完結まであと2日。未だに最終回をどう迎えようか思い浮かばない。
それではご覧ください。
生徒会長は何とあの雪ノ下がなった。応援演説がまさかの葉山だったことが一番の驚きだったな。噂の1年生立候補者も事実であり、そいつは残念ながら落選した。学年1位で教師も一目置いてるような人物が相手だから、仕方ないっちゃ仕方ないな。
そんな生徒会選挙も終わり、防寒具が恋しい程の寒気が下界に舞い降りた今日この頃。教室の中にはマフラーをしている人が多数。授業中であれど今日くらいは教師も許可しているようだ。
何故かというと、雪が凄いからだ。吹雪に近い降雪。足場は不安定だし風は強いし、学校に来る前から皆すでに満身創痍だ。遊ぶ気にもなれない。
「う~、さぶい」
「こんなの予想外だよ」
「天気予報大外れ」
「帰りどうしようか」
春歌の友達4人はこの突然の雪に不満を漏らす。他の奴らも今よりも帰りの事を心配しているようだ。
「はぁ、寒い」
春歌もこの寒さに参っているようで、ため息をついた。
「春歌は比企谷君とくっつかないの?温かくなるよ」
「う~ん…」
友達にそう聞かれた春歌は俺を横目に考え始めた。そこで悩まれると彼氏としては結構複雑なんだが……。
「だってねぇ……」
「だって」
春歌は何故か気恥ずかしそうな表情で俺らを見渡した後、そっぽを向いて小さな声で呟いた。
「そうしたら、嬉しすぎて暑くなっちゃう」
その言葉を聞いて、一同ポカーンとなり、沈黙が生まれた。春歌の今の様子に、この後言う事は決まっている。それは皆同じのようだ。
『かわいい』
一同言葉を揃えて感想を述べると、春歌は後悔の念を表情に出し、机に突っ伏した。
「比企谷君。くっついてあげて」
「さすがにここではできねぇよ」
◆
放課後、不安定な足場、不規則な風、それらを一層パワーアップさせる雪に翻弄された俺と春歌は自宅への道から一旦外れ、いつもの喫茶店に入った。この天候だし、中に客は全然いない。
「あれ?どうしたの2人共」
「あ、すいません。ここで休ませてもらっていいですか?」
「そういう事か。お安い御用よ。好きなだけいて」
「ありがとうございます」
「なーに、私と2人の仲じゃない」
すっかりこの女性店員と仲良くなった俺達。元々春歌は仲良かったけどな。俺も気に入られて連絡先を交換したのだ。
「はい、ホットココアだよ」
「ありがとうございます。しかし、こんな天気なのに仕事大変ですね」
「そうなの。こんな天気に来る人なんて滅多にいないのに。今日春歌ちゃん達が初めてよ」
それはもう閉店でよろしいんじゃないか?見た所厨房に1人しかいないし。ちなみにその人が店長だ。
「あ、少し話しませんか?このままいても暇ですし」
「いいねそれ。人もいないし、少し喋ろっか♪」
こうして、吹雪の中に佇む喫茶店の中で、俺と春歌と女性店員の雑談が始まった。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
また明日。