俺達の高校生活は、平穏に過ぎていく   作:”アイゼロ”

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はい、どうも、アイゼロです。

貯金したいけど、秋葉行きたいしシャドバ課金したい。フォルテ好き。

それではご覧ください。


15日目

年に一度の行事、修学旅行が終わり、落ち着きを取り戻した生徒は今日も今日とて授業授業。大きい行事が終わったら、進路について本格的に考えることが必要になる。進路ガイダンスや講習会の募集なども行うようになってきた。

 

それともう一つ、ここF組でも変化があった。

 

それはあの葉山グループだ。修学旅行が終わってから、なんだか全員ぎこちない。葉山が何とか話題を切り出しているが、その他の奴らは空笑いに無表情、俯きなど。それはもう崩壊寸前のように見えて仕方がない。

 

原因はなんとなく察している。ホテルで寝る時にふと耳に入った、男の告白宣言。3日目に実行した挙句、フラれて気まずくなったという事だ。俺の予想当たっちゃったじゃん。

 

そんなことはどうでもよく、そろそろ次の行事である生徒会選挙が始まる。風の噂では1年生が生徒会長に立候補したとか…。

 

放課後、春歌と帰宅中にて。

 

「めんどくせぇ」

「別に八幡がやるわけじゃないんだから」

「いや、ほら。ずっと立って話聞かなきゃいけないし。ぶっちゃけ誰でもよくね?」

「確かにそうだけどね。演説だって心にもない事言ってるだけだし」

 

ホットコーヒーを煽りながら、寒空の下、生徒会選挙の闇を呟く春歌。確かに俺らに演説した所で意味があるとは思えない。理由は単純。俺ら傍観者には関係がないからだ。投票だって大半は立候補者全員を〇にしている。演説を聞いたって『はいそうですか』としか思わない。まぁこれはあくまで俺の持論だ。世の中にはそうじゃない人も一部いるはず。

 

「私、こう見えて中学では生徒会やってたんだ~」

 

すまん、前言撤回だ。大事だよな生徒会選挙。やっぱり怠いと思っててもしっかり聞いてないといけないんだよ。彼らだって頑張って演説考えてんだから。

 

ていうか生徒会経験あるなら、そういう闇を呟くのもどうかと……。

 

「意外だな。役職は?」

「庶務」

「………似合うな」

「どういう事!これでも凄い仕事できて信用されてたんだから!」

 

春歌が会長、無いな。書記、会計、副会長、……ないな。そう思うと庶務の方が春歌にしっくりくる。

 

「え?私ってそんな地味」

「全国の生徒会庶務に謝りなさい。後それ自虐になってる」

「八幡から言ってきたんでしょ!」

「庶務は大事だぞ。雑用は多いが裏ではしっかり生徒会を支えている。ありがたい役職だ」

「へぇ、そうなんだ。なんかやったことあるような口ぶりだね」

「あくまで俺の主観的意見だ」

「そっかぁ。だからあんな雑用多かったんだ」

 

2人組の天才ゲーマー曰く、『何も持って生まれぬ故に何者にもなれる』。これは色々なところでも例えられる。今出てきた庶務でもだ。何も特徴がない役職からこそ、どんな時でも対応が効く。

 

「春歌ってすごいんだな」

「ど、どうしたの急に。褒めても嫁ぐことしかできないよ!」

「それこの上なく嬉しいんだが……」

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

後半の庶務の話に関しては、作者の個人的な見解です。

また明日。

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