Z/Xの世界に転移 〜この世界で幸せを見つける〜(番外編) 作:黒曜【蒼煌華】
《リゲル》「どうして部屋を変える必要が有ったのかしら?」
《ベガ》「そう言った話だから、です。公共の場で話せる様な内容ではないですから」
《リゲル》「ふーん…。あづみはもう分かった?」
《あづみ》「私は…お母さんと、色々話してたから。その時一緒に聞いたよ?」
《ベガ》「詳細は未だに、ですけど」
《リゲル》「丸で『この期に』って感じね。大祐と関わりが有りそう」
《あづみ》「寧ろ、大祐くんとしか…」
《リゲル》「?」
《あづみ》「う、ううん、何でも無いよ?」
《リゲル》「意味有りげな切り方ね。あづみのそれは、絶対に何か隠してる証拠よ?」
《あづみ》「私、何も知らない…よ〜…?」
《リゲル》「…あづみって、嘘吐くの、あまり上手く無いわよね」
《あづみ》「うぅ〜…」
《ベガ》「さぁさぁ、兎に角です。お話は此れからですよ。もう着きましたから。この部屋に入ったら、早速始めたいと思います。一応覚悟を決めておいて下さい」
《リゲル》「…え?何、そんなに重い話なの…?」
《あづみ》「り、リゲル、心の準備…しないとね」
《リゲル》「…何だか怖くなって来たわ」
《ベガ》「では、行きますよ」
《リゲル》「躊躇無いわね」
【ベガが扉を開ける音】
《ベガ》「何も、過度に心配する必要は無いですよ。軽い気持ちで聞き、しっかりと頭に入れておけばーー」
《リゲル》「…っと……、ベガ、急に止まらないで…って、ベガ…?」
《あづみ》「お母さん?どうかしたのーー」
《ベガ》「……………………ふふっ、いえ………タイミングが少し遅かったです。けれど、これで私が教える事は無くなってしまいましたね」
《リゲル》「何を言って……、っ…!」
《ベガ》「えぇ…、あづみ。貴女の大好きなーー」
《あづみ》「〜〜っ!!」
《???》「……おっ、と」
《リゲル》「…ま、そりゃそうなるわよね?」
《ベガ》「私に疑問系でぶつけないで下さい。……ですが、こうなりますよね」
《???》「2人共、一見和んでる風に見てますけど…見せ物じゃ有りませんからね」
《ベガ》「貴方が此処まで、焦らす様な事をしたのがいけないのですよ?…あづみの誕生日なんですから、一番乗りで祝って貰わないと…困ります。あづみの夫となりたいので有れば尚更です、大祐」
《九条大祐》「…ご最もな意見、感謝します。確かに今回の件は、全面的に俺に非が有りますからね。自覚はしてますし、責任も負うつもりです」
《リゲル》「貴方の胸元に泣き付く少女を見ても、そんな事を言えるのかしら?…ね、責任なんてどうだって良いの。今はあづみだけを見てあげて」
《九条大祐》「リゲルさん…」
《あづみ》「…大祐っ…くん…」
《リゲル》「…ほら、ね?」
《九条大祐》「…熟、俺は男として最低ですね。あづみさんを泣かせてしまうとは」
《ベガ》「又ネガティブな発言をーー」
《九条大祐》「責任とか何やらは、やっぱり考えてしまう。だからこそ。最低な俺がするべき事は、あづみさんに最高の時間を過ごして貰う事だ」
《リゲル》「…あら、意外」
《九条大祐》「…今まで散々待たせて、申し訳無い。本当は、誰よりも先に会いたかった。祝いたかった。あづみさんが、この世界に生まれてきてくれた事を。今じゃ何を言っても、言い訳にしか聞こえないかもしれないけど…」
《あづみ》「…ううん…私、気にして…無いよ…?こうして大祐くんと会えたのが…一番嬉しいから…///」
《九条大祐》「じゃあ、今からもっと幸せな時間を、一緒に過ごそうか。あづみさんの望む事なら、何でもするから」
《あづみ》「えっ…えっと…」
《九条大祐》「遠慮無く、どうぞ?」
《あづみ》「…じゃ、じゃあ…ぎゅ〜って、したい…な」
《リゲル》「して貰いたいの間違い、でしょう?」
《あづみ》「り、リゲルっ」
《九条大祐》「…ん?あづみさんの事、抱きしめて良いのかな?」
《あづみ》「…んと…その…、大祐くんが…良いなら…」
《九条大祐》「やったぜ。…とか、言って良いのかね。まぁ、遠慮無くあづみさんを抱かせて貰うけど」
《ベガ》「大祐も危ない言葉を使いますよね」
《あづみ》「…えへへ…幸せ…///」
《リゲル》「あづみが嬉しそうで、何よりじゃないかしら?」
《ベガ》「勿論です」
《九条大祐》「…あれ、そう言えば、手紙…見てくれたかな。へっきーに任せたんだけど」
《あづみ》「うんっ。ちゃんと、全部見たよ」
《九条大祐》「今思うと、小っ恥ずかしいな」
《あづみ》「私は…嬉しかったよ?」
《九条大祐》「そう言って貰える此方としても、嬉しい事この上無いね」
《あづみ》「……………………大祐くん、その………」
《九条大祐》「祝いの言葉、俺も早いとこ…この口から言い放ちたいところだ。けど、もう少し待ってくれるかな。これ以上待たせるのも癪に触るけど…誕生日プレゼントと一緒に、あづみさんに届けたい」
《あづみ》「誕生日プレゼント…?」
《九条大祐》「喜んでくれると嬉しいけど…不安で仕方がない。こういった事のセンスって、丸で無いから」
《リゲル》(苦笑いしながら…)
《ベガ》(ほんとに不安なのですね)
《あづみ》「わ、私はっ…大祐くんから貰えるプレゼントなら、何でも…」
《九条大祐》「あづみさんの誕生日なんですよ?この世で一番素晴らしい日です。…各務原あづみという、可憐で、何にも勝る可愛さを持つ少女が誕生した日。そんな特別な日に、本人にプレゼントするものですから。悩みに悩みまくりましたよ」
《あづみ》「大祐くん…」
《ベガ》(…っ!ま、まさか…誕生日プレゼントが…あづみとの、こ、子供…っ!?)
《九条大祐》「…あ、自分で言ってて、誕生日プレゼントがこれで良かったのか、益々不安になってきました」
《あづみ》「大祐くんって、不安になりやすい…?」
《九条大祐》「あづみさん達の事になると、異常に」
《あづみ》「それ位…」
《九条大祐》「愛してやまないから、ですかね。なんて」
《あづみ》「え、えへへ…///」
《九条大祐》「あづみさんのその笑い方、俺、大好きです」
《あづみ》「あぅっ…えっ、と…ありがと…」
《九条大祐》「ふふっ、さっきからずっと、顔が真っ赤ですね。何時見ても可愛らしい」
《あづみ》「うぅ〜…///」
《九条大祐》「…うん。俺も良く、今まで理性で欲望を抑えられたもんだ」
《あづみ》「…あっ!」
《九条大祐》「どうかしました?」
《あづみ》「大祐くん…敬語」
《九条大祐》「…あっ、懐かしいですね」
《あづみ》《九条大祐》「………………………………………」
《あづみ》「えへへ」
《九条大祐》「あ、はは…」
《あづみ》「大祐くん、笑い方がぎこちないよ…!?」
《九条大祐》「この笑い方に慣れてないもんで」
《あづみ》「そ、そうなの…?…………確かに、そうだね」
《九条大祐》「ほんと、笑顔ですらぎこちないとかどういう。笑い方が分からないんですよね、ははっ」
《あづみ》「顔が笑って無い…」
《九条大祐》「ね?」
《あづみ》「う、うん」
《九条大祐》「…反応に困る様な話題を出して、申し訳無い」
《あづみ》「ふふっ、私は楽しいから大丈夫、だよ?大祐くんとお話すると、つい時間を忘れちゃう…」
《九条大祐》「……あづみさん」
《あづみ》「…ん…と、大祐くん…?」
《九条大祐》「ああいや、ずっとあづみさんの事を抱き続けてて良いのかなって」
《あづみ》「私は…此処が、良い…な…?」
《九条大祐》「ベッドの上に俺が座って、その俺の膝上に、あづみさんが乗る。なんだこの…言い表せない感情はっ…!」
《あづみ》「…何時も思うの。大祐くんの膝の上、胸元、腕の中、凄く安心するな…って」
《九条大祐》「あづみさんが側に居て、あづみさんの笑顔を見ていられるなら、それで満足です。俺が何かをする事で、あづみさんが笑ってくれるのなら…どんな事だってしますよ」
《あづみ》「大祐くん…ありがと。でも、無理はだめ…だよ?」
《九条大祐》「いえ、無理でも熟してみせますよ。それが俺の幸せですから。…あづみさんが笑顔で居てくれる事が」
《あづみ》「…じゃあ、大祐くんも、私に……あ、甘えて…?私は何時でも、大祐くんを受け入れるから」
《九条大祐》「それは嬉しい…けど、あづみさんに負担が掛かるなら、話は別。『甘えたい気持ち』というか…こう、癒されたい気持ち…?」
《あづみ》「わ、私に出来る事…なにかないかな…?」
《九条大祐》「俺の側で、笑顔で居てくれる事。…それが俺幸せで有り、同時に癒しにもなる。あづみさんの笑顔は、最高に可愛いですから!…なんて」
《あづみ》「…えっと……私、大祐くんと会ってから…ずっと、照れてばかり………///」
《九条大祐》「その照れてる表情のあづみさんも、可愛い事この上ない。…そんな娘が、俺の胸元に顔を埋めているんですよ?理性が吹き飛んでしまいそうで怖いです」
《あづみ》「…そ、そのまま……襲われちゃうのかな…?」
《九条大祐》「頰どころか顔全体を真っ赤にしてまで、無理しなくても大丈夫だよ。…襲い兼ねないのは間違いないけど」
《あづみ》「大祐くんになら、良い…よ…?」
《九条大祐》「……じゃあ、今直ぐ襲わせて貰いますね」
《あづみ》「ふぇっ…?」
ーーー