貯金したいけど、秋葉行きたいしシャドバ課金したい。フォルテ好き。
それではご覧ください。
年に一度の行事、修学旅行が終わり、落ち着きを取り戻した生徒は今日も今日とて授業授業。大きい行事が終わったら、進路について本格的に考えることが必要になる。進路ガイダンスや講習会の募集なども行うようになってきた。
それともう一つ、ここF組でも変化があった。
それはあの葉山グループだ。修学旅行が終わってから、なんだか全員ぎこちない。葉山が何とか話題を切り出しているが、その他の奴らは空笑いに無表情、俯きなど。それはもう崩壊寸前のように見えて仕方がない。
原因はなんとなく察している。ホテルで寝る時にふと耳に入った、男の告白宣言。3日目に実行した挙句、フラれて気まずくなったという事だ。俺の予想当たっちゃったじゃん。
そんなことはどうでもよく、そろそろ次の行事である生徒会選挙が始まる。風の噂では1年生が生徒会長に立候補したとか…。
放課後、春歌と帰宅中にて。
「めんどくせぇ」
「別に八幡がやるわけじゃないんだから」
「いや、ほら。ずっと立って話聞かなきゃいけないし。ぶっちゃけ誰でもよくね?」
「確かにそうだけどね。演説だって心にもない事言ってるだけだし」
ホットコーヒーを煽りながら、寒空の下、生徒会選挙の闇を呟く春歌。確かに俺らに演説した所で意味があるとは思えない。理由は単純。俺ら傍観者には関係がないからだ。投票だって大半は立候補者全員を〇にしている。演説を聞いたって『はいそうですか』としか思わない。まぁこれはあくまで俺の持論だ。世の中にはそうじゃない人も一部いるはず。
「私、こう見えて中学では生徒会やってたんだ~」
すまん、前言撤回だ。大事だよな生徒会選挙。やっぱり怠いと思っててもしっかり聞いてないといけないんだよ。彼らだって頑張って演説考えてんだから。
ていうか生徒会経験あるなら、そういう闇を呟くのもどうかと……。
「意外だな。役職は?」
「庶務」
「………似合うな」
「どういう事!これでも凄い仕事できて信用されてたんだから!」
春歌が会長、無いな。書記、会計、副会長、……ないな。そう思うと庶務の方が春歌にしっくりくる。
「え?私ってそんな地味」
「全国の生徒会庶務に謝りなさい。後それ自虐になってる」
「八幡から言ってきたんでしょ!」
「庶務は大事だぞ。雑用は多いが裏ではしっかり生徒会を支えている。ありがたい役職だ」
「へぇ、そうなんだ。なんかやったことあるような口ぶりだね」
「あくまで俺の主観的意見だ」
「そっかぁ。だからあんな雑用多かったんだ」
2人組の天才ゲーマー曰く、『何も持って生まれぬ故に何者にもなれる』。これは色々なところでも例えられる。今出てきた庶務でもだ。何も特徴がない役職からこそ、どんな時でも対応が効く。
「春歌ってすごいんだな」
「ど、どうしたの急に。褒めても嫁ぐことしかできないよ!」
「それこの上なく嬉しいんだが……」
最後まで読んでいただきありがとうございます。
後半の庶務の話に関しては、作者の個人的な見解です。
また明日。