俺達の高校生活は、平穏に過ぎていく   作:”アイゼロ”

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はい、どうも、アイゼロです。

このシリーズはクリスマス辺りで完結にしたいと思います。

それではご覧ください。


14日目

修学旅行2日目も無事終わり、今日はいよいよ3日目の自由行動。春歌と2人で京都巡りだ。

 

「美味しい~♪」

「めちゃくちゃ美味いな。さすが本場」

 

俺達は今緋毛繊(ひもうせん)という赤い布が被せられたベンチに座って、団子に舌鼓を打っている。やっぱり京都と言われて思い浮かぶ物は、赤いベンチで団子を食う情景だよな。今俺と春歌はそれを体験している。

 

「それもーらい♪」

「あ、おい」

 

団子を持っている手を自分の口に持っていき、俺の団子をパクッとかっさらった春歌。幸せそうな笑顔が可愛いらしいねぇ。

 

「はい。八幡も」

「ええ……」

「何で嫌そうなの!」

「冗談だ」

 

差し出されたこしあん団子を一つパクリンチョ。ふむ、俺はみたらし派だが餡子も悪くない。

 

 

続いてやってきたのは、太秦映画村。そこにあるお化け屋敷に入ることになった。

 

春歌は大のホラーが苦手な奴だ。お化け屋敷に入ってから緊張していて腕にべったりくっついている。若干腕が痺れてきた。それと柔らかい。ナニとは言わないが。

 

「ひゃあ!!」

「ごふっ」

 

突然驚かされた春歌は俺の胸元に突進するかのような勢いで飛び込んできた。春歌の頭部が、ちょうど俺の鳩尾に……。

 

「あ、ごめん…」

「ああ、苦手なんだからしゃあない。それに鍛えてるから大丈夫だぞ」

「そ、そう………。きゃあああ!」

「ごふっ!」

 

・・・・・・・・・

 

「結構スリルあったな」

「う、うん…」

 

ダメだこりゃ。完全にあまりの恐怖で震えてしまっている。まさかここまでホラーが苦手だとは予想外だったな。見た感じ、昔何かあったんじゃないかと疑うレベルだ。

 

「春歌、昔ホラーとかで何かあったのか?」

「そ、それがね、昔お父さんとお母さんが」

 

あー、成程ね。大体分かった。あの両親の事だ。きっと春歌を怖がらせようと色々やってたんだな。そんで結果がこれか…。義父さん義母さん、やりすぎ。

 

馴れ馴れしい呼称をしながら、近くのベンチに座り、一息つく。座った途端、春歌は隣の俺の顔をジ~っと見ている。いやん、そんなに見つめられると恥ずかしいわ!…気持ち悪いな。自分でやって吐き気がした。

 

ここで俺の十八番である人間観察を発揮する。春歌が見据えているのは、俺の目ではなく、その下の鼻でもなく、さらに下の、口元。

 

「っ!?」

 

それが発覚すると、それと同時に春歌に胸倉をつかまれ、唇を重ねてきた。なんで…………。

 

「ん。落ち着いた」

「おい、俺の唇は精神安定剤じゃないぞ」

「気にしない。八幡嬉しそうなくせに♪」

「いや、まぁ、すげえ嬉しいけど……」

「そ、そっか……」

 

いや照れないでくださいよ。自分からやってんでしょうが……。

 

 

その後も、気まずい雰囲気にはならず、キスのマンネリ化を考えながら、京都観光を楽しんだ。

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

冬休み前に勉強机を撤去したから課題できない。今年で高3のくせに。

また明日。

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