俺達の高校生活は、平穏に過ぎていく   作:”アイゼロ”

10 / 18
はい、どうも、アイゼロです。

明けましておめでとうございます。今年もわたくしアイゼロの作品をよろしくお願いします。

それではご覧ください。


10日目

2週間の準備期間を経て、今日はいよいよ文化祭。あるところは売店、あるところは劇やお化け屋敷など。額に汗を掻きながら仲間と共に楽しんだ文化祭準備。今日は出す側も出される側も精一杯楽しもうと、ウキウキが隠せない人がちらほらといる。

 

とでも思ったか?

 

現在俺は春歌の家にいる。当然隣に春歌が座っている。何故かというと文化祭は中止になったからだ。

 

文化祭が中止になった理由は、文化祭実行委員、通称文実の人が全然機能していなかったらしい。サボる人は大勢、生徒会役員やサボっていない真面目な人が必死に仕事を処理したらしいが、間に合わなかったと。

 

そのサボる人が出た原因があの相模という奴だ。あいつはノリで実行委員になったにも関わらず委員長をやっていたのだ。何を血迷ったのか理解に苦しむ。

 

風の噂で聞いた話だと相模が実行委員の皆にサボってOKみたいな発言をしたらしい。そこにはあの学校でかなり有名の雪ノ下雪乃とその姉が関係している。それくらいしか俺らは知らない。

 

まあ案の定相模は全校生徒からブーイング&罵詈雑言。体育館ステージで全校生徒に土下座させられていた。3年生は正直可哀想だと思うな。今年で最後なんだから。

 

まぁ、同情の余地もないな。ざまぁ、としか思わない。

 

「暇だね。八幡」

「まぁ、予定が消えた人間だったら皆こうなるだろ」

 

文化祭を回る予定が無くなり、今は春歌の部屋でオセロをやっている。

 

「そういや、春歌の親って2人共働いてるのか?」

「うん。お母さんはパート。お父さんはカウンセリングのお仕事してるんだよ」

「お前のお父さん凄い人だったんだな」

「まぁ、この間の見たら想像もできないよね……」

 

娘の彼氏を混乱に陥れる人がまさかのカウンセリングを生業としていたとはな。

 

 

八幡とはあれからオセロに某イカゲー、映画とか楽しんだ。一緒に文化祭を回るという楽しみがなくなったのは、正直残念な気持ちだった。まぁ、いつものように家で遊ぶことも楽しいけどね。

 

だけど、八幡との約束がまだ果たしてない。もうすぐ日が暮れるというのに、未だにキスをする素振りすらない。これはもう私から……。いやいや、八幡が自分から言ったんだから、ちゃんと果たしてもらわないと。

 

「んじゃ、そろそろ帰るわ」

 

なんて考えてたら、とっくに外は暗くなっており、晩飯時だった。

 

深く、深-く、落ち込みながら、玄関で八幡を送る。

 

「っ!」

 

すると、力強く胸倉をつかまれ、八幡の唇と私の唇が重なった。突然すぎる出来事に頭が追いつかない。だが、顔はしっかり追いついているようで、みるみるうちに顔が火照ってきた。

 

「は、八幡……」

 

顔をあげると、顔を赤くした彼の横顔が映った。ちょっと可愛い。

 

「俺は友達いねぇから約束が重なることがない。だから、約束は絶対に覚える体質だ」

 

彼は私の頭に手を置きながら、早口でカッコつけたことを言い、早足で帰っていった。

 

彼の背中をしばし見守る。私の口角は今日で一番上がっていた。

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

なんとYouTubeの動画のコメントで『ハーメルンのアイゼロさんですか?』と来て、めちゃビックリしました。まさかの読者来た!?

また明日。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。