デート・ア・ライブ 雫キャッスル   作:事の葉

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おはようございます。
眠いです。
寒いです。

羽織るコタツとかってないですかね?

まぁ、頑張ろう。


ではでは、ご閲覧くださいませ~


遊園地

‐side 雫

 

 侵入者が一階を突破し、試練(バベル)を全て超えると予測されたと、先程自立思考プログラムから告げられた。

 ここまで来たら、何してもらおうかな・・・あぁ、そうだ。読みかけの本があったんだった。読んでもらいたいな・・・言えるかな? 

 

 その侵入者の話を聞いて、私の心は自分でも分かるくらいに揺らいでいる。自分を人形だという事実を忘れさせるくらいに。

 

「まぁ・・・頑張ろう」

 

 何処か他人事。これはいつも通り。

 もし、侵入者が私を殺すような存在だったら、守れる能力を持たない私は、即刻殺される。一応ここにも攻撃システムは行き届いてるみたいだけど、他の階と比べたら圧倒的に低いことは確か。私が確認できる範囲では機関銃10丁と歩兵5体。並大抵の人間ならこれで事足りるけれど、ここまで来るんだったら、銃弾の嵐はいとも簡単に抜けて私の首を掻っ切るだろう。

 

「死ぬのか・・・なんか、嫌だな」

 

 

 

‐side 士道

 

 後方から冷気を感じながら奥にある扉に手をかける。

 何かで抑えつけられてる程に重たい扉を開ける。と、光が俺達の目を襲う。

 少しずつその明るさに慣れていき、二つ目の試練に目を向ける。

 先程までの薄暗い空間とは打って変わって、屋内とは思えない程の明るさ。そして、そこにあるのは紛れもない、遊園地だった。

 コーヒーカップやメリーゴーランド、バイキング等、その数は本物の遊園地よりも少しだけ少ないか、それか同じだ。

 

「どういうことだ?」

 

 まだ後ろから微かだが聞こえる甲冑の動く音と、冷気を感じることから、外にワープした訳ではないらしい。だが、ここはどう見ても、太陽の下にある遊園地だ。

 

「だーりん。見てください」

 

 美九が何かを見つけたのか、壁を指差す。

 他の皆が茫然としている中、そちらに向かうと、そこに試練の内容が書いてあった。

 

「『誘惑に打ち勝つ者、先に進む』・・・って、どういうことだ?」

「私が思うに、遊園地の乗り物に乗るなってことだと思いますよぉ。 遊園地の乗り物の誘惑に打ち勝った人だけ、先に進める。多分ですけどぉ、乗ったら不可視の壁でも出来るんじゃないでしょうか?」

 

 まさか美九に説明されるとは思ってなかったよ・・・

 

「っていうことだそうだ。皆、アトラクションには乗らないよう・・・・・・に・・・・・・」

 

 振り返り、皆に向けて言うが、終盤になってようやく、もう遅いと分かる。

 

 耶倶矢が少し先にあるメリーゴーランドの白い馬に乗ろうと足をかけているまさにその瞬間なのだ。

 

「耶倶矢! 今すぐ降りろ!」

 

 俺の怒りにも似た声に耶倶矢が一瞬ビクッ、と震え、またがろうとした脚を下ろし、しゅんとする。

 

「い、今すぐそっちに戻るから!」

 

 そう言って柵の入り口を開けようとする。

 だが、どうしても開かない。俺達から見て鍵は確認できないが、恐らくないだろう。

 

「ど、どうした?」

「開かない・・・!」

 

 ガチャンガチャン! と音を立てる柵。

 

「もう飛び越えろ!」

 

 鍵がどれだけ強固かは知らないが、もうこの方法しかない。

 金とかの定義があれば後で払うことにして、そう指示すると、耶倶矢がブンブンと首を振る。

 

「これ、バリアみたいなのが張ってある。内側からだけ・・・」

 

 いつもの厨二病口調も忘れ、パントマイムをするようにそのバリアに手を合わせていく。

 先程の美九の予想がピッタリあたっていたとは驚きだ。

 

「ぐ・・・」

『仕方ないわ。耶倶矢にはここで待ってもらいましょう』

 

 インカムから聞こえる琴里の声が非情な現実を告げる。

 しかし、他に選択肢もない。試してないが、恐らくは天使の力も通用しないだろう。

 

「すまん耶倶矢! 絶対戻ってくるからな!」

 

 拭いきれない罪悪感で頭がいっぱいになりながらも、耶倶矢の横を走り去っていく。

 

「安心しろ・・・我は独りになったところでそう容易くは折れはせぬ」

 

 なんでこの空間で厨二病的なポーズを取れるんだろうか。

 

「不安。耶倶矢はあぁは言っても寂しがり屋さんです」

 

 その隣で、耶倶矢の双子、夕弦がむぅ、と唸る。

 俺もそれは知っている。耶倶矢はいつもは女王様みたいな口調だが、それは威厳を保つ為。本来は普通の子だ。いや、普通よりも心優しい。だからこそ不安なんだ。

 

 耶倶矢が泣く姿が思い浮かんでしまう。

 

 大丈夫だ。大丈夫な筈だ。

 

 そう言い聞かせて、扉を探す。

 

 

 

 

‐side 琴里

 

 ここまででまず3人が脱落した。

 2人は脱落、というか、その場に残ることを志願した、鳶一折紙と四糸乃。

 1人は閉じ込められた、というのが一番正しいか。八舞耶倶矢。

 

 今現在〈機界城(シャムシエル)〉の内部に送ったカメラによると、折紙と四糸乃に傷はないが、消耗が激しいのか、息が上がり始めている。

 耶倶矢は今別れたばかりだから急激な変化はないが、やはり士道と夕弦と別れたのが相当心にきている筈だ。

 

「後どれだけあるのよ・・・」

 

 あのクリスタルが言っていた。剣山か、熱か、はたまた、残虐な方法か、士道達を排除していく。

 あの遊園地。私が思うに、隔離させて、心を殺すのだろう。それか、狂気に誘うか・・・。よくある話だが、遊園地には何処か不気味さを感じる。

 それはきぐるみによるものかもしれないし、ピエロに対するものかもしれない。不安感を増す仕掛けがあっても可笑しくはない。

 

 何せ、今まで誰も踏み入ったことがない領域のこと。

 私達が出来るのはただ、予測するのみであり、何も対処することができない。

 もしかしたらあと98階あるかもしれない。

 

 指令するしか出来ない私が憎い。




こういうの書くのが本当に苦手な今日この頃。
このサイトって本当沢山な方が素晴らしい小説を書きあげてるんですけど、その才能というか、学力というか、知識というものは何処で売ってるんですか? すぐに買いに行くんですけど。


今回は耶倶矢ちゃんが脱落です。最初は八舞姉妹二人にしようと思ったんですが、それだと面白くないなと思い、1人にしました。一番好奇心旺盛っぽいけれど、あの展開は無理矢理だったかなと思ってます。


では、またいつかー。

あ、部活始まったので更新ペースが遅くなる可能性がありまするが、亀を観察する飼育員の気持ちになって私を見守っておいてくださいな。

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