口調ですね」

 

《あづみ》「………………………‥………………」

 

《九条大祐》「…いや、やっぱり…あまり分かってない…?」

 

《あづみ》「わ、分かってるもんっ。………ちょっと、だけ」

 

《九条大祐》「まぁ、細かい説明は俺がしますよ。順を追って。今は取り敢えず、あづみさんを襲わせて下さい。我慢ならない」

 

《あづみ》「だ、大祐くん………が、決めて…?」

 

《九条大祐》「…あづみさん、何処か何時もと違いますね」

 

《あづみ》「だって…大祐くん、が…急に変わっちゃう…から」

 

《九条大祐》「………………………ははっ…。ふぅ、やっぱり、あづみさんには敵いませんね」

 

《あづみ》「えっ…?」

 

《九条大祐》「俺の態度が急に変わっても、俺にその身を捧げる気満々じゃないですか」

 

《あづみ》「…大祐くん、だから。攻めてくる大祐くんも…えへへ…///」

 

《九条大祐》「先の攻撃的な態度、謝ります。…その、本当にこの誕生日プレゼントをあげて良いのか、という悩みからつい…」

 

《あづみ》「凄く…気になる…」

 

《九条大祐》「今此処で渡しても良いんだけど…ちょっとロマンに欠けるかな」

 

《あづみ》「じゃあ、皆の前で…?」

 

《九条大祐》「そういう事になりますかね。へっきー辺りが茶化しに来そうでなりませんけど」

 

《あづみ》「…あっ」

 

《九条大祐》「どうしました?」

 

《あづみ》「……お母さんとリゲル、何時の間にか居なくなってる」

 

《九条大祐》「い、今更…!?」

 

《あづみ》「だ、だって…分からなかったんだもん」

 

《九条大祐》「あの二人が居る目の前で、こんな大胆な事…出来ませんよ」

 

《あづみ》「…私、幸せ」

 

《九条大祐》「…?」

 

《あづみ》「こうして大祐くんと、2人っきりで…その…お互いに凄く近くて…」

 

《九条大祐》「………………………………………………………………………………………………」

 

《あづみ》「………………………………………………………………………………………………」

 

《九条大祐》「…そうやって口に出して言われると…意識してしまうな」

 

《あづみ》「す、少し…近いかな…?」

 

《九条大祐》「あづみさんが望むのであれば、離れますよ?」

 

《あづみ》「…ううん、嫌…このままが良い…な」

 

《九条大祐》「俺が覆い被さっている感じになってますけど…良いのかね」

 

《あづみ》「えと…うんっ」

 

《九条大祐》「…言うて、そろそろ皆の集う場所へ移動しなきゃ、ですけど」

 

《あづみ》「それまで……このままが、良い…」

 

《九条大祐》「…姫、仰せの通りに」

 

《あづみ》「…っ!?ひ、ひ…姫っ…?って…お姫様の、事…だよね?」

 

《九条大祐》「ふふっ、なんてね」

 

《あづみ》「…びっくりしちゃったよぅ…」

 

《九条大祐》「まぁ、俺からすれば強ち間違ってはいない」

 

《あづみ》「ふぇっ…」

 

《九条大祐》(顔を真っ赤にしてあたふたしてる…)

 

《あづみ》「その…じゃあ、大祐くん……が、私の王子様…?」

 

《九条大祐》(更には上目遣いで、目を逸らしながら、大胆な質問)

 

《あづみ》「…それなら…良いな…///」

 

《九条大祐》「…あぁ、あづみさんが可愛過ぎて死にそうだ」

 

《あづみ》「え、えぇっ…!?それはだめだよぅ…」

 

《九条大祐》「昇天しまいそうな位に、あづみさんが可愛いって事ですよ」

 

《あづみ》「あぅ…」

 

《九条大祐》「…何方かと言うと、あづみさんがショートしてしまいそうな勢いだ」

 

《あづみ》「大祐くんが、私の事…かわ、可愛いって…沢山ーー」

 

《九条大祐》「言ってはなりませんかね?少なくとも、俺は事実だと思ってますよ」

 

《あづみ》「うぅ〜…///」

 

《九条大祐》「……………ま、取り敢えず。皆、あづみさんの誕生日を祝いに来てくれてるん…だよね?」

 

《あづみ》「う、うんっ。お母さんとリゲル、ソリトゥスさんに…ヴェスパローゼさんにきさらちゃん。あと、ナナヤちゃんとへっきー…さん?」

 

《九条大祐》「本名、森山碧」

 

《あづみ》「えっと…森山碧…と、天王寺飛鳥」

 

《九条大祐》「おっ…!?久々にあづみさんの、冷淡な口調を耳にしたね」

 

《あづみ》「大祐くんと出会う前…リゲルとも、こんな感じだったの」

 

《九条大祐》「へぇ…意外な過去が…まぁ、でも何故2人だけフルネーム?」

 

《あづみ》「…男性を呼ぶの、慣れてない」

 

《九条大祐》「口調、無理して維持しなくても…」

 

《あづみ》「大祐くんは…どっちの方が、好き…?」

 

《九条大祐》「迷わない。何方もだ」

 

《あづみ》(…!今…)

 

《九条大祐》「…あ…、申し訳無い…」

 

《あづみ》「ううん…私も、どっちの大祐くんも……大好きだから…」

 

《九条大祐》「ん?最後なんて?」

 

《あづみ》「何でもないもんっ♪」

 

《九条大祐》「…どんな口調でも可愛いとか、反則だと思ってしまうな」

 

《あづみ》「…?」

 

《九条大祐》「いえ、何も言ってませんよ?」

 

《あづみ》「口元、にやけてる…」

 

《九条大祐》「…それは置いといて、話を急に戻すけど良いかな」

 

《あづみ》「あ…うんっ」

 

《九条大祐》「先の『誕生日の件』、全員が全員…あづみさんを祝う為に来てくれているのであれば、主役がその場に居なきゃつまらないでしょうよ?」

 

《あづみ》「…主役」

 

《九条大祐》「だから、そろそろ戻ろうか。待たせてしまってるだろうし」

 

《あづみ》「…あ、えっ、えっと…大祐くん」

 

《九条大祐》「ん?」

 

《あづみ》「………我儘、言っても…良いかな…?」

 

《九条大祐》「えぇ、勿論ですよ。今日はあづみさんの誕生日なんですし、どんな要望にも応えます。…誕生日じゃなくても、ですけど」

 

《あづみ》「えへへっ…ありがと。あのね、その…あと少しだけ、二人っきりで居たいの…。ほんとに、少しで良いのっ」

 

《九条大祐》「…了解致しました。いえ、あづみさんが彼方に足を運びたくなったら、お好きにどうぞ。俺の事は気にしないで下さいね」

 

《あづみ》「やっぱり………大祐くん、優しい」

 

《九条大祐》「これが素ってものですよ」

 

《あづみ》「ふふっ、リゲルも大祐くんに、我儘とか…」

 

《九条大祐》「言って欲しいものですねぇ〜…」

 

《あづみ》「リゲル、私や大祐くんの事になると頑なになっちゃうから……もっと、甘えて欲しいな…」

 

《九条大祐》「まぁ…リゲルさんからすれば、情け無い姿は見せられない、とでも思っているのでは」

 

《あづみ》「甘えるって、情け無い事なのかな」

 

《九条大祐》「いえ、全然そんな事有りませんよ。ただ…リゲルさんは恐らくプライドの高い女性ですから。自分に厳しく、相手に厳しく。甘えは許さない、みたいな…」

 

《あづみ》「でも、私と大祐くんには優しいし…甘えさせてくれる」

 

《九条大祐》「ん〜…、其処はやはり、本人にしか分からないのでしょうね。甘えさせる対象や、どの程度までが甘えなのか」

 

《あづみ》「………あのね……こういう時に言うのって、変かもしれないけど……」

 

《九条大祐》「どうかしました?」

 

《あづみ》「うん。甘いもの、食べたいな…って……えへへ」

 

《九条大祐》「『甘え』に関して、話していたからでしょうか」

 

《あづみ》「た、多分っ…」

 

《九条大祐》「それなら其処に、沢山置いて有りますよ。ほら…」

 

《あづみ》「えっ…?あっ、ほんと…だ。…けど、この部屋に入った時は、何も無かったよ…?」

 

《九条大祐》「ん、確かに。誰かが用意して下さったのでは?…飲料に菓子類、主食と言うには少し遠く、それでも胃に溜まりそうな物ばかり」

 

《あづみ》「…これ、気になる」

 

《九条大祐》「カレー味の菓子…って、ふふっ…相変わらずカレーがお好きな様で」

 

《あづみ》「カレー、の味も好きだけど…温かい物が好き」

 

《九条大祐》「俺とは逆な様で」

 

《あづみ》「そうなの…?」

 

《九条大祐》「えぇ。まあ…猫舌故の、とでも言えば説明つきますか。かと言って冷やしてある物を口にすれば、胃に来ます。何分、腹部の耐久性が脆くてですね…」

 

《あづみ》「た、大変…だね」

 

《九条大祐》「それでも、食べれるだけマシ、という意見には賛成ですよ」

 

《あづみ》「………そう言えば、これ…誰が持って来てくれたんだろう…。お母さん…リゲル…?」

 

《九条大祐》「有り得ますね。………ですが、正直1人しか居ないと思います」

 

《あづみ》「………??」

 

《九条大祐》「あぁいえ、此方の話です。きっと神様が、あづみさんと一緒にゆっくりしろ、って言ってくれているんだなと」

 

《あづみ》「神様……ナナヤちゃん…?」

 

《九条大祐》「違うと思います」

 

《あづみ》「そ、即答…」

 

《九条大祐》………………………………………………………………」

 

《あづみ》「……………………………………………………ふふっ」

 

《九条大祐》「…………………………………」

 

《あづみ》「お菓子食べながら、飲み物飲んで…」

 

《九条大祐》「えぇ…他愛の無い話をしながら、2人で笑い合う」

 

《あづみ》「…ちょっと違うかもしれないけど」

 

《九条大祐》「?」

 

《あづみ》「…なんだか…夫婦、みたいだね」

 

《九条大祐》「なりたいものですねー……」

 

《あづみ》「………………………………………………………」

 

《九条大祐》「……………………………………………………」

 

《あづみ》「〜〜〜///」

 

《九条大祐》「何言ってんだ、俺」

 

ーーー




現在、少しばかり体調が不安定な為、来週の更新は未定で御座います。極力頑張らせて頂きますが、それでも間に合わなかった場合はご了承願えますと幸いです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。