今日は朝から用事があるため、早めの投稿です。
それではご覧ください。
文化祭が中止になった日から1ヶ月。俺と春歌は久しぶりにベストプレイスで昼食をとっている。春歌の友人が昼休みに用事があるのが理由だ。久しぶりの潮風はやはり心地いい。
「ねえ、八幡」
「ん?」
「高校卒業したら、どこの大学行くの?」
高2の2学期となれば、そろそろ考えなきゃいけない、進路。春歌は淡々とした口調で聞いてきた。
ちなみに俺は最初から決まっていて、深く難しく考える必要がなかった。理系が絶望な俺は私立文系一択だ。
そのことを話すと、春歌は頭をへこませた。
「私、特にやりたいことないし、大学もどこがいいのかわかんないんだよね」
「なりたい職業も無いのか?」
「うん」
「…いや、春歌はもう就職先決まってるぞ」
「え?どういう事?」
「俺の嫁」
「なっ!?」
柄にもなくそう言うと、春歌はバッと俺から視線を逸らし、顔を赤くして俺の腕を強く握った。筋肉はそれなりにあるため、全く痛くない。
「本当にこいつは……。普段あんなヘタレなくせにこういうことは平気で……!」
「ヘタレは余計だ。………でも、大学は行くとして、就職は考えなくていいんじゃないか?」
「でも、それだと八幡に迷惑」
「別に春歌のためなら、働いてもいいしな。でも、どうしてもというなら俺が主夫になってやるよ」
「いや、そんな期待された目で見られても……。八幡にはしっかり働いてもらうからね」
「はいはい、しっかり社畜するよ。公務員安泰だから、職種なんでもいい」
「適当だー……」
普通に会社勤めがいいんだろうな。教師だと生徒の陰口怖い。警察はめちゃくちゃ動きそうだから嫌だ。凶器とか怖い。他にもあるが体を動かすとか人助けの職業ばかりだ。俺には合わん。俺やっぱヘタレじゃん。
「なんかすげえ話逸れたな。結局大学はどうすんだ?」
「今決めたよ。八幡と同じとこ」
なんとなく予想はしていたが、驚いた。今の春歌なら頑張れば受かるだろう。ここの所文系の成績がますます上がっているし、モチベーションも申し分ない。
「志望動機は?」
「婚約者がそこ希望したから」
「それ絶対進路調査票には書くなよ?」
「書くわけないでしょ!?即書き直しだよ!」
もし担任の先生にそれを見せたら、絶対職員室で涙を流すだろうな。あの人、結婚できないのが一番の悩みらしいし。F組の生徒にたまに愚痴こぼすくらいだからな。その度に教室がどよ~んとした雰囲気になる。
「あ、私銀行員ワンチャンない?」
「そしたら誰が家事やるんだよ……」
「私が両立!」
「あほ。おとなしく俺に養われとけ」
最後まで読んでいただきありがとうございます。
また明日。