やはりこの姉弟妹はまちがっている。   作:カーガッシュ

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どうもカーガッシュです。
前回のあとがきで材木座編にはいるとなっていましたが今回は雪ノ下家での話です。

これからは一編終わるごとに家での出来事を挟んでいこうと思いますので宜しくお願いします。


今回は少し長めですが最後までお付き合いくだされば幸いです。



ではどうぞ!


第5話 雪ノ下姉弟妹は仲がいい

Side雪ノ下家

 初めての依頼が終わり、家に帰ってくると夕方五時ごろだった。

「ただいま」

と雪乃が言った。雪乃は家に誰もいなくてもただいまやらいってきますやら挨拶をしている。まあ行ってきます。を言っているのを知ったのはいっしょにでかけた時でわりと最近なのだが・・・。

「なあ。なんで誰もいないのに挨拶してるんだ?」

少し気になったので聞いてみると、

「いいでしょ。別に・・・」

とすこし顔を赤らめて言った。かわいい。

「嫌ならいいけどよ・・・」

そういうと俺たちは着替えるために自室へと戻った。

しばらくしてリビングに戻ると雪乃はリビングでテレビを見ながらくつろいでいた。

「ふう」

そう言いながら雪乃の隣に座ると雪乃が不思議そうにこちらを見てきた。

「な、なんだよ」

俺がそう問うと

「あら、覚えていないの?」

こう言いながら雪乃はちょこんと首を傾げた。

「覚えてないって何をだ?」

「今日は夕飯の当番でしょ」

ああそうか。そのことか。

「すっかり忘れてたわ。まあ由比ヶ浜のクッキーのせいで今は全く食欲がないけど」

「それのせいだったのね・・・。あれを食べたなら無理もないと思うけれど」

正直今は食べ物のことなど一切考えたくない。

「今日は外に食べに行くか。今すぐは無理だけど」

「私もまだそんなにお腹はすいていないから大丈夫よ」

雪乃がそういうと俺の携帯が鳴った。

「お、すまん。メールだ」

一言詫びを入れて携帯を見ると、姉ちゃんからのメールだった。ていうかLINEだった。

お姉ちゃんお腹すいちゃったなー

夕飯できてる?

と送られてきていた。

いや。今日は外に食べに行く予定だけど

と返しておいた。すると間髪入れずに

今日は八幡の手絵料理が食べたいなあ

と帰ってくる。

今日は勘弁してください。

えーどうしてー

いろいろあって・・・

こんな風に抵抗を続けていると

なら最後の手段だ!

と送られてきた。なんかすごく嫌な予感がする。

送られてきたのは一枚の画像だった。

 それは姉ちゃんと一緒に寝た時の写真だった。

寝たといってもただ同じベッドで睡眠をとっただけだ。

この写真がどうかしたのか?

と送っておくとすぐに返事が返ってきた。

雪乃ちゃんに襲われたって言って見せちゃうよ?

な、なんだと。それはマズい。雪乃はなんだかんだ言ってお姉ちゃん大好き!みたいな性格をしている。(本人は否定するだろうが)くそ!俺の負けだ。やっぱり姉ちゃんにはかなわない。さすがです!お姉さま。

負けました。

と、とりあえず送っておくと

じゃもう少しで家着くからよろしくー

と来たので立ち上がってキッチンへ向かう。

「あら。結局作るのね」

「お、おう。なんか姉ちゃんがもうすぐ帰るからつくっておいてほしいらしい」

「そう」

それだけ言うと雪乃はテレビをまた見始めた。

 さて姉ちゃんが帰ってくる前にすこしでもつっくっておこうと思い冷蔵庫を開ける。今日は面倒だし冷蔵庫の中にあるもので適当に作るかと思って冷蔵庫の中を開けると、中にはマヨネーズとケチャップ等の調味料と飲み物しか入っていなかった。

「なんだと」

くそ。そういう理由か。自分が買い物に行くのが面倒だったのか。やられた!

仕方がない買い物に行こう。まあ近所のスーパーでいいだろう。

「雪乃―。スーパー行くけどなんかいる?」

一応、聞いておく。

「私も行くわ」

「いや。別に来なくてもいいぞ。なにがいるか教えてくれれば買ってくるし」

「自分のほしいものくらい自分で手に入れるわ」

「お前そういうとこあるよな」

「どういうことかしら」

雪乃がにらみつけてきた。もしかして自覚あるのか?

「まあいいや。行くなら早く行こうぜ」

そういうと俺たちはスーパーへ向かうため家を出た。

 スーパーへは徒歩で向かうことにした。俺は一応バイクの免許を取ったがまだ二人乗りはできないし(法律的に)必然的に徒歩になってしまうのだ。

 いつもは面倒な徒歩だが話し相手がいるだけで変わってくる。まあ話がすすめばだけど・・・。

「そういえば、夕飯何を作るか決めてなかったな」

「あら。てっきりもう決めていると思っていたわ」

「なんか食べたいものあるか?」

「そうね。八幡が作るものは何でもおいしいし何でもいいわ」

「お前も相当料理できるだろ。」

「八幡には負けるわよ。」

雪乃は少し悔しそうにそういった。さすがは負けず嫌いだ。

そうこうしていると前方から見覚えのある人影が見えてきた。

「あれ。雪乃ちゃんと八幡じゃん。結局外食にしちゃったの?」

「違うわよ。食材の買い出しに行くのよ」

俺の代わりに雪乃が答える。

「ああ。なるほどね!」

俺に買い物を押し付けたくせに素知らぬふりをしている。

「姉ちゃんは今夜何食べたいんだ?」

「うーん」

「何なら姉さんも来ればいいじゃない」

「そうだねー。見ながら決めよっか」

結局来るんかい!

「はぁ」

「どうしたのー?ため息なんかついて」

「いや。何でもない。それより早くいかないと夕飯遅くなるぞ」

「それもそうね。早く行きましょう」

Sideスーパー

「結局献立は何にするの?」

「みんながとくに希望がないなら、無難にカレーとかにするけどいいか?」

「わたしはいいよ。雪乃ちゃんは?」

「私もそれでいいわ」

「なら決まりだな」

そういって買い物かごの中に食材を入れていくのであった。

大方の食材を揃えると雪乃がキョ〇ちゃんのチョコボールを箱ごと持ってきた。「そんなに食うのか!?」

俺が驚きながら言うと

「ち、違うのよ。今エンゼルを集めて応募するとパンさんの特性ぬいぐるみがもらえるから・・・。」

パンダのパンさんといえばデステニーランドの人気キャラクターだ。それが今、コラボキャンペーンをやっているらしい。

「そういえば雪乃はパンさんが好きだったな。そういえばまだ姉ちゃんには秘密にしてるのか?」

ちなみに当の姉ちゃんはお惣菜コーナーを物色しに行っている。

「ええ。姉さんには少しの弱みも見せたくないわ。後が怖いし」

「確かに」

「まあいいや。それも買うならかごに入れちゃえよ。重いだろ」

「ええ。ありがとう。でも代金は別でいいわ。生活費から出すわけにもいかないし」

「そうか。」

それはまあ仕方がない。

「エンゼルって一箱で揃うものなのか?」

「一箱では金のエンゼルが出ない限り無理だと思うけれど、今日はこれだけにしておくわ」

「そうか。ほかに買うものあるか?」

「とくにはないわ。」

「だったらあとは姉さんが持ってくる惣菜だけだな」

それを言うと同時に肩をたたかれ、振り向くと姉さんが惣菜を持って立っていた。

「これもお願いねー」

「はいはい」

そういってかごに入れるとレジへと向かった。

 

 

買い物を終え、現在帰り道。俺たちは雑談をしながら帰っていた。その時俺はふと思い出した。

「やばい。牛肉買うの忘れた」

「何をやってるのよ。」

「しょうがないからもう一回スーパーいってくるわ。先帰っててくれ」

そう言って俺は走り出した。買い物袋を持ったまま。

それを見た姉ちゃんが

「荷物くらい渡していけばいいのに・・・」

と言ったとか言わなかったとか。

 

 

Sideスーパー

スーパーに戻ると牛肉をかごに入れてすぐにレジに向かう。このスーパーは少し特殊な配置をしているのでお菓子コーナーを突っ切るとレジへの近道みたいになっているためお菓子コーナーを歩いているとチョ〇ボールが目に入った。それがきっかけで雪乃が言っていたことを思い出したのでチョ〇ボールを何箱か持って今度こそレジに向かう。ちなみに一箱に二十個のチョ〇ボールが入っている。

 会計をしていると俺はチョ〇ボールを二十箱近く買っていた。(こちらは牛肉とは別に自腹だ)それでも一箱1500円ほどしたので結構な値段になったが雪乃には普段から世話になっているのでたまにはこういったプレゼントもいいだろう。

 そんなことを考えているうちに会計が終了したので帰路についた。

 

 

side雪ノ下家

カレーの材料も持っていたので結構な大荷物になってしまい家に着くまで少し時間がかかってしまった。現在時刻は六時半。いまから作れば七時には間に合うだろう。普段料理をするときは限界まで効率化しているためカレーなんて時間がかかるのは煮込むことくらいだ。

 雪乃と姉ちゃんは自室だろうかリビングにはいない。ささっと作ってしまおう。

 

 それから三十分ほど経過したところでカレーが出来上がった。

「おーい。カレーできたぞー」

そういうと待ってました!と言わんばかりに姉ちゃんが部屋から出てきた。それに続いて雪乃も少し落ち込んだような顔をして部屋から出てきた。おそらくエンゼルは当たらなかったんだろうな。

 三人が食卓に着くと声を合わせて言った。

「「「いただきます!」」」

 

 

夕飯を食べ終わり洗い物を済ませると姉ちゃんが風呂に行ったのでこれはチャンス!と思いさっき買ったものをもって雪乃の部屋に行った。

雪乃の部屋のドアをノックすると

「八幡?」

と帰ってきたので

「そうだけど。入っていいか?」

と返しておいた。ちなみに雪乃の部屋はパンさんのグッズがたくさんあるので姉さんが入れないように鍵がついている。

「どうぞ」

入室の許可が取れたので雪乃の部屋に入る。早速本題に入ろう。

「エンゼルは当たらなかったみたいだな」

「ええ」

少し悲しそうに雪乃が言った。

「そうだろうと思った。少し調べたけど結構出る確率低いらしいぞ。そこでプレゼントだ」

そういって買ってきたチョ〇ボール二十箱を雪乃の前に出した。

雪乃は目を輝かせているが

「またこんな無駄遣いをして・・・」

雪乃さん?言葉と態度が一致してませんよ?

「まあいいだろ。その、なんだ。いつも世話になってるしそのお礼ってことで」

「そう。それなら仕方ないわね」

そういうと雪乃は微笑んだ。

「せっかくだし二人で一緒にあけましょうか」

「そうだな。結構量あるし」

「そうね。」

そう言うと俺たち二人はエンゼルを探し始め、心地の良い沈黙が流れた。

 

 

 

結果から言うと金のエンゼル二枚、銀のエンゼル十二枚という結果だった。これでパンさん人形が四体もらえるので雪乃もご満悦だった。

「さて、この大量のチョ〇ボールどうするか」

「少しずつ食べていくしかないわね」

「まあそれが妥当だな」

「そういえばさっき八幡がスーパーに行っている間にその・・・私がパンさんのことが大好きだということを姉さんが知っていることをしったわ」

「マジか。ここまで隠し通せてたのに。」

「姉さんによるとパンさんのことを私に教えたのは姉さんだったらしいのよ・・・。私たちはそのころまだ小さかったし覚えていないけれど」

「それならまあ、しょうがないな」

「そうね。でも少し悔しい気もするけど・・・」

「だったらこの大量のチョコ姉ちゃんに渡しちまえばばいいんじゃないか?」

「それとこれとがどうつながるの?」

「少しくらいいつもの仕返しをしてみてもいいんじゃないかと思ってな。それに姉さんの困った顔を見てみたい」

「そっちが本音でしょう。まあ私も見てみたいけれど」

「だったら決まりだな。姉ちゃんが風呂から出たらさっそく私に行こうぜ」

「ふふ。そうね」

 姉ちゃんが風呂からあがってしばらくしてチョコボールを渡すと、

雪乃と俺からのプレゼントということで結構喜ばれてしまい、俺たちの目論見が失敗に終わったのもまた一興である。

やはり俺たちの姉ちゃんは弟妹が好きすぎる。

 




最後までお付き合いいただきありがとうございました。


次回は材木座編に入ると思いますのでまたよろしくお願いします。



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