やはりこの姉弟妹はまちがっている。   作:カーガッシュ

1 / 8
どうもカーガッシュといいます。今回がss初投稿となります。拙い文章ですが最後まで読んでいただけたら嬉しいです。




ちなみにキャラの一人称は

八幡→俺
雪乃→私
陽乃→わたし
となっています。


ではどうぞ!


第1話 こうして雪ノ下家の夜は更けていく。

わたしの名前は雪ノ下陽乃20歳大学2年生。そんなんわたしが今なにをしているかって?

 

 

 

青春とは嘘であり、悪である。そんな言葉から始まる弟の作文を読んで爆笑していた。

「あっはっは。なにこの作文面白すぎるでしょー。まあ八幡らしいと言えばそうだけど」

「別に姉ちゃんには関係ないだろ」

「ちぇ、つれないなー。八幡は」

「それで、これほんとに静ちゃんに渡したの?」

静ちゃんというのは八幡のクラスの担任の先生のことだ。

「いや、課題なんだし当たり前でしょ」

「課題は高校生活を振り返ってっていうテーマの作文だったんでしょ?だったら違うじゃん!」

「そういえば平塚先生にも同じようなこと言われたな。」

「当たり前だよ。それで、どうなった?」

「なんだかんだで奉仕活動を命じる!っていわれて雪乃がやってる部活に強制入部コース。」

「ほぇー。雪乃ちゃんがやってる部活ってボランティア部みたいなのだよね確か」

「正確には奉仕部な」

「あーそうそう奉仕部、奉仕部でそれから」

「そこからは聞くも涙、語るも涙な事情があるんですよ」

「あ、そういうのいいから早く次」

「さいですか」

 

 

 

 

 

 

 

side総武高校奉仕部

 

 

 

 

 

 

「雪ノ下、入るぞー」

そう言って平塚先生は無遠慮にドアを開けた。

ちなみにここは特別教室からなる特別棟のとある一室だ。

ていうかなんで雪ノ下って呼んだの?俺教室の外にいるけど?

「平塚先生、ノックを」

困惑していると教室の中から聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「すまんすまん。でもきみはノックをしても返事をした試しがないじゃないか」

「返事をする間も無く、先生が入ってくるんですよ」

「それでなんで八幡がいるんですか?」

ため息を吐きながら雪乃が言う。

俺はこいつを知っている。

2年j組雪ノ下雪乃

俺の双子の妹だ。

「なんだ知り合いか?』

「「双子の妹(兄)ですよ(です)」」

俺たちが声を揃えて言った。

「双子!?ってえっ?えっ?ドッキリか!?」

なんだこの人さすがにそのくらいわかるだろ。苗字も同じだし。

「ていうか知らなかったんですか。苗字も同じだしさすがに知っているかと思いましたけど」

俺が思ったそのままのことを口に出す。

「いや、苗字が同じことくらい多々るだろ」

「私は雪ノ下なんて苗字親戚以外では出会ったことはありませんけれど」

「たしかにな。俺もない。」

「いや、確かに雪ノ下は珍しい苗字だが・・・でも双子って言う割には全然顔が似てないじゃないか」

「いや性別違う時点で二卵性でしょ」

「そうか。ほんとなのか・・・」

平塚先生が納得したように頷く。

 そこからしばらく沈黙が続きようやく雪乃が口を開いた。

「それでなぜ八幡はここに?」

「いやそれが俺にも「そうだった!」

お、おう。見事に俺の言葉遮ってくれちゃったよこの人。

「雪ノ下」

「「はい」」

「そうか、どっちも雪ノ下か。ええいめんどくさい。雪ノ下兄!」

「ひゃ、ひゃい」

急に呼ぶから噛んじゃったよ。ていうかなんだよ雪ノ下兄ってなんか他にあるだろ。普通に名前で呼ぶとか。

「君にはあのふざけた作文の罰として奉仕活動を命じる。異論反論は一切認めない」

「俺の意思は・・・」

「言ったろ。異論反論は一切認めない」

「さいですか」

「というわけだ雪ノ下妹。私からの依頼はこいつの人格矯正だ。知っていると思うが、こいつは性根根性性格目が捻じ曲がっているからな」

なんか違うの混じってなっかった?混じってたよね?目は違うよね?

「どうだ雪ノ下妹受けてくれるか?」

雪乃は少し考え込むような顔をしてから口を開いた。

「お断りします。八幡の自分の問題を自覚していないし、まずあのひねくれた性格を問題とすら思っていません。」

「ふっ。まあな」

「褒めてはいないのだけれど」

そんなテンプレート的な会話を挟みながら雪乃は続ける。

「それに八幡のこの性格私は八幡らしくていいと思いますが」

「なら依頼内容を変更しよう。こいつが世間とうまくやれるようなそんな人との付き合い方を教えてやってくれ」

平塚先生は先ほどの表情とは打って変わってとても優しく温かいそんな表情をしながら言った。

「それなら引き受けましょう。私も八幡がこの性格のままでは社会に出てから心配なので」

雪乃お前俺のことそこまで思って切れていたか。ちょっとウルっときちまったぜ。

「無職の兄なんて持ったら嫌ですし」

兄に対してなんてこと思ってんだよ!返して!俺の涙を返して!

「そうか。引き受けてくれるか。じゃあ私は仕事にもどる。後は頼んだぞ雪ノ下」

「善処します」

そういって平塚先生はこの部屋を出て行った。おそらく職員室に戻ったのだろう。

それからしばらくぼーと突っ立っていると

「突っ立っていないで座ったら?」

「そうだな」

そう言うとその辺にあったパイプ椅子を持ってきて腰をかける。

「そういえば雪乃ここはなに部なんだ?」

「あら、平塚先生にはなにも聞いていないの?」

「一切聞いていないな。いきなり連れてこられたようなもんだし」

「全く、説明くらいしておいて欲しいものね」

「全くもってその通りだな」

俺はこの雪乃の言葉に激しく同意した。

「では一つクイズをしましょう。ここはなに部でしょうか?ヒントは私たちの日常会話で一度話題になっているというところかしら」

「ヒントあってないようなもんじゃねぇか」

さすが日常会話となると候補が多すぎる上に特に印象的なことだったりつい最近の事じゃないと覚えていないだろう。ここはヒントを機にするよりも今までの状況から考察したほうが答えが出やすいな。

しばらく考えて思った答えを俺は口に出した。

「ボランティア部・・・か・・?」

「へぇその心は?」

「この部屋には特別な道具がないから茶道部や華道部など特別な器具が必要な部活はまずない。そしてお前と平塚先生との会話で依頼とかそんなような言葉が出てきていた。ということは人からの依頼を解決するそんなかんじの部活のはずだ。そしてお前の性格体力がないことなどを考慮して運動部でこれから外に出て活動すると言うこともまずないしそれを考えるとおのずとボランティア部と言う結論が出る」

それを聞いて雪乃は一言

「おみごと」

と言った。

「正解か?」

「正確には奉仕部と言うのだけれどほとんど正解だわ。定期テスト学年一位はだてじゃないわね」

「なんだ嫌味か?大体お前もいつも一位か二位じゃねぇか」

前回のテストで俺に一位を取られたことがくやしかったらしい。

「そうね。あなたからすればこれも嫌味に聞こえるのね。学年一位の八幡くん」

訂正。ものすごく悔しかったらしい。

「それで依頼が来ていない間はなにをするんだ?」

「基本的には自由よ。勉強をするのもよし。読書をするのもよし」

「そうか。なら本でも読むか。っと後五分で下校時刻だな。」

「そうね。今日はもう帰りましょうか」

その言葉を合図に俺たちは帰りを始めた。

「鍵は私が返しておくから。八幡は車を呼んでおいて」

「ああ。わかった昇降口にいる」

「ええ」

そういうと雪乃は職員室に向かって歩き出した。

 雪ノ下家は俗にいう裕福なの家庭だ。俺たちの父は市議会議員だか県議会議員だか知らないがそんなような仕事をしていて、母は雪ノ下建設の社長をしている。かくいう俺も株やら投資やらで資産は億を超えている。まあそれはおいといて。そのため学校には送迎の車が来るのだ。その送迎車を電話で呼ぶと、雪乃が昇降口まで来るのを待つ。2分ほどして雪乃が階段を降りて来た。

「車は来た?」

「さすがにこんな早くは来ないだろ」

「そう」

そこからしばらく二人を心地よい春風が包み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

side雪ノ下家リビング

 

 

 

「そんなことがあったんだ」

わたしは八幡の話を聞いて口を開いた。

「さすが静ちゃん。やることがごういんだねー」

「いや強引すぎるでしょ」

「確かにね。でもそれが静ちゃんのいいところでもある」

「さすがに直してほしいけどな」

「あははー。それで雪乃ちゃんはなんて言ってたの?」

「なんてってなにが?」

「八幡と一緒に部活やることについてだよ」

「そういえば特になにも言ってなかったな。」

「ちぇ、つまんないのー」

「いやつまんないもなにもないでしょ」

「まあいいや。他にも聞かせてよ八幡の学校の話」

「雪乃に聞けよ。もう寝たい。それに親父たちそろそろ帰って来るぞ」

壁にかけられた時計を見ると短針、長針共にてっぺんを指し示していた。

「どうせお父さんたちは会社に泊まるでしょ。自分たちの居住スペース作っちゃうくらいだし」

わたしたちの両親は滅多に家に帰らない。そのため放任主義になってしまっている。

「まあ。たまには姉ちゃんといろいろ話すにも悪くないか。」

「お、珍しく乗り気じゃん!じゃあまずは・・・・・」

こうして雪ノ下家の夜は更けていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




これから定期的に更新していくので是非読んでください!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。