デート・ア・ライブ 雫キャッスル   作:事の葉

18 / 23
どうもこんばんは。事の葉です。

パソコンが壊れたり、アニメ見たり漫画見たりで遅れてしまいました。まことに申し訳ございません。

私の作品を前から見ている方なら知ってると思いますが私の『早めに投稿します』は信じちゃダメですよ?

はい。すいませんでした。

ではでは、ご閲覧くださいませ


楽しい

‐side 士道

 

 ロケットを作る場合、基本的にはスマートフォンの中にある写真や、現像してある写真を元に作られるそうだが、生憎俺たちには写真がない。

 店には時々そんな客が来るそうで、そういった時には専用のデジタルカメラで写真を撮影して、それを使うそうだ。

 

「では、20時までに」

 

 言って、店員はひらひらと少し上品に手を振る。

 

 どうやら、この店では閉店一時間前までに写真を撮影してこれば、後は1時間足らずで作り上げてくれるそうだ。

 

 店の入り口のすぐ隣に置かれている綺麗にペンキで塗装されたベンチに腰をかける。

 

『ほほう。これはまた、面白いシステムですね』

 

 雫の鞄から自立防衛プログラムがひょいと顔を出してカメラを見る(いや、目があるかわからないんだけど)。

 

「とりあえず、色々と見て回るか。写真、頼むぞ?」

 

 コクコクと頷いて返す雫。どうやら初めて見るデジカメに興味を惹かれたらしい。

 そもそも、ずっと城にいたから外の世界の何もかもが楽しみに見えるんだろう。十香もそうだった。何事にも興味を示していた。

 

「これ、どうやれば…」

『私に聞かれましても~。初めて見るものですしぃ』

「えぇっとな、このボタンを押すと写真が撮れるんだ。あとは、ここでズームだな」

 

 雫の手を取って、一つ一つ説明していく。本来なら指を差すだけでいいんだけど、上げ方の分からない雫の好感度が上がるかもしれないから、少し攻めるのがいいだろうと自己判断した結果だ。

 

「あ、ど、どうも。ありがとう、ございます」

 

 ぽつんと返す言葉。その表情は赤くなるでもなく、感情らしい感情が見受けられない。唯一辛うじて判断できるのが困惑なだけだ。

 ミスったか、と内心焦ったが、心を切り替えよう。

 

『……ふむ。よし、さっきのホテルに戻りましょう』

 

 何をどう判断して、どういった思考回路を通してそんな結論が出たのか分からないが、とりあえずこいつの言葉はスルーして問題無かろう。幸い、雫も聞こえていなかったようだし。

 

『士道、近くの市バスから水族館行きが出るらしいから、そうしましょ』

 

 耳につけたインカムから聞こえる琴里の声に、頷いて賛同。向こうからはこっちが見えているから多分理解してくれたろう。

 

「なぁ、少し先に水族館があるからそこ行こうぜ」

「あ、は、はい」

 

 表情を取り戻した様子の雫がカメラから顔を上げ付いてくる。

 

 

 

 

‐side 雫

 

 士道さんは優しい。それは理解してる。

 水族館へ向かう途中も、人ごみではぐれないように私の手をしっかりと握ってくれてるし、話しかけてくれる。

 けれど、そうだけれども。

 

「雫?」

 

 士道さんに声をかけられて、はっと我に返る。

 くだらないことを考えている内に水族館についたみたいだ。

 市バスに10分ほど揺られて着いた先、海が少し遠くに見え、ジェットコースターや観覧車など、少し小さめの遊園地が隣接してある。

 

「あ、す、すいません」

 

 適当に試し撮りした写真を確認してからカメラをバッグに入れて、駆け足で彼の元へ。傍から見たらそれこそカップルに見えるんだろうなぁ…

 

 どうやらこの水族館は高校生まで無料だったようで、手首にチケット代わりの紙製のリングをつけられる。

 

「こちらパンフレットと地図です」

 

 若い女性が可愛らしい笑顔を見せてパンフレットを渡してくる。

 私もこんなに表情が豊かなら、もう少し士道さんも楽しめたんだろうなぁ。

 

 士道さんもまた笑顔で返す。私は何もできずに、一度頭を少し下げてから恐る恐る掠め取るように貰う。

 

「結構広いんだな」

 

 入り口から少し外れ、ベンチが置かれている部分に移動してから、地図を開く。

 都内最大を誇りとするだけあって、三階建てで、一階ずつの広さもあるので、全てを見るとなると、半日では足りなさそうだ。

 

「あ、士道さん。三時からイルカのパフォーマンスがあるみたいですよ」

 

 左端に書かれているイルカショーの時間割を指差して士道に見せる。三時のショーが今日最後なようだ。

 

「お、それは見ないとな。あ、でも、まだ時間あるから、色々見にいこうぜ」

「は、はい!」

 

 私らしくもないと理解しながら、無意識で放つ喜びの声は、自覚していても抑える術を知らない。

 

「あ、そうだ雫」

 

 士道さんに言われ、私は首を傾げて返す。いつの間にやら呼ばれることにも慣れたみたいだ。プログラムが小さく含み笑いしたのも気にならない。

 

「その、さん付けやめてくれないか? いや、お願いとかじゃないからさ」

 

 一瞬私の表情が人形に戻ったのが士道さんには見えたんだろう。けれど、お願いじゃない、という一言でその人形は姿を消した。

 

「はいっ。士道」

 

 私は楽しいんだろう。

 自分でも気づかないほどに、嬉しそうな声を上げた。




はい、まぁ、どうも。
最近、学校の図書室にライトノベルが増えていっているのに感動と驚きを同時に感じてます。いやぁ、時代は移り変わるもんですなぁ。

私が小学校の頃なんて小説と図鑑、絵本ぐらいだったのに、感動です。

さてはて、今回は雫ちゃん急成長ですなぁ。基本敬語なのに、呼び捨てにしてくるってリアルでもよくあるんだけど、そんな女子を見るたびに「いいなぁ」って思ってしまいます。分かる人にはわかるハズ。

次回は、うーん、来月中旬までには(汗)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。