……やらかしてしまった……。決闘で強襲科の暴君こと蘭豹を一方的ボコり降参まで追い込んだせいで今の俺はとてつもなく胃が痛い。主に視線とか視線とか。
「よおミノル。やらかしちまったな!」
うっせぇ撃つぞ
「へ、ヘイ! ここは穏便に平和に行こうぜ。暴力ダメ絶対ラブ&ピース!」
今俺が銃を押し付けているのは
「それで勝元、何の用だ」
「お前さんに手紙だ」
頭に押し付けていた銃をホルスターに戻し勝元にそう聞くと神妙な顔になり1通の封筒を手渡してきた。
「なんだこれ」
勝元に聞くがわからんの一点張りだったので諦めて糊付けされた封筒を開く。
「………嘘だろおい」
中に入っていた手紙を読むと俺が一番来てほしくない人間ベスト3の内二人が東京武偵高に来るという趣旨の手紙であった。
「お、おい! 大丈夫か?」
「……勝元、今すぐ逃げる準備をしないと。お前は車両を頼む!」
「わ、分かった! 分かったから揺らすな!」
冗談じゃねぇ……あの二人が来たら地獄なんてのが生易しく思えるようなことになる。何としても逃げるか阻止しないと……!
穂が
「なっ!? お、お前ら何でここに!?」
穂は振り返り後ろに立っていた二人の女子生徒を視認するとまぶしい笑顔と恐ろしいまでの殺気に普段は感じない恐怖に一瞬たじろいでしまう。
「久し振りねミノル!」
「お久し振りですミノルさん」
……グッバイ俺の学生生活。ようこそ地獄へ。
「……何だかヤバそうだから俺は先に帰るわ! 生きて帰ってこいよ!」
そして友人にも見捨てられる。
「クソッタレ! 死んでたまるか!」
ミノルは脱兎のごとく逃げ出した。だが、それを許す二人ではなかった。
「……一体どういうことなのか教えてくれ」
「事情は聞かないでくれ……取り敢えず暫く匿ってくれ」
俺はなんとか二人の追跡をかわして男子寮にあるキンジの部屋に来ていた。
「まぁ、構わんが……蘭豹か教諭か?」
「助かるよ。蘭豹とは違うが連中よりもっとヤバイやつが来たんだ」
マスターズ連中よりヤバイ奴と聞いてキンジは露骨に顔をしかめる。
「頼む! この通りだ!」
ジャンピング土下座を敢行するミノルに嫌とは言えず結局
キンジは穂を部屋に匿うことになった。
~~???said ~~
「ちっ、見失いましたか……流石ミノルですね……」
「……これで三度目ですね。この国には仏の顔もなんとやらという言葉もあるようですしこれ以上は優しい私たちでも……」
そう呟きながら二人の女子生徒は武偵高男子寮にある部屋へ歩いて行く。
~~said out ~~
「で、一体どういうことなんだ?」
俺は
「詳しいことは言えんがとにかくマスターズの連中よりヤバイやつが
本当にあいつらはヤバイ。戦闘能力だけじゃなくて俺に対しての感情というかとにかく色々なものが危険なんだ。
「あの化けもの連中よりヤバイって暗殺者か何かなのか?」
キンジはさっぱり分からんといった表情で冷蔵庫から取り出したコーラの缶をミノルに手渡す。
「暗殺者ならどれだけ良いことか……」
相手が暗殺者なら殺せば良いがあいつらは殺せるかどうかすらあやしい。
「……まぁ、お前も苦労してるんだな」
今日初めて会った奴に親切にも匿ってくれた上に心底同情したような目をするキンジに涙が出そうだ。
「そんなわけで2、3日泊めて――」
ピンポンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポ―ン!
突然部屋になり響くチャイムの連打にキンジはぶちギレミノルはホルスターからHK45 を引き抜く。
「うるせぇな! そんな連打しなくても直ぐ出――なっ!?」
「遅い! 私がチャイムを鳴らしたら5秒以内に出ること!」
「な、何で神崎、お前が!?」
「アリアで良いわよ」
「ちょっ、勝手に!」
なにやら玄関が騒がしくなり少し覗いてみるとピンク髪のツインテール幼女……じゃなかった、何故かトランプ柄のトランクを持った神崎・H・アリアがいた。
……もしかしてだか、もしかしてキンジの部屋にアリアが来たってことはもしかして……。
押し問答を終えたアリアはクルッと振り返りあの言葉を言い放った。
「キンジ、ミノル! あんた達私の奴隷になりなさい!」
はい、来ました奴隷宣言!
例の二人は次回に。あとミノルの表記変えてみました。