俺達の高校生活は、平穏に過ぎていく   作:”アイゼロ”

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はい、どうも、アイゼロです。

徹夜です。

それではご覧ください。


12日目

「この時間は2週間後に行われる修学旅行の班を決めたいと思います」

 

LHRを進行する委員長の言葉に、文化祭中止という悲劇を払拭するかのように盛り上がる教室内。委員長の合図とともに、いつものメンバー、通称いつメンで集まり、班を形成させていった。

 

俺は自動的に春歌と春歌の友人に混じった。ありがたいことに男女何人ずつとかいう制限がないから気楽だ。

 

案外早く班が決まったから、委員長から追加指令。それぞれの班に旅行雑誌が配られ、何日目にどこに行くか簡単に計画をすることになった。

 

ここでも俺は傍観者。行先は春歌の友人に決めてもらい、俺は春歌と共に付いていく。

 

「3日目の自由行動はどうする?」

「時間内に戻ればどこ行ってもいいんだよね?」

「ならいっそ京都から出ようか!」

「あ、3日目は春歌と京都回りてえから、俺らは外れていいか?」

「私、3日目は八幡と一緒にいたいから、外れていい?」

 

同時だった。彼女たちが3日目の話をしていて、それを遮るタイミングまで一緒だった。春歌と顔を見合わせ、沈黙が続いた。春歌の友人は、雑誌で口元を隠して俺らを交互に見ている。絶対ににやけてるな。

 

「じゃあ、私達で春歌と比企谷君のデートプラン立てようか!」

「いいねそれ!」

「あわよくばラブホに誘導……」

「待って!?何で皆がそんなウキウキしてんの!そ、それに、高校生がラブホなんて!」

「春歌声でけぇ!」

「し、しまった……」

 

危ない危ない。いや、完全にアウトだけどな。けど、幸いにも周りが騒がしいからクラスメートの耳には届いていない。

 

一方大声で失言をした春歌は俯いて震えている。それを友達が笑いながら、頭を撫でてあやしている。なんだこのほんわかする百合空間は…。しかし、それはどう考えても逆効果だ。見ろ、ますます顔が赤くなってる。

 

「じゃあ比企谷君。3日目は春歌と楽しんできてね」

「おう。サンキューな」

 

 

放課後になり、俺と春歌はいつもの喫茶店に寄った。

 

「京都どこ回ろうか?」

「まだ2週間あんだし、今考えなくてもよくないか?」

「いいのいいの。こういう時間も楽しいし」

「まぁ、そうだな…」

 

コーヒーを啜りながら、京都旅行の雑誌を広げる俺と春歌。やはり京都と言えば神社巡りなんだろうけど、さっきっからグルメしか目に入らない。和菓子がめちゃくちゃ美味そう。

 

「あ、修学旅行?いいねえ~」

 

横から聞こえた声の正体は、春歌が前から知り合いの女性店員だ。実は俺も良くしてもらっている。この人、俺らがいる時は毎回働いてるけど、しっかり休みをとっているのか気になってしまう。

 

「はいこれ、サービスね♪楽しんでおいで」

 

そう言って俺らに1人前のパンケーキを置いていった。ありがたくいただこう。

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

友達と通話しながらだったから、夜生き残れた。

また明日。

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