Z/Xの世界に転移 〜この世界で幸せを見つける〜(番外編) 作:黒曜【蒼煌華】
《ソリトゥス》「ほ、ほら…飛鳥くんっ…謝らないと…!」
《ベガ》「…ですが、ソリトゥスさんは別です。貴女は見知らぬ人にも優しく、弁える所はしっかりとしてますから」
《ソリトゥス》「えっ………と、……………………………えへへ……、ありがとう…ございます…」
《ベガ》「それに、雰囲気が何処と無く…こう、あづみに似ているのです」
《森山碧》「性格の問題じゃないのか?」
《天王寺飛鳥》「一概にそうとは、言えへんけどな」
《ソリトゥス》「…?」
《ベガ》「物静か、という接点でしょうか」
《あづみ》「お母さん、どうしたの?」
《リゲル》「あづみがベガに対して『お母さん』、ね…相変わらず慣れないわ」
《ベガ》「慣れるも慣れないも個人次第ですよ、リゲル。ですが…私が各務原あづみの母親である事に、何ら変わりは有りません」
《ヴェスパローゼ》「あら、良い事言うのね」
《きさら》「ぃいこと?」
《リゲル》「…ヴェスパローゼとベガって、何方の方が立場上なのかしら…」
《ナナヤ》「同等?」
《天王寺飛鳥》「はっきりとは分からんやろな」
《森山碧》「おーい、知ったかみたいな発言は止しとけ」
《あづみ》「お母さんと…ヴェスパローゼさん…?」
《ソリトゥス》「あづみちゃんは………実感…湧いてないみたい……」
《ベガ》「まだ、馴染めていないというのもありますね」
《リゲル》「ベガが馴染めていないのなら、私が慣れないのも仕方ないわよね?」
《ベガ》「それとこれとは話が別です。他人の所為にしてはいけませんよ」
《リゲル》「…う…諭されてる気分だわ…」
《ヴェスパローゼ》「ま、何方が上であろうと…大祐の妻になるのはきさらで決まっているから、あまり関係無いわね」
《ベガ》《リゲル》「…!」
《きさら》「つ、ま…ぉよめさん?」
《ナナヤ》「そうだよ〜」
《きさら》「だいすけ、の?」
《ナナヤ》「うん」
《きさら》「なゆっ!」
《ナナヤ》「だめっ、私がなるの〜」
《きさら》「ぅゅ…きぃ、まけなぃっ」
《ヴェスパローゼ》「小競り合いが始まってるわね」
《ベガ》「…ヴェスパローゼ、今の言葉は聞き捨てありませんね」
《ヴェスパローゼ》「小競り合いの事かしら」
《リゲル》「いいえ、その前よ」
《ベガ》「ヴェスパローゼ、大祐の妻に相応しいのはあづみです。それだけは頭に入れておいて下さい」
《あづみ》「ふぇっ…!?」
《リゲル》「そうね、あづみ意外有り得ないわ」
《あづみ》「リゲルまで…」
《天王寺飛鳥》「なんやなんや…大祐君争奪戦かいな」
《森山碧》「ああいうのには、ぜってー首を突っ込んじゃ駄目だ。二次災害が飛んでくるぞ」
《天王寺飛鳥》「はははっ、大祐君も大変やなぁ」
《ソリトゥス》《森山碧》「…………………………………………………………………………………」
《森山碧》「(先ずは自分の心配をしろよ…)」
《ソリトゥス》「飛鳥君…鈍感過ぎ………」
《天王寺飛鳥》「?」
《ナナヤ》「ちょっと!私を抜いて話を進めるの禁止っ」
《ヴェスパローゼ》「ふふっ、確かに…その可能性がなきにしもあらず、ね」
《ベガ》「なきにしもあらず、ではないです。あづみの将来は、大祐に全て託してますから」
《あづみ》「お、お母さんっ」
《リゲル》「だからあづみ以外に有り得ないって話ね」
《あづみ》「り、リゲル〜…」
《きさら》「あづ…、きぃ…」
《あづみ》「…うん…きさらちゃんも、嫌だよね…」
《きさら》「うぃ」
《ヴェスパローゼ》「こういう時の為に、予め大祐に伝えておいて良かったわ?きさらが大人になったら、1人の『女性』として見て頂戴って」
《ベガ》「大祐がその子をどう見ようと、大祐自身があづみを大好きな事に偽りは生まれません。彼自身、あづみの事を妻にしたいと思っているでしょうし」
《リゲル》「それに、きさらが悪いとは言わないわ。自分の望みをきさらに押し付ける、貴女が悪いのよ」
《ヴェスパローゼ》「ブーメランね」
《リゲル》「…!と、兎に角、私達で啀み合ったって仕方無いじゃない」
《ベガ》「親の意見より子の意見を優先しろ、という事ですか?リゲル」
《リゲル》「えぇ」
《ヴェスパローゼ》「急に正論を並べ始めたわね」
《リゲル》「正論なんだから、良いじゃない。…………けど、私だって大祐の事……」
《ベガ》「リゲル?」
《リゲル》「………はっ、な、何でもないわっ」
《ヴェスパローゼ》「あらあら、自分に素直になれば良いじゃない」
《リゲル》「う、五月蝿いわねっ。余計なお世話よ」
《ナナヤ》「………あれ、私…放置されてる?」
《森山碧》「安心しろ、俺達も同類だ」
《ナナヤ》「そういう話じゃないもんっ、大祐くんは渡さないからね!」
《森山碧》「…俺に言うなよ!?」
《天王寺飛鳥》「確かに二次災害喰らっとるな」
《ソリトゥス》「…色々と、付いていけない…」
《ヴェスパローゼ》「リゲル、貴女も本当は大祐のーー」
《リゲル》「最初はあづみって決まってるもの。私は……次点、かしらね」
《ベガ》「…意外に消極的ですね」
《リゲル》「だ、だって、大祐の1番はあづみじゃない。私の大切な2人が結ばれてくれるのであれば、大歓迎よっ」
《ヴェスパローゼ》「無理しても良い事無いわよ?」
《ベガ》「リゲル、貴女は優しいのですね」
《リゲル》「そんな事…無いわよ…?」
《ヴェスパローゼ》「…それでも、大祐の1番の妻になるのはきさら、だけれど」
《ベガ》「いいえ、あづみです」
《リゲル》「…………………」
《あづみ》「…お母さん、リゲル」
《きさら》「ろーぜ…」
《リゲル》「…あづみ、どうかしたの?」
《ベガ》「大祐の事でしょうか」
《ヴェスパローゼ》「それなら…ふふっ、きさら…貴女なら大祐の良い妻になれるわよ?」
《きさら》「ろーぜ…ぁかった」
《ヴェスパローゼ》「あら、意外とやる気満々ね。その意気で…大祐を我が物にしてみなさい?」
《リゲル》「何だか、きさらに対しての試練みたいになってるけれど…私達がそうはさせないわ」
《ベガ》「ええ、それに、あづみと大祐の愛は崩れませんから」
《あづみ》「お母さん、リゲル…じゃあ…」
《あづみ》《きさら》「「私(あづ)ときさらちゃん(きぃ)の2人だけ、大祐くん(だいすけ)のお嫁さんになる(なゆ)」」
《ベガ》《リゲル》《ヴェスパローゼ》「………っ!?」
《森山碧》「……んぁ?凄い事になってきたな…ってか、何時になったら来るんだよ…大祐」
《ナナヤ》「ちょっと!オチは譲らないからねっ。さっきからずっと放置されてたんだもんっ、少しは見せ場を…」
《森山碧》「いや、知るかよ!?早いとこ大祐に頼まれた事を熟せ…」
《ナナヤ》「…あ、そうだった」
《天王寺飛鳥》「この子、天然なんか…?」
《ソリトゥス》「さ、さぁ………?」
《ナナヤ》「私だって、大祐くんは譲る気無いからねっ」
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